新たなタッチポイントの創出に成功
見込み顧客の引き上げとOne to Oneの施策

サイバー大学

強みは、緻密なマーケティングと質の高いカリキュラム

―― まず、サイバー大学について教えてください。

「サイバー大学は、ITとビジネスを体系立てて学べる通信制大学です。2007年4月に福岡市の構造改革特区を活用して設立され、通学不要で学士が取れる大学ということが一番の特徴です。『学びたい時間に』『学びたい内容を』『場所を選ばず』受講できるため、忙しい社会人やハンディキャップを持つ方にも学びやすい環境なのではないでしょうか。
また、ソフトバンクグループである強みも活かしてキャリア支援にも力を入れています。新卒採用はもちろん、働きながらキャリアアップを目指す社会人学生にも転職希望者向けのセミナーを開催しています。そういった取り組みが認知され、入学者数も年々増加しています」

―― 入学者数が増加しているのは、通信制教育や生涯教育自体の需要が高まっていることも関係しているのでしょうか?

「文科省が出している統計を見ると、実は通信制大学の入学者数自体は毎年1万5千人程度で横ばい、むしろ減っているくらいなんですよ。一方で通信制大学や学部の数はすごく増えています。つまり、入学希望者は増えていないにもかかわらず、進学先の選択肢は増えている。必然的に、大学による熾烈な入学者獲得競争が起こっているんです。
そんな中で、サイバー大学の入学者数が順調に増加しているのは、マーケティングとカリキュラムの質の向上に注力してきた結果だと思います。入学者の7割を占める社会人学生は、やはり価値に対する判断がシビアで、かつインターネットにも慣れているのでサイトの見やすさや使いやすさにも敏感です。そういった学生たちを満足させ、興味を持ってもらうためには継続した取り組みが必要です。そのため、マーケティング施策はすべてKPIを設定して細かく数字を追っていくし、授業のカリキュラムも時代に合った内容にブラッシュアップしていくため、専任のスタッフが毎期見直し、学習ニーズに合わせて開発・改良しています」

資料請求・メルマガ登録から入学希望まで興味関心の引き上げ

―― 入学者を獲得する、サイバー大学のマーケティングはどのようなものですか?

「基本的にはWebマーケティング中心に組み立てています。広告に関しては、テレビCMや新聞広告などは利用せずWebを中心に広告を出稿しており、クリック単価やCV(コンバージョン)をこまめにチェックしながらチューニングしています。資料請求や説明会予約などのCVがあった方に対して、メールマーケティングを軸にした引き上げ施策をおこなっています。株式会社立ということもあり、新しいマーケティング施策に取り組みやすい環境だと言えると思います。なんとか時代に乗り遅れないようにして、通信制大学ではマーケティングのトップランナーを目指したいと思っています」

―― それだけマーケティングに注力される中で、課題に感じていた部分はあったのでしょうか?

「入学者を獲得し続けるためにできることを考えると、見込み顧客へのリーチは広告施策やWebサイトの導線改善をおこなうことで実現できていると感じています。
資料請求からの説明会参加、説明会参加からの出願など、サイバー大学と接点を持った入学検討者を次のステップに導く引き上げの部分をどう改善していくかが大きな課題でした。これまでは資料請求や説明会の予約などの接点を持った方に対して、その接点や属性ごとにセグメントせず、5通のオートメールを送っているのみでした。メールは興味度の引き上げに最適なコミュニケーションではあると思っていたのですが、導入当初から変わらないメール形式が、期間経過と共に陳腐化しておりましたので、まずはデザインリニューアルをしたいと思い、シナジーマーケティングに依頼したのです」

One to Oneコミュニケーション施策が多くの問い合わせと出願を生んだ

―― 弊社からはメールのデザインだけではなく視点も提案いたしました。

「はい。シナジーマーケティングから、接点ごとにコミュニケーションシナリオを用意するメールマーケティングの提案をもらいました。『資料請求だけした人』と『入学説明会に申し込みした人』とでは、知っている情報や必要な情報も違いますし、次のステップも異なります。なので、例えばメルマガ登録者には『資料請求』と『大学説明会』を案内するなど、次のステップを案内するといった導線上の工夫をしました。

タッチポイント別のコミュニケーション施策

また、メールの中に『いつでも近松までお問い合わせください』といった返信を促す導線を用意しました。もともと、問い合わせにはコールセンターによる専用の窓口で対応していました。大学の制度や仕組みに関する基本的な質問は窓口で対応し、深い質問があった場合には、コールセンターからエスカレーションする仕組みでした。しかし、接点があった方と関係性を作るためには、One to Oneコミュニケーションが必須だろうとも感じていたのです。そのため、メール対応管理システム『Synergy!HEAR』で、直接対応できるようにしたのです」

―― “One to One”という面で他に意識したことはありましたか?

「まず、メールに使用する写真ですね。親近感を高めるため、なるべく商用の素材をやめて社員の顔や社内の風景など実際の写真を利用するようにしました。次に、メールを私の名前で送るようにしました。おかげさまで、入学説明会で自己紹介した後に『あの近松さん!』と声を掛けてくれる方も多くいました。説明会の限られた時間だけでは距離が縮まり切らないこともあり、課題意識を感じていたので、説明会前に少しでも親近感を持ってもらえるきっかけが作れたことはよかったです」

―― お問い合わせ窓口への問い合わせはありましたか?

「反響は大きかったですね。一人では対応しきれないほど問い合わせがありました。お問い合わせ内容は、『Synergy!HEAR』に集約し返信対応をしています。本当に興味を持ってくれている方でも、いきなり電話するのはハードルが高いと思います。そんな方のためにメールで気軽にお問い合わせしてもらえる仕組みを作ることができ、成果につながっています。また、興味のある人に、大学のことを良く知る私たちがコミュニケーションできるようになったことも、次のステップに引き上げる面で貢献できていると思っています。実際に資料請求後、メールがきっかけになって説明会予約をされた件数が昨年の3倍近くに増えております。
『Synergy!HEAR』が便利だったのは、問い合わせデータベースの情報と紐づいているので、どんな属性・フェーズの人からの問い合わせであるのかを確認しながら返信ができる点です。

親近感を与える問い合わせ対応のフロー

結局、入試係全体として、昨年1.5倍のお問い合わせをいただき、そのうち85人の方から出願がありました。こういった定量的な成果も重要ですが、身体的なハンデや経済面で不安があるといった機微な問題をお持ちの方や、電話での問い合わせができない海外在住の方など、個別対応が必要な質問にも柔軟にお応えすることができましたので、大学としてより多くの人に学びの門戸を広げることができた点も評価しています」

入学から卒業まで。一貫して学生をサポートできる体制構築へ

―― では、最後に今後の展望についてお教えください。

「最近、体制変更があり、入学前のマーケティングと入学後のハード・ソフト両方のサポート業務をおこなう部署がひとつになりました。それによって、今までは入学者獲得・その後のフォローと分断されていたところがひとつになり、一気通貫で学生の動向を見ることができるようになりました。そのため、マーケティングにおいても入学者数だけでなく授業の履修率・卒業率まで見ていく必要が出て来ました。たとえば、今も少し取り組んでいますが、学生の受講履歴を見ながら離脱の可能性が見えてきた場合に最適なタイミングでフォローするなど、きめ細やかに学生をサポートしていきたいですね。
また、マーケティング・入学者獲得でも、Webサイトの閲覧履歴からスコアリングをおこなったり、フォローメールのバリエーションをさらに増やして機微のある情報を届けていきたいとも思います」

―― ありがとうございます。では、最後に弊社に期待することなどあれば教えてください。

「これまで以上にたくさん情報提供していただけると助かりますね。シナジーマーケティングのメルマガには、知りたいけれどWebではなかなか見つからない情報も盛り込まれているので、いつも新しい知見を取り入れさせてもらっています。メルマガのデザインや内容で気に入ったものがあれば、すぐにWeb担当に『このデザイン、うちでもできないかな?』って聞いたりしてますし。今後も、そういった最新の情報提供や積極的な提案を期待しています」

この事例でご利用いただいているSynergy!の機能や料金の資料をダウンロード

※記載されている内容は取材当時のものであり、一部現状とは異なることがありますが、ご了承ください。

学務部入試課 塩田 由香 様
学務部入試課 近松 忠昭 様

サイバー大学

サイバーユニバーシティ株式会社が運営するサイバー大学は、インターネットを通じてすべての講義を受講できる国内初の通信制大学です。ITやビジネスを学びたいと思う学生や社会人のために、充実したカリキュラムや入学後のサポート、学費面でも支援し、広く門戸を開いています。また、カリキュラムの改善やマーケティングなどの活動においては指標を設定し、機動性をもって取り組んでいます。

メールマーケティングやWeb広告施策など、CRM活動をトータルにご支援した弊社事例の2015年度版。5事例を掲載。