Gmail差込からの脱却で、業務効率とセキュリティを大幅向上。Salesforce連携で実現する、子どもたちと支援者への確実なコミュニケーション

インタビュー参加者

写真右より

佐藤 碩建 氏
公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン 広報・ファンドレイジング部

岡崎 涼
シナジーマーケティング株式会社 クラウド事業部 第1アカウントソリューションG

※部署名・役職は取材当時(2025年10月)のものです

「多様な学びを すべての子どもに」というミッションのもと、経済的な困難を抱える子どもたちへ学習・体験機会を提供する公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン(CFC)様。同法人では、寄付者様や支援を受けるご家庭とのコミュニケーションをより安全かつ効率的に行うため、Salesforce導入企業向けMAシステム「Synergy!LEAD」を導入されました。

導入以前は、カスタムオブジェクトへの一斉配信にはGmailの差込機能を活用していましたが、手作業による非効率性やヒューマンエラーのリスク、効果測定の限界といった課題を抱えていました。

今回は、「Synergy!LEAD」導入の推進役となった佐藤様に、導入前の具体的な課題から、Salesforce連携を決め手としたツール選定の経緯、そして導入によって得られた具体的な成果について、詳しくお話を伺いました。

Gmail差込運用での非効率性とリスク。効果測定も「感覚頼り」

岡崎 まず、「Synergy!LEAD」をご導入いただく前に抱えていた課題について、改めてお聞かせいただけますでしょうか。

佐藤氏 寄付者様や、私たちが提供するクーポンを利用する保護者様・子どもたちとのコミュニケーションを、より安全なものにするために情報管理体制を見直したことが直接のきっかけです。 それまでは、一斉送信を行う際にGmailの差込機能を主に使っていました。Salesforceから都度データを抽出し、スプレッドシートを作成して、それをGmailで読み込ませて配信、という流れです。誰に、いつ、どんなメールを送ったか、誰がチェックしたかといった管理も別のスプレッドシートで行っていたため、フローがいくつにも分断され、非常に非効率でした。

岡崎 なるほど、Salesforceとスプレッドシートで情報が分散してしまっていたのですね。

佐藤氏 はい。特に、誰がどのメールを送るか、ダブルチェックをどう行うかという点で、プロセスが複雑になり、多くの工数がかかっていました。また、セキュリティ面でも、人の手が多く介在することでヒューマンエラーのリスクが常にありました。より一層のセキュリティ強化と業務効率化を両立させる必要性を強く感じていましたね。

岡崎 メールマガジンの効果測定にも課題があったと伺いました。

佐藤氏 寄付者様向けのメールマガジンでは、URLにパラメータを付与してクリック数を計測していましたが 、開封率までは把握できず、担当者の「感覚頼り」になっていました。今年度はナーチャリング施策にも力を入れていきたいと考えていたため、客観的なデータに基づいた分析ができる環境を整える必要がありました。

Gmail差込運用での非効率性とリスク、効果測定も「感覚頼り」になっていたと語られる佐藤氏

Salesforce連携とカスタムオブジェクトへの配信。費用対効果と手厚いサポートも魅力

岡崎 いくつかのツールを比較されたと思うのですが、「Synergy!LEAD」を選んでいただいた決め手は何だったのでしょうか?

佐藤氏 MAツールや他のメルマガ配信ツールもいくつか検討しましたが 、費用が見合わなかったり、Salesforceとは別に顧客情報を管理する必要があったりと 、我々の運用には合わないと感じる点がありました。その中で、「Synergy!LEAD」はSalesforce内で全ての操作が完結する点が最大の魅力でした。特に、クーポンを利用している子どもたちや保護者様の情報はSalesforceのカスタムオブジェクトで管理しているため、カスタムオブジェクトに対して直接メール配信ができることは必須要件でしたね。

岡崎 Salesforce連携が必須だったんですね。機能面以外で、例えばサポート体制などはいかがでしたか?

佐藤氏 開封率やURLごとのクリック率がSalesforceのレポート画面上で簡単に確認でき、施策の分析が可能になる点も大きかったです。費用対効果の面でも魅力的でしたし、導入前から導入後にかけて、Salesforceの独自の設定に関する細かい質問にも、迅速かつ丁寧に対応いただけたサポート体制も、安心して導入を決める後押しになりました。

▼Salesforceの画面上で確認できる「Synergy!LEAD」配信レポート(イメージ)

Salesforceの画面上で確認できる「Synergy!LEAD」配信レポート(イメージ)

全職員でツールを活用。寄付者から子どもたちまで、多様なコミュニケーションを実現

岡崎 実際に導入されてみて、現在はどのような業務で「Synergy!LEAD」を活用されていますか?

佐藤氏 メール配信に関しては、基本的に「Synergy!LEAD」に一本化できました。寄付者様へのメールマガジンはもちろん、クーポンを利用されている保護者様・子どもたちへのアンケート依頼や利用方法のご案内 、LINE登録のお願い、多岐にわたるコミュニケーションで活用しています。他社様から子どもたちをイベントへ無料ご招待いただいた際の案内メールなども、「Synergy!LEAD」で配信しています。

岡崎 幅広い用途でお使いいただいているのですね。操作は佐藤様がメインでされているのですか?

佐藤氏 いえ、フルタイムの職員ほぼ全員が利用しています。部署ごとに説明会を開き、操作マニュアルも共有したので、特に大きな混乱なく、全員が使いこなせていると思います。メール作成も、基本的にはデザインエディタを使っています。非常に使いやすいですね。

岡崎 今はメールの都度配信がメインとのことですが、今後は自動配信なども検討されていますか?

佐藤氏 そうですね、今のところは予約配信で対応しています。ただ、今後は寄付者様へのステップメールや、子どもたちとボランティアの面談リマインドメールなどで自動配信を活用していきたいと考えています。

岡崎 まさに自動配信の得意分野ですね。ステップメールやリマインドが自動化されると、さらに効率が上がりそうです。

作業効率と到達率が向上。Salesforce連携によるヒューマンエラーも撲滅

岡崎 導入によって、一番「変わったな」と感じる成果はどのあたりですか?

佐藤氏 まず、配信作業と実績管理が劇的に効率化されました。以前はメールマガジン配信時に、URLごとにパラメータを発行し、別ツールでクリック数を計測してスプレッドシートに転記する、という手間がありましたが、それが一切不要になりました。テストメールの配信も、メールアドレスを入力するだけで簡単に行えるようになり、手間が大きく削減されました。以前は差込がうまく反映されているか不安な面もありましたが、「Synergy!LEAD」ではその心配もありません。

岡崎 効率化に加えて、懸念されていたセキュリティ面での効果はいかがでしたか?

佐藤氏 カスタムオブジェクトへの配信におけるヒューマンエラーがなくなりました。Salesforceの情報を直接参照して配信できるので、以前のようにデータを抽出して加工するプロセス自体が不要になったことが大きいです。また、Salesforceの項目をそのまま差込変数として利用できるので、子どもたち一人ひとりに合わせた情報を間違いなく届けられるようになった点も、非常にありがたいです。手作業でのチェックには限界がありましたから。

岡崎 それは大きな改善ですね。ほかにも、導入してみて気づいた良い効果などはありましたか?

佐藤氏 理由は不明なのですが、以前Salesforceのキャンペーン機能から直接配信した際に届かなかった方の一部に、「Synergy!LEAD」経由だとメールが届くようになった、という現象がありました。到達率が改善されたのは嬉しい効果です。また、短縮URLを使わずに済むようになったことで、特にご年配の寄付者様にも安心してURLをクリックしていただけるようになったと感じています。

導入によって、一番「変わったな」と感じる成果はどのあたりか等について語る岡崎

データに基づいたコミュニケーション最適化へ。ステップメールの活用にも期待

岡崎 ありがとうございます。業務が効率化されたことで、次のステップが見えてきた感じですね。最後に、今後さらに取り組んでいきたいことや、弊社へのご期待があればぜひお聞かせください。

佐藤氏 ツールを導入したことで、特に保護者様や子どもたちへのメール送信の手間は大幅に削減されました。この効率化で生まれた時間を、今後は施策の「質」を高めることに使っていきたいです。 具体的には、「Synergy!LEAD」で取得できるようになった開封率やクリック率といったデータをしっかり分析し、寄付者様との最適なコミュニケーション施策や、保護者様・子どもたちへの個別のアプローチなど、よりデータに基づいた施策を展開していきたいと考えています。

岡崎 これまでの「感覚頼り」だった部分を、データで裏付けていくフェーズですね。

佐藤氏 まさしくそうです。担当者の感覚ではなく、根拠を持ってPDCAを回していきたいです。その第一歩として、まずは寄付者様向けのステップメールの実装や、子どもたちとボランティアの面談リマインドメールの自動化など、まだ使えていない機能を活用していくことを検討しています。

岡崎 データ活用、ぜひご支援させていただきたいです。具体的に、弊社に期待したいことはありますか?

佐藤氏 そうですね、先述のデータ活用についてもそうですし、これは本当に未来の話ですが、補足的な機能としてAIを活用して配信結果から次のメールテキスト案が自動生成される、といった機能があれば、さらなる効率化につながるのでは……と期待してしまいますね。

岡崎 貴重なご意見ありがとうございます。ステップメールの実装やデータ活用については、今後も継続的にしっかりとご支援させていただければと思います。本日はありがとうございました。

※記載されている内容は取材当時のものであり、一部現状とは異なることがありますが、ご了承ください。

公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン
広報・ファンドレイジング部
佐藤 碩建 氏

公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン

「多様な学びを すべての子どもに」というミッションのもと、家庭の経済格差による子どもの教育格差を解消し、貧困の世代間連鎖を断ち切ることを目的に2009年から活動している団体です(法人設立は2011年)。
貧困の連鎖を断ち切るためには、子どもの学習・体験機会の喪失を阻止することが必要です。私たちは、経済的に困難な家庭の子どもたちに対して、学習塾や習い事等で利用できる「スタディクーポン」、スポーツや音楽・芸術活動のほか、体験活動で利用できる「ハロカル奨学金」を提供することで、子どもの貧困・教育格差の解決に取り組んでいます。また、スタディクーポンやハロカル奨学金を提供するだけではなく、専門家の研修を受けた「大学生ボランティア」がスタディクーポンを使用する子どもの相談に乗ったり、地域で活動するコーディネーターが子どもや家庭を地域の体験の場につないだりするなど、アフターフォローにも力を入れています。

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