事例
株式会社サンワ・アイ

アクセスは約2~3倍、新規見込み顧客の獲得単価は約1/3に。
ねじ商社が展示会頼みから抜け出すまで

インタビュー参加者

写真右より

坪田 康佑 氏
株式会社サンワ・アイ 営業部

中田 博史 氏
株式会社サンワ・アイ 営業部

吉田 光輝 氏
株式会社サンワ・アイ 営業部

熊谷 春香
シナジーマーケティング株式会社 クラウド事業本部 デジタルマーケティング部 第1デジタルマーケティングプロデュースG

住吉 翔太
シナジーマーケティング株式会社 クラウド事業本部 デジタルマーケティング部 第2デジタルマーケティング営業G マネージャー

※部署名・役職は取材当時(2026年9月)のものです

特殊ネジ・金属部品の専門商社である株式会社サンワ・アイ様。長年の課題だった新規開拓の属人化に向き合い、2025年からデジタルマーケティングの取り組みをスタートされました。

前回の取材で語られたのは「今はシナジーマーケティングさんを信じてついていくしかない」という言葉でした。あれから1年。サイトへのアクセスは約2~3倍に伸び、新規見込み顧客の獲得単価は展示会中心だった頃の約1/3に。Webサイトには、展示会では出会えなかった「課題を持って探しているお客様」からの相談が届くようになり、新規の取引口座開設にもつながっています。

一方で見えてきたのは、「すべてをデジタルに置き換えることはできない」という、もう1つの答えでした。取り組み1年目の実際の歩みについて、東大阪の本社で皆様にお話を伺いました。

「何が起こるのかわからない」ところからのスタート

住吉 前回の取材から続いて、自社の強みを改めて言語化するところや、TOPページをどう変えていくかというお話を、ちょうど1年ほど前から進めてきました。当時、社内ではどのような空気だったのでしょうか。

坪田氏 当時も今もあまり変わらないかもしれませんが、初めての取り組みですし、実際にどういうことが起こるのかは、その時点ではまだわからない段階でした。

インタビューにお答えくださった株式会社サンワ・アイの坪田氏

坪田氏 ただ、1年やってみて、問い合わせ件数という形で成果が出てきたところを見ると、以前から「このホームページだと良くないですよ」と言われていた部分をプロの観点で改善してもらった後は、全く感触が違います。そこは素直に良かったなと実感しています。

住吉 社内での話し合いは、どのような進め方をされていたのですか。

坪田氏 社内で話している時は、社内の営業責任者から実務者レベルで「自分が決められることはパッと決めていいし、あなたたちで決めたほうがいい場合は任せる」という割り切りがあったので、進めやすかったです。そのほか、わからないことについては、シナジーマーケティングさんに都度相談しながら進めていました。

住吉 これまでの営業活動や実績を改めて共有する場で、3人で前向きに話し合いができたのですね。自社の強みを言語化する作業を「大変だ」と感じられるお客様も多いのですが、楽しんで取り組んでいただけたのでしょうか。

坪田氏 そうですね。同時に、もっと改善しなければいけないという課題も見えました。新規見込み顧客の獲得だけでなく、新しい仕入れ先の開拓やどういう仕入れ先と付き合っていくべきかという課題も浮かび上がってきましたね。

住吉 最初にデジタルマーケティングの戦略を検討する段階では、かなり高い頻度でお時間をいただきました。ご負担や大変さはありませんでしたか。

坪田氏 ある程度負荷がかかることはわかっていたので、想定通りに負荷の中で楽しんでやっていましたよ。前向きに取り組めていたと思います。

坪田氏 デジタルマーケティング戦略作成の際に策定した強みは、以前から検討していたもので、展示会でも既に訴求している内容だったので、方向性はある程度決まっていた状態で進められました。ただ、それをサイトやWeb広告でどう見せていくかという部分についてまでは考えられておらず、そこをより発揮できる方向に引き出してもらった、アシストしてもらった感覚がありますね。

「何が起こるのかわからない」ところからのスタート、について語られる中田氏と吉田氏

「課題を持って探している」お客様から、問い合わせが届くようになった

住吉 ページを改修し、広告や記事の公開を始めてから、問い合わせの数や質はどう変わりましたか。

中田氏 明らかに、課題感を持って探しているお客様からの問い合わせは増えた実感があります。問い合わせフォームだけでなく、ホームページを見て直接お電話をいただくケースも増えました。「こういうことで困っている」という具体的なご相談が多く、以前までの問い合わせや展示会での接触と比べても、すでに「相談したい」という状態で来ていただけるので、本当に案件につながりやすくなったと感じています。

住吉 変化を感じ始めたのはいつ頃でしたか。

中田氏 取り組みを始めて3か月後くらいからですかね。そこから2、3か月で慣れてきました。

住吉 問い合わせの内容は、具体的にどう変わったのでしょうか。

吉田氏 以前は「シール座金」という特定商品の型番指定などがメインでした。それが「こういう加工はできますか」「こういう条件下で使えますか、作れますか」という、より具体的な技術や加工に関する問い合わせが増えました。

住吉 単なる商品の指名買いではなく、加工や技術のご相談が増えたということですね。

吉田氏 我々がメーカーとして関わっていきたい、ものづくりの構想と合っているんです。展示会だと名刺交換で接触が終わりがちですが、Webからの直接の問い合わせだとすぐにフォローに入れますし、案件の進み方も全く違います。

住吉 実際の受注や口座開設につながった例はありますか。

中田氏 最近1件、新規で取引先口座を開設できたお客様がいます。最初はシール座金の問い合わせからスタートしたのですが、実際の打ち合わせで別の資材や加工技術の話に広がって、結果的に大口の案件受注と口座開設につながりました。

中田氏 入り口が加工技術やものづくりだと検討期間は長くなりますが、商談の進めやすさや質の高さは格段に上がったと感じます。

住吉 展示会で獲得されていた見込み客と比べると、どのくらいの違いがありますか。

中田氏 展示会の見込み客と言っても、2つに分かれるじゃないですか。具体的な案件がある見込みの集団と、そうではない集団と。Webの場合は前者なんですよ。今来ている具体的な相談の数は、展示会で獲得していた新規見込み顧客とのアポ獲得数と比べると、確実に4倍、5倍にはなっていますね。

▼リニューアル後のトップページ

リニューアル後のトップページのキャプチャ画像

「東大阪のねじの匠」——見せ方を、伝わる形に

熊谷 TOPページのキービジュアルにある「東大阪のねじの匠」というキャッチコピーについて、社内やお客様の反応はいかがでしたか。

坪田氏 我々が他社と差別化して推していきたい技術力・人間力というポイントに合致していますし、理念とも一致しているので、社内でもしっくりきています。見せ方に悩んでいた部分を、伝わる形にしてくれたと感じています。

住吉 実際のアクセスデータを見て、事前の想定とギャップのあったキーワードはありましたか。

吉田氏 1つあったのが「メッキ」というキーワードですね。「メッキ」で検索してうちのサイトに流れてくる方が意外と多くて、正直驚きました。

吉田氏 表面処理の同業他社さんと混同されて検索された可能性もありますが、金属加工全般を探しているコアなお客様が「メッキ」も含めて検索して、結果的にうちの二次加工・三次加工の技術に辿り着いて案件化しているケースもあります。入り口はコアなキーワードでも、掘り下げれば加工案件にできる。プラスの気づきになりました。

「東大阪のねじの匠」——見せ方を、伝わる形に、についてお聞きする熊谷と住吉

数字が見えると、社内の会話が変わる

熊谷 定例会では直帰率の分析や「ねじの研究室」のコンテンツ企画を進めてきました。手応えはいかがでしたか。

坪田氏 直帰率が高いページに改善を加えて、どこをターゲットにコンテンツを盛り上げていくかをデータをもとに議論できるようになりました。数値を見ながら「他ページへの回遊や問い合わせをどう増やすか」を考える視点が、社内に定着してきたと感じます。以前は、そこまで踏み込んだ話にはなっていませんでした。

住吉 社内への波及や反応はいかがですか。

坪田氏 浸透には時間がかかりますが、今は社内で「シナジー」という言葉が共通語になっていますよ。「シナジー効果」という意味ではなく、シナジーマーケティングさんのこととして通じるようになっています(笑)。

住吉 取り組みを通じて、新しく見えてきた課題はありましたか。

坪田氏 集客の武器を得たからこそ、逆に自社のボトルネックが明確になりました。獲得したリードをどう追跡し、どうクロージングするかという、営業力とプロセスの問題です。行動量は確実に増えましたが、営業プロセスの有効性やクロージング力を高めていく必要があるとわかりました。

住吉 集客の武器を得たことで、次のステップである営業組織の強化が見えたのですね。

坪田氏 はい。それと同時に、すべてをDX化するのは無理があるということもわかりました。DXを推進することは大事ですが、人が行う営業の仕事は絶対に残る。その役割分担が明確になりましたね。名刺を集めることや、興味の薄い層へのフォローといった無駄な作業に、人が時間を使いすぎていたと気づけました。

住吉 展示会中心だった頃と比べて、営業現場の動き方はどう変わりましたか。

中田氏 営業力を育てるフェーズにおいて、展示会で3日間に200枚の名刺を獲得しても、フォローが追いつかず熱が冷めてしまいます。それよりも、Webから1日に1~2件、月に30件程度の質の高い問い合わせがコンスタントに来るほうが、現場のフォロー体制や身の丈に合っていますし、以前よりも温度感の高いお客様に時間を使えていると感じます。

住吉 展示会はイベントですから、初動が遅れると競合に負けてしまったり、忘れられてしまったりします。その点、Webからの問い合わせは最初からニーズが明確な状態でご連絡いただけますよね。

中田氏 そうなんです。だから今後は、Webでの集客基盤と営業現場のフォロー力、この二刀流を育てていくことが重要だと確信しました。

サンワ・アイ様、インタビューの光景

デジタルとアナログ、二刀流で次の山へ

住吉 1年前の取材で挙げられていた「デジタルとアナログの融合」という目標に対して、現在地はいかがでしょうか。

坪田氏 去年を0%とするなら、この1年で50%まで上がったと感じています。デジタルマーケティングを活用して、新規見込み顧客を獲得するという観点では、当初設定した目標をクリアしており、その意味では100%ですが、デジタルをやったからこそ見えてきた人間の営業力や、アナログな対応力を磨くという本質的な課題が浮き彫りとなったことで、目標がアップデートされました。

住吉 同業の方や上場企業の知り合いの方と話される機会もあるかと思いますが、反応はいかがですか。

坪田氏 同業や上場企業の知り合いと話しても、うちのデジタルマーケティングの取り組みは遅れていない、むしろしっかりと取り組めていると感じます。もっと早くシナジーさんと契約しておけばよかったと思うくらいです(笑)。

住吉 最後に、今後期待されることをお聞かせください。

坪田氏 新規売上の目標達成に向けて、引き続き協力してほしいですね。それと、更なる営業力強化のため、獲得したリードの管理や活用まで踏み込んだサポートを期待したいです。

住吉 ありがとうございます。売上目標の達成も、リード情報の一元化も含めて、伴走パートナーとして今後ともしっかりサポートさせていただきます。本日は貴重なお話をありがとうございました。

※記載されている内容は取材当時のものであり、一部現状とは異なることがありますが、ご了承ください。