Salesforce連携でリスト作成・配信の手間を劇的に削減。事業部ごとの
タイムリーな情報発信で、営業連携の強化とアポイント獲得率向上を実現。
Salesforce一体型のメール配信システム「Synergy!LEAD」を導入し、部門ごとのマーケティング活動の効率化と成果向上を実現された株式会社JTB様。
かつてはSalesforceと連携していないツールを利用していたため、配信リストの作成に毎回1〜2時間もの工数がかかり、情報の鮮度が落ちてしまうという課題を抱えていました。
今回、ビジネスソリューション事業本部 マーケティングチームの矢吹様、第七事業部 営業推進課の千保様に、Synergy!LEAD導入の経緯から、導入によって得られた具体的な効果、そして今後の展望について詳しくお話を伺いました。
写真右より
長谷川 由香
シナジーマーケティング株式会社 クラウド事業部 第3アカウントソリューションG マネージャー
矢吹 理 氏
株式会社JTB ビジネスソリューション事業本部 マーケティングチーム
千保 香奈 氏
株式会社JTB ビジネスソリューション事業本部 第七事業部 営業推進課
川 瑞季
シナジーマーケティング株式会社 クラウド事業部 第3アカウントソリューションG
矢熊 吉成
シナジーマーケティング株式会社 プロダクトデザイン部 プロダクトマネジメントG
※部署名・役職は取材当時(2025年5月)のものです
<目次>
長谷川 まずは、お二人のお役割についてお聞かせいただけますか?
千保氏 私達はビジネスソリューション事業本部というJTBの中で法人事業に特化している部門の営業推進課に所属しており、マーケティング担当としてメルマガ配信や営業チームが担当している企業の分析などマーケティングに関わる業務を担っています。
長谷川 ありがとうございます、まさにメール配信機能をずっと使ってくださっていますね。導入いただいてから長くご利用いただいておりますので、本日は導入時のことも振り返りながらお話を聞かせてください。
ミスを防いで鮮度の高い情報をスムーズに配信をするために
川 まず、Synergy!LEADを導入される前はどのような運用をされていましたか?
矢吹氏 メールマーケティングについてはAccount Engagement (旧Pardot)を利用して法人事業全体を対象として施策を行っていました。しかし、各事業部の営業担当者から「もっとこういうことを発信したい」「この情報を特定の企業に配信できますか?」という要望があるものの、細やかな対応をすることができず、課題となっていました。
川 なるほど、運用していく中でスムーズな配信や活用に課題感が見えてツールの再検討をされたのですね。
矢吹氏 そうですね、実はAccount Engagement (旧Pardot)と同時に他のメール配信システムも使ってみたのですが、基幹システムであるSalesforceと連携ができず、Account Engagement (旧Pardot)からリストをダウンロードしてメール配信システムへ取り込まなければならなかったんです。誤配信やミスを防ぐために取り込むリストが間違っていないかなどチェックも必要ですし、お客様に早く情報を送りたいのに配信すると決めてから1週間経過してしまった、なども経験しました。
川 お客様にとって良い情報はタイムリーに送りたいですし、それはもどかしいですね。
矢吹氏 また、法人全体のマーケティング施策は継続しつつ、お客様毎に異なる課題に寄り添うため各事業部におけるマーケティング機能を強化する必要もありました。メールマーケティングについても全体を対象にした施策の他に、各事業部のお客様を対象にしたよりきめ細やかなアプローチができる環境を構築する必要性を感じていたんです。一部の事業部では先行して独自にメール配信ツールを導入し運用を進めていましたが、運用の効率化やガバナンスの観点からも全事業部で共用できるツールの導入検討に至りました。
川 各事業部でバラバラのツールを使っていたり、運用が把握できていない「見えない」状態は確かに管理コストやリスクマネジメントの観点からも負荷が高まりそうです。
Salesforceでデータの一元管理ができることが決め手に。
川 そんな中でSynergy!LEAD の導入を決定された経緯、理由を教えてください。
矢吹氏 Salesforceによる法人CRMを構築してプラットフォーム化しているため、データ管理および運用の一元性からSalesforceにアドオンできるメールマーケティングツールという点が一番の決め手でした。これまで何時間もかかっていたリスト作成が不要になり、Salesforce上で作ったリストに、すぐに、そして安全に配信できる。このスピード感は非常に魅力的でした。
千保氏 もう一点、運用の観点からはメルマガの配信停止処理が手間なく、確実にできるというのも大きなポイントです。以前は、「本当に配信停止処理ができているのか?」を何度も確かめながら操作していたため、時間も心理的な負荷も高かったのですが、Synergy!LEADはシームレスにデータが連携できている安心感がありました。
矢熊 Account Engagement (旧Pardot)にメール配信を統合して、全事業部で運用するということは検討されたんですか?
矢吹氏 そうですね、Account Engagement (旧Pardot)ではデータ設計がすでに細かく構築されていることとプロスペクトなどの設定が複雑なため、各事業部で誰でも使えるかというと難しいという判断をしました。やはり、専門知識が必要なツールだなと感じています。もし、事故などが起きてしまったらお客様にもご迷惑をおかけしますし、かといって1本のメールを配信するのに何日もかけていては情報鮮度が保てないため、各事業部でも扱いやすいツールがあると良いということになりました。
リスト作成時間はほぼゼロに。リードタイム短縮で、施策の鮮度と質が向上
矢熊 現在、Synergy!LEAD はどのような業務にご利用いただいているのか教えてください。
千保氏 マーケティング推進の一環としてメルマガ配信を行っています。配信後は、お客様の開封やクリックのデータ分析をもとに、セカンドアプローチするかどうか営業担当にフィードバックを行っています。
矢熊 業務の効率化には貢献できていますでしょうか?
矢吹氏 まず、課題だったリスト作成の時間がほぼゼロになりました。1週間かかっていた配信までのリードタイムが、やろうと決まれば「じゃあ明日配信しよう」と、劇的に短縮されました。これは本当に大きな変化です。
千保氏 以前は、配信後に開封・クリックしたお客様のリストを作るのもExcelでの手作業でした。誰が反応してくれたのかを把握し、そのお客様の営業担当者を調べて…とやっていると、それだけで膨大な時間がかかっていました。今は、クリックしたお客様の情報も、担当営業の名前もSalesforce上で一目瞭然です。そのまま「このお客様が反応していますよ」とメールでパンッと送れるので、営業担当へのフィードバックが格段に速くなりました。
川 営業する側としても、タイムリーに情報をもらえるとアプローチ方法が変わったりするので嬉しいですよね。
千保氏 社内では、お客様がセカンドアプローチに反応してくれているということが、メルマガを配信している私達にも伝わる仕組みになっているので、良いなと思っています。もう少しチーム内で積極的にタイムリーな情報共有を営業担当と取ることができれば、この精度もこれからますます上がっていきそうです。
矢熊 すごいですね、営業部門とマーケティング担当との情報連携は多くの企業で課題になることも多く、我々もよくご相談を頂くのですが、貴社はとてもスムーズに連携されてご活用いただいていますね。
ちなみに、Synergy!LEADの導入当時には貴社内にて説明会を実施しましたが、そのときの皆様の反応を教えてください。
矢吹氏 ツールの導入自体は各事業部の担当者も好意的で、使い慣れているSalesforceのレポート機能なども利用できるため大きなハレーションはなかったという印象です。
長谷川 千保様は新しく Synergy!LEADを導入すると聞いたとき、どんな印象を持たれましたか?
千保氏 当時は別のメール配信システムを活用していたのですが、コスト面やSalesforceとの連携がないので移行を考えていることも把握していました。もちろん、新しいシステムに慣れるまでには少し時間がかかりましたが、手間がかかっていた配信先設定が楽になったことで時間短縮になりました。
当初はHTMLエディタのみの利用で、デザインに時間を要していましたが、現在はデザインエディタ機能が加わったことで、メルマガ配信が格段にしやすくなりました。これにより、お客様にもより見やすく魅力的な内容を届けられていると感じています。
Account Engagement (旧Pardot)とSynergy!LEADの併用でマーケティング活動のスピードアップへ
矢熊 SalesforceのAccount Engagement (旧Pardot)とSynergy!LEADを併用されていますが、それぞれどのように使い分けておられますか?
矢吹氏 Account Engagement (旧Pardot)は本部のマーケティング部門による法人事業全体の施策展開に利用しており、Synergy!LEADは各事業部が担当するお客様に対する施策展開に利用しています。
矢熊 なるほど、本部側では皆様全体に向けた内容で、各事業部ではよりセグメントされた情報を落とし込んで配信されているのですね。
長谷川 Account Engagement (旧Pardot)とSynergy!LEADを併用することでのメリットはどのようなものがありますか?
矢吹氏 メリットはやはりAccount Engagement (旧Pardot)の複雑な配信設定ではなく、使い慣れているSFレポートを活用した配信設定ができるため、各事業部で運用しやすく配信事故抑止にもつながっていることです。配信実績のレポートダッシュボードもSalesforce上で確認ができ、事業部配信メルマガのみで比較検証もできるため、切り分けが容易というところも良いですね。
千保氏 メルマガの企画や配信をする側としてのメリットは、他の事業部がどんなメルマガを送っているのかを確認できるようになったことが挙げられます。以前はツールがバラバラで全く見えなかったのですが、今では「あの事業部のメルマガ、反応が良いみたいだから真似してみよう」「この訴求、うちの部署でも使えるな」といった形で、成功事例を参考にしながら施策を考えられるようになりました。自分が作ったメルマガが他の部署の参考にされることもあり、組織全体で相乗効果が生まれています。
デザインエディタで月1回のメルマガ配信が定着。事業部間のナレッジ共有も活発化
長谷川 お聞きしていると、営業担当の方や他の事業部の方ともとても上手く連携されているように思います。Synergy!LEADが導入されてから、その辺りの連携も更に進みましたか?
千保氏 連携は格段に良くなりました。配信前に「明日、こういうメルマガを送ります」と共有すると、営業担当者から「いいですね!」といったポジティブな反応が返ってきます。配信後も、すぐに反応があったお客様の情報を共有できるので、営業担当も「マーケってこういう風になっているんですね」と、活動への理解を深めてくれています。
長谷川 それは嬉しいですね、とても理想的なご活用をいただいていると思います。
千保氏 メルマガにホワイトペーパーのダウンロードリンクを設置したところ、そこからアポイントにつながるケースも出てきました。担当営業にフィードバックする際に、「あ、私たちが送ったメルマガからの反応だ」と成果を実感できるのは嬉しいですね。アポイント獲得率は、以前に比べて少し上がったと聞いています。
矢熊 Salesforceのレポート機能をそのまま活用できるということも、ポイントのようですね。
千保氏 そうですね、営業担当者は毎日Salesforceのレポートを見るので、そこにメルマガの反応が表示されるのも効果的です。自分の担当顧客が何に興味を持っているのかが分かり、「メルマガの配信停止がされているから、これからは自分が直接情報を提供しなくては」といった気づきにもつながっています。
データ活用をさらに高度化し、営業が動ける「ストーリー」を創出する
矢熊 最後に、Synergy!LEADを今後どのように活用していきたいか、展望をお聞かせください。
千保氏 今後は、配信するだけで終わらせず、その後のアプローチをさらに強化していきたいです。配信データを分析し、営業担当者がお客様の元へ自信を持って訪問できるような「ストーリー」を作れるように支援していきたいと考えています。そのために、チーム内でミーティングを重ね、メルマガをいかに有効活用できるかを議論しているところです。
矢吹氏 データドリブンという観点から、今後はクリックしてくれたお客様が「どういう業界で、どういう役職の人なのか」といった詳細な分析を進めていきたいです。その分析結果を各事業部にフィードバックすることで、より精度の高いマーケティング活動を全社的に展開していける体制を構築するのが目標です。
矢熊 業務効率化から、組織的なデータ活用へとステージを進めていらっしゃるのですね。本日は貴重なお話をありがとうございました!
※記載されている内容は取材当時のものであり、一部現状とは異なることがありますが、ご了承ください。