ファインチューニング(Fine-tuning)とは、ニューラルネットワークを用いた深層学習モデルを再学習させる方法の一つで、事前にトレーニングされたモデルを特定のタスクやユースケースに合わせて調整するプロセスのことです。大規模言語モデル(LLM)の活用においても、既に学習済みの言語モデルに別のデータセット(自社のデータなど)を利用して再トレーニングすることで自社の目的にあった挙動や出力に調整することができます。

ファインチューニングを行うことで、モデルはより対象領域に特化した知識や言葉づかいを身につけ、汎用的なAIでは対応が難しい専門性の高い業務や業界固有の表現にも柔軟に対応できるようになります。たとえば、カスタマーサポート向けに自社の商品知識や対応方針を学習させることで、より実用的な対応をするAIを構築するケースもあります。
ただし、ファインチューニングには、高品質な学習用データと高度な技術、そして時間やコストがかかるという特性があります。そのため、いきなりファインチューニングを選択するのではなく、より軽量な調整方法である「プロンプト設計」や「埋め込み(Embedding)」などの手法と比較しながら、目的や実現したい精度に応じて適切なアプローチを選ぶことが重要です。

ファインチューニングは、AI活用をより深く業務に根付かせたい企業にとって、有効な手段のひとつです。

【関連ワード】

DAYS GRAPHY(デイズグラフィ)

「選ばれる理由」が見えるから新たな価値が生み出せる
DAYS GRAPHY(デイズグラフィ)
生成AIを使って顧客像を描き出し、購買場面を把握することで顧客理解を深める仕組みをご紹介します。

「DAYS GRAPHY(デイズグラフィ)」を活用した顧客理解事例