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【日本経済新聞掲載】CRMツールの活用で顧客ロイヤルティー向上に挑む象印マホービン

CRMツールの活用で顧客ロイヤルティー向上に挑む象印マホービン

CS(顧客満足)戦略にもとづくデジタルマーケティング施策を推進し、顧客ロイヤルティ―の向上を目指す企業が近年増えている。炊飯ジャーや電気ポットの市場で国内トップクラスのシェアを誇る象印マホービンもそうした一社だ。同社は2018年に製品ユーザー向けの会員サイトを全面的に見直し、「ZOJIRUSHIオーナーサービス」サイトへと刷新。顧客情報管理(CRM)ソリューションを積極的に活用したマーケティング施策が奏功し、顧客ロイヤルティ―の向上に成功した。そんな象印マホービンの取り組みについて、同社 CS推進部の佐藤隆之氏と、CRMソリューションを提供したシナジーマーケティング 取締役の岡村雄太氏が意見を交わした。

製品利用者を“ファン”にしたい

──象印マホービンでは顧客満足(CS:Customer Satisfaction)を高めるために、どのような戦略を推進していますか。

佐藤氏 象印マホービンは家庭用品メーカーとして、顧客満足を高めるためには製品の「品質」が最も重要だと考えています。創業から100年以上の長きにわたってお客さまの声に耳を傾け、社員が一丸となって品質の改善に真摯に取り組んできた結果、「製品の品質に妥協を許さない」という企業文化が育まれました。しかしながら、いかに品質を高めたとしても、お客さまの困り事がゼロになるわけではありません。製品を売りっ放しにするのではなく、お客さまが快適に製品を使用していただけるようにアフターサポートを充実させる必要があります。これが当社の推進するCS戦略の基本となっています。

最近はアフターサポート領域におけるデジタル技術の活用が進み、より多くのお客さまの困り事を素早く解決することが可能になりました。ただし自己解決型のサポートだけに偏ると、お客さまとの接点が無機質になりがちです。お客さまの声に耳を傾けるという原点を忘れず、“象印らしいCS戦略”を推進しようと心がけています。

象印マホービン株式会社 CS推進部 マネージャー 佐藤 隆之氏の写真象印マホービン株式会社 CS推進部 マネージャー 佐藤 隆之 氏

──そうしたCS戦略を推進するなか、象印マホービンは従来の炊飯ジャーユーザー向けの会員サイトを一新し、「ZOJIRUSHIオーナーサービス」をスタートさせました。従来のサイトにはどのような課題があったのでしょうか。

佐藤氏 従来のサイトでは炊飯ジャーの高級機種を購入したお客さまを対象に、月1回のメールマガジンを発行し、部品を2割引きで販売するサービスを中心に運営してきましたが、お客さまとの接点はメールを一方的に送信するだけであり、サイトの運営を始めてから7年間で1万2000人ほどの会員しかいませんでした。この数字は製品の販売台数からみても非常に低い数字でした。このような状況では、製品ユーザーのファン化・ロイヤルカスタマー化は難しく、顧客情報を有効活用する仕組みもないため、マーケティング施策につなげることもできていませんでした。

岡村氏 象印マホービン様の課題は、消費財・食品・アパレル・化粧品といったさまざまな業種のメーカーでもよくご相談を受けます。CS活動に取り組もうとしても、「社内の各部署・施策ごとに情報が分散していて顧客と一貫性があるコミュニケーションが取れない」「情報を集約しても活用できていない」という課題は多くのメーカーに共通しています。CS戦略を推進する人的リソースや予算がなかったり、顧客情報を管理する仕組みがなかったり、施策を始めてもいつの間にか形骸化してしまったりといった課題をよく耳にします。さらにデジタルマーケティングに取り組む企業のなかには、新たな顧客獲得のための施策に多くの予算や人材、リソースを費やしても、顧客ロイヤルティ―向上の取り組みが十分でない企業も多いと感じます。

新サイトの顧客情報管理基盤としてSynergy!(シナジー)を導入

──象印マホービンでは従来の課題を解決するために、どのような施策に取り組みましたか。

佐藤氏 「象印ファンを獲得する」「顧客の声を収集してマーケティングに活用する」という目標を掲げ、会員サイトを刷新するプロジェクトを立ち上げました。プロジェクトには社内の関係部署が参加し、お客さまに対して何ができるのか、どうしたらコアファンやロイヤルカスタマーになっていただけるのかといった議論から始めました。

そうしたなか、炊飯ジャーの高級機種を購入したお客さまだけでは効果的なCS戦略の推進が難しいと判断し、会員サイトの対象製品を順次拡大していくことも決めました。さらに、このような新しいオーナーサービスサイトへ刷新するには、「製品ユーザーのコアファン化」「登録者・製品の拡大」の両面を支える顧客情報管理基盤が必要だと考え、CRMソリューションの導入を検討することにしました。

岡村氏 CS活動という面からみて、そのスタート地点をオーナーサイトに置くという判断はとても賢明であり、王道とも言うべき良いアプローチだと思います。

シナジーマーケティング株式会社 取締役 クラウド事業部 部長 岡村 雄太氏の写真シナジーマーケティング株式会社 取締役 クラウド事業部 部長 岡村 雄太 氏

──CRMソリューションの導入を検討するにあたり、どのように情報収集を行いましたか。

佐藤氏 インターネットや取引関係にあった広告代理店への相談などを通じて情報収集を行いました。当初はCRMソリューションの導入によって何が実現できるのかといったことも知らなかったので、まずはさまざまな視点・手段でお客さまにアプローチできること、お客さまの個人情報をしっかり管理できること、誰でも簡単に利用できることなどを要件に挙げ、CRMソリューションを比較検討しました。

CRMソリューションの情報収集と比較検討を進めるなか、当社経営企画部からも紹介されたのがシナジーマーケティングの「Synergy!」でした。

岡村氏 シナジーマーケティングでは「製品ユーザーの顧客理解を深める」「製品ユーザーと長期的な関係を構築する基盤を整備する」という2つの目的を掲げ、コストと納期、運用を見据えた顧客情報管理基盤としてSynergy!の活用を提案しました。象印マホービン様に合わせたSynergy!の使い方を説明させていただくとともに、実際に運用する上で必要となる業務を想定した人的支援も盛り込みました。さらにSynergy!の豊富な導入実績を紹介し、顧客の個人情報をクラウドサービスでも安心・安全に管理できることをお伝えしました。

──シナジーマーケティングからの提案を受け、どのような理由からSynergy!を選定しましたか。

佐藤氏 最大の理由は当社の課題に対して的確な提案があったことです。また、Synergy!をすでに導入している他社からも話を聞くことができ、CRMソリューションを導入したあとの運用イメージがつかめたこと、誰でも簡単に利用できそうだと思えたことも、導入の大きな決め手となりました。

メルマガ開封率は30%超上昇

──こうしてSynergy!の導入を決めたわけですが、どのようなコンセプトの会員サイトを構築することを目指しましたか。

佐藤氏 プロジェクトでは新しい会員サイトのコンセプトとして「顧客満足度向上施策であるオーナーサービスを活性化することで、推奨者となる象印ファンを顕在化・創出・拡大し、将来の収益に貢献させること」を掲げました。これはつまり、当社の中長期的なマーケティング施策に貢献していくことが目的であり、新しいオーナーサービスサイトはいわゆる“ファンベース”を具現化する役割を目指しました。

岡村氏 シナジーマーケティングでは新しいオーナーサービスサイトの構築にあたり、大きく2つのフェーズで象印マホービン様を支援しました。

1つは「作る」フェーズです。このフェーズでは既存の会員サイトについて顧客を理解するための調査・分析を実施し、その結果にもとづいて新しいオーナーサービスサイトの会員基盤システムを設計・開発しました。

もう1つは「使う」フェーズ です。このフェーズは今まさに取り組んでいるところであり、メールマガジン配信の運用支援からサイト分析リポート、製品別アンケート調査、直販ECサイト(象印ダイレクト)との連携など、さまざまな取り組みを進めています。また進捗をしっかり確認して改善を繰り返すために、月次定例会を開催して追うべき指標の設計やリポートフォーマットの整備も支援しています。

──新しいオーナーサービスサイトへ刷新したことにより、どのような成果が得られていますか。

佐藤氏 登録会員数は順調に増加しています。特筆すべきは、月一回配信するメールマガジンの開封率が高まり、30%以上を常に超えるようになったことです。登録製品ごとにお手入れの方法や使い方などをお知らせするステップメールの開封率は60%以上にも及びます。さらにメール配信数に対するアンケート回答率も17%を超えるなど、登録会員の反応率が高いことも新しいオーナーサービスサイトの特長です。実際に製品を使用しているお客さまの声をタイムリーに収集し、素早く関連部門へ展開することで、商品企画をはじめとする弊社のマーケティング活動にもっと貢献していきたいと考えています。

オーナーサービスサイトに登録したお客さまのNPS(Net Promoter Score:顧客ロイヤルティ―指標)も年々上昇傾向にあり、一般のお客さまと比較しても高いスコアが出ています。このことからもオーナーサービスサイトの取り組みが成功していると実感しています。

岡村氏 当社は「作る」フェーズと「使う」フェーズを通じて、象印マホービン様がお客さまに対して、最終的にどのような情報を届けたいのかを意識して支援してきました。ですから、こうした成果を目の当たりにすると、当社メンバーの努力も報われます。とはいえ、すべての成果の根底にあるのは象印マホービン様がこれまで築き上げられてきたブランドであり、お客さまを満足させる商品力であることは間違いありません。そして佐藤さんのCS推進部が主導して、継続的な活動に尽力していることも成功の要因だと感じます。

象印マホービン株式会社 佐藤氏とシナジーマーケティング株式会社 岡村氏の写真

お客さまをよく知りロイヤルカスタマーを増やしたい

──象印マホービンは今後、オーナーサービスサイトをどのように発展させていこうと考えていますか。

佐藤氏 これまでも弊社ではユーザーとのつながりを重視してさまざまな活動に取り組んできましたが、デジタル技術が発展し、Synergy!のようなCRMソリューションが充実してきたことで、よりたくさんのお客さまの声を聞き、つながりを持つことができるようになりました。また、私たちメーカーがどのようにモノづくりをしているのか、製品に込めた思いをお客さまに伝えることも可能になりました。

今後も製品の持つ品質の高さ、オーナーサービスのきめ細やかなサポートを通じて、多くのお客さまに象印ファンになっていただける、そんな理想的な姿の実現を目指していきます。

岡村氏 これからCS活動を強化する企業は、まずは目的となりたい状態、そして手元の強みを整理するところから始めることをお勧めします。多様なツールの選定も大切ですが、象印マホービン様のように、しっかりと運用できる体制を築き、運用イメージを持った上で始めるというのが重要です。

象印マホービン様の取り組みはCS戦略にもとづく施策を成功させた好例であり、当社もこのプロジェクトに参加していることに感謝と誇りの気持ちを抱いています。これからも、さらなるオーナーサービスサイトの進化・発展に貢献していきたいと考えています。

いまはVUCA(ブーカ=変動性・不確実性・複雑性・曖昧性)時代と言われています。新型コロナウイルス禍による社会の変化に加えて、国境を超えた社会情勢も大きく変わり続けています。また、デジタルネーティブ世代が消費の中心になってきており、嗜好や購買行動は多種多様で捉えにくいものになりつつあります。そんな状況のなか、いつも企業を支え応援してくれるのは、その企業の熱心なファンであるお客さまです。

今後、企業とファンの関係は、コミュニケーションを取るだけのフェーズから「共創」というフェーズに移り変わっていくと考えています。「企業はファンとともにブランドをつくり上げていき、ファンとの絆の強い企業が選ばれていく」という循環が生まれる──。そんな世界観を実現するためのパートナーとして、シナジーマーケティングは選ばれる存在でありたいと考えます。

──本日はありがとうございました。

※2022年6月13日~2022年7月12日に日経電子版広告特集にて掲載。掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます。

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