Webフォームの見直しで、
阪急阪神不動産の強みである「質の高い接客」を実現

阪急阪神不動産株式会社

阪急阪神不動産株式会社は、2013年6月に中古住宅をリノベーションして理想の住まいを実現するサービス「Reno-Bloom(リノブルーム)」を開始しました。
自分らしい住まいを持ちたいと考える昨今のリノベーションニーズともマッチし、Webサイトからの問い合わせもコンスタントに来ていました。しかし、2015年10月、同社はリノブルームの大幅なフォーム改修に踏み切ります。問合せが順調に伸びていたにもかかわらず改修したのはなぜか?そもそもなぜWebフォームなのか?取り組みの裏にあった課題とその成果について、責任者の古城様に伺いました。

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-INTERVIEW-

古城 昭洋 氏
阪急阪神不動産株式会社 住宅事業企画部 事業企画担当 課長

※部署名・役職は取材当時(2016年1月)のものです

質の高い接客を実現するため、フォーム改修を決断

―まず、フォーム改修に至った背景について教えてください。以前のフォームは、デザインもシンプルで整ったフォームでしたが、変更したのはなぜですか?

古城氏 いただいたお問い合わせへの対応の質を高めるためです。以前のフォームは、項目数を絞る、必須項目を少なくすることで、お客様にできるだけ入力の負担を感じさせないように意識して作成していました。
その結果、お客様に気軽にお問い合わせいただけるようになり、お問い合わせ数は順調に推移していましたが、反面、情報量が少なくなり、電話で詳しいお話を伺うまでお客様が何を求めているのかがわかりにくくなっていました。

弊社の強みは、お客様のニーズをくみ取った提案力と丁寧な接客といった顧客コミュニケーションにあります。以前のフォームは、その強みを活かすための情報が取得できていなかったのです。実際にフォームによるお問い合わせから成約に至る歩留まりはなかなか上がりませんでした。また、電話番号が必須項目ではなかったため、直接コミュニケーションを取ることができないお客様もいらっしゃいました。そこで「問い合わせ数が減ることも覚悟で、より質の高い接客をするためにフォームを改修しよう」ということになったのです。

―実際に、どういった手順で改修を進めていったのでしょうか?

古城氏 まずは任意項目に対する入力率などの現状分析から始め、次に、フォームに注力されている同業の企業様を調査し、項目数や設問の組み立て方を参考にしました。それらの作業と並行して、営業担当者にお客様対応を行う上で必要な情報についてヒアリングしました。
お客様が入力する際に負担や抵抗感を感じにくくする方法や見せ方に関しては、シナジーさんに相談しながらフォームの構成を考えていきました。

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―調査結果による気付きなどがあれば教えてください。

古城氏 営業担当者が必要としている情報で、任意入力になっている項目の入力率がとても低いことがわかりました。同業他社のフォームを調査すると、電話番号など営業活動に直結する項目は必須入力とされていました。したがって必須項目を増やすことが営業機会の損失に繋がることは少ないだろうと判断し、必須入力に変更しました。

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また、フォームの入力画面到達後の離脱率はもともとかなり低いことがわかったので、設問数が多少増えても極端に離脱率が上がることはないだろうと仮説を立てました。実際、これまでのところ離脱率に目立った変化は見られません。

設問設計の工夫により、お客様のニーズが伝わるフォームに

―改修のポイントをいくつか教えてください。

古城氏 新しいフォームではお客様の回答内容によって設問項目を出し分けしています。具体的には、同じ「資料請求」を希望されたお客様でも、「中古を買ってリノベーションしたい」という方には「エリア」や「物件購入の予算」を問う設問を出しますが、「自宅(実家)をリノベーションしたい)」という方には設問を出さない、といったようにです。

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それ以外だと「モデルルーム見学」を希望すると見学希望日時を入力する設問が表れ、カレンダー形式で希望日時を選べるといったところです。一つひとつは細かいポイントかもしれませんが、こうした工夫を重ねることでお客様に負担を感じさせずに必要な情報を入手できるフォーム作りを実現しています。

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―改修してみての成果はどうですか?

古城氏 予想通り問い合わせ数は若干少なくなりましたが、目的としていた質の高い接客の実現はできているので、営業担当者は満足しています。
お客様がどんなニーズを持っているのか、希望の間取りや予算はどの程度なのかを、お問い合わせをいただいた段階で把握しておくことで、そのお客様と実際にお会いする日までに、条件に合う物件などを準備できるようになりました。お客様の気持ちが高まっているタイミングに合わせ、スピード感があり的確な提案ができるので、お客様にも喜んでいただいております。本格的に成果数値を測っていくのはこれからですが、成約率などは間違いなく上がると思います。

「企業の本音が表れる」からこそフォームは重要

―企業にとってのフォームの意義を教えていただけますか。

古城氏 他社の事例を研究して感じたのですが、Webサイトの体裁には気をつけていても、お問い合わせフォームがおざなりになっている企業様は少なくありません。入力補助の機能がついてなかったり、項目数が多かったり、エラーになると入力情報が消えてしまうようなフォームでは、お客様の購買意欲をそいでしまうことにもなりかねないと思います。
Webサイトが会社の顔だとすると、フォームは企業の本音が出る場所であり、企業のお客様に対する姿勢が透けて見えてしまう気がします。

―最後に質問です。「よいフォーム」とはどんなフォームだと思いますか?

古城氏 入力していく中でお客様自身の意識が高まり、お客様に気付きを与えられるフォームだと思います。たとえば、我々のような「夢のある家づくり」を提供している企業であれば、お客様がフォームに情報を入力される中で、家づくりに対しての希望が膨らんでいくべきですし、「家づくりをするために、まず考えるべきことが何なのか」を気付けるような作りであるべきです。
それが実現できれば、入力いただいた情報からお客様の顔が浮かび上がり、お客様の意気込みや我々に期待されていることをくみ取った上で、準備をしてお客様にお会いすることができるのです。声を聞く前やお会いする前にコミュニケーションができるようなフォームが、よいフォームなのではないかと思います。

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※記載されている内容は取材当時のものであり、一部現状とは異なることがありますが、ご了承ください。

阪急阪神不動産株式会社
住宅事業企画部 事業企画担当 課長
古城 昭洋 氏

阪急阪神不動産株式会社

阪急阪神不動産株式会社は、阪急阪神ホールディングスグループにおいて住宅事業を担っている企業です。
新築マンションの分譲から宅地の開発・分譲、売買仲介、リフォーム、資産活用などの事業において、「すべてはお客様のために」という「お客様原点」の価値観のもと、快適な住まいによる理想の暮らしの実現をお手伝いしています。

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