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アドレサブル広告を支える技術~CRMデータを広告に活用するためのマッチング技術とは

こんにちは、中山です。普段は弊社の技術ブログに執筆しています。

今回はこの場を借りて「アドレサブル広告」を支える技術について、マーケターの皆様にご紹介させていただきます。仕組みを把握して、より効果的な広告運用に役立てていただけますと幸いです。

「アドレサブル広告」は自社で保有するお客様のデータを活用することが特長の広告ですが、まだ馴染みのない方もいらっしゃるかと思います。よろしければ以下の記事も併せてご覧ください。

  • アドレサブル広告とは(シナジーマーケティング:アドレサブル広告特集ページ)
  • 広告コストの無駄を改善する「アドレサビリティ」とは何か? (Insight for D記事)

自社で保有するお客様データを活用するために必要なこと

さっそく、自社で保有するお客様データの活用について考えてみましょう。

以下のような状況でリピーターにターゲティング広告で訴求したいとします。

この場合、自社でデータの「Aさん」と広告プラットフォーム側の「Aさん」を関連付ける必要があります。

データベースの「自社 ID」や「Cookie」のように、対象を識別するための情報を識別子と呼びますが、双方のデータベースは異なる体系の識別子を用いています。つまり、自社データの「Aさん」と広告プラットフォームの「Aさん」は、そのままでは関連付けができず、同一人物だと判断することができません。

そこで次に示すようなマッチング技術を活用して関連付けを行います。

識別子交換による関連付け

最初に、自社データの識別子と広告プラットフォームの識別子を交換する方法をご紹介します。

この方法は DSP や SSP などで広く利用されてきました。交換する識別子には Cookie やログイン ID などが使われます。

実行手順は以下の通りです。

  1.  識別子交換処理を実行するタグを自社 Web サイトなどに設置
  2. お客様が自社 Web サイトを訪れる
  3. タグが実行される
    3.1. 自社 ID と Cookie を同時に広告プラットフォーム側に送信
    3.2. 広告プラットフォームは自社 ID と Cookie のペアを保存

この結果、タグを設置した Web サイトを訪問した「Aさん」にターゲティング広告で訴求することができるようになりました。

ところで、この方法には幾つかの課題があります。

  • 広告施策を実行する前に識別子の交換を蓄積する必要があり、すぐに施策を実行することができない
  • 識別子交換に Cookie を用いる場合には Cookie 固有の問題が生じる
  • ブラウザ設定によっては Cookie の送受信が制限される
     ※ 参考記事 : 3rd party Cookie いただきます(TECHSCOREBLOG)
  • 識別子交換後に Cookie が削除されてしまう場合がある

このことから、識別子交換の方法を用いる場合には、施策前に十分な蓄積期間を確保するか、大型の Web キャンペーンとの併用(キャンペーン内で識別子交換を実行する)をお勧めします。また、一般的にこの方法では Cookie が利用されることから、実際のマッチング数は識別子交換処理の実行回数よりは少なくなり、さらに徐々に減少してゆくことを理解しておきましょう。

共通識別子による関連付け

次に、自社で保有するデータと、広告プラットフォーム側で保有するデータの共通識別子を使った関連付けの方法をご紹介します。

先程の識別子交換より新しい方法ですが、主要な広告プラットフォームではカスタムオーディエンス機能としてサポートされています。共通識別子にはメールアドレスや電話番号などが使われます。

実行手順は以下の通りです。

  1.  あらかじめ変換処理の方法を定める
  2.  双方のデータベースの共通識別子を変換する
  3.  自社の変換後の共通識別子を広告プラットフォームに返す

この結果マッチングした「Aさん」にターゲティング広告で訴求することができるようになりました。

ここで手順 1. の変換処理について補足します。

この変換処理は「ハッシュ化」と呼ばれています。仮に、共通識別子をそのまま突き合せ処理に用いた場合、本来広告プラットフォームが知りえないメールアドレスや電話番号が、広告プラットフォーム側に伝わってしまうことになります。

しかしここで用いる「ハッシュ化」は、変換後の値から元の値を得ることが事実上不可能な方法が採用されるため、両者でマッチングしなかった情報は伝わることがありません。(図の場合「Bさん」のメールアドレスは広告プラットフォーム側には伝わりません)

共通識別子を用いる方法は、識別子交換の方法と比較してすぐに施策を実行できるメリットがありますが、マッチ率(自社のデータベースのお客様が広告プラットフォーム側で見つかる割合)に上限があります。例えば、共通識別子としてメールアドレスを用いた場合、おおむね 20%~40% 程度のマッチ率となります。

さらに、広告プラットフォームごとに保有するユーザー層に違いがあるため、業種業態(もしくはターゲット)と広告プラットフォームでマッチ率の相性は異なります。

まとめ

マッチ率は「アドレサブル広告」のリーチに関わる重要な指標ですが、それを左右するマッチング技術には一長一短があり、また広告プラットフォームとの相性も影響することがご理解いただけたかと思います。施策の開始時期、実施期間、併用する Web キャンペーン、ターゲットを考慮して最適な方法をご検討ください。

シナジーマーケティングでは上記のマッチング技術を併用して、アドレサブル広告をご提案中です。お気軽にお問い合わせください。

※「Synergy!広告連携オプション」「AD2」は2023年8月31日にサービス提供を終了いたしました。

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※記載されている内容は掲載当時のものであり、一部現状とは内容が異なる場合があります。ご了承ください。

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