BtoB事業部の北村です。

12月8日(火)に「第1回 BtoBマーケティング分科会」を開催しました。当分科会は、Synergy!LEADのユーザー様を中心としたコミュニティです。お客様が実務で使える情報を事例やパネルディスカッションを通して提供し、BtoBマーケターの交流を促進する場として立ち上げました。

第1回でありながら63名もの方に参加登録をいただき、会場はほぼ満席に!

大阪やオーストラリアからも駆けつけた事業部メンバー全員で、お客様をお迎えしました。

BtoB分科会

分科会はSynergy!LEADプロダクトマネージャである佐々木の挨拶で幕をあけました。

「私たちの使命は、“お客様の案件創出に寄与すること”である。ツールの提供だけでなく、いま使えるノウハウをお伝えし、お客様をご支援し続けるのだ」と熱い想いを語りました。

パネルディスカッション

BtoBパネリスト

写真左から、

  • 日本経済新聞社 デジタルメディア局テレコン事業部 次長 山田 崇様
  • シナジーマーケティング株式会社 マーケティングコミュニケーション部 部長 角川悟愛
  • 十二株式会社 取締役 河野友作様

ファシリテーターは弊社の長谷川が担当。様々な形でマーケティングに携わっているお三方から、各社のマーケティング事情を聞いていきました。

1.マーケティング施策への投資額

課題1

マーケティングへの投資額は市場や会社の景気にも左右されると思いますが、ポジティブな意味で投資額が下がったとお話くださったのは、日本経済新聞社の山田様でした。

山田様:「従来は上層部から任される予算をどう使うかを考えていましたが、今期はどのような施策を行うのかゼロベースで決め、その実現に必要な予算を確保しました。結果的に施策が精査され、全体予算削減となりました」

実行施策を決定した上での予算策定は、結果としてコスト削減に繋がることが多いです。もし、なんとなく続けてしまっている何かがあれば、その費用は他に回していきたいですね。ちなみに、弊社シナジーマーケティングは、この分科会と同日に開催したイベントSynergy!LIVEの費用を含めた予算額を具体的にお伝えし、会場をどよめかせておりました。

※Synergy!LIVEの裏側を取り上げた「第2回BtoBマーケティング分科会–200~700名規模の自社イベントをゼロからつくる方法–」開催レポートはこちら

2.「マーケティングチームの体制」について

課題2

長谷川:「さきほどの議題にて、マーケティング予算が大幅に増加したと述べていた角川チームの体制はどのように変わりましたか?

角川:「私のチームは、今年から人数が4人増員されて10人になりました。マーケティング・広報・ブランディングを担当するメンバーが所属しています」

山田様:「私はパートナーセールスと兼務でマーケティング業務を行っています。パートナー各社様からみると私たちの事業部自体がマーケティングチームのように見えるかもしれません。ただ、事業部員は20数名いるものの、そのすべてが開発・営業統括のいずれかでアサインされており、公式なマーケティング担当者は一人もいません。社外メンバーと弊社の数名とでプロジェクト的に体制を構築し、何とかやりくりしている状況です」

兼務のメリットもありますが、どちらの業務も並行して進めていくのはなかなかハードですよね。共感された方も多かったのでは?

3.「KPI」について

課題3

長谷川:「まず、チームのKPIは誰が決めていますか?」

これには全員、「チームのKPIはリーダーである自分が決める」との回答。

長谷川:「しかし、チームで重要だと考えている指標と会社から求められる指標は違うことが多いのではないでしょうか?」

山田様:「全然違います!レポートラインに乗るのは、Webサイトの訪問者など目に見える分かりやすいものばかりになってしまいます…」

これにもうなずくマーケター様が多数。経営陣と現場の目線の乖離は、よく聞く話ですよね。

角川:「私たちのチームは営業と同じ『成約』を追っています。私のチームにいるインサイドセールス部隊はWebと電話からの問い合わせ対応を行い、その後、見込み度の高いリードを営業へ送客しています。自分たちが送客したリードが成約したのか、獲得リードの『成約率』をKPIとして設定しています」

河野様:「私はKPIを重視していないですね。パフォーマンスに影響する要因が複合化している中で、一つの指標に惑わされるのではなく長期視野にたって戦略を達成していくことが重要だと考えています。あくまでも3~5年後のビジネスゴールに向けてKPI があります。」

何をKPIに設定するのが正解なのかは一概に言えません。チームの状況や目的に合わせて見返す必要があると思います。大事なのは組織が同じ方向を向くことではないでしょうか。

ここで長谷川より、マーケティング部門を取り巻くステークホルダーについて説明がありました。経営者からは生産性を、営業からはベロシティを、顧客からはパーソナライゼーションを、競合対策にはスピードを、それぞれ求められます。

参考資料

4.「社外へ外注している業務」について

課題4

河野様:「私たちは、各国・各地域で社外のパートナー様とともにマーケティング施策を進めています。コンテンツの企画やブリーフは社内でまとめていますが、制作自体はパートナー様にお願いしています」

角川:「社内で制作を行っていますが、量産ができない点を課題に感じています」

山田様:「内製化したいという思いがありますが、リソースが足りないことや効果的なものを作れるか自信がないこともあり、社外に頼んでいるのが現状です」

社内で制作まで完結できることが理想だと思いますが、私たち事業部もリソースが足りない場合は社外に協力を求めます。ただ、社外へ業務を投げっぱなしにせず、「おさえるのは自分」という意識がないと、中身の薄いものができてしまいます。外部パートナーへ制作を依頼する際は、「自分たちが当事者である」という意識を持ちながら進めることが重要です。

5.「今後3年の最も重要な取り組み」

課題5

この議題について河野様が、「そもそもマーケティングが理解されていないという前提から覆す必要がある」と語ってくださいました。アメリカをはじめとした海外と比べると、日本のマーケティング市場はまだまだ発展途上ですし、「営業が足を使って案件を取りに行くのが華である」と信じられる企業様も多くいらっしゃいます。営業を否定するわけではありませんが、マーケティングの「地位」といいますか、「意義」や「役割」をもっと認めてほしいと思ったりします。

また、今後の重要な取り組みの1つとして、「ブランド向上」の話も出ました。

長谷川:「販売促進や売上向上の効果も大きいと思いますが、『ブランド』は『マーケティング』という概念の中に留まるものではありません。お客様と接点をもつ営業をはじめとした社員全員が会社の『ブランディング』を担っています」

ブランドの所有者はマーケティング部でも営業部でもなく、社員全員である。そのブランドを使ってマーケティングを行うマーケターは、経営に近い立場にいると考えられるかもしれませんね。

最後に

「マーケターのみなさんは、悩みながらも“決めるのは自分だ”という想いと責任を持ちながら、日々進んでいらっしゃるのだ」と、ファシリテーター長谷川から締めの言葉がありました。

自分たちが行っていることは正しいのだろうか?
他社のマーケターはどのような施策を行っているのだろうか?

同じような仕事に携わる方と悩みや考えを話し合う機会は、それほど多くありません。この分科会が、マーケティングに関わるみなさんの想いや熱意をシェアする場になれば嬉しく思います。

BtoBマーケティング分科会は、今後も3ヶ月に1回のペースで開催。次回は3月の開催を予定していますので、楽しみにお待ちください!

レポート記:BtoB事業部 /北村

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