定性調査(Qualitative Research)とは、数字には表れにくい消費者の行動の背景にある「なぜ?」を深く探るための調査手法である。数値データを集計・分析する定量調査とは異なり、インタビューや行動観察を通じて、言葉や仕草などの非数値データを収集し、消費者の意識や価値観、購買行動の理由を明らかにすることを目的とします。
例えば、「なぜこの商品を選んだのか?」という問いも、デプスインタビューやグループインタビューを通じて購買の動機や比較検討のプロセスを詳細に掘り下げることで、企業が想定していなかった事実を発見することができます。また、エスノグラフィ(行動観察)を用いて、実際の生活の中でどのように商品が使われているかを観察することで、消費者自身も気づいていないニーズや不満を発見することもできます。
マーケティングにおいては、定量調査では現れにくい消費者のインサイトを把握する必要がある以下のような場面で活用されます。
- 新商品開発時にターゲットのまだ満たされていない、本人すら気づいていないニーズを探る
- ブランドのイメージや広告の受け止められ方を理解する
- 顧客の購買行動の背景や感情を把握する
定性調査を実施する際は、先入観を避け、対象者のリアルな意見や行動を引き出すことがポイントになります。また、収集したデータをもとに、仮説を立て、定量調査と組み合わせて検証することで、より実用的なマーケティング施策につながります。
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