町中を巻き込んだ美瑛町のキャンペーンサイト構築
お客様を理解し、喜ばせたい
美瑛町は年間観光客数 160万人(2016年度統計)と、全国的にみても恵まれた状態にあったが、その一方、観光施策立案においていくつかの問題を抱えていた。
- どんな観光客が来ているのか分からない
美瑛町ではもちろん、顧客理解とファン育成のため、観光客からアンケートの収集を実施していた。季節ごと、観光スポットごとに、どんなお客様が訪れているかが書かれた重要な項目があったが、そのアンケート情報がアナログデータであったために、分析に時間がかかったり、毎年継続するには人海戦術による莫大な労力をかけていく必要があった。 - プロモーション手段の問題
美瑛町に訪れた観光客の連絡先リストが無く、リピーターアプローチも出来ていないという状態にあった。以前の観光客からのアンケートには「住みたいほど大好き」「ぜひまた旅行したいと思っています」など、リピート意欲の高い回答が多かっただけに、これは大きな機会損失であると考えていた。
これらの問題があったために、美瑛町はお客様のことを理解し、お客様の求める情報や充分なサービスをご提供することが出来ずにいた。
「お客様をもっと喜ばせたい」
その思いが、今回のプロジェクトの起点にあった。
データに基づくロイヤルカスタマー育成を⽬指した、観光CRM(Customer Relationship Management)の導⼊
1年間を通じてITを活⽤しながら分析容易な顧客情報の蓄積と顧客リスト作成し、季節ごとのターゲット分析や⾒込み客分析を⾏い、(ツアー商品/ふるさと名品など)商品開発につなげると共に効率・効果的なプロモーション展開の基礎を形成した。
プロジェクトの立案・基本設計は美瑛町にて。
その具現化をシナジーマーケティングが担当した。
今回、シナジーマーケティングが手掛けたキャンペーンサイトは、CRM導入のための、入り口にすぎない。1stステップに当たるキャンペーンでデータベースを構築した後、観光客の分析・課題の分析を行い地域事業者と共有していくことでの地域事業者の観光サービスの向上と、町内横断的な観光事業戦略立案等を、観光DMO事業の一環として位置づけて展開して行く。
キャンペーン詳細
スタンプラリー式プレゼントキャンペーン。
美瑛町内の観光スポット(ホテル、飲食店、交通機関 など)にQRコードを設置。QRコードをスマートフォンで読み込むとアンケート付き応募フォームが表示され、プレゼントに応募できる。複数ある観光スポットを巡り、スタンプを集めるほど当選確率がアップする仕組みで、観光客の回遊を狙った。
美瑛町は近年、外国人観光客が増えていることから、サイトは日本語・英語・中国語(簡体字・繁体字)の3ヶ国語を用意した。
- 日本語サイト
- 英語サイト
- 中国語サイト
約200か所の観光施設、ホテル、飲食店、交通機関などを巻き込んだ一大プロジェクトに
スタンプラリー式のキャンペーンであるため、参加いただく店舗は多ければ多いほうが良い。参加店舗数は当初ひとつの課題とされていたが、一般財団法人丘のまちびえい活性化協会様の働きかけにより2017年6月のキャンペーンスタート時点で30以上の店舗様にご参加いただけることとなり、最終的には、町内約200か所にQRコードを設置した。
参加店舗は、キャンペーン開催期間中も増え続け、町ぐるみの一大プロジェクトへと成長した。
<公開サイト>
ようこそ、北海道 美瑛町へ
※記載されている内容は取材当時のものであり、一部現状とは異なることがありますが、ご了承ください。