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コトのためのデザイン手法
~HCD(人間中心設計)手法の紹介Vol.3~

こんにちは徳見です。

2回に渡ってHCDの手法についてお伝えしてきましたが、最後は制作~評価フェーズの手法をご紹介します。

<制作>フェーズの手法紹介

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ブレーンストーミング法(BS法)

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集団(小グループ)によるにアイデア発想法の1つで、会議の参加メンバー各自が自由奔放にアイデアを出し合い、互いの発想の異質さを利用して、連想を行うことによってさらに多数のアイデアを生み出そうという集団思考法・発想法のこと。

順番BSや質疑応答BSなどの方法がある。

ワークデザイン(ブレイクスルー思考)

手段ではなく目的を中心とする考え方。

システムの案を考える際に、現状の枠組み・制約をはずして自由に発想し、現状の枠組み・制約を外したところからスタートして、現実的なシステムへと集約してく発想を行うので、現状を大きく変革し革新的なシステムを設計しやすくする。

参考:サイバーワークデザイン研究所 まつふじ

<制作〜評価>フェーズの手法紹介

ストーリーボーディング

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シナリオをシーン(ユーザの文脈的な振る舞い)ごとに絵コンテやコラージュなどで描きおこし、それに対応するインターフェイス(ペーパープロトタイプなど)を作り上げていく手法。

安価にユーザの利用状況とインターフェイスを可視化しながら、複数人で議論できる。

ペーパープロトタイピング

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実際にプログラミングを組んだり、インタフェースをデザインする前に、紙などを使った二次元の試作品でユーザビリティテスト(ユーザの意見を取り入れて、実装前に問題点を洗い出す作業)を行うこと。

紙でテストすることにより、初期段階のデザインミスや不具合の修正が容易にできるので、コストの削減につながる。

デジタルプロトタイピング

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グラフィックソフトを用いてより本物に近いユーザインタフェースを作成し、検証する。

 

<評価>フェーズの手法紹介

思考発話プロトコル法

製品やWebサイトの使いやすさ(ユーザビリティ)を、実際にユーザに使ってもらうことで確認するテスト。

被験者にタスクを実行してもらいながら、その都度発話してもらうことで、ユーザの認知過程を明らかにする。

パフォーマンス測定

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実際にユーザに使ってもらい、時間やエラー数などを計測する方法。ユーザビリティ評価におけるパフォーマンス測定では、効率・効果・満足度を評価軸として計測する。

数値化することはできるが、使い難さの原因追及することには適さない。

ヒューリスティック評価

3〜5人のユーザビリティ専門家が、既知の経験則に照らし合わせてインタフェースを評価し、ユーザビリティ問題を明らかにする評価手法。

被験者を必要としないので、短期間で実施できる。また、初期のプロトタイプや仕様書レベルでも評価が行えるので、インタフェース開発の多くの場面で活用できる。ユーザテスト前の評価として組み合わせると、効率的。

認知的ウォークスルー

ユーザビリティ専門家や開発者が、ターゲットユーザになったつもりで製品やWebサイトを閲覧・操作して評価する手法。

ヒューリスティック評価の一種であると言えるが、ターゲットユーザがどんな人であり(ペルソナ)、どんなニーズやゴールをサイトに期待して行動するか(シナリオ)を基準に評価するという意味では、ユーザビリティテストに近い評価手法とも言える。

アクティングアウト

製品やサービスを使用するシーンを、寸劇のような形で演じることにより、聴衆の反応から気づきを得る手法。

オズの魔法使い

プロトタイプを、プログラミングにより実現する代わりに人間が操作して、いかにもコンピュータが行っているようにシュミュレーションしてみせるプロトタイピングの手法。

特に、ペーパープロトタイピングによるデザインの評価時には、ユーザ役とシステム役の役割分担を行って利用シーンのシュミュレーションを行うことで、ユーザ視点に立ったデザイン評価を行うことが可能となる。

ガイドラインチェックリスト

チェックすべき項目を、ひとつずつ確認していくことで、作成された仕様や製品が所定の基準に達しているか調べる方法。

簡単に実施できるが、評価が機械的になり見落としが発生しやすい。

アンケート(質問紙調査法)

回答結果を統計的に分析し、あるユーザの集団全体の傾向を捉える定量調査。ユーザビリティ評価では満足度調査に用いられる事が多い。

3回に渡ってHCDに関する主な手法を簡単に紹介しました。次回からは、紹介した手法の中から主に扱いやすい手法を具体的な事例とともに紹介したいと思います。

 

※記載されている内容は掲載当時のものであり、一部現状とは内容が異なる場合があります。ご了承ください。

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