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「直帰率70%」これって高い? Web担当者のためのアクセス解析、数値の見方

アクセス解析の数値、何を目安に判断していますか?

「直帰率70%」、日頃Google Analyticsなどを利用してWebサイトのアクセス解析を担当されている方・これから勉強しようという方はこの数字を見てどう思われますか?効果の出ていないサイト?すぐに改善が必要でしょうか?

……実は答えは「一概には言えません」

一見すると改善が必要と思われる数値、なぜ必要とは言えないのでしょうか?この記事ではWebサイトのアクセス解析での数値の見方について、事例とともにご紹介します。

直帰率が70%、今すぐ改善が必要?数字に踊らされないアクセス解析の見方

さっそく同じ直帰率の2つのサイトを見比べてみましょう。

1.ECサイトの場合

「直帰率が70パーセント、改善すべきでしょうか」

■実際の訪問者の動きを見てみると……

ポイント

「広告を利用して新規集客に注力」

広告で新規集客に注力しているということは、まだ購入意欲が高くない方も広く集客している可能性が高いです。そのような新規来訪者が多い場合、直帰率も高くなる傾向があります。

ポイント

「直帰しなかった人は平均5ページ閲覧」

直帰せずに内容に興味を持った方はそれなりのページ数を回遊しています。

現在は広告による新規来訪者が多く、サイト内容にマッチした来訪者が少なくなるため直帰率が高くなるのはある程度許容範囲という段階です。今後は新規来訪者・リピーターの割合やコンバージョン率を合わせて数値を見ていきます。リピーターが増加したり、広告でよりサイトにマッチした集客が可能になった場合にも直帰率の変化がなければ改善が必要です。

2.病院サイトの場合

「直帰率が70パーセント、改善すべきでしょうか」

■実際の訪問者の動きを見てみると……

ポイント

「診察時間ページやアクセス(地図)ページを見ているユーザーが多い」

どのページからどんな方法でサイトに来ている来訪者が多いのかを確認することによって、改善が必要な数値であるかどうかを推測できます。検索から診察時間ページやアクセス(地図)ページに来ているということは、来院しようとしているサイト来訪者の確率が高いと考えられます。訪問者が知りたい情報をすぐに知ることができ、病院サイトとしての役割を果たしているので悪くない結果と言えます。

このように直帰率だけで見ても、サイトの目的や業種、集客方法によって数値の見方は変わってきます。では、Webサイトのアクセス解析では何を目安に良い悪いを判断するのでしょうか?

アクセス解析では数値の見方(判断)はサイトによって違う

数値の良い悪いを判断するひとつの目安として、同業他社のデータを比べることがあげられます。同業他社のデータがあれば比較をしながら課題を見つけることができます。

2つのECサイトの数値を比べてみましょう。

※数値は月間の平均値

<セッション数>

A社とB社ではずいぶんセッション数が違います。これは会社規模や取り扱い商材や点数、集客方法などの違いによります。

A社は広告で新規顧客を集め、CRMにも注力している会社です。B社はまだWeb施策をはじめたばかりで、新規集客に力をいれられていません。現状は自然検索で、B社を知っている方の訪問が大半です。

<直帰率>

A社とB社で差があります。

A社は新規集客に力をいれており、広告をクリックしてやってきた方など、まだA社への意識が薄い方も多く直帰率の高さにつながっています。しかし、A社の場合は直帰しなかった新規顧客のコンバージョン率も調べてみると通常より高い傾向があったので多少は問題ありません。

B社は、検索でB社を知っている方が目的をもって来ているため、直帰率はA社よりは低めです。

<閲覧ページ数>

A社は商品数が比較的多い会社です。その多さから見ると閲覧ページ数は少ない、という印象です。購買意向が低い方の訪問が平均を下げている可能性があります。

B社は商品数はA社に比べて少ないですが、しっかり回遊されている傾向が見られます。ただし、サイトが目的にたどり着きにくい構成だった場合などは閲覧ページ数が多い=回遊されているともいえず、サイト内で迷っている可能性も考えられるため、注意が必要です。

<コンバージョン率>

目標の達成率(ECでは商品の購入完了)。達成数÷セッション数で表されます。

A社はB社に比べて一見低いように思いますが、広告で広く認知の浅いターゲットに出稿している点と合わせて効果を測る必要があります。

<新規とリピーターの割合>

B社は圧倒的に新規が多いです。現状、リピーターが定着しておらず、CRMをしっかり行うことで今後伸びしろがある、と考えられます。

<モバイルとPCの割合>

モバイルの割合はA社のほうが高いです。日用品のように、決まった商材を繰り返し購入するタイプのECサイトの場合、リピーターはモバイルを利用することが多く、モバイルの比率が高くなる傾向があります。

いかがでしょうか、数値の高い低いだけではなく、広くサイト全体の内容を見た上でその数値の良い悪いを判断していく必要があるとおわかりいただけたでしょうか。

とはいえ、たくさんの同業他社のデータを比較ができることは理想ですが、いつも比較できる他社データがあるとは限りません。自社で分析を行う場合はデータをさまざまな切り口でセグメント(区分)し、合わせて比較をするのが基本的なやり方です。直帰率の例で紹介したように、各セグメントの深堀りとセグメント間を比較することにより、訪問者の動きや課題が見えてきます。

<セグメント例>

  • 新規/リピーター
  • PC/スマホ
  • 今年/昨年
  • 改善前/後
  • 検索から/広告から
  • CVした人/していない人
  • 見ているページやディレクトリごと

大事なのは自社の業種・集客方法・サイト運用方法に合った指標やセグメントを見つけ出すことです。それによって数字に踊らされないWebサイトのアクセス解析が可能です。ぜひ一度、自社のサイト全体を俯瞰して、Webアクセス解析を行ってみてください。

シナジーマーケティングでは豊富な実績をもとにECサイトや学校サイト、銀行ローン申し込みサイトなどさまざまな業態のWebアクセス解析が可能です。自社Webサイトの指標や改善方法に迷われている方はぜひご相談ください。

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※記載されている内容は掲載当時のものであり、一部現状とは内容が異なる場合があります。ご了承ください。

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