Salesforceでのアンケート運用を改善するための方法
顧客、社員、世間の声などさまざまなターゲットのご意見やご希望を把握するために使われるアンケート。その種類も多岐にわたっており、自社の業務改善や新製品をリリースする市場に向けての匿名の調査から、製品やサービスに関する満足度調査など目的も形態もバラバラです。
実施する機会も多いアンケートですが、「意図した回答が得られない」「取得したデータを活用できていない」など、なかなかうまく実施できていないという方も多いのではないでしょうか?
この記事では、世界中で利用されているクラウド型のSFA/CRMツールであるSalesforceでアンケートを行う上でよくある課題とその対処についてご紹介します。
<目次>
Salesforceでアンケートを実施する際によく使う手段
まずは、Salesforceで保有している顧客データや見込み顧客に対してアンケート調査を行う際によく使われる手段と、メリット・デメリットを押さえましょう。よく使われる手段としては、主に以下4つがあげられます。
- Salesforceのアンケート機能を利用する
- AppExchangeのアプリを利用する
- 外部のアンケート専用システムを利用する
- 無料ツールを利用する
それぞれの特徴とメリット・デメリットについてご紹介します。
Salesforceのアンケート機能を利用する
Salesforceにはアンケート機能(Salesforce Surveys)が備わっており、知識がなくても簡単にアンケートフォームを作成できます。また、Salesforceのデータと統合しやすく、顧客や従業員からのフィードバックを直接Salesforce内で収集・分析したり、フローやプロセスビルダーと連携して自動化することも可能です。近年、Salesforceが力を入れている機能の一つです。
通常、このアンケート機能ではSalesforceに作成されているユーザー(実際にSalesforceを利用している社員)に向けてのアンケートとして利用しますが、Experience Cloud サイトを利用することで、社外向けにアンケートを公開することも可能です。
■メリット
- Salesforceの標準機能のためすぐにアンケートを実施できる
- プログラミングの知識がなくともアンケートが作成できる
- アンケートの分析やレポートの確認が可能
■デメリット
- 社内向けのアンケートに特化しているため、社外向けにアンケートを行う場合にはExperience Cloud サイトを利用する必要がある
- 社外向けにアンケートを行う場合にはSalesforceのユーザー以外匿名の回答となってしまい、回答者と回答結果の紐付けができない
- アンケート回答後のサンクスメールを配信できない
AppExchangeのアプリを利用する
SalesforceのAppExchangeには、さまざまなサードパーティ製のアンケートツールが提供されています。これらはSalesforce Surveysよりも高度な機能(分岐ロジック、カスタマイズ可能なデザイン、レポート機能など)を提供していることが多いです。
■メリット
機能が豊富で、特定の要件に合わせたアンケート設計が可能。レポート機能、アンケート回答に基づく自動化ワークフロー、顧客の行動履歴に基づいたパーソナライズされたアンケート配信にも対応できる。
■デメリット
多くの場合、追加費用が発生する。
外部のアンケート専用システムを利用する
現在、アンケート実施においてさまざまな機能をもったシステムが出ています。
それらの多くは、アンケートに特化している分、選択肢や設問の分岐における柔軟性があり、高度なアンケートの作成を可能としています。
また、システムによってはSalesforceと連携可能なものもあります。
■メリット
- 高度で柔軟な設計のアンケートが実施できる
- 簡単にアンケートを作成できる
- アンケートの分析やレポートを確認できる
■デメリット
- Salesforce内でアンケートフォームの作成ができない
- 回収したアンケートのSalesforceへの格納先が固定されている
- 製品によってはSalesforceと連携がされておらず、回答者と回答結果の紐付けができない
無料ツールを利用する
例えば、Google フォームなどの無料ツールでアンケートを行うこともよく使われる手段です。
無料かつ、簡単にアンケートを作れるようになっているためアンケート実施のハードルは大きく下がることが特徴です。
■メリット
- 無料でアンケートを実施できる
- プログラミングの知識がなくともアンケートが作成できる
- すぐにアンケートを作成することが可能
■デメリット
- セキュリティ対策が十分に実施されているか調査の必要がある
- サポートが提供されていないことが多く、自分たちで運用を行う必要がある
- 製品 によってはSalesforceと連携がされていない場合や、連携に別のツールが必要となる場合があり、回答者と回答結果の紐付けが困難
Salesforceでアンケートを行う上でのよくある課題
すでに自分たちでアンケートを行っているという企業様の中でも、意外と困っていることが多いアンケート調査。
せっかくツールを入れて実施し始めてみても思ったような効果が出ていないこともしばしばあります。
ではなぜうまくいかないのでしょうか?ここではその原因についてご紹介しますので、思い当たるものがないか確認してみてください。
課題1:過去のアンケート回答結果の蓄積ができていない
アンケート回答結果を十分にいかせていないという課題です。
Salesforceでアンケートを始めた際によく聞かれる声が、回答結果が上書き更新されてしまうため、データの蓄積ができないというものです。
実は、Salesforceと連携ができるツールの中でもアンケート回答結果を上書き更新のみでしかオブジェクトに入れられないものが多くあります。
課題2:アンケート回答結果が一元管理できていない
せっかくアンケートを取り始めても、それらの情報が見える状態にない、あちこちにあるため集約ができず、十分な分析ができないこともよくあるのではないでしょうか?
アンケートの回答結果と、その回答をしてくれた人たちのデータが異なる場所にあるだけで得られる示唆は大きく減少してしまいます。
課題3:アンケート取得のための運用が煩雑になってしまう
アンケートの回答結果の取り扱いだけではなく、アンケートフォームの作成からユーザーに回答してもらうというところまでにかかる工数も無視はできない要素です。
また、Salesforceと連携ができるようにするために、項目などの微妙な調整を行う必要があったり、回答依頼を行う対象者を絞り込んだものの、Salesforce上から対象者にアンケートを送れないなどで、気が付けばアンケートにかかる時間が膨れ上がってしまうということもよくあるのではないでしょうか?
さらに、ツールによってはアンケートの回答結果を蓄積させるためオブジェクト内にアンケートごとで新しい項目を作成しなければならない場合もあります。
アンケート回答結果の一元管理方法の具体的な方法などについては、以下記事をご確認ください。
Salesforceでアンケート実施時に意識をするべきポイント
Salesforceでアンケートを行うにあたってよくある課題をここまで見てきました。
それでは実際にどのようなポイントに気を付ければアンケート運用を改善することができるのでしょうか?
ここでは、その具体的な方法について解説をしていきます。
意識するべきポイント1:アンケート回答結果が蓄積できるように仕組みを作る
過去に取得をしたアンケートの回答結果が上書きされず、履歴として蓄積されることは非常に重要です。
蓄積ができていることで顧客の時間ごとの態度や興味の変化を継続的に追跡でき、そこから新たな示唆を得ることにつながります。
もし、アンケートの回答結果が最新の情報で上書きされてしまい、過去のデータが失われている状態であれば、回答を履歴として保持できるSalesforceのオブジェクト(例:カスタムオブジェクト)にデータを格納できるシステムへの切り替えをおすすめします。これにより、単発の調査ではなく過去の回答もすべて保存され長期的な顧客理解と分析ができるようになります。
意識するべきポイント2:アンケート結果をSalesforceに集約できるようにする
アンケート結果をSalesforceに集約できるようにすることで、アンケートデータと顧客データ、営業データ、サポートデータなどを一元管理し、関連付けて分析することができます。これにより、顧客一人ひとりのニーズや行動をより深く理解し、新しい施策のアイデアや改善ポイントなど、重要な示唆を得ることが可能です。
Salesforceにアンケート結果を集約するには、さまざまな方法がありますが運用の負荷などを鑑みた際に、以下の点が重要です。
- 簡単にSalesforceに連携ができる
- 回答者データにアンケート回答を紐付けできる
- 自由なオブジェクトに対してアンケートを格納できる
意識するべきポイント3:アンケート運用がSalesforceだけで完結できるように設計をする
実はSalesforceのアプリケーションをうまく使うことで、アンケートの制作から公開・配信、そして結果分析までをほとんどSalesforceで完結することが可能です。
運用を煩雑化させる一つの要因としては、各工程において使うツールが異なってしまうことでデータの連携が必要になることがあります。
その点、アンケート運用をSalesforce内で完結することができれば、データの連携の作業が不要となり、運用負荷の軽減につながります。
ポイントについてもっと詳しく知りたい方は、以下記事も参照してください。
Salesforceと連携が可能なSynergy!LEADのご紹介
これまで見てきたSalesforceでのアンケート運用における課題(回答結果の蓄積不足、データの一元管理の難しさ、運用工数の煩雑さ)を解決し、さらにアンケート運用をSalesforce内で完結させたいと考える際は、弊社の「Synergy!LEAD」をご検討ください。
Synergy!LEADの概要
Synergy!LEADは、Salesforceと連携する国産初のマーケティングシステムです。フォーム、メール配信、Webトラッキングなど、Salesforce上でのマーケティング活動を支援する機能を搭載しています。見込み顧客(リード)向けマーケティング活動と既存顧客向けCRM活動の両方をワンストップで実施できます。
▼Synergy!LEADフォーム機能の画面
Synergy!LEADの特長
Salesforceでのアンケートを取りやすくする以下のような特徴がSynergy!LEADにはあります。
- 自由なオブジェクトに対してアンケートフォームを作成可能
- 取得したアンケート回答をSalesforceに自動連携できるため、回答者と回答結果の紐付けが可能
- Salesforce上でフォームの制作からメールでのアンケートフォームの配信まで実施可能
▼Synergy!LEADを使用したフォーム作成イメージ
まとめ
Salesforceでのアンケート運用には、回答の活用、データの一元管理、煩雑な作業といった課題がつきものです。これらの課題を解決し、顧客の声やデータを最大限にいかすためには、アンケートの目的を明確にし、Salesforceとの連携を意識した設計が重要です。
Salesforce連携に強みを持つ Synergy!LEAD は、Salesforceとシームレスに連携し、自由なオブジェクトに対してアンケートフォームを作成できるため、過去の回答結果を上書きではなく履歴として蓄積することが可能です。これにより、顧客の行動履歴やニーズの変化を時系列で把握し、より深い示唆を得ることができます。
また、回答者データとアンケート結果を紐付けてSalesforceに格納できるため、アンケートデータが点在することなく一元管理され、顧客データや営業データなどと連携した多角的な分析が可能になります。これにより、顧客理解を深め、パーソナライズされたアプローチを強化できます。
さらに、フォーム制作からメールでのアンケート配信までSalesforce上で完結できるため、データの連携作業が不要となり、運用工数を大幅に削減できます。これにより、アンケート運用がスムーズになり、担当者の負担を軽減しながら、より多くのアンケートを効率的に実施できるようになります。
アンケート作成から配信、結果のSalesforceへの格納、顧客データとの紐付けまでをスムーズに行い、効率的なアンケート運用とデータ活用を実現いたします。もし何かご相談等ございましたらぜひシナジーマーケティングまでお問い合わせください!

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※記載されている内容は掲載当時のものであり、一部現状とは内容が異なる場合があります。ご了承ください。