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君と僕のタイミング ~恋するメールマーケティング!コピー制作の現場から②~

メールマーケティングの要であるコピーライティングの基本的な考え方やテクニックをご紹介するこのシリーズ。マーケティングとは「恋」である!?そんな一見ふざけたテーマで真剣に綴っています。

前回は、顧客について知ることの大切さについてお伝えしました。今回は、相思相愛を目指す上で大切な「タイミング」について、書いていきます。

弱っている人は恋に落ちやすい!?「日時」より「行動」で考える

~LOVE STORY~

ある男性は、ある女性に恋をしていました。
連絡先は聞けたけど、彼が何度アプローチしても、彼女はなかなか振り向いてくれません。彼女には他に好きな人がいたのです。彼は自分を磨きながら、友人として、そっと彼女の近くに居続けました。
やがて訪れたある秋の日、彼女は好きな人に振られてしまいました。
辛くて泣いて、どうしようもなくなった彼女は、友人である彼に連絡をしました。
彼は一生懸命、話を聞いてくれました。親身になってくれる彼に、彼女は今まで気づかなかった魅力を感じ、徐々に彼に惹かれていくのでした…。

彼女が彼に惹かれたのは、「秋」だったからでしょうか。
いいえ、「振られた後」だったからですよね。
失恋をした人が、その相談相手に恋をする、よく聞く話です。

さてこの流れ、一気に頭を切り替えて「マーケティング」にもっていきましょう!

~MARKETING STORY~

A社は、新サービスを、あるターゲットに向けて売りたいと考えていました。
ターゲットのリストは手に入れましたが、何度メールを送っても、なかなか購入には至りません。ターゲットの多くは、競合のB社のファンだったのです。A社は、サービスの改善をしながら、ターゲットにとって役に立つ情報を集めて、適度なタイミングでメルマガとして配信し続けました。
やがて訪れたある秋の日、あるターゲットはファンだったB社のサービスで期待を裏切られました。あんなに信頼していたのに、肝心のここがダメだなんて…。
そんな日に、A社からいつもの情報提供メルマガが届きました。これまであんまり読んでいなかったけど、ちょっと読んでみよう。A社のメルマガを読んでみると、B社にはない良さがあって、今度使ってみようと思ったのでした…。

『人は、そのときの自分に必要な人に恋をする』と言います。
サービスの提供も同じですね。

  • 他商品が期待通りではなかった
  • 今の商品を使いきった
  • ライフスタイルが変わる(結婚、出産、転職など)
  • 慣れないことをする
  • 失敗をした
  • おなかがすいた
  • 健康診断の結果を見た

など、このように何かの行動をきっかけとして、今まで全く興味のなかったCMが急に気になりだしたり、インターネット検索をしたり、陳列棚の商品に目が行ったりします。
需要というのは、人の行動・状況・感情に大きく左右されるのです。サービスの質を高めて磨き続けることも大切ですが、それだけで売れるとは限りません。良いものは売れる、それは絶対ではないのです。

夏に売れる商品、朝に読む人が多いメルマガ、そういった「日時」を追求する前に、どの「行動」の後に売れるのかを考えることが大切です。

当然、行動が発生するタイミングは人によって異なりますよね。
上記の例の中で、もう一つの重要なポイントが「繋がり続けていたこと」です。もし、A社がしつこく売り込もうとしていたら、ターゲットは「配信停止」で縁を切ったでしょう。ターゲットとの適度な距離感、「何かあったらいつでも連絡して」というさりげない状況が、需要が発生したタイミングで求められることつながります。

「もう連絡してこないで」そう言われないように、適切な関係を続けることが何よりも大切です。
ひたすら売り込んで、嫌われて、新しいターゲットを探すような焼畑農業ではなく、顧客と出会い、相手に応じた関係を続けて発展させていくCRM(Customer Relationship Management)の考え方が大切です。今の顧客全員が大ファンとは限りません。それでもつながっていれば、いつか愛されるときがくるかもしれない。愛にはぐっと我慢、保温も必要です。

タイミングを“作る”!手を差し伸べるジェントルマンはモテる

適切な距離感で、情報提供を続けたら、いざというタイミングでしっかり自分を売り込むことも大切ですよね。(下心出し過ぎるとダメですよ!)

ターゲットは、どんな行動をきっかけとして興味を持つのでしょうか。
その行動の後に響くコピーはどんなものでしょうか。1つの考え方をご紹介します。

「プロポーズされたら、ゼクシィ。」(リクルート)

有名なこのコピーは、「行動」の後の需要をしっかりキャッチするものです。
当時、なるほどと思ったものでした。人は、自分の行動からある需要が生まれていることを意識しているとは限りません。時には、行動→需要→解決策をダイレクトに表現することも効果的です。

ダイレクトに伝えるコピーとしては以下も参考になります。

  • ○○の後に~~~
  • ○○には、△△もね
  • ○○する前のあなたに必要なものとは

また、メールを使ったコミュニケーションのうち、タイミングをうまく利用した手法が「フォローメール」です。これは、わかりやすく需要が発生しているタイミングなので、ぜひ利用していただきたい手法です。
検索をした、見積もりをした、資料請求をした、商品を購入したなど、ある行動を起点に情報提供していくフォローメールは、上記の考え方に基づいています。フォローメールの内容の設計も、そのタイミングでターゲットはどのような行動をしているのかを考慮し、そのときの気持ちに寄り添ったコピーにすることを第一にしてください。

ターゲットに思いを馳せて、行動の後のニーズを読み取り、先回りして手を差し伸べるジェントルマンはモテます。相手が必要とするタイミングで役に立てる存在を目指していきましょう。

相手が探しているパズルのピースは、あなたが持っているのかもしれません。

(おまけ)やりすぎだけど、わかりやすい!サザエさんに見る事例

先日のサザエさんで、「カツオ居留守の天才」というお話がありました。

カツオは車のセールスマンからの電話に出て、父と母は新車でドライブに行ったと嘘をつき、自慢気にセールスを追い払いました。

このセールスマンは、カツオの居留守作戦に気づいていて、後日車のカタログを持って磯野家にやってきました。

「わざわざ苦情を言いに来たの?(byサザエ)」
「ウチは新車を買う予定は…(byマスオ)」
「いいえ、このカタログはこのボク(カツオ)に。今小学5年生ということは、あと8年で免許をとれるということです。車を買うときはぜひ、最初にカタログを届けたこの私に、連絡してくださいね!」

とっても喜ぶカツオ。
「先を読んで行動している営業マンだ」と褒める波平とマスオ。

カツオにとってこのできごとはインパクトがありました。きっとカツオは、8年後「免許を取った後」に、セールスマンを思い出すことでしょう。とても極端な例ですが、「行動」で考えることの大切さと、そうすることで新しいターゲットを発見する場合もある、ということを教えられました。

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※記載されている内容は掲載当時のものであり、一部現状とは内容が異なる場合があります。ご了承ください。

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