社内に根付いた「顧客理解の文化」
ナイトブラのリピート率改善に向けた第一歩
写真右より
阪口 奨
シナジーマーケティング株式会社 クラウド事業部 サービスデザインG マネージャー
多久 南美子
シナジーマーケティング株式会社 クラウド事業部 サービスデザインG
沢井 和也 氏
株式会社シーオーメディカル カスタマー本部
※部署名・役職は取材当時(2025年5月)のものです
化粧品・サプリメント、アパレルの開発・製造販売企業であるシーオーメディカル様。主力製品であるナイトブラのリピート率向上施策を検討する中で、より深いインサイト理解とそのためのユーザー調査の必要性を感じていました。しかし、取り組むためのリソース・ノウハウ不足が課題に。今回は、その課題解決策として「DAYS GRAPHY」を選んでいただいた理由や導入後の感想について詳しくお伺いしました。
「DAYS GRAPHY」は、生成AI技術を活用して顧客理解を深める弊社の新たなシステムです。顧客の日常や生活状況を深く理解することで、顧客のまだ満たされていないニーズまで捉えられるので、商品企画やマーケティング施策のアイデアを生み出しやすくなります。口コミやレビューコメントをインプットするだけで、日常や生活状況が描かれている顧客像を生成できるため、顧客ニーズを深く理解できるだけでなく商品開発やマーケティング施策などにつながる具体的なアイデアの想起をサポートします。
▶DAYS GRAPHYの製品詳細はこちらをご確認ください。
今回は、シーオーメディカル様が持っていた課題の解決策として「DAYS GRAPHY」を選んだ理由や、導入後の感想などについて詳しくお伺いしました。
当時、抱えていたお悩みを教えてください。
ECサイトのリピーターを増やすために、顧客満足度を向上させる施策を検討していました。しかし、お客様の声を大事にする文化は社内に根付いていたものの、寄せられた意見や口コミをそのまま受け止めるに留まり、本音や潜在ニーズまで掘り下げる意識が十分ではありませんでした。その結果、顧客満足度向上のための施策も、表層的な改善にとどまってしまう課題がありました。
特に、当社の主要商材であるナイトブラは、サイズのフィット感が顧客満足度に大きく影響します。レビューを分析すると、「サイズが合わない」という不満が多く見られましたが、それを解決するためにサイズ展開を増やすなどの対策を考えるだけでは、根本的な解決にはならないのではないかと考えていました。本当に解決すべき課題はどこにあるのかを理解するためには、お客様の本音を把握し、深いインサイトを得ることが不可欠です。しかし、これまで自社で本格的なユーザー調査を実施したことはなく、社内のリソースやノウハウ、予算の面からも難しい状況にありました。
また、顧客インサイトを探る活動は、すぐに数値的な成果が見えづらいため、社内での理解を得ることも大きなハードルでした。自身でペルソナ設定を含む複数のワークショップ開催を試みたものの、施策に必要な深度まで掘り下げる意識や文化の醸成には至っておらず、どのように顧客理解を進めるべきか模索している段階でした。
DAYS GRAPHYを契約しようと思ったきっかけを教えてください。
前述した課題感から「お客様の本音や潜在ニーズを探る文化を社内に根付かせたい」という想いが強くなり、その実現に向けた方法を模索していました。そんな中、DAYS GRAPHYのサービスを知り、「企業が効率的かつ効果的に顧客理解を深める方法として、ユーザーインタビューや行動観察を簡易化する」というコンセプトに大きな共感を抱きました。
DAYS GRAPHYを活用すれば、社内で実施が難しかった顧客インタビューをスムーズに進めることができるだけでなく、「リサーチ文化」を組織内に根付かせるきっかけにもなるのではないかと考えました。実際に、サービスを導入し、ナイトブラ購入者の声を深掘りしていく中で、「サイズが合わない」の背後に「正しいサイズの測り方がわからない」「サイズを測ってくれる場所がない」といった本質的な課題があることを発見できました。このような一次情報を直接収集することで、的外れな施策を防ぎ、より本質的な顧客のニーズに応える施策を検討できるようになりました。
さらに、DAYS GRAPHYの担当者の皆さんが「顧客理解を重視し、リサーチする文化を社内に浸透させたい」という当社の想いに深く共感してくださったことも、大きな決め手となりました。
今、どのようにDAYS GRAPHYをご活用いただいていますか?
マーケティング部門では、施策立案時の壁打ち相手として活用しています。たとえば、ナイトブラの再購入がない顧客にリピートしてもらう施策を検討する際、「なぜサイズが合わなかったのに交換しなかったのか?」などの問いをDAYS GRAPHYに投げかけることで、「返品条件の確認が面倒だった」「規約文が難解だった」など、ユーザーの心理的な障壁に気づくことができました。
また、コールセンターではお客様との想定問答の強化に、マーケティング領域ではブランドのコアターゲット像の再構築にも活用しています。センシティブな商材であっても、心理的配慮を気にせず自由に質問できるため、男性社員でも忖度なくインサイト探索に取り組める点が非常に助かっています。最近では、商品開発時の企画会議でも活用し始めていますが、具体的な効果はこれから検証していく段階です。
DAYS GRAPHYを導入して感じていることや、今後の展望などをお聞かせください。
導入によって最も大きな変化は、社内に「顧客の声の裏にある本音を読み解くことの重要性」が浸透してきたことです。特にマーケティングやEC部門では、メンバーが自発的に顧客理解を深めようとする姿勢が見られるようになり、施策提案に対する社内の反応にも手ごたえを感じています。
一方で、顧客理解活動は費用対効果の見えにくさから、予算確保が難しい領域でもあります。しかし、DAYS GRAPHYを活用することで、従来の外部委託調査に比べて圧倒的に低コスト・短時間でインサイトを得ることができ、「まずはやってみよう」という社内理解の後押しにもつながっています。
今後は、DAYS GRAPHYを前提とした社内リサーチスキームを構築し、全社員がリサーチスキルを身につけることで、施策の質とスピードの向上を目指したいと考えています。まずは楽しみながらスキルアップできるような仕掛けづくりからスタートし、リサーチ文化を社内に根付かせていく予定です。
担当者様からひとこと
この10年の間に、市場を取り巻く環境やマーケティングの手法はさらに変化していくと予想されるので、それに対応できるかどうかで企業の明暗も分かれるのでは、と考えています。消費者は自分にとって良いものを見極め、選択する力を持っているので、企業側として、単にセグメントを細分化して「この層が自社にマッチするはず」と決め打ちのマーケティング活動を行うだけでは不十分です。いかに顧客のインサイトを捉えられるかが重要視される時代に、DAYS GRAPHYのようなサービスは大きな力になります。
顧客理解の重要性について社内の意識が高まったのも、シナジーマーケティングの提案のおかげです。「顧客理解を深め、その重要性を社内全体で共有し行動に移さなければ、今後のビジネスは厳しくなる」といった危機感を共有し、同じ視点で深い議論ができたことを大変うれしく思っています。顧客理解における現実的なハードルを下げ、課題解決に向けた支援をしてくれる会社として、これからも大いに頼りにしています。
※記載されている内容は取材当時のものであり、一部現状とは異なることがありますが、ご了承ください。