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Webサイト運営における日本語の問題
~表記ガイドラインの重要性~

「キンキンに冷えたビール」「パソコンがさくさく動く」というような言い回し、あなたは使ったことがありますか? 文化庁が全国16歳以上に対して実施した平成24年度「国語に関する世論調査」によると、実はこれらの日本語は60代の7割以上の方は使わない、いわば“若者言葉”であるとわかっています。気づかぬうちに、このような若者言葉を使っているということはないでしょうか?

また、「役不足」などの日本語については、アンケート回答者の半分以上が意味を誤って利用していることもわかっています。Webサイトの運営上、ディレクターやデザイナーがコピーライティングを兼任したりすることもよくあること。担当者ごとに日本語の表記が異なることなど、現場では当たり前に起こっているのではないでしょうか。

WebやIT系のセミナーやメディアでは、いつもWebサイトの成果をあげるためのノウハウやデザイン手法についての話題にあふれています。しかし、その「成果」を出すためのノウハウ・表現の根本にある『日本語そのもの』については、あまり話題にあがることがありません。

どんなノウハウをWebサイトに取り入れても、日本語そのものの表記が間違っていたり、意味が伝わりづらかったり、表記ゆれが多いと、格段にWebサイトのユーザビリティーは下がり、思い通りの成果に導くことはできません。今回は、そんなWebサイト上の日本語記述によくありがちな問題を整理しやすくする『表記ガイドライン』の導入とそのノウハウについて、ご紹介します。

今回の記事は

  • 自社サイトの運営上、英語のカタカナ表記や日本語表記について悩んだことがある
  • 自社のサイト制作をあちこちの制作会社に頼んでおり、その都度文章を書く担当者も異なっている
  • 社内に日本語のルールの整理が行われていないので、何が正しいのかもわからない

などの課題を抱えておられるマーケティング担当者やディレクター、Webデザイナーにオススメです。

1. 表記ガイドラインとは

表記ガイドラインとは、自社のWebサイトの運営上必要な日本語表記に関するガイドラインです。以下に、一般的に表記ガイドラインを考える際、視野に入れておくべきポイントをご紹介します。基本的にはこのポイントと、自社のWebサイトの運用が行いやすい要素をまとめれば良いでしょう。

また、表記ガイドラインを策定する際には、新聞社や出版社から刊行されている用語辞典を参考にすることをおすすめします。
例)共同通信社「記者ハンドブック」新聞用字用語集日本語の正しい表記と用語の辞典、など。

2. 「表記ゆれ」の問題

「表記ゆれ」とは、同音・同意味の語句について異なる文字表記が付されることです。特に1つの文の中で、同じ語句に対して異なる表記が存在することを指すことが多いです。弊社の商品名でたとえると、「Synergy!(正式名称)」「Synergy」「シナジー」などが製品ページ内に混在しているような状態のことを言います。

表記ゆれが多いものには、大きく分けて3つあります。ひとつ目は「外来語(カタカナ)表記」、ふたつめは「日本語そのものの表記」、最後が会社名や商品名、コンセプトやキーワードなどの「その会社独自の言葉の表記」です。この3つのポイントで表記ゆれが散見されるものをピックアップし、表記ガイドラインとしてリストアップしていきましょう。

3. 「外来語(カタカナ)の表記」の問題

2.の「表記ゆれ」の問題でも記載しましたが、外来語(カタカナ)の表記については、表記ゆれが多くなりがちです。また、カタカナ語ばかりになると意味自体が通じにくくなるなどの問題もはらんでいます。

外来語(カタカナ)の表記の場合、各社ごとに必要になる語句の種類や範囲が大きくことなる可能性があります。そのため、すべての語句を自社で洗い出すのではなく、まずは官公庁(文化庁)の内閣告示や、それをもとに策定されている日本語の研究機関などが出しているガイドライン(一般財団法人テクニカルコミュニケーター協会の『カタカナ表記ガイドライン第2版』)などを参照してください。これらのなかから自社のWebサイト運営に必要な語句についてピックアップしましょう。

4. 日本語の基本(間違いやすい日本語)

2.の「表記ゆれ」の問題でも記載しましたが、まずは自社のWebサイト内で、日本語の表記ゆれが多い語句について簡単に洗い出しましょう。

日本語の表記ゆれの洗い出しについては、一般的には、以下の3つのポイントに注意すると良いでしょう。ひとつ目は「ひらがなで書くか漢字で書くか」という点。ふたつ目は「誤用(間違いやすい日本語)」。最後に「敬語」です。

ひとつ目の「ひらがなで書くか漢字で書くか」という点についても、3と同様にすでにあるものを活用し、自社の運用に必要なものを随時表記ガイドラインに追加していきましょう。
参考ページ)
 ・「ひらがな書きが適当な語」の例-名詞,動詞を中心にして-
 ・「ひらがな書きが適当な語」の例-副詞,接続詞を中心にして-
 ・「漢字書きが適当な語」および「漢字書きとひらがな書きの使い分けが適当な語」の例 など
ふたつ目は、間違いやすい日本語です。冒頭に上げた「役不足」や、「やむ終えない、やむ負えない(正しくは、やむを得ない)」「うる覚え(正しくは、うろ覚え)」など。これも、検索をすると「間違いやすい日本語」についてまとめられたページがたくさん出てきます。必要に応じてガイドラインに追加していきましょう。
最後の「敬語」に関しても上記と同様です。

また、読みやすさを考慮すると、常用漢字以外の漢字を多用することもおすすめしません。このあたりは、1.でご紹介した用語集なども大いに参照しましょう。

5. その他自社のルール・法律・倫理など

以前『知らないでは済まされない!販促・マーケティング・制作に関する法律4つのポイント』でご紹介したような、日本語やWebサイトやメールマガジン上での表記にかかわる法律や条例についても、表記ガイドラインにまとめておきましょう。

6. 表記ガイドラインの利用と運用

このように、表記ガイドラインを作ることも大切ですが、もっとも重要なことは、これを全社の「日本語表記に関わる担当部門・担当者」に共有し運用することです。Webサイトやメールマガジンだけでなく、カタログや販促ツールなど複数の部門やグループで製作されるお客様向けの製作物のすべてにおいて、同じガイドラインにそって日本語の表記がなされるよう整備しましょう。そうすることで、どのチャネルにおいても、お客様にとって正確で読みやすい日本語での表記が実現できます。

また、表記ガイドラインははじめから完璧なものを作るのは難しく、むしろ状況に応じて変化していくものですので、一度作ったものを数ヶ月に一回見直すなど、改善していくことも重要です。

地道な作業ではありますが、間違いなくコンテンツのクオリティは上がり、成果につながります。もし、まだ表記ガイドラインの整備がなされていなければ、ぜひ取り組んでみてください。

※記載されている内容は掲載当時のものであり、一部現状とは内容が異なる場合があります。ご了承ください。

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