PEST分析（読み方：ペストぶんせき）とはマーケティングの父といわれるフィリップ・コトラー氏が提唱したマクロ環境（＝世の中の流れ）分析のフレームワークである。
特徴として、PESTの切り口で自社の属する業界に影響のある要素を見極められる点がある。
PESTとは次の4つの頭文字を取ったものである。
- P：Politics（政治的要因…法改正、規制緩和、増税、補助金、政権交代、関税 など）
- E：Economy（経済的要因…経済成長率、物価、景気、株価、賃金動向、雇用情勢 など）
- S：Society（社会的要因…人口数、世帯構成、社会問題、ライフスタイル、流行 など）
- T：Technology（技術的要因…インフラ、新技術の開発、特許、AIの活用 など）
マーケティングは、政治、経済、社会、テクノロジーの変化に影響を受ける。一企業の努力でこのような世の中の流れを変えることは難しいため、企業には「世の中の流れに合わせる」または「世の中の流れを味方につける」戦略が必要となる。
そのため、自社に降りかかるリスクと機会を中長期的に予測し、今後のマーケティング戦略や事業戦略の方向性を指し示すPEST分析が有用である。
【PEST分析の他社事例】
伊藤忠商事のコーポレートサイトでは、PEST分析が一般公開されている。
PEST分析を通じて、新型コロナウイルスやSDGsへの対応等のマクロ環境要因の影響を踏まえた「リスク」と「機会」を十分に把握し、時間・環境の変化に応じて柔軟な対応や自己変革を進めることで、さらなる競争優位を構築しようとしていることがわかる。
https://www.itochu.co.jp/ja/ir/doc/annual_report/online2021/pest.html
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