Salesforceの「Sandbox」とは、Salesforceの本番組織(実際に業務で使用している環境)をコピーして作成される、本番環境から隔離されたテスト環境です。本番環境のデータや設定に影響を与えることなく、新しいアプリケーションの開発、既存機能のカスタマイズ、設定変更のテスト、ユーザーへのトレーニングなどを安全に行うために使用されます。
種類
Sandboxには主に以下の4種類があり、それぞれコピーされるデータの内容、ストレージ容量、更新間隔が異なります。
- Developer Sandbox
本番組織の設定情報(メタデータ)のみをコピーします。
個別の開発作業や基本的な機能テストに適しています。
1日1回更新可能です。 - Developer Pro Sandbox
Developer Sandboxと同様に設定情報のみをコピーしますが、より多くのデータストレージ容量を持ちます。
より複雑な開発、連携テスト、品質保証 (QA) に適しています。
1日1回更新可能です。 - Partial Copy Sandbox
本番組織の設定情報に加え、「Sandboxテンプレート」で定義された本番データの一部(サンプルデータ)をコピーします。
ユーザー受け入れテスト (UAT)、統合テスト、トレーニングなど、本番に近いデータが必要なテストに適しています。
5日に1回更新可能です。 - Full Sandbox
本番組織の設定情報とすべてのデータ(レコード、添付ファイルなど)をコピーします。
本番環境とほぼ同一の環境であり、パフォーマンステスト、負荷テスト、本番リリース前の最終準備(ステージング)に最適です。
29日に1回更新可能です。
Sandboxを活用するメリット
リスクの低減: 本番環境とは隔離されているため、開発やテスト中に問題が発生しても、実際の業務データや運用中のシステムに影響を与えることがありません。
- 安全な開発・テスト環境
新機能の開発、Apexコードの作成、外部システムとの連携、VisualforceページやLightningコンポーネントのカスタマイズなどを、本番環境を気にせず安全に行えます。また、単体テストから結合テスト、UAT、パフォーマンステストまで、さまざまなテストを実施できます。 - 効果的なユーザートレーニング
本番に近い環境やデータを用いて、ユーザーが新しい機能や変更点を実際に操作しながら学べるため、トレーニング効果が高まります。 - リリースの品質向上
アプリケーションや設定変更を本番環境にリリースする前に、Sandboxで十分にテストし、問題を事前に発見・修正することで、リリースの品質を高めることができます。
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