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CRM導入のメリットとは?デメリットや選び方も併せて解説

CRM導入のメリットとは?デメリットや選び方も併せて解説

「顧客関係管理」「顧客管理システム」と訳されることの多いCRMは、顧客情報を管理してマーケティング・営業活動の効率化を可能とするシステムです。それでは、CRMは具体的にどのようなことを実現してくれるのでしょうか。
今回は、CRMに関心があり、導入するメリットについて詳しく知りたいという方、さらにはデメリットも知っておきたいという方のために、CRMが持つ特徴を詳しく解説します。さらには、CRMを選ぶ際に押さえておきたい4つのポイントも紹介しますので、ぜひお役立てください。

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<目次>

CRMを導入する5つのメリット

まずは企業がCRMを導入することで得られるメリットを見ていきましょう。下記より、CRM導入の5つのメリットを紹介します。

顧客情報を一元管理できる

CRMにおいて最も重要な位置を占めるのが、顧客情報を統合してデータベース化し、一元管理する機能です。
リアル店舗、Web、モバイルアプリ、メール、SNSなど、企業と顧客との接点は多様化しています。しかし、それらから得られる顧客情報をバラバラに管理していたのでは、効率的なマーケティング活動は行えません。営業担当者が、顧客情報を属人的な方法で管理してしまっている場合も同様です。

CRMは、顧客の氏名や住所、年齢、性別などの属性データと、購買履歴やアクセス履歴などの行動データを合わせて一元管理します。それらのデータを分析することにより、顧客のセグメンテーションやターゲティング、顧客一人ひとりのニーズにマッチしたマーケティングなどを実施することが可能となるのです。

最新の顧客情報を共有できる

CRMで管理している顧客情報を全社で共有すれば、異なる部門・部署間や拠点間で同じ情報を活用できます。それだけではなく、CRMは新たに入力した情報もリアルタイムで更新され、全利用者がその内容を確認できます。

例えば、カスタマーサポート部門が、顧客からの問い合わせ対応の情報をCRMに入力したとしましょう。すると、営業部門はその更新された情報をチェックして、顧客へのフォローアップをすることができます。顧客情報をリアルタイムで共有すれば、部門や拠点を越えた迅速な対応も可能となるのです。

メールマーケティングに活用できる

多くのCRMには、メール配信機能が備わっています。この機能を活用すれば、顧客が求める有用な情報をタイムリーに届けることができます。

メール配信機能は、一般的なメールマガジンの配信に役立つだけではありません。顧客の属性などに応じてターゲットを絞って配信するターゲティングメールや、資料請求や商品購入などの顧客の行動に合わせて適切なメールを送信するステップメールといった「メールマーケティング」を実施することができます。
CRMで管理する顧客情報を分析してターゲットを特定し、それぞれのターゲットに最適化したメール配信で顧客にアプローチをするという、マーケティングのフローを作り出すことができるわけです。

CRMによってはメール以外にも、ターゲットを絞った広告配信やLINE配信が可能です。また、顧客の特性ごとにWeb上のコンテンツを選別して表示させる、Webパーツ機能を備えたCRMもあります。

既存顧客との良好な関係を構築できる

CRMは、既存顧客との良好な関係を築き、リピート率を高めていくのに適したツールです。メールマーケティングやその他のマーケティング活動、あるいは営業活動やカスタマーサポートなどでも、CRMによって既存顧客に適切なフォローアップをしていけば、強い信頼関係を構築していくことができるでしょう。フォローアップによって既存顧客を優良顧客へと育てることができれば、安定した売上の確保に結びつきます。

見込み顧客に対しても顧客満足度を上げられる

既存顧客と相性が良いCRMですが、見込み顧客に対しても効果がないわけではありません。顧客情報を把握した上でメールマーケティングや営業活動を行えば、顧客満足度の向上に寄与し、見込み顧客を新規顧客へと引き上げることも可能となるはずです。
CRMの運用による顧客への最適化されたアプローチは、見込み顧客、既存顧客に対して共に有効であることは、CRM導入のメリットとして押さえておきましょう。

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CRM導入で顧客が得られる4つのメリット

CRMの導入は、実は顧客にとってもメリットがあります。続いては、顧客が得られる4つのメリットを具体的に見ていきましょう。

自分の興味ある情報のみを受け取れるようになる

CRMにより顧客情報が把握されれば、顧客は自身が興味ある情報のみを受け取れるようになります。例えば、ターゲティングメールの配信であれば、自分向けにセレクトされた興味・関心のある分野の情報が定期的に届くようになるのです。顧客は、その情報によって購入したいと思う商品を容易に見つけることができます。
ほかにも、顧客がWeb上に顧客個人の「マイページ」を設け、そこに顧客自身が必要とする情報やコンテンツ情報のみを受け取れるように設定すれば、顧客のニーズとそれを満たす情報がダイレクトに結びつきます。

自身の状況に合わせた提案をタイミングよく受けられる

自身の状況に合わせた提案をタイミングよく受けられる例として、ステップメールが挙げられます。
ステップメールでは、例えば下記のようなシナリオに沿って商品購入への誘導をしていきます。

<ステップメールを使った顧客へのアプローチ例>
1. 顧客が資料請求をした後に企業がフォローアップメールを送る
2. 企業はタイミングを見て、さまざまな課題に関する情報をURLリンク先で提供
3. 企業は、顧客が閲覧した情報の内容から、顧客が抱える課題を明確化
4. その課題解決に役立つ自社の商品・サービスを企業が紹介する

このプロセスを顧客側から見ると、自ら探さずとも課題解決のために必要な情報を提供してもらえ、要望・要求にかなった商品を迅速に見つけられるということ。
そうなるためには、シナリオが最適化されていることが重要となるのですが、CRMを上手に活用すれば、こうした顧客と商品のマッチングを円滑に行うことが可能です。

また、ステップメールと同様のプロセスを、営業活動で行うことも可能となります。顧客行動に合わせてタイミングよくコミュニケーションを図れば、顧客は情報を得たいときに適切な提案を受けられたと感じるでしょう。

トラブルの際に迅速かつ的確なサポートを受けられる

商品購入後などに何らかのトラブルが発生してカスタマーサポートに連絡したとき、顧客がこれまでの経緯や状況をすべて一から説明しなければならないとしたら、かなりの負担をしいられることになります。しかし、CRMによって顧客情報がしっかりと管理されていれば、企業は状況の把握を迅速に行うことができ、顧客はすべての説明をせずとも、的確なサポートを受けられます。

担当者が変わっても同様のサービスを受けられる

これまで、長らくコミュニケーションをとってきた営業担当者が異動などで担当を離れるという状況は、顧客にとって不安が生じるものです。しかし、CRMで顧客情報が管理されていれば、後任の担当者からも以前と変わらないクオリティーのサービスを受けられる可能性が高まります。

CRM導入のデメリット・注意点

CRM導入にはメリットが多いですが、導入に関するデメリットや注意点についても確認はしておきたいところ。ここでは、CRM導入を成功させるために、まえもって知っておくべきことを紹介します。

初期費用・月額費用が発生する

CRMの主流となっているクラウド型では、導入にあたって初期費用と月額費用が発生します。オンプレミス(パッケージ)の場合はパッケージ購入費用とライセンス発行料金、サーバの設置費用、システムを保守するためのランニングコストなどが必要です。一般的にはクラウド型よりも、オンプレミス型のほうが費用はかかるでしょう。

いずれにせよ、CRMの導入前には費用対効果についての検討が必要です。目的に対し、オーバースペックで高価な製品を導入しようとしていないかについては、特に注意深くチェックしてください。

業務フローの見直しが必要になる

CRMの運用を業務に組み入れる際は、従来の業務フローの見直しが必要になります。まず必要なのは、導入に関する企画を立て、設定や検証を行う担当者の選定です。
その担当者が、CRM導入にあたって現状の顧客情報をどのように統合し、顧客情報データベースをどのようにして構築するかを検討します。また、そのデータベースをもとに、顧客情報をメールマーケティングなどの施策へとつなげる仕組みも作っていかなくてはなりません。

初めてCRMを導入する場合、こうした作業をすべて社内の人的リソースを使って実施するのは容易なことではありません。その場合は、ベンダーから導入に際してのサポートがあるかどうかが重要なポイントになります。ベンダーによっては、初期設定の代行なども行っているので確認をしておきましょう。

すぐに売上向上などの効果が現れるわけではない

CRMによる顧客管理とそれにもとづくマーケティング・営業活動の効果は、すぐさま売上向上などの結果に表れるというものではありません。しばらくは、マーケティング・営業活動の仕組みづくりや最適化のための試行錯誤が続くかもしれません。

また、CRMは顧客満足度を向上させて、徐々に売上の向上を実現していくことを主な目的としているツールです。そのため、結果が出るまでにはタイムラグも生じます。明確な効果が得られるまでに数か月かかることもあるということを念頭に置いて、導入を進める必要があるでしょう。

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CRMを選ぶ際に押さえておきたい4つのポイント

最後に、CRMを選ぶ際に押さえておきたいポイントを紹介します。下記に4つのポイントを挙げましたので、ひとつずつ見ていきましょう。

目的に合った機能があるか

自社の業務目的に合った機能があるかどうかは、最も慎重に確かめておくべき点です。そのためには、事前に無料トライアルなどを利用し、しっかりと機能を確認するのが簡単かつ有効です。

自社にとって使いやすいツールか

操作方法が直感的にわかるか否か、少し複雑なことをしたいときもわかりやすいマニュアルが用意されているかといったユーザビリティについても確認が必要です。実際にツールを使う人の知識や慣れるまでの期間は人それぞれ異なるため、自社の社員にとって使いやすいCRMであるかを確認しておきましょう。

サポートは十分か

導入後サポートはもちろん、検討中の段階でもベンダーが具体的な運用方法などについて相談にのってくれると導入がスムーズに進みます。社内の人的リソースが足りない場合には、有償であっても初期設定代行サービスなどが利用できれば便利です。

セキュリティ対策は万全か

CRMが扱う顧客情報は、万一漏えいなどが起きると企業の信用問題にも発展しかねません。特に、クラウド型のCRMの場合は、システム側で強固な対策が講じられているかどうかが重要なポイントとなります。
ツールのアクセス制限や権限設定、常時暗号化通信、不正侵入・マルウェア対策、障害発生時を想定した冗長性の確保などの対策が万全であることを確認してください。

CRM活用のポイント

CRM戦略を実践するための手順・ステップ

CRM戦略を実践するための手順・ステップを、以下の5つに分けて解説します。

  • 導入の目的とKPIを設定する
  • ターゲットのペルソナを策定する
  • カスタマージャーニーマップを作成する
  • CRMシステムの選定と導入を行う
  • PDCAを回しながら運用する

導入の目的とKPIを設定する

まずは、CRM戦略を導入する目的と、成果を評価するためのKPIを設定しましょう。CRM戦略の目的は、基本的には「利益の向上」となることが多いです。しかし、そこに至るまでの過程となるKPIは業種やジャンルによって異なり、おおむね以下のようなものが考えられるでしょう。

顧客維持率・離反率 継続して契約する顧客と、解約した顧客の割合
コール数・メール数 CRMの過程で行った電話やメールの件数
アップセル率 より高額な商品やサービスの購入した割合
クロスセル率 関連商品を提案して購入につながった割合
CS 顧客満足度を示す指標
NPS 顧客ロイヤルティーを示す指標
LTV 顧客生涯価値を示す指標

例えば、「3か月で顧客離反率を70%から50%に下げる」などのKPIが考えられます。適切なKPIを設定することで、施策の途中経過を評価して、適切な効果検証と軌道修正が行えます。

ターゲットのペルソナを策定する

導入目的とKPIが定まったら、CRM戦略の「ペルソナ」を策定します。ペルソナとは、自社の典型的な顧客像を指します。単なるターゲット層とは異なり、年齢や居住地といった属性から、職業や趣味嗜好まで細かく設定することがポイントです。

CRM戦略は顧客との関係性を重視したものなので、「自社の顧客はどのような課題を抱えているか」「どのような人が自社商材を必要とするか」など、顧客起点のマーケティング思考が必須です。ペルソナを策定することで、あたかもそこに一人の顧客がいるかのように、顧客のニーズや考え方が把握できるようになります。

ただしBtoBビジネスの場合は、決裁の過程で複数の担当者が関与するため、BtoCと同じ手法でのペルソナ策定はできません。そのため、「組織のペルソナ」と「複数のキーパーソンのペルソナ」を分けて、多角的なペルソナを用意することが大切です。

カスタマージャーニーマップを作成する

ペルソナの策定後は、「カスタマージャーニーマップ」を作成しましょう。

「カスタマージャーニー」とは、自社の商品やサービスについて顧客が認知し、購入・リピートに至るまでのプロセスを指します。カスタマージャーニーを図式で可視化したものを、「カスタマージャーニーマップ」と呼びます。

カスタマージャーニーマップを見ると、顧客の行動や心理、購買プロセスを把握できます。フェーズごとに顧客がどんな情報を望むか、何を考えてどう動くかが分かります。その結果、フェーズに応じた施策を行い、顧客目線のアプローチを実現することが可能です。

なお、カスタマージャーニーマップについては、以下の記事で詳しく解説しておりますのでご参考になさってください。

CRMシステムの選定と導入を行う

CRM戦略を実施するためには、顧客に関するさまざまな情報を収集・管理する必要があります。しかし、膨大な顧客データを手作業で扱うことは困難なので、CRMに特化した「CRMシステム」の導入が必須です。ただし、CRMシステムは各社から多様な製品が出ているため、以下のようなポイントを意識して選びましょう。

  • 必要な機能が搭載されているか
  • セキュリティとサポートが万全か
  • ほかのシステムと連携できるか
  • 従業員にとって扱いやすいか

適切なCRMシステムを導入することで、顧客の基本的な情報や属性はもちろん、Web上の顧客行動や問い合わせ履歴など、あらゆるデータをシステムで一元管理できるようになります。蓄積したデータの活用により、ECサイト・SNS・メール配信などのタッチポイントを最適化し、一人ひとりに合わせたアプローチ施策の展開が可能となります。

PDCAを回しながら運用する

CRMシステムを導入したら、実際に顧客データの収集・蓄積・活用を行い、CRM戦略を実行します。ただし、CRM戦略は最初からすべてがうまくいくわけではありません。当初の想定どおりに進まないことや、期待したほどの結果が得られないことがあります。

さらに、CRM戦略はすぐ結果が出るものでもありません。顧客データを収集し、それを活用できるようになるまで、一定の期間を要することが理由です。「中長期的な視野」で、CRM戦略を運用するという意識も必要になるでしょう。

CRM戦略の成果を出すためには、あらかじめ設定したKPIの数値を分析して、施策を評価することが大切です。目標と実測値に差がある場合は、戦略の方向性を見直して改善策を講じましょう。この計画・実施・検証・改善のPDCAサイクルを回し続けることで、CRM戦略の成果が高まります。戦略をもとにした具体的なCRM施策の進め方については、ブログ記事「CRM施策はどう進める?おすすめの具体策や成功におけるポイントを事例付きで解説!」も、ぜひ参考にしてみてください。

CRM導入のメリットを得た弊社お客様の事例

初めてのシナリオ配信で開封率50%以上を実現! 株式会社CARTA COMMUNICATIONS様の事例

媒体社と広告代理店の間に立ち、メディアレップ事業を展開している株式会社CARTA COMMUNICATIONS様。コロナ禍になり、新しい取り組みの1つとして、BtoB企業向けにオンライン上でナーチャリングできる仕組みを提供するサービスを開発しました。

今までと異なるサービス形態の認知拡大を目的として新しい企業へのアプローチが必要となったため、まずは共催セミナーを実施。そこからナーチャリング活動を始めるためにシステム導入を検討し、利用したい機能だけを選んで契約できる「Synergy!」を選んでいただきました。

「Synergy!」のシナリオメール機能を活用した結果、メールの開封率51.9%、配信に対するクリック率17.7%と高い反応率を達成。初めて直接接点を持ったお客様にも、「よくメールを送ってくれるCCIの方ですね」という反応をいただくなど、認知拡大につながりました。

シナリオメールの取り組み詳細など、気になる方は以下の記事をご確認ください。

「WEBマーケティングはゼロ」状態からCRM導入しマーケティング体制を構築!インフォコム様の事例

ERPパッケージ「GRANDIT」を販売するインフォコム株式会社様。専門知識を要する商材のため、営業4名の少数精鋭で売上の拡大を目指す必要がありました。そこで弊社よりリードナーチャリング支援をご提案。手が回らなかった保有顧客リストに対して、営業が手をかけずに顧客の育成やホットリードの選別ができる仕組みを一緒に作りあげました。

まずはメールでのコミュニケーションで見込み顧客の引き上げを実施し、ホットリードの選別にはWebサイトでの行動履歴を利用。運用が軌道にのるまで弊社営業が併走しながらも、サポート終了後も自社だけで安定して運用していけるよう、自立支援型のサポートをしました。

その結果、自社内だけでもホットリードの判別ができるようになるなど、効率的な営業活動の土台作りに成功。展示会来場者へメール配信を実施し、メールに反応があった人へテレアポを行うことでアポ率50%という好成績を残すなど、営業効率化につながる施策を実施できるようになりました。

どのようにマーケティング体制を構築したのか、より詳細な内容は以下の記事でご確認ください。

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まとめ:CRMを使ってやりたいことが、過不足なく実現できるかがポイント

ここまで、CRMのメリットやデメリットを中心に紹介してきました。メリットを最大限にいかし、デメリットを最小限に抑えるには、自社のニーズに合致したツールを選ぶことが不可欠といえます。つまり、CRMを使ってやりたいことが、過不足なく実現できるかどうかが重要なポイントとなるのです。機能が不足していても、機能が多すぎても、ミスマッチが起こるので注意しましょう。

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※記載されている内容は掲載当時のものであり、一部現状とは内容が異なる場合があります。ご了承ください。