メンタル・アベイラビリティ(心理的可用性)とは、消費者の記憶の中にあるブランドが、買いたい瞬間に思い出されやすい状態にあるかどうかを指す概念です。
これは、単に認知されているかどうかではなく、「どんな場面で思い出されるか」=カテゴリエントリーポイント(CEPs)の豊かさが重要になります。たとえば同じ清涼飲料でも、「スポーツのあと」「眠気覚ましに」「ランチのお供」など、想起される場面が多ければ多いほど、購買チャンスを増やすことができます。
マーケティングにおいては、ブランドの「認知度」や「好意度」だけに頼るのではなく、生活者の頭の中でどんな文脈と紐付いて買われているかを意図的に設計することが重要になります。テレビCMやWeb広告、パッケージ、店頭ポップなど、すべての接点で「この場面ならこのブランド」と自然に思い出される状態をつくることが、ブランドの成長を左右します。
物理的可用性(フィジカル・アベイラビリティ)と合わせて、「思い出せて、すぐ買える」状態をいかに多くの人に提供できるかが、ブランド構築における競争力の源泉となります。
【関連ワード】
「選ばれる理由」が見えるから新たな価値が生み出せる
DAYS GRAPHY(デイズグラフィ)
生成AIを使って顧客像を描き出し、購買場面を把握することで顧客理解を深める仕組みをご紹介します。