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経験(Experience)を売る時代

このページを見ている方は、「UX」「エクスペリエンス」「経験」「顧客経験」といった言葉を一度ならずとも聞いたことがあるのではないでしょうか?
今回は、これらのキーワードがなぜ注目されているかについて考えてみたいと思います。

UXとは

最近「UX」というキーワードをデザイン業界だけでなく、さまざまな分野でもよく聞くようになりました。

UXとは、 User Experience の略で直訳すると利用者体験です。ユーザーが製品やサービスの購入や利用、所有などの一連の体験を通じて感じることのできる「安心できる」「嬉しかった」「ワクワクする」などといった、ユーザビリティ(使いやすさ)よりもさらに大きな概念です。

実は、UXの概念はまだ明確に定義されていません。さまざまな専門家が、さまざまな視点から定義しようとしており、上記もあらゆる人々の表現を私なりに簡単にまとめた一文です。

User Experience から Experience へ

Userはシステムの利用者を指しますが、マーケティングでは対象者は顧客(Customer)ですので「CX」という表現が使われることもあります。

日本のユーザビリティ分野の第一人者である黒須先生は、ExperienceにはUserやCustomerなど受け手だけに限定されない多様性があることから、シンプルに「経験(X)」という表現を提唱しています。

参考:UXにもの申す-UXからXへ、そしてIFヘ- 

では、なぜこの「経験」があらゆる分野でも注目されているのでしょうか?

なぜ経験が注目されているの?

その理由は「経験経済」という本の第一章にわかりやすく紹介されています。

あるカテゴリーの商品やサービスが、他社と機能や品質などに差がなく個性を失ってしまった状態をコモディティ化と言います。コモディティ化すると消費者は価格以外に選択する基準がありませんので、価格競争に陥ります。モノがない時代は、モノを作りさえすれば売れていましたが、現代はコモディティ化した商品で溢れています。

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経験経済では、コモディティ商品の代表としてコーヒー豆があげられています

日本で例えると、コモディティであるコーヒー豆は1杯5円程度です。豆を挽いてパッケージに入れた商品として売ると1杯80円くらい。手間とブランドによる差が多少ありますが、価格以外にはまだあまり優位性がありません。

これを喫茶店やコーヒーショップなどで専門スタッフや機械によってドリップするサービスがつくと1杯200円〜450円になります。コーヒーの味で差別化が図れるようになります。

さらに、ホテルのラウンジなど、高級で座り心地の良いソファに座りながら丁寧な接客を受けて飲むコーヒーは、1杯1000円以上するところもあります。この場合、コーヒーの味に対してではなく、上質な雰囲気の中で過ごす時間、すなわち経験に対して対価を支払っているのです。

このように経験は経済価値が高いため、ビジネスでも注目されています。

4つのUX

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経験というと、そのサービスや製品を使用しているときのことに注目しがちですが、経験はその前後にもあります。

UXの概念をまとめた「UX白書」では、UXのシーンを4つに分けて整理しています。
※UX白書とは
前回の記事でもUXは様々な専門家が定義をしようとしている、とお伝えしました。その中のひとつに、ドイツでUXの専門家(研究者、実務家)30名が「UXの概念」について議論した成果をまとめた資料が「UX白書」です。日本のhcdvalueが翻訳してくれています。
原文:http://www.allaboutux.org/uxwhitepaper
日本:http://site.hcdvalue.org/docs

例えば、ディズニーランドで考えてみましょう。ディズニーランドに行く計画が持ち上がった時から、ワクワクとした期待感が生まれます。これが「予期的UX」です。
実際ディズニーランドで楽しい時間を過ごしている体験が「一時的UX」。
帰宅後、写真を見ながら家族で「楽しかったね〜」などと思い出を振り返る体験、 これが「エピソード的UX」です。

何度かディズニーランドに訪れることで、ディズニーランドに行けば楽しい体験ができる、夢の国であるという経験が根付きます。ディズニーランドに行けば「日常を忘れてリフレッシュできる」、「 頑張った自分のご褒美」など、ひとつひとつの体験を蓄積する事で根付く感情が「累積的UX」です。 「累積的UX」は長期的な利用に繋がるので、「一時的UX」など他の状態よりビジネス的価値が高いとされています。

次回は、この経験をどのように設計していくのか、経験のためのコミュニケーションデザインをテーマにしたいと思います。

 

※記載されている内容は掲載当時のものであり、一部現状とは内容が異なる場合があります。ご了承ください。

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