データの一元管理でコストダウン&マーケティング施策の活性化!
~複数システムを統合した取り組みとは~

株式会社インテージ

複数のツールをマーケティングに活用する場合、それぞれのツールの強みをいかせるというメリットがあるものの、データ管理が煩雑になってしまうという課題にぶつかります。

今回お話を伺った株式会社インテージ様では、複数のマーケティングツールを活用しており、顧客データの一元管理ができない、重複するデータが存在していて管理が難しいという問題を抱えていらっしゃいました。加えて、それぞれのシステムにかかるランニングコストの負担が非常に大きくなっていました。

そこで、SalesforceとSynergy!LEADを導入する運びとなり、今回のシステム導入で、煩雑であったデータ管理がスピーディーになりました。また、顧客データの一元管理を実現したことで、マーケティング活動へのデータ活用もより効率的になりました。

今回は、株式会社インテージの川口様にインタビューを行いSalesforceとSynergy!LEAD導入による変化や、今後のデータ活用に期待することなどを詳しく伺います。

インタビュー参加者写真

写真右より

川口 麻衣子 氏
株式会社インテージ カスタマー・ビジネス・ドライブ本部 事業推進部

矢熊 吉成
シナジーマーケティング株式会社 クラウド事業部 プロダクトマネジメントG

※部署名・役職は取材当時(2022年12月)のものです

「施策別にツールを選択するという運用」でデータ管理の難易度もコストも高くなった

矢熊 インテージ様は、市場調査、マーケティング支援を基幹とされていらっしゃいますが、川口様はどのような業務をご担当されているのでしょうか。

川口氏 私は事業推進部に在席しており、販促を担うグループに所属しています。弊社が掲げるデータを活用したマーケティングの有効性について、より多くの企業の方に知ってもらえるよう、セミナーやコンテンツメディアの運用、メルマガの配信などの業務をしています。
部の役割としては、その他にも、キックオフと呼ばれるような営業集会の運用や、事業やサービス戦略提言、社内DX推進、販促戦略立案~実行や若手の教育まで、弊社事業を推進する上での総合的な現場サポートを行っています。

矢熊 マーケティングだけではなく、多岐にわたる業務を行っているのですね。
マーケティング領域について少しお伺いしたいのですが、これまでもセールスマーケティング、デジタルマーケティングを実行されていらっしゃいますが、どのようなツールをどのように使用されていたのでしょうか。

川口氏 3つのツールを使用していました。1つめのツールではメルマガの配信、2つめはセミナーの管理、そして3つめのツールではレポートダウンロードのフォームを作るというように活用していました。
過去は施策ごとに個別最適化していくような判断をしていたので、「この施策を手軽にするには?」ということを考え、そのときに最適と考えるツールを選択して導入していったので、この3つのツールを併用するというスタイルになっていったんです。

矢熊 データの管理や運用が複雑になりそうだと感じたのですが、実際に運用していた時に感じていた課題などをお聞かせください。

川口氏 おっしゃるように運用はかなり煩雑になっていました。複数のツールにわたってデータが点在していたため、毎月データを集めて統合するという作業が必要でした。このデータを統合する作業に時間がかかっていたため「資料ダウンロードを行っていただいたお客様にメルマガを配信し始めるのは1か月後になる」というようなタイムラグが発生していました。
また、統合作業は外部業者に依頼していたのですが、どれくらいデータが整理されているのかはブラックボックスになっていました。それと、3つのツールを使用していたのでランニングコストが高かったことはデメリットです。

矢熊 大手のツールを複数お使いでしたので、費用はかなりかかっていたのではないでしょうか。

川口氏 確か、年間1,000万円は超えていたと思います。ツールが多い分お金がかかったのと、データの統合を外部委託していたので、高くても仕方ないと思っていました。

複数ツールでの運用・管理について語る川口氏

拡張性のあるSalesforceとシンプルで使いやすい
Synergy!LEADで機会損失を減らす

矢熊 インテージ様からご相談をいただいて、データの状態がブラックボックスになっている点を改善する必要があると考えました。また、誰がどのようなタイミングでアクションをしてきているのか、データを確認するのにタイムラグが生じてしまうのはマーケティング施策を行う上で問題です。先ほどのお話でもあったように、このタイムラグは1か月ほど発生していたので、かなりのタイムロスになっていたはずです。

川口氏 そうですね。見込み顧客がアクセスしてくれても、こちらからアプローチできるのが1か月先になってしまうのは大きな機会損失になっていたと思います。

矢熊 これらの状況を踏まえて、今回、SalesforceとSynergy!LEADをご提案しました。
Salesforceの利点は拡張性があることです。Salesforceは、見たいデータを簡単に見やすく設定することができ、標準機能としてレポート機能も搭載されていますので、自己管理しやすいシステムです。また、ノーコードでさまざまな自動化を行うことができますので、従来のプログラミング開発よりもローコストで自由に実装を行うことができます。
マーケティングにおいては、Salesforceと連携ができ、フォーム作成、メール配信という必要な2つの機能が備わっているシンプルなシステム「Synergy!LEAD」を利用するのが最も良いと考えました。いろいろな機能が搭載されていても、学習コストがかかってしまいますし、本格的な運用開始までに時間がかかります。特に、Salesforceを初めて操作される方が多かったため、マーケティングに関しては、「シンプルで誰でも使いやすい」Synergy!LEADが最適だと考えました。

現システムの課題と解決策

ツール導入において「誰をパートナーとするか?」は大事なポイント

川口氏 マーケティングツールは、さまざまなツールがありますが、それぞれに良い所、使いにくい所があります。正直なことをいうと、システムはどこの会社のものでもいいと思っていました。
Salesforceも、拡張性が高いとはいえ、カスタマイズの自由度が高いが故の不自由さもあります。ただ、実際にシステムを導入するにあたり、サポートしてくださる方がどれぐらい自社を理解してくれるかは大事なポイントになりました。自社の運用スタイルにあわせて提案をしてくれ、最適なカスタマイズをしてくれる、パートナーになり得る会社かどうかは意識をしていました。
矢熊さんは終始一貫して課題から聞いてくださり、それに対してどのような事ができるのかを提案してくれます。一般的に、このようなツールの会社さんだと、本格的なサポートはリリースまでとなる事が多いのですが、なんと驚くことに、リリースして既に1年以上が経過した今でも矢熊さんは伴走してくれています。
システムの拡張性の高さから、やりたいこともどんどん増えて、その度に新たな課題が出てくるのですが、そういった場合でも、本当に必要かどうかの検討も含め、さまざまなサポートをしていただいています。こういったツールは、何を入れても同じだとしても「誰をパートナーとして選び導入するか」ではかなり違いが出てくるところだと思います。

Synergy!LEADのサポートについて語る川口氏

矢熊 そういっていただけて大変うれしいです。私たちは「ツールの導入がゴールではない」と考えています。ツールは導入してからが本当のはじまりで、その後に問題が発生することがほとんどです。そのため、インテージ様の業務フローを理解し、「何が一番最適なのか?」を考え、導入後もご支援できていることが、このような評価につながっているんだなと改めて実感します。

ツールの導入は二人三脚で実施

矢熊 今回システムを作るうえで、点在しているデータをどう統合するかが一番の課題でした。インテージ様にもその部分ではかなり協力していただきました。データ量がとにかく膨大で、単なる顧客データだけでなく「誰がどういったデータをダウンロードしたのか」や「どういったメールを配信したのか」など行動に関するデータも大量にありました。お客様の情報は、インテージ様にとっての資産ですので、それを削除するよりも、一旦全部移行する方が良いだろうと考えました。データの移行についてはインテージ様のみなさまにご協力いただきました。

川口氏 私は導入当時、大量のデータのクリーニングをする役割でした。本当はマーケティングに活用しない情報だけど「一応入っている」データの選別、逆に本当なら入っていてほしいデータが入っていない場合に補足するなど、この辺りのクリーニング作業にかなりの手を入れました。
後はレポートの部分です。従来のシステムでは、いろんなデータをつなぎ合わせたものを、マーケティングの結果や進捗として各部署に報告していました。しかし、Salesforceにデータを入れると、レポートのダッシュボードで今までと同じことが実現できます。レポートについて「本当はどのような形にしたいのか?」などを集約し、それをSalesforceでどう実現していくのかを検討しました。その他にも、複雑なフラグ管理について、矢熊さんに相談しながら条件の整理などを行いました。フラグ管理については、非常に複雑な事をやっていただき本当にありがたいです。

矢熊 一般的に、データの整形なども含めてベンダーに任せることが多いですが、今回はデータがいろいろなツールに渡っていたのでインテージ様にお願いしました。データのインポートや、どうやってデータを入れていくのかといった部分に関しては、弊社の方で設計するという役割分担になっていましたね。

川口氏 データの見え方や管理の仕方など、今まで触った事もないSalesforceでどういう設計にすればいいのか全く分からない状態でした。しかし、このような悩みについて、導入時から今もずっと対応してもらえているのがすごく有り難いです。

矢熊 今回のインテージ様の案件では、「マージ処理 ※1」が非常に特徴的だったと思います。弊社も同じですが「セミナーに参加されました」や「資料がダウンロードされました」といった情報は、どんどん蓄積されていきます。今回は、このようなデータを自動でマージして、勝手にデータをきれいにしてくれるといった機能を実装しています。
このような機能については、本来プログラミング開発をしてリリースするという流れになるのですが、Salesforceではノーコードで、画面上の操作で実装することができます。そのため、何らかの問題が生じた時でも、すぐに修正して反映することが可能です。
通常のシステムであれば問題が発生したとき、プログラムを修正してテストして、リリースして、という流れになり、工数とコストがかかります。1回の改修をするだけでも、数十万円の費用が発生するでしょう。それが今回、ノーコードでやったことで、問題が発生した場合でも、オンラインで私が修正箇所を指示するなど、数時間足らずで修正できてしまうというケースがほとんどでした。そういった所では、コストがかからないようにシステムの運用ができ、コストの最適化は達成できているのではないかと思います。

※1マージとは、「合併する」「融合する」といった意味の英単語で、複数のファイルやデータやプログラムなどを決められたルールに従って一つに統合することを指します。

データのマージ処置について、Synergy!LEADの強みを語る矢熊

使いやすい上にランニングコストは半分以下に!Salesforce と Synergy!LEADの導入効果

矢熊 運用開始から1年半程度が経過しましたが、現在の運用状況はいかがでしょうか。

川口氏 今回導入したSalesforce と Synergy!LEADの組み合わせは、総じてすごく良かったと思っています。
まずは、データが一元管理できてかなり見やすくなりました。タイムラグがなく施策を実施できるようになったので、顧客が問い合わせをしてくれたホットなタイミングで施策を行うことができ、機会損失も減っていると思います。
また、データが見やすくなると「こんなこともできるのでは?」「こういうことにも使えるのではないか?」といった新しいアイデアがチームの内外から出てきて、データ活用に対する期待値がさらに上がってきている気がします。
メルマガ配信などの業務にはSynergy!LEADを使用していますが、非常に使いやすいツールです。従来、メルマガの配信は私たちのチームで他の部署からの依頼や相談を受けて実施していたのですが、今では他部署の方も直接配信できるようになっています。
また、コストの面でも大きな効果がありました。SalesforceとSynergy!LEADの導入後は、ランニングコストが以前の1/3ほどまで抑えることができています。以前と同じことが1/3のコストで実現でき、さらにデータがスムーズかつリアルタイムで反映できるようになっているので、この時点で一つの成功を収めているといえます。もちろん、機能を拡張していけば運用コストも上がっていくと思いますが、それでも以前の半分ほどに収まるのではないかと思います。

矢熊 私はインテージ様からは、自分たちでしっかり学習をして「このツールを使いこなしていこう!」という意欲を感じています。リリース後、弊社が良い信頼関係を築いてフォロー・伴走できているのは、そういったインテージ様の姿があるからだと感じています。われわれサービスを提供する側からすると、導入したツールを意欲的に使っていこうと思っていただけることは、しっかりフォローしていきたいというモチベーションにつながります。

川口氏 これからもぜひ、よろしくお願いしますね。今社内では、営業における利用・活用も考えていて、新しいチャレンジを始めるというフェーズに来ていると感じています。例えば「このシステムを営業部にも活用してもらおう!」とか、別の職域の人たちにどうやって使ってもらうかということを検討しています。導入後、営業担当者においてもデータ活用の期待値が上がったことで、データ整備に関して協力的な雰囲気になってきています。会社内のデータに対する意識そのものが変わってきたと感じていますし、よりデータ活用の幅が広がってくるのではないかと考えています。

矢熊 社内での期待値が上がり、活性化してきている様子でうれしいです。
営業での活用に向けて、営業さんからもさまざまな要望が出てくるだろうと思います。いろいろなご要望を聞いて、「これはやった方がいい」「これはやらなくていい」という部分をきちんと選別しながら、インテージ様が継続的にSalesforceと Synergy!LEADを活用できるよう提案していきたいと考えています。今後も、良い信頼関係を維持しながら支援させていただければと思います。

※記載されている内容は取材当時のものであり、一部現状とは異なることがありますが、ご了承ください。

株式会社インテージ
カスタマー・ビジネス・ドライブ本部 事業推進部
川口 麻衣子 氏

株式会社インテージ

株式会社インテージは1960年に創業。世界9の国と地域に拠点を持ちマーケティングリサーチ/インサイト事業でアジアNo.1※のインテージグループを牽引し、国内外の企業・団体のマーケティング活動をトータルサポートしています。「生活者理解の深化」と「データ活用の高度化」により顧客ビジネスの未来創造を支え、「Create Consumer-centric Values ~お客様企業のマーケティングに寄り添い、共に生活者の幸せを実現する」という事業ビジョンの実現を目指しています。
※「ESOMAR's Global Top-50 Insights Companies 2022」に基づく(グループ連結売上高ベース)

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