独自のアルゴリズムでセグメントした推奨リストでは、
「購買」が約16.7倍に

小林製薬株式会社

メールを全体配信していた理由は、「独自の購買パターン」と「メールの費用対効果の高さ」

―― まず、御社について教えてください。

「他の製薬会社さんにはない『新市場を創造する商品開発』が特徴です。主力事業は、主に芳香剤、医薬品、健康関連食品などの『家庭用品製造販売事業』、そして、ここ近年注力している『国際事業』と『通販事業』の3つです」

―― 御社の通販事業は今年で15周年になるのですね。通販という点での強みは何でしょうか。

「100種類以上の商品のラインアップです。さらに、サプリメントなどでは一部店頭でも購入できる商品もありますが、そのほとんどがオリジナル商品である点です。また、製薬会社としてはかなり早い段階で通販事業に参入しているので、そういう意味でも『お客様とのつながり』に関する経験も豊富だと思います」

―― 販促として実施していることを教えてください。

「毎月、会報誌『とくとく便り』をお客様に郵送し、その中で期間限定のお買い得商品を提供しています。また、この『とくとく便り』の郵送のタイミングに合わせて、メールでもお買い得商品のお知らせをお送りしています。DMの郵送や、セグメントを絞ったメール配信などは、適時行っています。
販売チャネルは、カタログ(電話・FAX)、ECサイトのどちらも用意しています。商品のラインアップ自体が比較的年齢の高い人向けのものが多いので、おのずと電話・FAXでの受注がメインになります。しかし、ここ数年では特にECサイトの会員数が伸びてきています。対して、電話・FAX受注のお客様を新規獲得するために、定期的に新聞や雑誌などのマス広告を出稿していますが、顧客の獲得効率は徐々に低下しつつあります。
このような背景もあり、アドテクノロジーを活用した新たな層の獲得が課題であり、その受け皿としてのECサイトやメールマーケティングも重要だと考えています」

―― ECサイトでの販売促進を目的とした仕組みのひとつとして、メールをご利用なのですね。

「はい。大体、月2回くらいは、ほとんどの会員に向けて『とくとく便り』を始めとする販促を目的としたメールの配信を行っています」

―― ターゲットを絞ってメール配信をすることはありますか。

「ターゲットを絞ったメールも適時配信しています。RFM分析や、ECサイト限定のポイントランク別にメールを配信したこともありました。ですが、結局のところ全体配信が多いです。
そうなっている理由は2つあって、ひとつめは『弊社の通販に特徴的な購買パターン』にあります。『とくとく便り』で毎月の割引商品が出るタイミングを狙って購入されるお客様が非常に多いため、単純にRFM(購買日・回数・金額)や、累計購買金額をもとに算出されるポイントという軸だけで顧客をセグメントするには限界があったのです。
ふたつめは、『メールの費用対効果の高さ』です。メール配信の場合、カタログやDMの製作・郵送コストと比べると、一度原稿を制作すれば、それを何通配信しても紙媒体ほどコストは大きくはなりません。そのため、全体配信を行っても費用対効果はそんなに悪くはなかったこともあり、ついついできるだけ多くのお客様にメールを配信することが多くなっていました」

『購買』は最大で約16.7倍、メールの『解除』は約5.6倍の差異が見られた

―― iNSIGHTBOXに興味を持ったきっかけは何ですか。

「電話受注の場合は、直接オペレーターとお客様のOne to Oneコミュニケーションのなかで、自然とアップセル・クロスセルにつながるご提案ができることがあります。それと同じように、ECサイトでもお客様に商品を適切にレコメンドし、割引ではない形で、商品自体に価値を感じてもらって購入してもらえるような方法はないかと、以前から模索していました。そういう意味で、単純なRFMや商品軸ではない切り口のiNSIGHTBOXを使った顧客ターゲットの抽出方法に興味を持ちました」

―― 今回のiNSIGHTBOXを使ったメール配信と購買実績の分析について教えてください。

「月2回お客様に配信しているメルマガの配信実績と購買データをもとに、iNSIGHTBOX独自のアルゴリズムで抽出された顧客ターゲットの特徴を比較しました。具体的には、もっとも成果が見込めると予想される『推奨』と、その次点の『準推奨』、反応の見込みが薄い『その他』の3つの種類のターゲットのリストをiNSIGHTBOXで抽出し、各ターゲットのメールの『開封』『クリック』『購買』『解除』について実績値を比較しました。
その結果、『推奨リスト』と『その他のリスト』の実績値は、メールの『開封』『クリック』『購買』という各ポイントで、約2~16倍もの成果の違いがみられました。また、メールの『解除』についても、『推奨リスト』は『その他のリスト』の約5分の1以下になりました」

3つの種類のターゲットのリストをiNSIGHTBOXで抽出

■「推奨リスト」と「その他のリスト」の実績値結果

「推奨リスト」と「その他のリスト」の実績値結果

―― 中でも『購買』は最大で約16.7倍、『解除』は約5.6倍の実績値の開きがあったそうですね。この分析結果をはじめて見た時、どう思いましたか。

「iNSIGHTBOXを信頼していましたし、期待通りの結果が得られたなと思いました。また、これだけ反応に差が出ているのを数字で目の当たりにすると、やはりターゲットを絞ってメール配信をした方が効果があるな、『推奨』のターゲットへのメール配信を積み重ねていく必要があるな、と改めて感じました。特に、『購買』はもちろんのこと、メールの『解除』という点での気付きが大きかったです。メールを通じての売り上げを上げるためにも、よりよいお客様との関係性を保つためにも、メールの『解除』という視点は非常に重要ですね。また、RFMや商品軸・ディスカウント以外の切り口を探すという意味でも、興味深い結果になりました」

iNSIGHTBOXを活用した「DM施策の精度向上によるコスト削減」と「レコメンド」

―― 今後は、この結果をどのように活用されるのでしょうか。

「『DM施策の精度向上によるコスト削減』と『レコメンド』に活用できると考えています。
DMを販促の主軸としているので、かなりのコストをかけています。今回のメール配信での結果のように、もしDMの精度を上げることができれば、大幅なコスト削減になり、十分な利益率の向上も実現できるでしょう。
また、『レコメンド』という部分では、今まで『過去にこの商品を買った人』というような簡単な商品軸の絞り込みしかしていなかったので、今後はiNSIGHTBOXでもう少し細かくセグメント配信をするなどして、成果を見てみたいと考えています。今までにない切り口という意味では、『Societas※』も使えるかもしれませんね。

※Societas(ソシエタス) 弊社独自の顧客セグメンテーション。価値観や行動の要因となる「日本人の特性パターン」のこと。Societasについての詳細は、弊社のクラウドサービス「iNSIGHTBOX」をご参照ください。

当社はEC専業ではありませんし、私自身もお客様とオペレーターの電話でのやりとりが目に見えるところで働いているということもあって、やはりECサイトでも『究極のOne to One』を実現したい、それが最終目標だと思っています。そのことによるアップセル・クロスセルはもちろんですが、それ以上に、『お客様とどのようにつながっていくか』という点は今後も重要なテーマです。お客様のことをもっと知るためにも、今後もiNSIGHTBOXを活用していきたいと考えています」

※記載されている内容は取材当時のものであり、一部現状とは異なることがありますが、ご了承ください。

通販事業部 通販マーケティング部 Web担当
福井 貴啓 様

小林製薬株式会社

「熱さまシート」や「アイボン」「トイレその後に」など、ユニークなネーミングのヒット商品で知られる小林製薬は、医薬品、衛生用品などの製造・販売を行っています。同社は、お客様とのダイレクトな接点を構築できるビジネスとして、1999年に通信販売事業をスタートしました。「製薬会社ならでは」を追求した、より安心で高品質な商品をお客様に提供し続けています。

メールマーケティングやWeb広告施策など、CRM活動をトータルにご支援した弊社事例の2015年度版。5事例を掲載。