顧客データ分析アンケート/リサーチ顧客管理データ分析・活用アンケートサービス
求めていたのはスピード感をもって並走してくれるパートナー。
CRMを自走化するための組織作り
スマホ・格安SIMの通販サイト「モバレコ」を運営する株式会社オールコネクト。コンテンツマーケティングを通じた新規集客施策は順調に進んできましたが、今以上に売上を伸ばしていくため2017年春にCRMプロジェクトが立ち上がりました。しかし、CRMへの取り組みは全社を通しても初めてのこと。まずは顧客理解を行おうとアンケート調査を行ったものの活用方法がわからない、そんな状態でした。
そこでシナジーマーケティングがご提案したのは、必要なノウハウを提供しながら自社で自走するための体制づくりのご支援。プロジェクト発足から半年、今ではプロジェクトからチーム化されるなどますますCRMの取り組みが強化されています。今回はプロジェクトが結成された背景やプロセス、今後の展開についてお話を伺いました。
写真左より
田島 光太郎 氏
株式会社オールコネクト Webコンテンツ企画部 CRM課 課長
巽 優介
シナジーマーケティング株式会社 東日本事業部 第三営業G リーダー
吉田 敏弘
シナジーマーケティング株式会社 マーケティングソリューション部 データソリューションG マネージャー/データアナリスト
※部署名・役職は取材当時(2017年10月)のものです
新規集客は順調だったが、ある日突然ふってきた「涙プロジェクト」
巽 御社とのお取り引きは今年6月にお問い合わせをいただいたのがきっかけでしたが、改めて当時の課題をお聞かせいただけますか。
田島氏 弊社では、モバイル総合情報メディアの「モバレコ」というオウンドメディアを運営しています。「スマホといえばモバレコ」というブランドを確立していくために、スマートフォンや格安SIMに関する情報発信や、スマートフォンのオンライン販売も行っています。約2年半前に立ち上げてから今では月間約600万PVとなり、ECでの販売実績も作れてきているのですが、更に売り上げを伸ばしていくためには新規集客に注力するだけでなく、既存顧客の維持発展(CRM)に取り組んでいく必要が出てきました。
巽 月間600万PVってすごい数字ですよね。
田島氏 ありがとうございます。コンテンツマーケティングに注力してきた結果です。結果的にサイトはたくさんの方に見ていただけるようになったのですが、元々は自社ブランドでスマートフォンやSIMを販売するために立ち上がったメディアなので、ここからが本番という気持ちでした。
巽 その中でリピート率向上のお話が今年の2月くらいにあったと伺っていますが、具体的にどんな取り組みをはじめることになったのですか?
田島氏 「自社のブランドで購入した人をどれだけ感動させられるか」という『涙プロジェクト』というものです。この根底には、自社のブランドで買ってくれた人に涙を流すくらい満足してもらおう、感動してもらおう、という想いがあります。やるぞとなった時点では形がなく、「満足度とリピート率の相関性を導き出せ」というミッションだけが降りてきたんです。じゃあお客様がどこに満足してくれたらもう一回サイトに来てくれるだろう?と考え、それを探るためにCS調査をまずやってみることにしました。
巽 過去にアンケートは実施されたことはあったのですか?
田島氏 いえ、なかったですね。今思えば滅茶苦茶な設計だったんですが、とりあえず自分たちでアンケートを作って配信してみて、サービスへの満足などを聞いていました。例えば、購入手続きに関する満足度が68%なので、これを88%に上げられればリピート率が0.3%上昇だとか…無理やりですけどとにかく仮説を立てて。無理があるなとは思っていましたが、何かしら見えないものを見えるようにしていかないとならなかったので、これで合ってるのかな?と迷いながらやっていました。
巽 なるほど。やったことのないことを最初から正攻法でいくのも難しいですね。
田島氏 はい。3ヶ月くらい1人で頑張ってみたのですがさすがに限界で。これはノウハウのあるところに助けてもらわないとダメだ!となりました。10社以上お声がけしたんですけど、調査代行が多かったり、経営企画から入りますという会社は費用感が合わなかったりで。その中でちょうどよかったのがシナジーマーケティングでした。
調査を依頼したり、代わりにやってもらってデータを納品してもらうことは求めていなくて、自分たちで自走できるようアドバイスやコンサルティングしてくれる会社を探していました。抽象度の高い考え方などではなく、具体的な方法や作業に落としこめるやり方を、スピード感もって提供いただけるシナジーマーケティングを選定しました。
巽 確かに、最初に訪問させていただいた時にもスピード感が大事!と何度もおっしゃられていましたね。
スピーディーに「自走できる仕組みづくり」を目指す
巽 最初にお話を伺ったときに、「PDCAをいかに早く回せるか」「並走型で一緒にやってくれる会社」を探しているとのことだったので、アンケート設計・分析実施のためのノウハウを提供し、自走までの支援をご提案しました。また、アンケート取得、分析を行い事業部側に田島さんがフィードバックをしていくミッションもあったので、そこをより効率化する点も考慮しました。
田島氏 提案時に事例をいくつか出してもらったのですが、課題に対しての取り組み及び分析ができたという部分が非常にわかりやすかったです。うちの課題と近いと感じましたし、シナジーマーケティングに入ってもらうことでどうなるのかをイメージしやすかったですね。上司にも通しやすかったです。あと、当社のスピード感で行くと常に状況は変化していくので、単月で判断できることもよかったです。その時々で意思決定をしていかないといけないので、他社さんの数ヶ月単位で契約というのは合わなかったんです。
巽 ありがとうございます!弊社としてもアンケート設計及び分析支援案件は豊富で、さまざまな業種のご支援も行っているという部分がポイントだったのかなと思っています。
アンケート設計や分析支援の一例
吉田 私からの支援は、基本的にはアンケート設問やレポートのフォーマットを田島さんが作って、私がこうしたほうがいいですねとアドバイスするスタンスです。支援する上で「相手にとって必要なことを伝える」ことを意識しています。客観的な立場で相手にとって必要な情報を分け隔てなく言えるところが、オールコネクト様にとってもいいのかもしれませんね。
巽 実際に取り組みを開始して感じたことはありますか?
吉田 求められるスピード感が思っていた以上に早かったです。打ち合わせ日程を決めるときにスケジュールがすごく短いスパンできたんです。通常は1ヵ月の中でまばらに3回のレクチャーを行いますが、田島さんとは1週間の中で3回やりましたよね。このスピード感は本気だ!と私も覚悟を決めました(笑)。
田島氏 6月13日に最初のレクチャーをうけて、14日にアンケート設計の支援をしてもらって、16日にまた来てもらって…(笑)。
吉田 私は田島さんが作ったものに対してその場でアドバイスするのでいいのですが、田島さんはレクチャーの後、次のレクチャー日まで準備が必要になります。「間に合うのかなぁ」と心配ではありましたね。でも、そのスケジュールで実施することになり田島さんの本気をすごく感じましたし、こちらも合わせていかないと!となりましたね。
田島氏 6月は計5日間吉田さんに来てもらっていました。全部2日置きに(笑)。ですが、やはりそれくらいのスピード感でやっていきたかったので、ついてきていただけたのは本当に助かりました。ありがとうございます。
会社で取り組みが認められ、半年でCRMプロジェクトがCRM課に!
田島氏 アンケートは、データで社内に説明できる効果をすごく感じました。課題がいろいろある中で、どこから潰していけば効果が高いのか、優先順位づけの判断材料にできます。しかもそれを自分たちだけの意見ではなくお客様の声をベースにしている、というところが大きなポイントです。
あと、長らくさまざまな企業のサービスの販売取次をメイン事業としてきた会社としての背景もあり、今まではクライアントがいて、その意見を優先しがちな文化がありました。でも、アンケートでお客様の声を元にしたデータが示せるようになったことで、自分たちの意識を変えるきっかけになったと思います。自分たちがこう思うではなく、お客様がこう言ってるからというお客様目線になって物事を考えられるようになりました。
巽 社内にも変化がありましたか?
田島氏 そんなすぐに大きな変化はないですが、アンケートを重視してくれるようにはなりました。アンケートなんて…みたいな雰囲気が正直ありましたけど、見方が変わってきたと感じています。私が報告を繰り返していくことで、他の事業部もアンケートを元にこう改善しようという意見が出るようになってきています。
モバレコ バリューストア 「CS調査レポート」から一部抜粋 ※クリックで拡大
吉田 他に頼める人がいないということもあると思うのですが、田島さんは自分でやろうという意識がすごく強いですよね。真面目さというか、自分で覚えようという強い気持ちがあるのでこちらもやり甲斐があります。6月にアンケート設計から集計分析まで一通り行いましたが、まだその時は手探りだったと思うんです。それが2巡目からは一気に理解が進んだ気がします。そこからは私はそんなに大したことは伝えていなくて、田島さんから出てきたものにアドバイスするかたちになっています。その時にもう私がいなくてもいけるなと感じました。
巽 田島さんの取り組みが認められ、CRMプロジェクトがチーム化されましたよね。半年ですごい変化です!
田島氏 はい。3月から始まった涙プロジェクトですが、10月からはCRM課となって動いています。メンバーはしばらく一人ですが、モバレコをもっと大きくしていく部署にまずはしたいですね。僕らの部署の最大のミッションである「スマホといえばモバレコ」を目指して、文化をつくっていきたいです。
今後は、本格的にCRM施策を展開していく
巽 最後に、シナジーマーケティングに今後期待することをお伺いできますか。
田島氏 これからCRMを本格的に動かすので、今までやってきた調査を元に施策の実行や効果測定まで落とし込みたいですね。満足度をあげていくことはもちろんですが、もう一度サイトに訪れてもらったり、より長く使ってもらうことが大切です。そのためにお客様の声を明らかにし、適切なコミュニケーションを行っていく必要があります。例えばSynergy!を導入して動かすとか、具体的な取り組みになっていくと思うので引き続きご支援いただきたいです。
巽 はい、次のアクションの部分をご提案させていただきます!Synergy!というCRMシステム、コンテンツ企画やメルマガの原稿添削など、いろいろな組み合わせでサービスをご提供できるので、より田島さんが評価される形で次のステージへのご支援したいと考えています。
吉田 御社には複数のサービスやサイトがありますし、それらの橋渡しに田島さんがなろうとしています。データを根拠にした施策の文化を作れてきていると感じているので、田島さんにはその文化を広げていってほしいですね。あとは、ある意味、吉田がもういらないと言われることがゴールですね(笑)。
田島氏 そうですね。会社としては「モバレコ」というブランド配下でいろいろなサービスを展開していくという構想を目指しています。モバレコを起点として、スマホも買える、格安SIMも契約できる、モバイルルーターも契約できる、固定回線や光回線など、ゆくゆくはそういうものも全部繋げていく構想です。今はモバレコ内の一チームですけど、今後は全社的にCRMという考え方を浸透させていきたいです。ちょうど新規顧客獲得とリピート顧客拡大という二軸の動きにもなってきているので、それを形にしていくことが自分の仕事だと思っています。
※記載されている内容は取材当時のものであり、一部現状とは異なることがありますが、ご了承ください。