CRM実践!スキルアップセミナー 運営事務局です。

本セミナーは、2015年7月から半年にわたり月1回のペースで開催してきました。
最終回である今回は、2名の登壇者により「顧客視点のデジタルマーケティング」に必要な要素や考え方、最新情報をお届け。そのサマリを本レポートにて共有します。

「データドリブンマーケティングが企業経営に与える影響とは?」

まずはじめに、弊社 代表取締役社長の谷井がデータドリブンマーケティングについてお話しました。

なぜCRMに関する事業をはじめたのか

シナジーマーケティングは、2000年にCRM関連の事業をスタートしました。
谷井のCRMの原点は、実家の紳士服店での実体験。父親が営む紳士服店の経営に携わり、メールアドレスを活用した来店促進にて売上を上げた経験があります。

  • 誰もが簡単に、手軽に使えるシステムを提供したい
  • 企業規模に関係なく知恵で勝負できる環境を提供したい(機会の平等、成果の不平等)

そんな想いでつくりあげた主力製品「Synergy!」をはじめとするクラウドサービス事業を主軸に、受託サービスも含めたワンストップCRMソリューションを提供しています。

シナジーマーケティングの事業概要
講演資料から抜粋「シナジーマーケティングの事業概要」

 

データドリブンマーケティングについて語る

ドリブンとは「~に動かされる」といった意味があります。すなわち「データドリブン」とは効果測定などで得られたデータをもとに、次のアクションを起こしていくことです。

2014年10月、私たちはヤフー株式会社のグループ企業になりました。Yahoo! JAPANが持つ日本最大級のビックデータと、我々がお預かりするCRMデータを結びつけ、これまで以上にデータを活用したご支援ができるようになっています。

【データドリブンマーケティングに必要な構成要素は3つ】

  1.  ビックデータ
  2. データサイエンティスト
  3. データベースシステム

【これらを活かし、データドリブンマーケティングで実現できることは3つ】

  1. 広告出稿の効率化・精緻化
  2. 既存顧客へのサービスレベルの向上
  3. 商品開発へのフィードバック・インサイトの発見

データドリブンなコミュニケーション設計によりマーケティング品質を向上させ、また定型(オートメーション)化することが、私たちがやるべきことであると考えています。

データドリブンマーケティングを実践するには、データ分析のスキルがマーケティングのコア・コンピタンス(中核能力)になり、データサイエンティストの存在、育成が肝要です。担当者はもちろんのこと、経営者にもデータを読み解く力が求められます。

「ヤフーが実践するデータドリブンマーケティング最前線」

続いてヤフー株式会社 マーケティングソリューションカンパニーの井上氏に、ヤフーが実践するデータドリブンマーケティングについてお話いただきました。

Yahoo! JAPANの現状

Yahoo! JAPANは、複数のビックデータを保有するマルチビックデータカンパニーです。日本のインターネットユーザーのうち約80%がYahoo! JAPANを利用していると言われています。その中で井上氏は、ヤフーのデータをどう活用していくかを広告主様と一緒に考えるデータマーケティングの最前線で活動されています。

これからのビックデータの有用性とは

パーチェスファネル
講演資料から抜粋「パーチェスファネル」

属性から行動へ、過去から現在へ(リアルタイム)とターゲティングの手法は進化してきました。ビッグデータを駆使し、これまで見えなかった消費者像を見えるようにする。ユーザーファーストなデータ活用こそ、データドリブンマーケティングの実践であると考えています。

 

パーチェスファネルとは、AIDMAモデルを発展させた考え方で、消費者の購入までの意識の遷移を図化したものです。

例えば一眼レフカメラを例にWeb上での行動を仮説立てると
 潜在顧客:子供が生まれることになり姓名判断やベビー服などの検索を始める
 見込み顧客:「デジカメ」「一眼レフ」といったキーワードで検索を始める
といった具合になります。

潜在顧客が誰なのか、見込み顧客が誰なのかは企業の持つ既存顧客データだけではわかりません。それぞれの階層の顧客がどのような行動をとるかの仮説を(パーチェスファネルを使って)立てながら、ヤフー上での行動(検索)データから優良顧客になりえそうな人にアプローチをすることで、高いマーケティング効果が期待できるようになります。

データドリブンマーケティングを進めるために

マーケターの勘・経験・度胸による意思決定から、仮説・検証・データ分析をベースとした意思決定へ。データドリブンマーケティングを進めるためには、以下の項目を押さえる必要があります。

  1. 目的の整理
     ・データを使って何を解決しなければならないのか
     ・解決できることであるか
  2. 上司の理解
  3. 社内外含めて共通の認識が持てる状態
     ・可視化/言語化をする
  4. アクションが取れる状態
     ・判断材料として使えるのか
     ・どのくらいの対象者に活用が可能なのか
  5. 再現性がある状態

ワークショップ

自動車メーカーを題材にパーチェスファネルを作成するワークを行いました。「この車種の顧客なら」「新規購入者なら」と想像をふくらませながら、グループ内の意見交換が進みます。その後グループ代表が作成したファネルの内容を発表し、井上氏からフィードバックを受けました。

参加者の声

  • マーケティングがどのように進化していくのか、大きな流れを知ることができた
  • 目的を明確にし、収集するデータも見直します
  • 本では得られない貴重なお話がきけました
  • ワークショップで他社の方の意見や考え方を聞けるのが刺激になります

最後に

相手に“心地よい”と感じてもらうコミュニケーションを実現するためには、適切な顧客データの取得と管理、その活用が不可欠です。一方、発展途上であるデータドリブンマーケティングの実践事例はまだまだ少なく、「費用対効果はどうか」「何から始めるべきか」とお悩みの方も多いと思います。当社は今後も様々なアプローチで顧客データを活用し、最先端のマーケティングテクノロジーでコミュニケーションをよりよくするためにまい進します。

【当社が取り組むデータドリブンマーケティングの例】

参考リンク・参考書籍

レポート記:運営事務局/星出(ほしで)

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