ECの行動履歴から見えてきた「個」のお客様
メルマガの改善にも効果的なデータの集約と活用

株式会社カインズ

自社ECサイトの売り上げを伸ばすために、まずはメールマガジンを強化

ホームセンター業界でトップクラスの売上を誇るカインズにとって、2013年はECに本格的に取り組んだ年でした。今年の2月にamazon、10月には楽天市場と、日本の大手ECサイト2つに立て続けに出店し、同社のECへの取り組みは大きく拡大しています。同社のECへの取り組みは、2006年のECサイト「カインズホームオンライン」立ち上げにさかのぼります。自社ECサイトからの売り上げは順調に推移し、今では全店舗の売上げランキングにおいても100番以内に入るまでになっています。カインズのECへの取り組みについて、同社のeコマース事業推進部 部長の坂田様は、このように話します。

「ホームセンター市場は飽和状態にあり、売り上げから見た既存店舗の成長率は鈍化しています。しかし、ECサイトの成長率は、前年比較で2倍以上になっています。この成長をさらに拡大していくために、最初に取り組んだのがメールマガジンの強化です。従来は、すべての会員様に週1回のペースでメールマガジンを配信していました。しかし、この方法ではお客様の興味をかき立てることができていないのでは、と感じていました。ECの売り上げを伸ばすには、新規のお客様を獲得すると同時に、リピート率も向上させていかなければなりません。そのために、比較的取り組みやすく、効果が期待できるメディアがメールマガジンだと判断しました。そこで、Synergy!360を利用した施策を始めたのです」

Synergy!360に行動履歴データを集約し、メールマガジンからの成果が向上

カインズのSynergy!360を活用した取り組みは、「個のお客様像をもとにした」メール配信です。そのためにまず行ったことが、Synergy!360を活用した会員様の行動履歴データの収集と集約です。この内容を坂田様は、このように解説します。

「Synergy!360を利用し、会員様がメールマガジンのどのURLをクリックしてECサイトに来訪し、どの商品を購入したのか、その購入金額から過去の購買履歴までを把握できる仕組みを構築しました。つまり、メールマガジンによる成果が、クリック率からコンバージョン率まですべて可視化されたのです。この仕組みのもとでメールマガジンを配信し購買データを集約することで、会員様の行動履歴が蓄積されます。その行動履歴データを分析することで、メールマガジンの成果につながるポイントが明らかになってきました」

そのポイントの1つが、性別によるメールマガジンの送り分けです。蓄積された行動履歴データの分析から、性別によって商品カテゴリの差異が明確に出ていることが分かりました。この結果を坂田様は語ります。

「今までは、担当者の勘と経験値に頼っていたものが明確に数値で証明できたことは、大きな成果でした。この結果のもと、男性には当社のプライベートブランド(PB)商品であるビール『黄金(こがね)』を、女性には収納用品『キャリコ』を、それぞれメールマガジンの件名とメインのコンテンツに配置して配信しました。結果は明確に出ました。一斉配信と比較して、約3%クリック率が向上しました。同様の取り組みを継続することで、クリック率と購買率は少しずつ確実に向上しています」

分析により見えてきた「意外なお客様の姿」を今後のEC施策に反映

カインズは、「個のお客様像をもとにした」メール配信への取り組みをさらに押し進めるため、顧客を価値観で分類する「Societas(ソシエタス)※」の利用を始めています。Societasは、「家庭的な真面目タイプ」や「自己中心的なアクティブタイプ」などの12個の分類からなる「日本人の特性パターン」です。同サービスは、お客様を本質的に理解するヒントを提供します。Societasについて、坂田様はこのように語りました。

「Societasを利用することで、個のお客様の姿が見えつつあると感じています。現在は、どういった内容をお届けすれば、そのお客様に響くのかを検証している段階ですが、意外な発見もありました。例えば、当社のプライベートブランド(PB)ビール『黄金』をセットで購入する用途は、パーティーなどを想定していました。しかし、購入するお客様像をSocietasを通して見ると、『アウトロータイプ』も多いことが分かりました。パーティー用途ではなく、一人でじっくり楽しむケースも多いことが推定されます。この場合、お客様に届けるコンテンツのクリエイティブも異なってきます。より好まれるサイトづくりにも活かすことができると思っています」

カインズは、来春にはリアルの店舗とECサイトを連携する取り組みを開始する予定です。その取り組みに向けた展望を、坂田様はこのように明かしました。
「店舗とEC サイトでの購買履歴が把握できることで行動履歴データが増大し、より正確に『個』のお客様の姿が見えるようになってくると思います。今はまだテスト段階なので、さまざまな施策に取り組んでいますが、店舗とECサイトを行き来する流れを構築したいと思っており、全社方針として注力していきます」

※Societas(ソシエタス)についての詳細は、弊社のクラウドサービス「iNSIGHTBOX」をご参照ください。

※記載されている内容は取材当時のものであり、一部現状とは異なることがありますが、ご了承ください。

eコマース事業推進部
部長 坂田 雅宏 様

株式会社カインズ

カインズは、「For the Customers」という経営理念のもと、お客様の生活文化の向上に貢献すべく、ホームセンターとして住環境を改善する商品などを幅広く提供しています。近年では、プライベートブランド(PB)を積極的に展開し、「CAINZ=ライフスタイル」をテーマに、お客様の好みにあったライフスタイルを提案するという新たなチャレンジに取り組んでいます。

メールマーケティングやWeb広告施策など、CRM活動をトータルにご支援した弊社事例の2015年度版。5事例を掲載。