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マーケティング戦略の「成果指標」と「目標」とは?現状分析・課題抽出の手順と戦略立案例をご紹介

何をしたら成果が出るのか。何かやらないといけないのは感じている、でも何からやればいいのかわからないという方は多いと思います。

  • メルマガ、サイト、広告……色々やっているけど成果は出ているの?
  • 問題解決のための方法は色々聞くけど、今必要なのは何なの?
  • 予算も時間も限られているのに、どこに力を入れたらいいのかわからない……
  • データは色々溜まっているけど、整理できておらず活用できている気がしない……
  • 分析とは何かわかっておらず、情報収集をして終わっている……

解決するためには、まず現状を把握し、何が課題となっているかを発見・抽出することが必要です。課題を把握する方法はいろいろとありますが、今回は、自社保有データを活用した成果指標と目標値の設定方法、実際の現状分析レポートとマーケティング戦略立案例を紹介します。

マーケティングとはなにか

マーケティング戦略とは

まずマーケティングと聞くと、どのようなことを想像しますか?
・販売 販促?
・宣伝広告?
・リサーチ?アンケート?
アメリカ・マーケティング協会によるマーケティングの定義は、顧客や依頼人、パートナー、社会全体にとって市場価値のある提供物を創造・伝達・配達・交換するための活動であり、一連の制度、そしてプロセスであるとされています。

マーケティング戦略とは、自社の商品を顧客や市場に「どのように提供するか」を分析し立案・実行する戦略のことを言います。

代表的なマーケティングフレームワーク「3C」「4P」

マーケティング戦略の立案をする前に、フレームワークを用いた分析を行うことで、現状を客観視でき、適切な戦略立案が可能になります。
様々なフレームワークがある中で、「3C」「4P」の名前を聞いたことのある方は多いのではないでしょうか。
3CとはCustomer(市場、顧客) Competitor(競合) Company(自社)の頭文字を取ったものです。主に自社の現状を知るためにこの3つの指標を用いた3C分析を行います。
一方、4PとはProduct(製品) Price(価格) Place(流通) Promotion(プロモーション)の頭文字を取ったものです。この4つの指標を用い行う4P分析では、自社目線で製品やサービスの分析をします。
まず3C分析を行い市場感を把握したうえで、4P分析を行い、その結果を踏まえ自社のマーケティング戦略を立案する、という流れで進めるとよいでしょう。
では、具体的にマーケティング戦略を立案していくうえで必要なことは何でしょうか。

デジタルマーケティングファーストステップ

マーケティング戦略立案には、根拠ある「成果指標」「目標」の設定が必要

マーケティングを実施する前に、限られた時間と費用の中で何をすれば一番効果が上がるのかを特定し、その指標を上げていくためには戦略立案(Plan)の作成が必要となります。

Plan(戦略立案)を行う際に「何を(=成果指標)」「どう変化させるか(=目標)」を設定しておかないと、Do(実行)からCheck(効果検証)フェーズに移行した際に「やってみたけど、結果どうだったのかわからない」、「次に何をすればよいのかわからない」など、Action(改善)につなげられない結果となってしまいます。つまり、マーケティング戦略立案においてはPlan(戦略立案)が最も重要であり、その際に根拠ある「成果指標」と「目標」の設定が必要となります。

では、具体的にはどのように「成果指標」や「目標」を決めていくとよいのでしょうか。以下の3つの項目を順番に設定していきます。

①KGI
②KSF
③KPI

それぞれ解説していきましょう。

KGIとは?

Key Goal Indicator(キー ゴール インジケーター)の略で、「経営目標達成指標」と訳されます。企業の経営戦略や事業戦略を達成するために何をもって成果(ゴール)とみなすのかとする指標のことを指します。

成果の指標を定量的に定めたものであるため、売上高や、利益率、成約件数などでKGIが定められることが多いです。KGIを設定する際は、明確に振り返りができるようになにを、どのくらいどうするのかを例のように設定するようにしましょう。
例)今期の売上高を20億円にする、利益率を昨年の1.5倍に上げる

KSFとは?

Key Success Factor(キー サクセス ファクター)の略で、「重要成功要因」と訳されます。KFS(Key Factor for Success)、CSF(Critical Success Factor)と言われることもあります。KSF自体は成果指標や目標ではないので期限や数値の設定は不要ですが、KGIと後述するKPIをつなぐ役割を持ちます。

KPIとは?

Key Performance Indicator(キー パフォーマンス インジケーター)の略で、「重要業績評価指標」と訳されます。 KGIが最終目標(ゴール)の指標であるのに対して、KPIはそのゴールまでのプロセスの達成状況を定点観測するための指標のこと。 KPIは、現在行われている施策が、KGIの達成に向けて適切に遂行されているかどうかを定量的に把握するために使用されます。②で設定したKSFの目標数値がKPIに当たります。

KGI・KSF・KPIを順に設定することでマーケティング戦略の「成果指標」「目標」が明確になります。具体例を1つ紹介しましょう。

運営サイトからの売上額をKGIとした場合

運営サイトからの売上額をKGIとした場合の成果指標・目標設定例

マーケティング戦略の進め方

マーケティングを実施するにあたり「PDCAサイクルを回して最適化しよう」といった会話がよく聞かれます。PDCAサイクルとは「戦略立案」「実行」「効果検証」「改善」を繰り返すことで、検証に基づいた施策を実行して最大限の効果を上げるための手法の一つです。

PDCAサイクルとは?

PDCAサイクルイメージ

PDCAサイクルイメージ

まずは、改めてPDCAサイクルとは何かについて解説します。
上述の通り、「戦略立案(Plan)」「実行(Do)」「効果検証(Action)」「改善(Check)」を繰り返すことを意味し、それぞれの頭文字をとっています。

Plan(戦略立案)

目標を設定を行い、その目標に向け必要な情報を集め、目標を達成するための具体的な施策を立案します。

Do(実行)

Planで上げた施策を具体的に行動に移します。

Check(効果検証)

施策を実行後、実行した施策の結果を検証します。評価点、課題点という評価を明らかにするのが重要です。

Action(改善)

効果検証の評価をふまえ、次の改善策を作成します。課題点にがある場合は解決するための新しい策を練る必要があります。

このように、施策の立案から実行、効果検証、改善というPDCAサイクルを1度ではなく常に回し続けることで企業にとって必要なマーケティング活動が最適化し続けられることがPDCAサイクルを回すメリットです。内容だけでなく、繰り返すことであらゆる流れが体系化され、改善スピードも速くなり、時間を節約することにも繋がります。

「マーケティングを最適化して実施する」にあたり、まずどの施策を実施するかを決める必要があります。マーケティングに取り組むには、たとえばWebに関わる部分だけでもWebサイトのページ改修や広告、フォーム最適化など多くの施策がありますが、その全てを実施するとなると大変な労力と費用がかかってしまいます。

Webマーケティングの施策イメージ

Webマーケティングの施策イメージ

Webマーケティングの強みは、施策の結果を数値化し、現状把握できることなので、目標設定後、弱い部分の対策を行うことが基本になります。

マーケティング戦略立案のための「成果指標」「目標」を設定するには、まずは現状把握が重要です。とはいえ、自社で保有しているさまざまなデータを数値化し、どのようにして「成果指標」「目標」を設定すればよいのかわからないと言った悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか。

現状自社のターゲット顧客がどのような動きをしているかを把握することで、「この数字をこう伸ばしていこう」といった判断が可能になります。また、自社の強みや弱みが見えてきますので、その強みや弱みを施策に落とし込みWebサイトのページに盛り込むことが重要になります。

現状把握からの改善ポイント発見例

現状把握からの改善ポイント発見例

実際に自社のWeb解析データ(GoogleAnalytics)と購買データから分析を行い、どう戦略立案につなげるのか。私はこの手順で進めています。

  1. 広く全体が見えるレポートを作成し、傾向を観察する(=現状分析)
  2. 全体を見渡して課題点を見つける(=課題点抽出)
  3. 2.で見つけた全体の課題点を掘り下げて分析し、「改善可能なポイントはどこか」を見つけ、そこから具体的な施策に落とし込む(=施策立案)

この手順でマーケティング戦略立案を行うと、課題点が明確なため、「なぜこの検討した施策のプライオリティが高いのか」が把握しやすく、関係者へも意識共有しやすくなります。
現状分析は、単に情報を収集するだけではありません。収集した情報を分析、グラフや図へと可視化し課題点を見つけ、そこから施策の立案する、この流れが大切です。

以下でマーケティング戦略立案について、実例をあげてご紹介します。

顧客管理レベルチェックシート

実際の現状分析レポートとマーケティング戦略立案の例

現状分析レポート

マーケティング戦略立案のための下条分析で重要なポイントは、Webページのアクセス状況と顧客の購買データをかけあわせ、ゴールである購買まで顧客がどういう動きをしているのか、そもそも購買に繋がっているのか、という視点で現状把握をすることです。

弊社では、1.の現状分析は以下のような指標をレポート化することが多いです。

○Web解析データ

  • 全体サマリー(各ページごとの訪問数、直帰率、平均滞在時間など)
  • デバイス別のサマリー ※サンプルあり
  • チャネル別のサマリー
  • コンバージョン(eコマース)の状況 ※サンプルあり
  • フォーム離脱状況

○購買データ

  • 新規、既存の売り上げ推移 ※サンプルあり
  • ランク別の購入比率や売上高構成比(デシル分析)
  • 購買商品の組み合わせ
  • ターゲット顧客状態分布(RFM分析)※サンプルあり

マーケティング戦略立案の指標となる現状分析・課題抽出レポートの例

マーケティング戦略立案の指標となる現状分析・課題抽出レポートの例それぞれのレポートから、優先的に注力すべき指標や施策が最も効果的なセグメント、ボトルネックとなるポイントなどの課題点を抽出していきます。

マーケティング戦略立案の指標となるこの現状分析レポートを作成できれば、あとは手順通りに進めていきます。

マーケティング戦略立案例

  1. 【現状分析】現状分析から購買データで新規の購入率が低いという例が出た。Web解析で新規ユーザーの行動を追うと、スマートフォンからの購買が伸びていないことがわかった。
  2. 【課題点抽出】スマートフォンの行動を細かく分析することで、特定の広告流入からのCV率が低いという結果が出た。
  3. 【施策立案】該当の広告を改善する、もしくは該当の広告をやめて他の効果が出ている広告に費用を配分する。

以下のようにどのポイント(今回であればスマートフォンで特定の広告から流入するユーザー)を改善するかを決定できれば、そのポイントが比較した他のポイントにどの程度近づけられるかの予想も立てやすくなるため、「成果指標」「目標」も定めやすくなります。また、CV率向上に繋がります。

現状分析レポートをもとにした定点観測レポート例

現状分析レポートをもとにした定点観測レポート例
STEP1.【現状分析】例
STEP2.【課題点抽出】例
STEP3.【施策立案】例

このように自社にあるデータを活用して数値化し、現状を把握することで、どのポイントを伸ばしていくべきかが導き出せるようになり、最も効果の高い施策から実施し、最適化していくことが可能になります。また、顧客にとって価値ある提供物を提案することにも繋がります。「やってみたけど結果どうだったかわからない」「何をすればよいのかわからない」状態から脱却するために、ぜひ現状分析を行い、貴社のマーケティング戦略に効果的な戦略立案に役立ててください。

また、シナジーマーケティングではこのPlan(「現状分析」から「課題点抽出」)部分をお手伝いする初期分析パッケージを提供しています。自社内での解決が難しい際はぜひプロにご相談ください。

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●行うべき取り組みと、その具体的な方法
●施策を展開する際の注意点
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※記載されている内容は掲載当時のものであり、一部現状とは内容が異なる場合があります。ご了承ください。

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