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CRM発想の広告最適化

広告出稿の最適化を実現することはマーケターにとって重要な課題であるが、広告予算配分の間違いを正し、限られた予算でその効果を最大化するためには、どのような指標をもとに検証すればよいのか?また、正確に検証を行うために、どのようにデータ蓄積の設計をおこなうべきでだろうか?
今回は、“顧客行動の視点”から分析・検証を深める、CRM発想の広告最適化手法について紹介したいと思う。

なお、この記事はBtoB向けの内容になるが、BtoCでも考え方は同じである。BtoCに関しては、「売上向上のためのCRMデータ活用のコツ CV数を最大化する顧客視点の流入経路の評価方法、LTVアップに欠かせない顧客軸の視点」にまとめてあるので、こちらもあわせて参考にしてもらえればと思う。

1. BtoB広告の効果測定における課題とは

マーケティング予算において広告費の割合は高く、マーケターにとって意識の高い課題である。その広告投資の最適化を実現することはマーケティング活動全体に好循環をもたらすといっても過言ではない。そのため、多くの企業で広告測定ツールを導入しているのは周知の事実であるが、その活用の仕方が不十分なケースも少なくない。

購買行動がWeb上で行われるECの場合では、コンバージョン属性を適切に蓄積し、データエクスポートすれば、さらに柔軟に深く高度な購買分析を実施することもできる。

しかしながら、多くのBtoB企業は、ECではなく購買・成約がWeb上で完結しない。この場合、広告の効果検証が“ 資料請求”などの“中間指標”でとどまってはいないだろうか。Web経由の資料請求に対して、営業活動を進めていく多くのBtoB企業では、アクセスログと顧客管理(CRM/SFA)データを統合させなければ、広告を正しく効果検証することは難しい。

直接効果の前段階の間接効果をふまえたアトリビューションも重要であるが、図1の通り、コンバージョンの後工程の顧客管理(CRM/SFA)で管理されている成約・LTVデータを活用することが重要になってくる。

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2. 顧客視点からの正しい分析・検証とは

繰り返しになるが、広告予算配分の間違いを正し、限られた予算で効果を最大化するためには、アクセスログデータと顧客管理(CRM/SFA)データを統合する必要がある。つまり、広告測定ツールの蓄積データを前提に検証をすると、重要な事実を見過ごしてしまうことがあるということである。正しい分析・検証をするためには「○○システムを使いこなす。」という姿勢では不十分であり、“システム前提”や“蓄積データ前提”ではなく“システムを超えて”データ統合し、常に“顧客行動の視点”から分析・検証を深めていく姿勢が必須である。

多くのBtoB企業において、“顧客行動の視点”で検証方法を考えると、顧客管理(CRM/SFA)側の成約データなどを活用して分析・検証しなければならないことは明白である。

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アクセスログと顧客管理(CRM/SFA)には、図2のようなデータ項目が蓄積されている。
これらを統合し、分析・検証した実績にもとづく例を紹介したい。
下記図3では、コンバージョン数は流入経路A、Bともに300件と同数である。ここまではアクセス解析で把握できるが、この情報だけで流入経路A、Bともに同等の評価をして、同金額のコストを投下するのは早計である。中間指標をもって全体を評価することが不十分であることは当然のことである。

正しく評価するには、図の通り顧客管理(CRM/SFA)データを付加して検証する。そうすると、コンバージョン数は同数であった流入経路AとBではある が、最終成約に至る成果は3倍もの違いがあることが見えてくる。さらに、コンバージョン金額やLTVまで検証していくと、コンバージョン数が明らかに少な かったCの方が、最終的にはBよりも成果が出ていることが明らかになっている。

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程度の差こそあれ、実際に流入経路Bのように、“中間指標”のコンバージョン数だけを確認しただけでは見えない事実が明らかになる。それを確認せずに効果が高いと誤認し、効果が出ていない広告に予算を投下してしまっていることがあるのである。

3. データの統合的蓄積が、業績に大きなインパクトを与える

AとB を同等評価するのではなく、A > C > Bの順で正しく流入経路を評価することで、広告・Web・SEO・LPO対策により効果的な施策を実行することができるのである。効果的な解決策を行なっていくには、徹底して正しく現状把握をしていくことが必要不可欠である。

コンバージョンは多いが成約への貢献が低いという広告は存在する。コンバージョンという中間指標だけを検証していては、そのような事実は見えてこない。また、さらに言うと売上金額だけではなく、粗利も考慮して検証していくことも必要になってくるであろう。

このように顧客管理(CRM/SFA)にある成約データを活用し、正しく検証することが必要不可欠であることを紹介してきた。しかしながら、アクセスログと顧客管理(CRM/SFA)データの統合を実現することは容易なことではなく、実現できるアクセス解析ツールもまだまだ多くないのが実状である。

アクセスログと顧客管理(CRM/SFA)データを統合管理すれば、アクセスログと顧客管理(CRM/SFA)データをそれぞれエクスポートし、共通のKey項目でマージするという面倒な作業は不要である。実際、データ分析する場合にもっとも時間を要するのは、このデータ統合と整形の作業プロセスである。また、別システムで管理しているがゆえに、関連付けるキー項目が設定されておらず、データを統合できないというケースもある。

データ蓄積は一朝一夕にいかないものである。今後ますますデータ活用が重要になってくることは間違いないが、そのためには活用を見据え、戦略的にデータ蓄積を設計していくことが必要不可欠である。適切にデータが蓄積されていれば、迅速に活用することができ、PDCAサイクルが加速する。

「データの統合的蓄積が、業績に大きなインパクトを与える、極めて重要なことである。」とは言い過ぎかもしれないが、少なくも重要な第一歩であることは間違いない。

 

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