トラッキングとは

トラッキングとは、特定のユーザーが、サイト内でどこを閲覧しているのかを追跡、分析することである。どこから来た人が(インターネット広告や検索エンジン)、どのようなページを見て(製品紹介・事例)、コンバージョン(資料請求・商品購入)に結びつくのかを追跡する。またコンバージョンしなかった場合も、サイト内のどこに問題があったのか分析することができる。どの広告から来た人がコンバージョンに結びつきやすく、コンバージョンに至らない人はどのページで離脱しているのかを調べることは、新聞広告やチラシ・テレビCMなどの従来の広告では、知ることのできなかった消費者行動データであるため重要である。施策ごとのデータを分析することで、施策ごとの費用対効果を明らかにし、施策の最適化を進めることができる。

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Webサイト上でのトラッキングの取得方法

トラッキングを行うツールはさまざまあるが、とくに多く利用されるのが「Cookie」である。Cookieは発行元によって以下の2種類に分かれる。

ファーストパーティーCookie

ユーザーが訪問したサイトのドメインから直接発行されるCookieのことを指す。会員のログイン情報のほか、サイト内の閲覧履歴やECサイトの場合は使用するクレジットカード情報の保存にも利用されている。 発行はドメイン単位で、利便性が高くユーザーからもブロックされづらいのがメリットだが、多用するとサイト負荷が大きくなるため注意が必要。

サードパーティーCookie

サイト運営者以外の第三者から発行されるCookieのことを指す。ファーストパーティーCookieと異なり、特定サイトのドメインに依存しないため複数サイトを横断しての追跡が可能な点が特徴である。広告の運用時に利用されるのもこのサードパーティーCookieである。
Googleは2024年1月よりChormeのユーザー1%に対して、サードパーティーCookieの利用を無効にするテストを開始した。ユーザーのプライバシー保護の観点から段階的に廃止される予定である。

スマホ上でのトラッキングの取得方法

トラッキングはスマートフォンのアプリやブラウザ上でも行われており、代表的な取り方は以下の2種類である。

広告識別子

広告IDとも呼ばれ、アプリ内広告においてスマホ端末を識別するためのIDを指す。iPhoneなどiOS端末で使用される「IDFA」とAndroid端末で利用される「AAID」に分けられる。
ブラウザ単位でトラッキングを行うCookieと異なり、広告識別子はスマホ端末単位でトラッキングを取得する。

SensorID

スマートフォンに搭載されているジャイロスコープ、磁力センサー、加速度計などの情報を利用してトラッキングを取得する仕組みを指す。取得は広告識別子同様、スマホ端末単位となる。あらゆるトラッキングの取得方法である。

トラッキングにまつわる危険性や今後について

トラッキングは企業にとってはより効果的なマーケティング施策を打ち出すデータとなり、ユーザーにとっては快適なインターネット体験を創出することができるが、危険性もある。その一つが「セッションハイジャック」だ。
セッションIDを不正な手段で窃盗することにより、そのセッションでやりとりされているユーザーの情報や氏名、クレジットカード番号などの個人情報をも窃盗したり、本人になりすまして通信を行ったりするサーバー攻撃のことを指す。トラッキングが行われており、その機能を利用する限り、セッションハイジャックの被害にあう危険性がある。

サードパーティーCookieのようにプライバシー保護の観点から廃止に向けての動きがあるものもあるが、トラッキングを安全に利用するためには利用者一人ひとりがメリットとデメリットを把握した上で、利用の要不要を判断するという個人情報の管理能力を高めることが重要である。

トラッキングについてよくある質問

Q1:トラッキングとはどのような意味ですか?

A:トラッキングとは、Webサイトの訪問者やメールの受信者が「どのような行動をしたか」を追跡・記録する技術や仕組みのことです。具体的には、Webサイトで「どのページを見たか」「どのリンクをクリックしたか」や、メールが「いつ開封されたか」といった行動履歴をデータとして収集し、分析するために用いられます。

Q2:ビジネスシーンにおけるトラッキングにはどのような役割がありますか?

A:ビジネスシーンにおけるトラッキングには、顧客の興味や検討状況を把握し、最適なアプローチを行う役割があります。たとえば、料金ページを頻繁に見ているユーザーは購買意欲が高いと判断して営業フォローを行うなど、行動データに基づいた効率的なマーケティングや営業活動を支援します。

Q3:トラッキングを許可することにデメリットはありますか?

A:ユーザー視点でトラッキングを許可するデメリットとしては、行動履歴が収集されることによる「プライバシーへの懸念」や「不快感」が挙げられます。「自分の行動が見られている」と感じることへの心理的抵抗感や、行動に基づいた広告が過度に表示されることを嫌うユーザーも増えており、ブラウザ側での制限(ITPなど)も進んでいます。

Q4:トラッキングをオフ(拒否)に設定するメリットは何ですか?

A:トラッキングをオフに設定するメリットは、自身のWebサイト閲覧履歴や行動データが企業や第三者に収集されるのを防ぎ、プライバシーを保護できることです。また、行動履歴に基づいて表示される「追跡型広告(リターゲティング広告)」が表示されなくなるため、広告に対する煩わしさが軽減される場合があります。

Q5:トラッキングをオフにすると、Webサイトの利用や表示はどう変わりますか?

A:トラッキングをオフにすると、Webサイトの利用や表示に、自分に最適化された情報や広告が表示されなくなるという変化があります。基本的にWebサイトの閲覧自体は問題なく行えますが、Cookieを利用した「最近見た商品」のような履歴機能や、ログイン状態の保持など、一部の利便性に関わる機能が制限される可能性があります(ただし、ログイン等はファーストパーティCookieで管理されることが多いため、影響は限定的です)。