フォーム作成が半日から30分へ!残席管理・抽選機能で
イベントの幅も拡大し、チーム全体の業務を効率化

インタビュー参加者

写真右より

東森 麻理奈 氏
大阪中之島美術館 事業課 主任

新田 峻治
シナジーマーケティング株式会社 クラウド事業部 第1アカウントソリューションG

※部署名・役職は取材当時(2025年7月)のものです

2022年、大阪の新たな文化のシンボルとして開館した大阪中之島美術館。同館は、運営にPFI方式を導入している日本初の美術館であり、民間企業が経営に直接携わり「民間の知恵を最大限活用しながら、顧客目線を重視し利用者サービスに優れたミュージアム」というコンセプトを掲げています。しかしその裏側では、イベント申込受付や情報管理におけるアナログな業務フローが、担当者の時間を奪い、本来注力すべき業務を圧迫するという大きな課題を抱えていました。今回は、同館で広報とシステムを兼任され、DX推進を担う東森氏に、Synergy!導入によって煩雑な業務がどのように改善され、どのような新たな可能性が生まれたのか、詳しくお話を伺いました。

日程ごとにフォームを個別作成する手間で、準備に半日かかることも。非効率な運用が現場を疲弊させていた

新田 Synergy!を導入される前は、どのような課題があったのでしょうか?

東森氏 以前利用していたサービスでは、展覧会イベントの申込フォーム作成に多くの時間と手間がかかっていました。特に大きな問題だったのが、同じイベントを複数の日程で開催する場合、日程ごとに個別のフォームを作成する必要があったことです。人気のイベントでは開催回数も多くなり、その分だけフォームを作らなければなりませんでした。

新田 具体的には、どれくらいの工数がかかっていたのですか?

東森氏 フォームのコピー機能がなかったため、毎回データベースの設定から全てを一から作る必要がありました。初めてフォーム作成をする担当者がゼロからフォームを作成すると、データベース項目の選定や項目の制御についての操作に手間がかかって半日を費やしてしまうこともあり、これは現実的ではありませんでした。また、こうしたイベントやお知らせを広報するプレスリリースの配信もメーラーを使って手作業で行っており、常に誤配信のリスクと隣り合わせでした。こうした現場の疲弊感が、本格的なツール入れ替えを検討するきっかけになりました。

新田 なるほど、確かにツールを操作する全員が熟練者という訳にもいきませんよね。少し気になったのですが、こうした美術館では来館目標やKPIの設定は行われているのでしょうか?

東森氏 美術館という特性上、展覧会ごとに内部的な目標来館者数は設定しているものの、KPI(重要業績評価指標)の設定は困難な側面があります。また、場合によっては具体的な数値目標を設けていない部分もありますが、かと言って取り組むべき課題がないわけではありません。広報においてはより多くの来館者を動員するための施策を実行し、当館の認知度向上を目指します。そのため、こうした広報やマーケティングに活用するシステムに関しては、まず運用の安定化を図り、業務改善の可能性がある部分については調査・検証を進めていく方針で進めています。

新田 一般的に広報とマーケティングは別の業務とされますが、東森様のチームは集客とブランディングの両方を担当されているのでしょうか?

東森氏 はい、おっしゃる通りです。一般的にマーケティングと広報は異なりますが、当館は少人数で運営しております。加えて、当館の運営形態も関係しています。多くの美術館では、行政から指定された企業が運営する「指定管理者制度」が採用されています。しかし当館は、日本で初めて「PFI方式」を導入した施設であり、民間企業が運営権を保有する形態をとっています。そのため、集客力の強化が求められており、よりマーケティングの視点が不可欠であると考えています。

新田 そういった背景から、広報やマーケティング活動をよりスムーズに進めるための改善が必要だったんですね。

フォーム作成が半日から30分へ!直感的な操作性でチームから「本当に助かっています」の声

新田 Synergy!導入後、こうしたフォーム作成の業務はどのように変わりましたか?

東森氏 最も大きな変化は、作成時間の大幅な短縮です。コピー機能を活用し、過去のフォームを流用できるようになったことで、慣れた今では30分もかからずに完了します。UIも分かりやすく直感的に操作できるので、これまでフォーム作成の経験がほとんどなかったメンバーでも、1時間程度のレクチャーですぐに使えるようになりました。実際にチームのメンバーからは「すごく楽になった」「本当に助かっています」という声が上がっており、導入効果を実感しています。

新田 チーム全体での運用もスムーズになったのでしょうか?

東森氏 はい。Synergy!はユーザー数による課金がないため、広報チームと運営チームなどを合わせた10名以上のメンバーが、それぞれの担当業務に応じた権限を付与して運用しています。例えば、フォーム作成は広報チーム、イベント当日の申込者リストのダウンロードは運営チーム、といった形で明確な作業分担が可能になり、組織全体の業務効率が向上しました。

「1イベント1フォーム」運用を実現し、煩雑な管理から解放

新田 複数日で開催されるイベントの日程ごとにフォームを作成していた課題は、どのように解決されましたか?

東森氏 はい、それはSynergy!に搭載されている「残席枠管理機能」を活用することで解決しました。この機能のおかげで、1つのフォーム内で複数の開催日程とそれぞれの定員を設定できるようになり、長年の課題だった「1イベントにつき1フォーム」での運用がついに実現したんです。
実は導入までに6社ほど比較検討したのですが、この機能があったことがSynergy!導入の大きな決め手にもなりました。フォームの作成・管理の手間が大幅に削減されただけでなく、お客様にとっても分かりやすく、申し込みやすい環境を提供できるようになったと感じています。

新田 その時は、どのような基準でツールを選定していたんですか?

東森氏 そうですね、以前からシステムの変更は検討していましたが、個人情報を取り扱うため、堅牢なセキュリティが必須という条件があり、なかなか変更には至りませんでした。しかし昨今では、無料で利用できる申し込みフォームも増え、費用をかけずに導入できる可能性が出てきたため、5、6社を候補として比較検討しました。その頃、フォーム作成業務に限らず、少しでも改善の余地がある業務には積極的に着手するという方針が立てられたこともあり、本格的な選定に至りました。

新田 選定の決め手はどのような点でしたか。

東森氏 はい。弊社がフォーム作成サービスに求める要件をすべて満たせるかという点と、セキュリティ面を重視しました。各社を比較検討した結果、最も弊社の要件に合致したのがSynergy!だったんです。

新田 ありがとうございます。データ管理の一元化やセキュリティの高さは、皆様から良いポイントだと言っていただくことも多くありますし、弊社としても自信を持ってご紹介できる部分です。これからもしっかりサポートさせていただきますね。

さらにメール配信や抽選機能も活用し、新たな企画提案へ

新田 フォーム作成以外にも、良い効果はありましたか?

東森氏 はい、施策の幅が大きく広がりました。まず、これまでExcelでリストを手動管理し配信していたプレスリリースを、Synergy!のメール配信機能を使って安全かつ効率的に配信できるようになりました。配信停止の受付も自動化され、様々なリスクと手間から解放されました。

新田 心理的なご負担もかなり軽減されたのかなと感じます。

東森氏 そうですね、いろいろなところの業務改善が進んだこともあり、安心して「自分たちがやりたいこと」に取り組めるようになっています。また、プレスリリースの開封率を図れるようになったため、効果的なプレスリリースを検討するためABテストするなど広報的な活用もしていきたいと計画中です。

新田 良いですね!広報の面でもマーケティングの面でもご活用いただいていて、理想的だなと感じます。Synergy!を活用することで、イベントの企画内容にも変化があったそうですね?

東森氏 Synergy!に搭載されている「抽選機能」のおかげで、これまで実施のハードルが高かった抽選制のイベントを手軽に開催できるようになりました。実際にこの機能を活用したイベントも成功を収めており、今後さらに抽選系のイベントも候補にいれたいと考えています。ツール一つでできることが増えたことで、美術館として提案できるイベントの選択肢が広がり、新たな企画を生み出すきっかけになっています。

新田 シンプルにご活用いただけるツールが、日々の業務改善だけでなく、未来の可能性まで広げていることがよく分かりました。本日は貴重なお話をありがとうございました!

※記載されている内容は取材当時のものであり、一部現状とは異なることがありますが、ご了承ください。

大阪中之島美術館 事業課 主任
東森 麻理奈 氏

大阪中之島美術館

大阪中之島美術館は、近代から現代の美術とデザインを専門とする美術館です。単に作品を展示するだけでなく、誰もが気軽に立ち寄れる「パッサージュ(遊歩空間)」を中心に、人々が交流し、知識や経験が交わる「場」となることを目指しています。大阪の新たなシンボルとして、地域文化を育み、世界へ創造性を発信する拠点です。

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