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マーケティングを成功に導くクリエイティブ制作に必須!3つのノウハウとは

※2019年8月、一部記事内容を変更しました。

「このランディングページ(LP)のデザインとコピー、何か違う気がする」
「このメールはいつ配信すべきですか?」

私はコンテンツディレクター・コピーライターとして、お客様のマーケティング活動をクリエイティブ制作の面から支援しています。上のつぶやきは、現場で初めてお会いするお客様からよく聞く典型的なお悩みです。しかし、このようなお悩みは「顧客視点」に立ち戻ることでスッキリ整理できます。これは私の経験上間違いありません。「顧客視点」は、成果を出すクリエイティブ制作には必須の考え方です。

本記事では【顧客視点のクリエイティブ制作】のノウハウ(KnowHow)をご紹介します。

【ノウハウ1】「ペルソナ」でクリエイティブ制作に関わる全員をつなぐ

『うちのターゲットは…』なんて言っていませんか?

【第3章】心の法則「市場に最初に参入するより、顧客の心の中に最初に入る方がベターである。」
【第4章】知覚の法則「マーケティングとは商品の戦いではなく、知覚の戦いである。」

このふたつの法則は、『売れるもマーケ 当たるもマーケ マーケティング22の法則(アル・ライズ/ジャック・トラウト共著)』で語られているエッセンス。そして、この“心”や“知覚”の持ち主こそが、顧客です。ペルソナが重要だと言われるのは、マーケティングの根幹であるこの顧客像を明確にするためのものだから。では、「ペルソナ」と「ターゲット」は何が違うのでしょうか。

「ターゲット」と「ペルソナ」の違いとは?

簡単に言うと、ペルソナは顧客像であり個人を具体的に思い浮かべるものですが、ターゲットは対象の属性やカテゴリーでしかありません。そのため、非常に漠然としています。例えば、ターゲットを『ヨガが好きな女性』と決めたとしても、実際は…

①健康のためにジムのスタジオプログラムでヨガに参加し始めた50歳の主婦・小川さん
②なんとなくオシャレだからヨガスクールに通い始めた24歳のOL・岩野さん

のように、同じ『ヨガが好きな女性』でも、価値観も年齢も動機も全く違う人が存在します。このように、ターゲットという概念だけでイメージできる顧客像は非常に曖昧で、どんな人なのかという具体性が乏しいままで終わってしまいます。

一方、「ペルソナ」は具体的かつ詳細な顧客像であり、名前もあります。上の①②のふたりをより具体化したものがペルソナです。

ペルソナは、実施する施策の企画・クリエイティブ制作に関わるメンバー全員で議論して作り上げます。施策でとりあげる商材・サービスを実際に使っているお客様や、商材に設定しているターゲットのイメージをさらに掘り下げ、属性情報のみならず、その人の価値観・趣味趣向・口癖などまるで実際に存在する人であるかのようにペルソナとしてまとめ上げ、名前を付けます。そして、企画・制作の際にも、関係者間でその名前を呼び合います。
その結果、関係者全てが「具体的な誰か(ペルソナ)」を常に頭に思い浮かべながら話ができ、考えられるようになります。

「加藤さん」と呼べば何をすれば良いか明確になる

例えば、前出①の小川さんと②の岩野さんのふたりに、それぞれ同じヨガマットを訴求する広告を作る場合を想像してみてください。

①小川さんなら“健康”というキーワードや“軽い・濡れてもすぐ乾く”という機能に着目するでしょう。
一方、②の岩野さんは、“どこのブランドか”“誰が使っているか”という情報や、“カラーバリエーション”などの見た目を重要視するのではないでしょうか。

「加藤さん」というペルソナを作り、具体的に活用しておられる竹中工務店さまの事例を、当社のサイトに掲載しております。その中で、以下のようにお話しになっています。

「幅広く届けるために」と思いペルソナを曖昧なままにすることが、実は相手の気持ちを考えずに、自分たちが伝えたいことだけを詰め込んだ発信をすることにつながっていた
~ペルソナがプロジェクト推進を支える共通認識に 竹中工務店のメールマガジン発刊プロジェクト~

「加藤さん」が生まれたことにより、何がズレていたのかがわかり、何をすべきかがわかったというお話をしてくださっています。これが、竹中工務店さまだけではなく、あちこちの現場で同じことが起きています。
このように、具体的な顧客像である「ペルソナ」があれば、企画が格段に考えやすくなり、それに合わせたクリエイティブ制作もより具体的に、明確になります。

しかし、ペルソナの役割はこれだけではありません。

「加藤さん」と呼び合うことにもっとも意味がある

ペルソナを作りクリエイティブ制作を行う現場で、もっとも喜ばれるのは『チームメイキングに役立つ』という点です。

ペルソナを決めたことで、迷ったときに「加藤さんはどう思うかな?」と立ち返ることができています。この芯がブレなくなったのは、我々にとって財産です。
~ペルソナがプロジェクト推進を支える共通認識に 竹中工務店のメールマガジン発刊プロジェクト~

先ほど「ペルソナとはこれから実施する施策の企画・クリエイティブ制作に関わるメンバー全員で議論し作り上げるもの」と書きました。
実際、私たちがお客様と共にクリエイティブ・ペルソナ制作を行う際には、お客様側のマーケティング担当者だけでなく、上長の方や関係部門の担当者、営業担当者などさまざまな部門の方にお集まりいただきご意見を伺います。もちろん、弊社のような制作を担う会社のコピーライターやデザイナー、広告担当も、議論やワークショップに参加します。

このように、「ペルソナ」は施策に関わる関係者全員のコンセンサスの上に作られるので、関係者間での相互理解促進ツールのような役割を果たすようになります。そのことで、企画段階の担当者間のズレや、制作段階の認識のズレ・手戻りも少なくなり、漠然としたやりとりがなくなります。全体的な業務効率も上がるのです。

冒頭の『このランディングページ(LP)のデザインとコピー、何か違う気がする』という疑問も、『ペルソナの●●さんは神経質な方なので、使用感に関するこの打ち消し表示は、もっと商品説明の近くにレイアウトして、使用感そのものも詳細に書いた方が良い』など、具体的な回答や判断ができるようになります。

なお、「ペルソナ」には4パターンあります。私たちは便宜上それらを以下のように呼んでいます。

1. 仮想Societasペルソナ
2. プラグマティック・ペルソナ
3. Societasペルソナ
4. フル・ペルソナ

※それぞれのペルソナの詳細については、いずれ実践編としてご紹介できればと思います。

【ノウハウ2】「カスタマージャーニーマップ(CJM)」で商品とペルソナをつなぐ

Customer Journey Mapという言葉の通り、「カスタマージャーニーマップ(CJM)」とは、貴社の商品と顧客(ペルソナ)が、いつ・どこで・どんな風に出会うのか(タッチポイント)を想像するための地図です。

「ペルソナ」は顧客像そのものを具体化したものであり、「CJM」はさらにその具体的な行動をマッピングし、商品と顧客をつなぐ具体的なタッチポイントを見つけやすくするためのものだと考えてください。

タッチポイントが見えれば、顧客に対してどのようなコミュニケーションを取っていくべきかを、よりイメージしやすくなります。
(参考:EC売上アップに役立つ!CRMの基本【コミュニケーション編】

ペルソナとカスタマージャーニーマップ

【ノウハウ3】「PDCA」を効率化!ペルソナ+CJM=5W2H

根拠あるPlan(企画)とDo(クリエイティブ制作)が可能に

前項で、『ペルソナは関係者間での相互理解促進ツールだ』とご紹介しました。そして、「ペルソナ+CJM」は、『気付かぬうちに根拠ある企画・制作ができるようになるツール』であるとも言えます。

マーケティング施策のみならず、全てのコミュニケーションを考える上で必須のフレームワークである5W2H。「ペルソナ+CJM」は、この5W2Hの見える化です。

「ペルソナ」で具体的に顧客の顔をイメージし、「CJM」でその人の行動を具体的にイメージすれば、企画やクリエイティブ制作における仮説とその根拠が明確になります。そのことで、おのずと冒頭の『このメールはいつ配信すべきですか?』というような曖昧な悩みも解決します。

ペルソナの●●さんは、郊外から電車通勤をしている。この通勤時間にスマートフォンで個人メールのチェックをするはずだから、8時半にスマートフォンでも見やすいレイアウトのメールを送ろう。つり革につかまりながらだと、じっくり読むというよりササッとチェックする感じだろう。特に、●●さんは時代に遅れたくない社会性の高い人だから、自分が必要な情報だけを最短でチェックするはずだ。だったら、冗長な文章はさけて一文一意にまとめ、メールに目次を付けよう。●●さんが好きそうなネタを一番上に掲載して、あいさつ文は削除してしまって良いかも…。

と、ペルソナとCJMがあれば、おのずとWhen、Where、Who、Why、What、How、How Much/How Manyを無意識的にカバーできるようになるのです。

Who(誰が)、Why(なぜ)→【ペルソナ】
When(いつ)、Where(どこで)、 How(どうする)→【CJM】
What(何を)、How Much/How Many(いくら、いくつ)→【貴社の商品・サービスや、伝えたいこと】

伝えたいこと・モノ(商品)を、ペルソナが興味を持つように伝えるためにはどう表現するか。
ペルソナとCJM、このふたつがあれば、気付かぬうちに、根拠を持って仮説を立て、企画を考え、それにどんなクリエイティブが必要かを、すぐにイメージし実践できるようになります。

根拠あるクリエイティブのカイゼン(Check・Action)も効率的に

データ分析時にも、ペルソナとCJMは必須です。このふたつを使って企画(P)・クリエイティブ制作(D)を行えば、チェック(C)の前提となる仮説とその根拠も明確なので、そのもくろみが正しかったかどうかを検証するデータ分析(C)や改善(A)もやりやすくなります。

まずは、企画段階の仮説が正しかったのか、それに広告媒体や手法・クリエイティブがマッチしていたかを、データを元に分析します。その上で、ペルソナそのものやCJMのタッチポイントにズレがないかをチェックしていきます。もしここでズレがあるようなら、ペルソナやCJMを調整していきます。

「ペルソナ」や「CJM」も、あくまで仮説です。クリエイティブのコピーやデザインだけでなく、その企画の根幹であるペルソナやCJMも、データを元にしてより成果が出るものにどんどん進化させていきましょう。

ターゲットとペルソナの違いをチームで整理【=ペルソナを作成】し、そのペルソナに“いつ”“何”を“どうやって伝える”のかを明確にすること【=CJM】で、必要な施策の企画やコピーライティング・デザインが具体的になり、クリエイティブの精度がグッと上がります。さらに、ペルソナとCJM、このふたつがあれば施策の【PDCA】も回しやすくなり、クリエイティブの成果分析とカイゼンがより行いやすくなるのです。

以上で、【顧客視点のクリエイティブ制作】のノウハウをザッとご紹介しました。実際の現場で 行っている実践的なテクニック(DoHow)、例えばペルソナやカスタマージャーニーマップの作り方や活用法や具体例なども、いずれご紹介できたらと思います。

※iNSIGHTBOXはサービスを終了いたしました。価値観での顧客セグメンテーション「Societas」は引き続きサービスを提供しております。

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※記載されている内容は掲載当時のものであり、一部現状とは内容が異なる場合があります。ご了承ください。

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