ローン申し込み数が3倍に!金融業界でのフォーム改善施策とは

中国総合信用株式会社

お客様からの資料請求や問合せを受けるチャネルとして、今や欠かせないWebフォーム。Webフォームで手続きを行う魅力は、簡単で速いこと。だからこそ、ユーザーに負荷を与えず、登録の意欲を失わせないフォームの構築が重要です。では、具体的にどのような工夫をすればいいのでしょうか。
中国総合信用株式会社様は、個人向け金融ローンの申し込みフォーム改善の結果、離脱数の改善と申し込み数の増加を実現しました。その取り組みについて、中四国で弊社の支店機能を担うアド・セイル株式会社とともに、担当者にお話を伺います。

写真左より

宮宇地 政人 氏
アド・セイル株式会社

大下 譲司 氏
中国総合信用株式会社 業務部 主任

杉本 和也
シナジーマーケティング株式会社 西日本事業部 西日本第二営業グループ

※部署名・役職は取材当時(2017年3月)のものです

フォームで与える印象がお客様の申し込み意欲を左右する

宮宇地氏 まず、中国総合信用株式会社様(以下、中総信様)について教えてください。

大下氏 弊社は、銀行が個人のお客様のニーズに応えた金融サービスを提供できるよう、サポートを行っています。そのメインが信用保証業務です。お客様が銀行にローンの申し込みを行った際に、銀行へ保証を行います。

宮宇地氏 ローンの申し込みは、店頭ではなくWebで行う方が増えていますか?

大下氏 いつでもどこでも申し込みができ、さらに審査も早いことから、やはりWebでのお申し込みが人気です。弊社のお取引金融機関様も、もちろんWebサイトにローンお申し込みフォームを設置しています。弊社で構築したフォームも御利用いただいていたのですが、さまざまな課題を抱えていました。

宮宇地氏 あらためて、抱えていた課題について教えてください。

大下氏 フォームの視認性が悪く、お客様にとって入力しづらいフォームになっていました。申し込みの受け皿を整えるだけでなく、多くのお客様から審査にお申し込みいただくために戦略を練ることも弊社の役割です。以前のフォームでは離脱者も多く、その役割が果たせていませんでした。

宮宇地氏 同時に、仮審査受付以降に銀行とデータをやり取りするフローも煩雑でした。

宮宇地氏 フローが煩雑では、正確さを担保しながらスピーディーに業務を行うことはなかなか大変かと思います。

大下氏 申し込みいただいたお客様のデータを弊社側でしか確認することができないために、銀行側での業務が遅れることがありました。また、弊社でのお申し込み受付審査後に銀行側へお申し込み内容を渡す作業を、FAXを介して行っていたため、人的リスクの発生する恐れがあることも問題となっていました。利用していたシステムが老朽化していて、フォームやフローの改善が難しかったことから、新しいシステムへ変えるために業者選定を始めました。

ローン申し込み者を増やすという目的を実現できるフォームへ改善

宮宇地氏 ちょうどその頃に、弊社とシナジーマーケティングで出展していた展示会で御社の母体銀行様に出会い、御社をご紹介いただきました。

大下氏 当時は、金融業界のシステム構築に特化しているシステムベンダーにばかり話を聞いていました。もちろん、安定した基盤を構築していただける信頼感はあります。しかし、フォームの視認性向上や登録状況の分析に対してまで、手厚く支援いただけるベンダーが見つからずにいました。一方で、他業界におけるマーケティング支援実績のある、アド・セイルとシナジーマーケティングからいただいたご提案内容は、弊社の目的を汲み取っていただけているもので、感動しました。

杉本 御社が抱えていた課題の先には、システムの整備だけでなく、ローン申し込み者を増やすという目的があったので、その目的を意識して提案しました。

宮宇地氏 提案の際には、当時のフォームにおける課題と改善案もお持ちしました。課題として挙げたのは、『項目間の余白が少なく入力が大変だと印象づけてしまっている』『注意文言が不足しておりお客様を戸惑わせてしまっている』『スマートフォン利用者にとって入力しづらい』などです。フォームにアクセスしたからといって、すべてのお客様が申し込みをするわけではありません。申し込み者を増やすためには、お客様の「登録しよう」という意欲を阻害する要因を一つずつ取り除いていく必要があると考えました。提案したフォームのデザインをご覧になられての印象はいかがでしたか?

大下氏 いただいたデザインは、入力項目一つひとつの幅がゆったり取られていたため、お客様に負担を感じさせないものでした。また、入力ステップや注意書きもわかりやすく、お客様を迷わせない工夫がされていました。いただいたデザイン案を社内に共有した際には、非常に視認性がいいと評判でした。

宮宇地氏 シナジーマーケティングのCRMシステム「Synergy!」で構築することで、金融機関に必要な高いセキュリティを保持しつつ、銀行様とのやり取りにおけるフローの簡素化ができるしくみも実現しました。

エラー数が多い箇所にお客様が感じている不便のヒントがある

杉本 あわせて、「Synergy!」の『多機能フォームオプション機能』もご提案させていただきました。

※導線解析マップ サンプル画面

大下氏 フォームにアクセスした方の離脱率は手作業でしか割り出すことができず、地味で大変な作業でした。提案いただいたSynergy!の多機能フォームオプション機能のおかげで、フォームの訪問数・登録数・離脱数・離脱ポイントが一つのレポートで確認できるようになりました。前は一日がかりだった分析と報告の作業が、画面キャプチャを取るだけで完了するようになったので、すごく助かっています。

宮宇地氏 多機能フォームオプション機能のレポートを見て、何か気付いたことはありますか?

大下氏 たとえば「居住年数」といった年と月を入力する項目があるのですが、月の部分だけエラーが多く発生していることです。おそらく、今の家に住み始めて何年経つのかは覚えていても、月まですぐに思い出せるお客様が少ないからだと思います。数値から、こうしたお客様の心理を読み解けるようになったのは収穫です。もちろん、見つけた課題は今後改善していきます。

宮宇地氏 離脱数やCV数も良い結果が出ています。

大下氏 フォームの1ページ目から2ページ目に移る際の離脱数が大幅に減少しました。また、銀行側と協力してLP(ランディングページ)と広告を用いた集客施策を実施したこともあり、これまで25〜40%を推移していたWebからのローン申し込み率が50%を超えてきています。その結果、申し込み数は3倍に増加しました。申し込み受付後のフローも整備されたため、数が増えても問題無く運用できています。

他業界でのCRMの成功事例を金融業界にも取り入れる

宮宇地氏 フォームとフローの改善がいったん落ち着きましたが、これから取り組まれたいことはありますか?

大下氏 引き続きローンのお申し込み者を増やす施策を行うとともに、ご契約いただいたお客様へのサービスも強化したく思います。たとえば、返済の終わったお客様へ、ニーズをつかんだキャンペーンのご提案をするといったことです。契約後も接点を増やしてお客様との関係性を深めていきたいですし、保証会社である我々がその役割を担うことで、銀行側のサポートができればと思っています。

杉本 われわれが持っているCRMのノウハウでお役に立てることがあると思います。集客を強化する上では、ローンご契約に至ったお客様の特性を把握することが必要だと考えております。今後は、本申し込みに至る割合をさらに高められるような集客のご提案ができればと考えています。

宮宇地氏 最後に、シナジーマーケティングや弊社へ期待することを教えていただけますか?

大下氏 幅広い業界のマーケティングを支援されていることが強みだと思うので、他業界の成功事例をぜひ教えていただきたいです。金融業界は、マーケティングやCRMがまだまだ苦手です。ましてやWebマーケティングとなると、なおさらです。そのため、他業界の取り組みから学んで真似ていければと思っています。

杉本 他業界の事例を導入したいと考えられる方は、優秀なマーケターの方に多いのですよ。大下様のお役に立てるように、顧客理解を含めた事例や施策をご紹介できればと思います。

宮宇地氏 中総信様のプロジェクトを通して、弊社も金融機関におけるご支援ノウハウを得ることができました。中総信様からさらに信頼していただくためにも、弊社は中四国における窓口となり、地域の企業様のWebマーケティングをこれからもご支援していきます。

※記載されている内容は取材当時のものであり、一部現状とは異なることがありますが、ご了承ください。

中国総合信用株式会社
業務部 主任
大下 譲司 氏

中国総合信用株式会社

中国総合信用株式会社は、中国地区に本店を置く、第二地方銀行を母体とする信用保証会社です。母体行が地域社会における顧客ニーズに応え、個人に対する営業基盤の拡充を図るための、総合的な金融サービスの提供を確立する役割を果たしています。

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