ステップメールのようにLINEを活用できる「ステップ配信」とは?メリットや具体的なやり方などを解説
ステップ配信とは、事前に設計したスケジュールに沿って決まったメッセージを順次配信する仕組みのことです。ユーザーのニーズや状態を想定し状況にマッチしたメッセージを送ることで、顧客満足度を高め最終的なLTV向上につなげられます。
このステップ配信は、LINE公式アカウントでも実施可能です。LINEはメールより日常的にチェックされやすいため、高い開封率や反応率が期待できます。配信設定はLINE公式アカウントの管理画面から手軽に行えるため、「自社のリソースを抑えながら顧客へ効果的にアプローチしたい」と考えている企業は、積極的に活用しましょう。
本記事では、ステップメールのようにLINEを配信する「ステップ配信」の概要や実施のメリット、具体的なやり方などを解説します。
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<目次>
- ステップメールのようにLINEを配信できる「ステップ配信」とは?
- LINE公式アカウントのステップ配信を活用するメリットは?ステップメールとの違いを交えつつ解説
- 実際の画面で解説!LINE公式アカウントを活用したステップ配信のやり方
- LINE公式アカウントのステップ配信を成功させるポイント
- LINE公式アカウントでステップ配信を行う際の注意点
- より詳細に顧客を絞り込み効果的なステップ配信を実現する方法
- 外部ツールと連携するなら「CRMシステムの利用」も検討しよう!
- 「Synergy!」ならLINE公式アカウントとの連携機能で効果を増大!成果を残した具体的な事例も紹介
- CRMシステムを活用してLINEのステップ配信を成功させよう!
ステップメールのようにLINEを配信できる「ステップ配信」とは?
ステップ配信とは、事前に用意したメッセージをユーザーのタイミングに合わせて自動配信する仕組みのことです。例えば「商品の初回購入後に店舗の公式LINEからお礼の連絡が届く」というのも、ステップ配信のひとつです。ユーザーのニーズや状態などを踏まえ、段階的にメッセージを送ることで、顧客満足度を高め「見込み顧客の育成」「既存顧客への引き上げ」などを実現できます。
LINE公式アカウントでも、上記のステップ配信を利用可能です。シナリオに沿ったメッセージをLINE公式アカウントの友だちに自動配信し、少しずつ信頼関係を構築することで、商品やサービスに興味を持ってもらい購買へつなげられます。商品購入後も購入のお礼や使い心地の確認、効果的な使用方法などを送ることで、顧客満足度を向上させて最終的なリピーターになってもらえるでしょう。
LINE公式アカウントのステップ配信を活用するメリットは?ステップメールとの違いを交えつつ解説
LINE公式アカウントでステップ配信を行うメリットは、以下の通りです。
- 購買意欲が高い登録者へリアルタイムでアプローチできるためメールより高い開封率・反応率が期待できる
- メッセージの反応をすぐ確認してPDCAサイクルを回しやすい
- 自動配信によってアプローチ業務を効率化できる
- メールではアプローチしにくい層を開拓できる
- 顧客と効果的に信頼関係を築いて最終的なLTV向上が期待できる
購買意欲が高い登録者へリアルタイムでアプローチできるためメールより高い開封率・反応率が期待できる
LINE公式アカウントは「飲食店を初めて訪問した」「インターネットで興味のあるサービスを見つけた」など、ユーザーが商品やサービスに高い興味を持った段階で登録することが一般的です。購買意欲が高い顧客へリアルタイムで通知を届けられるため、その場でメッセージを閲覧してもらいやすいでしょう。
とくにLINEは、全年代の94.9%が利用するほど日常生活に深く根付いたツールです。プッシュ通知も入るため、一度はチェックされやすく、メールと比較してもリアルタイムで閲覧されやすいでしょう。また、画像やスタンプ、絵文字などの表現で手軽に訴求しやすいため、メールよりも視覚的にメッセージをアピールできます。
このように、自社が意図したタイミングで配信したメッセージをリアルタイムでチェックしてもらい、高い開封率や反応率を実現できるというのは、LINE公式アカウントによるステップ配信の大きな魅力です。
参照:総務省|令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書 p.11
メッセージの反応をすぐ確認してPDCAサイクルを回しやすい
上記で解説したように、LINE公式アカウントのステップ配信は反応率が高い傾向にあります。また、管理画面から「期間内にステップ配信の対象となったユーザー数」「配信をすべて受け取ったユーザー数」などの指標で効果測定できるため、数値を踏まえ効率よくPDCAサイクルを回せます。
例えば「同じ期間内にAパターンとBパターンの文章を送ったところBパターンのほうが反応がよい」という場合、今後はBパターンの文章をメインに配信すると高い成果を得やすい、と考えられるでしょう。
LINE公式アカウントなら、配信設定や文章などを手軽に変更できるため、数値の反応をもとにすぐ修正して次の施策へ活かせます。
自動配信によってアプローチ業務を効率化できる
LINE公式アカウントのステップ配信では、一度メッセージの文章や配信間隔、日時などを設定すれば、条件を満たした友だちが追加される度に自動でアプローチしてくれます。逐一友だち追加の状況を確認したり個別でメッセージを設定し直したりする必要がないため、自社の人的リソースを投下せず効果的なアプローチを実現可能です。
設定次第では「条件Aのユーザー→メッセージ1を送る」「条件Bのユーザー→メッセージ2を送る」というように、ユーザーの属性ごとで柔軟にメッセージ配信を分岐できます。
さらに「(ステップ配信以外のメッセージも含めて)月200通まで」なら、無料でメッセージを配信できます。
このように、自社のコストや人的リソースを抑えつつ効率的にアプローチできるのは、LINE公式アカウントのステップ配信ならではの魅力です。
参照:LINEヤフー for business|LINE公式アカウント料金プラン
メールではアプローチしにくい層を開拓できる
総務省が「ソーシャルメディア利用率とメール利用率」を調査したところ、以下の結果が出ました。
- 10〜30代は「メール利用率」より「ソーシャルメディア利用率」が高い傾向にある
- 40〜60代は「ソーシャルメディア利用率」より「メール利用率」が高い
参照:総務省|令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書 p.8
このように年代が下がるほど、メールではなくLINEを含めたソーシャルメディアの利用率が増える傾向にあります。そのため、メールでアプローチしにくい若年層にLINEでアプローチすることで、今まで開拓しにくかったターゲットへアプローチが可能です。
「若年層のユーザーはLINE公式アカウントのステップ配信」「その他のユーザーはステップメール」というように、年代ごとでアプローチ方法を変えることで、効率的にアプローチできるでしょう。
また、メールでは反応がなかったユーザーにLINE公式アカウントでメッセージを配信すると、反応が返ってくる場合もあります。
このように、メールではアプローチしにくいターゲットも、LINEならコミュニケーションを取れる可能性があるため、両者を上手く使い分けることが大切です。
顧客と効果的に信頼関係を築いて最終的なLTV向上が期待できる
上記で解説したように、LINE公式アカウントのステップ配信には「購買意欲が高いユーザーへリアルタイムにアプローチできる」「普段アプローチできない層から興味を引ける」などの魅力があります。
以下のように、ユーザーのニーズや状態にマッチした最適なメッセージを配信することで、少しずつ顧客と信頼関係を築いて次回購入やサービス利用を促せます。
- 初回購入者に「ご満足いただけましたでしょうか?」といった商品の感想をお伺いするメッセージを配信する
- 商品の利用期間を踏まえ「現在使用中の化粧品の残りが少なくなっていませんか?」というリマインドメッセージを配信する
- 過去の顧客の購入履歴を踏まえて「こちらの商品も一緒に購入してみませんか?」とクロスセルを提案する
上記のように顧客のニーズや状態にマッチしたメッセージであれば、ユーザーへ不信感を持たれることなく自然とフォローアップし、信頼関係を構築できます。信頼を獲得できれば、最終的に顧客は自発的にサービスや商品を利用してくれるようになるでしょう。
自社からアピールせずとも積極的に利用してもらえれば、効果的にLTVを向上できるため、企業にとって理想の状態を作れます。
実際の画面で解説!LINE公式アカウントを活用したステップ配信のやり方
LINE公式アカウントにおける実際のステップ配信のやり方は、以下の通りです。
Step.1 管理画面にログインする
Step.2 希望のステップ配信の方法を選ぶ
【Aパターン】
Step.3 配信で使用したいテンプレートを選ぶ
Step.4 基本設定を行う
Step.5 メッセージ設定を行う
【Bパターン】
Step.3 基本設定を行う
Step.4 メッセージ設定を行う
Step.1 管理画面にログインする
まずは「LINEヤフー for business」の管理画面からログインしましょう。一番左側にある「LINE公式アカウント」からログインできます。
Step.2 希望のステップ配信の方法を選ぶ
次にアカウントリストの中から、ステップ配信したいアカウント を選択します。今回は「テストアカウント」で説明します。
次の画面で、左のサイドバーから「ステップ配信」をクリックします。
画面右下にある「テンプレートを使用」「新規メッセージを作成」からどちらかを選択します。
ここからは、それぞれの設定方法に分けて解説します。
- 【Aパターン】「テンプレートを使用」を選択した際の設定方法
- 【Bパターン】「新規メッセージを作成」を選択した際の設定方法
各見出しの文頭に【Aパターン】【Bパターン】のいずれかを記載しているため、希望に合わせてチェックしてください。
【Aパターン】「テンプレートを使用」を選択した際の設定方法
テンプレートを活用した際の設定方法は、以下の通りです。
Step.3 配信で使用したいテンプレートを選ぶ
以下の4パターンから、自社にマッチした「ステップ配信のテンプレート」を選びましょう。
- フォローアップ
- 再来店の促進
- レビュー・チャットの依頼
- サービス・商品の宣伝
【フォローアップ】
ステップ配信初心者にオススメのテンプレートです。新規友だち追加から「数日~数週間後」にメッセージやクーポンを送信できます。
【再来店の促進】
店舗に設置したQRコードで友だち追加を促している場合にオススメのテンプレートです。店舗での新規友だち追加から「数日~数週間後」にクーポンを配信して、再来店の促進やリピーターの獲得につなげられます。
【レビュー・チャットの依頼】
「サービスや商品のレビューを集めたい」「チャットのコミュニケーションを活用したい」という場合にオススメのテンプレートです。友だち管理を効率化 し、レビューの収集時間を節約できます。
【サービス・商品の宣伝】
自社サービスや商品を宣伝したい場合にオススメのテンプレートです。サービスや商品の魅力などを段階的に配信することで、メッセージを1通だけ送るより高い効果が期待できます。
Step.4 基本設定を行う
今回は例として、フォローアップの中から「新規友だちのフォローアップ(短期)」を取り上げて解説します。
「基本設定」で以下の4項目を設定しましょう。
- タイトル:管理用のタイトルを設定できます
- タイムゾーン:タイムゾーンを基準にしてメッセージ配信や有効期間の設定が行われます
- 有効期間:「どの期間に友だち追加したユーザーを配信の対象にするか?」を設定します
- 配信数の上限:設定上限を超過した場合は配信が自動停止されます
Step.5 メッセージ設定を行う
そのまま下へ移動し「メッセージ設定」の画面を開きましょう。
「開始条件」をクリックして、画面右側より以下を設定します。
【開始条件の種類】
友だち追加:公式アカウントの友だち追加日や経路を指定して配信対象を指定できます
オーディエンス:作成済みのオーディエンスの中から配信対象を指定できます
【追加日】
選択した追加日以降に友だち追加されたユーザーへステップ配信します
【追加経路】
すべての経路:友だち追加の経路を問わず全ユーザーへ配信できます
特定の経路:検索やホームタブ、公式アカウントリストなど、特定経路で友だち追加したユーザーへ配信できます
続いて待ち時間を編集しましょう。画面右側より任意の日数を記入すると、指定の日数経過後に次のステップへ移行できるようになります。
次に、配信時間帯やメッセージ作成などを行います。既にテンプレートが入力されているため、この文章をベースに組み立てればOKです。
最後に画面下部の「利用開始」をクリックすれば設定完了です。
【Bパターン】「新規メッセージを作成」を選択した際の設定方法
新規メッセージを作成した際の設定方法は、以下の通りです。
Step.3 基本設定を行う
テンプレート選択画面ではなく、最初から設定画面に飛びます。
「基本設定」で以下の4項目を設定しましょう。
- タイトル:管理用のタイトルを設定できます
- タイムゾーン:タイムゾーンを基準にしてメッセージ配信や有効期間の設定が行われます
- 有効期間:「どの期間に友だち追加したユーザーを配信の対象にするか?」を設定します
- 配信数の上限:設定した上限を超過した場合は配信が自動停止されます
Step.4 メッセージ設定を行う
「メッセージ設定」から詳細を設定しましょう。
「開始条件」をクリックして、画面右側より以下を設定します。
【開始条件の種類】
友だち追加:公式アカウントの友だち追加日や経路を指定して配信対象を指定できます
オーディエンス:作成済みのオーディエンスの中から配信対象を指定できます
【追加日】
選択した追加日以降に友だち追加されたユーザーへステップ配信します
【追加経路】
すべての経路:友だち追加の経路を問わず全ユーザーへ配信できます
特定の経路:検索やホームタブ、公式アカウントリストなど、特定経路で友だち追加したユーザーへ配信できます
「ステップを追加」をクリックすると、2つの選択肢が出てきます。
【「メッセージを配信」を選択した場合】
メッセージ配信の詳細を設定できる画面が出てきます。
配信時間帯や配信メッセージなどを設定できます。テンプレートはないため、0から作成可能です。また、時計マークの「1日後」と表記された部分をクリックすると、メッセージの待ち時間を編集できます。
【「条件分岐を追加」を選択した場合】
メッセージの配信時に条件分岐を設定できます。菱形の部分をクリックすると、画面右側から以下の条件分岐を選べます。
-
- 条件ラベル:分岐条件の識別に利用します
- 属性:「性別・年齢・ユーザーの利用OS・地域」の4つから絞り込めます
- オーディエンス:作成済みのオーディエンスから設定できます
「+」のマークをクリックすれば、条件分岐をどんどん追加できます。
最後に画面下部の「利用開始」をクリックすれば設定完了です。
LINE公式アカウントのステップ配信を成功させるポイント
LINE公式アカウントのステップ配信を成功させるには、以下のポイントを意識しましょう。
- 必ずステップ配信の目的を明確化しておく
- 改行や絵文字などを活用して視覚的にアピールする
- 届けたい情報は繰り返し発信する
- 顧客の状況に応じて配信から除外する
- 配信結果をもとに効果測定を行う
必ずステップ配信の目的を明確化しておく
ステップ配信の文章やシナリオ、配信回数などは、以下のようにステップ配信の目的によって異なります。
- 初めて来店した顧客にリピートしてほしい
- 単発購入から定期購入へプランを変更してほしい
- 友だち登録したユーザーをウェビナーへ案内したい
目的が明確であれば、以下のような内容を適切に設計して「最適な文章・ベストなタイミング」でアプローチできます。
- どのくらいの間隔でメッセージを送ると受け入れてもらえるか?
- どんな順番で情報を提供するとよいか?
- 一番見てもらいやすい時間帯はどこか?
- どんな文面なら自社が望むアクションを促せるか?
ステップ配信の効果を高めるためにも、最初に必ず目的を明確化しましょう。
改行や絵文字などを活用して視覚的にアピールする
LINE公式アカウントのメッセージ編集画面では、手軽に文字装飾や画像挿入、絵文字の入力、改行などを行えます。「クーポンと画像の組み合わせ」も可能なため、よりユーザーへのインパクトを強めてクリックの可能性を高められるでしょう。
テキストのみの単純なメッセージより、画像や絵文字などがあったほうが視覚的にアピールしやすいため、積極的に活用してください。
届けたい情報は繰り返し発信する
LINE公式アカウントのステップ配信では、情報を複数回に分けて配信できます。そのため、以下のように自社が絶対に届けたい情報は繰り返し配信して、ユーザーの記憶に残るよう意識しましょう。
- 自社ブランドのストーリー
- 購入してもらった商品の魅力
- 期間限定クーポンや特典
- 競合と自社の違い
- サービス利用者の声
もちろんやみくもに同じ情報を届けると、ユーザーから飽きられてブロックされるリスクが上がります。そのため、あくまでも「顧客がほしい情報を届ける」という意識を最優先に置くことが必須です。
顧客の状況に応じて配信から除外する
メッセージは「最初に設定したユーザーにそのまま配信し続ければよい」というわけではありません。例えば、商品購入直後の顧客に値引きキャンペーンのクーポンを配信してしまうと、損した気持ちになるでしょう。また、顧客が購入済みの商品を「オススメ情報」として配信すると、「同じ商品情報ばかり送ってくる」と迷惑がられブロックされるかもしれません。
このように、顧客の状況に応じてメッセージを配信し続けるべきかは変わります。そのため、「クリック率が低下している」「”ブロック率が高いアカウント” の特徴に類似している」といった状況に合わせ適宜配信対象を見直し、必要なら除外しましょう。
配信結果をもとに効果測定を行う
ステップ配信は、一度目でいきなり成果が出るとは限りません。「思うように登録から購買へつながらない」「ブロック率が高い」など、想定と違うことも起きるでしょう。
上記を改善し、魅力的な文章を作成したり配信タイミングを設計したりするには、配信結果をもとにした効果測定が必須です。先述したように、LINE公式アカウントのステップ配信は「期間内にステップ配信の対象となったユーザー数」「配信をすべて受け取ったユーザー数」などの指標で効果測定できるため、数値で具体的な改善箇所を見つけて次の施策に活かせるでしょう。
LINE公式アカウントでステップ配信を行う際の注意点
LINE公式アカウントでステップ配信を行う際は、以下の点に注意しましょう。
- ステップ配信数の上限を超えないよう設計する
- 気軽にブロックされる可能性がある
- LINE公式アカウントだけでは詳細なステップ配信のセグメントは設定できない
ステップ配信数の上限を超えないよう設計する
LINE公式アカウントのステップ配信で送れるメッセージ数は、以下のように料金プランごとで決まっています。
コミュニケーションプラン | ライトプラン | スタンダードプラン | |
---|---|---|---|
月額料金(税抜) | 0円 | 5,000円 | 15,000円 |
無料メッセージ配信数 | 200通 | 5,000通 | 30,000通 |
追加メッセージ料金(税抜) | 不可 | 不可 | 〜3円 / 通 |
参照:LINEヤフー for business|LINE公式アカウント料金プラン
メッセージ配信数は「ステップ配信以外」も含みます。普段から頻繁にメッセージを配信したり登録者が増えたりすると、いつの間にか上限数を超える可能性があるため注意しましょう。
上限を超えた分のメッセージは、自動で停止されます。とくに無料のコミュニケーションプランの場合は、追加メッセージを配信できないため、上限を超えた分のユーザーにはアプローチできません。
気軽にブロックされる可能性がある
LINEはメールより日常的に使われるため、気軽に追加してもらえます。その分、ブロックもされやすいため注意しましょう。
例えば以下のようなメッセージ配信を行うと、ブロックされる可能性が上がります。
- 同じようなメッセージを何度も送る
- ユーザーのニーズや属性にマッチしない情報を送る
- 配信の頻度が異常に高い
- 毎回のメッセージが不必要に長い
一度ブロックされると、せっかく獲得したユーザーが離脱してしまい、自社にとって大きな機会損失となります。そのため、ユーザーに嫌悪感を抱かれないよう、以下のような点を意識しましょう。
- 同じ配信対象への1日の配信数は1通程度に設定する
- 配信回数は1週間に2~3回程度までに抑える
- コンパクトに要点をまとめた文章を心がける
仮にブロックを解除された場合、友だちは「新規ユーザー扱い」となるため、最初のメッセージから改めてステップ配信が行われます。
LINE公式アカウントだけでは詳細なステップ配信のセグメントは設定できない
ステップ配信自体は、LINE公式アカウントのみで実施できます。しかし、配信先のセグメントは「友だち追加のタイミング」「基本属性(性別や年齢など)」といった限られた条件でしか設定できません。
以下のように詳細な条件で配信先を絞れないため、どうしても公式アカウント単体では施策の幅は限られるでしょう。
- 顧客が頻繁に訪問する店舗で絞り込む
- 顧客の誕生日や会員登録日など「特定の日付」で絞り込む
- アンケートの回答結果で絞り込む
LINE公式アカウント単体でも最低限のコミュニケーションは可能ですが、より詳細に顧客のニーズや状態、属性を踏まえてアプローチするのは難しいことを把握しておきましょう。
より詳細に顧客を絞り込み効果的なステップ配信を実現する方法
LINE公式アカウント単体でもステップ配信は実施できます。しかし、上記で解説したように、LINE公式アカウント単体では簡易的なセグメント設定しかできません。そのため、実施できる施策の幅に制限が生まれるでしょう。
より詳細にセグメント分けして「もっと顧客のニーズや属性を踏まえたメッセージを配信したい」という場合は、以下いずれかの方法を実施しましょう。
- 「LINE Messaging API」でシステムを開発する
- LINE公式アカウントを拡張できる外部ツールと連携する
「LINE Messaging API」でシステムを開発する
「LINE Messaging API」とは、LINE公式が公表しているオプション機能のことです。追加によって以下のような配信が可能となるため、より柔軟にアプローチできます。
- 登録アカウントのID単位で配信対象を指定する
- 「条件AとBの両方に該当する20代の女性」など複数条件を組み合わせて配信先を指定する
- 過去のメッセージを受信したユーザーに再度メッセージを配信する
実装にあたってはシステム開発が必要です。そのため、「社内にITの専門知識を持つ人材がいる」「開発のリソースを確保できる」など、開発に取り組める環境がある企業なら活用するとよいでしょう。
LINE公式アカウントを拡張できる外部ツールと連携する
CRMシステムなど、LINE公式アカウントを拡張できる外部ツールとの連携も効果的です。LINEアカウントの拡張に特化したサービスには、配信先の詳細な絞り込みや回答の自動化など、LINE公式アカウント運用で必要な機能が搭載されているため、気になった人はぜひチェックしてください。
そしてCRMシステムとは、顧客情報を一元管理できるツールのことです。性別や地域といった基本属性はもちろん、過去の購買履歴やLINEのクリック率といった情報を幅広く保管できます。ツールごとに機能の差はありますが、顧客情報をもとにLINE公式アカウントと連携してより細かい配信を実現できるため、ぜひ導入を検討してください。
外部ツールと連携するなら「CRMシステムの利用」も検討しよう!
このように、LINE公式アカウントで効果的なステップ配信を実施するなら、CRMシステムなどLINE公式アカウントを拡張できる外部ツールとの連携がオススメです。
いずれもLINEの配信効果を高められますが、可能であれば「CRMシステム」の導入を検討するとよいでしょう。
改めてCRMシステムについて解説します。まず「CRM」とは、顧客に最適なフォローやアプローチを提供し、長期的な信頼関係を構築するための考え方のことです。顧客のニーズや状態を踏まえて最適なアプローチを行い満足度を高めることで、自社サービスや商品を利用し続けてもらい、最終的な利益向上を実現できます。このCRMをビジネスに落とし込むためのツールが「CRMシステム」です。
CRMシステムでは、以下のように幅広い顧客情報を一元管理できます。
- 顧客の基本情報(氏名・年齢・性別など)
- 連絡先(電話番号・メールアドレス)
- 商品の購入履歴
- 問い合わせ履歴
- 店舗での接客履歴
- 商談履歴
- セミナーや展示会で交換した名刺情報
上記のような顧客情報を分析してニーズや状態を正しく把握し、「商品の初回購入者へフォローメッセージを配信する」「店舗での接客履歴をもとに顧客の好みにマッチした商品を個別にレコメンドする」といったアプローチを実現するイメージです。
CRMシステムの詳細な機能やメリットなどは、以下の記事で解説しています。
このCRMシステムがLINE公式アカウントのステップ配信でオススメな理由は、以下の2つです。
- 社内の幅広い顧客情報を分析してステップ配信へ活用できる
- 蓄積した顧客情報をステップ配信以外のマーケティング施策にも応用できる
社内の幅広い顧客情報を分析してステップ配信へ活用できる
上記で解説したように、CRMシステムでは顧客の基本情報だけでなく、過去の購入履歴や問い合わせ履歴など、幅広い顧客情報を一元管理できます。LINE公式アカウントと連携し、こうした豊富な顧客情報を活用することで、以下のように詳細な条件でLINEのセグメント配信が可能です。
- 顧客が頻繁に訪問する店舗限定のクーポンを配信する
- 顧客の誕生日や会員登録日など「特定の日付」を起点に配信する
- アンケートの回答結果を踏まえたメッセージを配信する
- ECサイトで「カートに入れたが未購入の顧客」に確認LINEを配信する
- ポイントの有効期限を迎えそうな顧客へリマインドメッセージを配信する
性別や年代といったシンプルな顧客属性以外にもセグメント分けできるため、通常配信はもちろんステップ配信の幅も広がります。
蓄積した顧客情報をステップ配信以外のマーケティング施策にも応用できる
LINEアカウントの拡張に特化したサービスも、ステップ配信の幅を広げてくれる優れたツールです。
しかし、こうしたツールは用途が「LINE公式アカウントの活用」に絞られています。当然ですが、企業が行うべき施策はLINE公式アカウントの配信だけではありません。自社の顧客情報を分析した結果、別の施策を行うべきケースもあるでしょう。そのため上記のような専用ツールでは、LINE公式アカウントのステップ配信以外を実施する際に対応できません。
一方で、CRMシステムは「顧客情報の一元管理機能」をベースにしたツールです。この一元管理した情報をもとに、ステップ配信以外にさまざまな施策を実行できます。
- メールの利用頻度が高い世代向けにメールマーケティングを実施する
- ECサイトの閲覧履歴をもとに専用のポップアップを表示して購買を促す
- 一定条件を満たし顧客にアプリプッシュを活用して特別なキャンペーンを通知する
このようにCRMシステムを導入することで、必要に応じLINE公式アカウントのステップ配信以外の施策にも柔軟に対応できる点が魅力です。
「Synergy!」ならLINE公式アカウントとの連携機能で効果を増大!成果を残した具体的な事例も紹介
より効果的にLINE公式アカウントでステップ配信を実行するなら、ぜひ弊社が提供する「Synergy!」の利用もご検討ください。「Synergy!」であれば、一元管理した会員情報をもとに、より柔軟なステップ配信を実現できます。
「Synergy!」をご活用いただき、LINE公式アカウントによる効率的なステップ配信を実現した事例として、株式会社モリタ様があげられます。同社は、歯科医師向けに椅子や機材、薬などのモノ・サービスを幅広く提供している企業です。歯科医療のサポートにおいては、業界トップのシェアを誇ります。
同社では最終的に製品を導入してもらえるよう、「開業前の歯科医師との接点作り」に注力しています。歯科医師が自身の病院をオープンするタイミングでサービスを選んでもらえれば、約30年におよぶ長期的なお付き合いを実現できるため、この「最初の接点作り」は非常に重要です。
同社では接点を作る取り組みとして、開業前の歯科医師向け組織「OneToOneCLUB」を運営しています。OneToOneCLUBでは、学術的なセミナー動画や開業支援ツールといったコンテンツを提供することで、歯科医師との関係性を構築しています。
しかし、こうした歯科医師向けのアプローチは他社も行っているものです。そのため同社では、歯科大学に通う学生との接点作りを目的に「OneToOneCampus」を開設しました。学生の段階から良好な関係性を構築し、卒業後も50〜60年と長きに渡るお付き合いを実現することが目的です。
この学生へアプローチするために、同社はLINE公式アカウントの活用を検討します。具体的には「学生が普段から使うLINEで接点を作る→国家試験の合格後にOneToOneCLUBへ移行してもらう」というイメージです。
このLINE配信をより活用するために、同社は「Synergy!」を導入。大きく以下2つの方向性で活用していきます。
【OneToOneCLUBへのスムーズな移行の実現】
「Synergy!」に格納しているOneToOneCLUBの会員情報とLINEの友だちを紐付けて管理。そしてLINEに登録した学生を「Synergy!」で作成したアンケートへ誘導しコネクトさせることで、LINE登録者と会員情報を連携させます。この連携によって、メールでもコミュニケーションを取れるようになり、よりスムーズに「国家試験後のOneToOneCLUBへの移行」を促せるようになりました。
【ステップLINEの自動配信】
登録者に対し「Synergy!」を活用したステップLINEの配信を開始。提供するコンテンツを最初にまとめて設定し自動配信することで、「工数削減」「学生に網羅的な情報を届ける仕組み」の構築に成功します。
上記の取り組みにあった「会員情報の一元管理」「ステップLINEの自動配信」は、LINEのプラットフォームだけでは実施できません。いずれも、CRMシステムである「Synergy!」の機能を活用し、LINE公式アカウントの効果を拡張した成果といえるでしょう。
株式会社モリタ様の事例詳細については、以下の記事をご確認ください。
CRMシステムを活用してLINEのステップ配信を成功させよう!
LINE公式アカウントのステップ配信とは、友だち追加されたタイミングで、事前に設定したシナリオに沿ってメッセージを配信できる仕組みのことです。
LINEはメールよりリアルタイムでチェックされやすいため、高い開封率や反応率が期待できます。メールでアプローチしにくい層も開拓しつつ、ユーザーのニーズにマッチした情報を届けることで、より幅広い顧客と信頼関係を築き最終的なLTV向上を実現できるでしょう。
LINE公式アカウントでは、ステップ配信を手軽に設定できます。画面の指示に従い直感的に操作すればよいため、積極的に活用しましょう。
また、LINE公式アカウント単体でもユーザーへアプローチできますが、より有効活用するのであれば「CRMシステムとの連携」もオススメです。CRMシステムと連携することで、より幅広い顧客情報を配信時のセグメント設定に活かせるため、「顧客の利用頻度が高い店舗限定のクーポンを配信する」「ポイントの有効期限が切れる前にリマインドメッセージを配信する」など施策の幅を広げられます。
CRMシステムの導入にあたっては、ぜひ弊社が提供するツール「Synergy!」の利用もご検討ください。「Synergy!」にも、LINEの配信機能が搭載されています。連携によって、上記の施策はもちろん「顧客の誕生日など特定の日付を起点にした配信」「アンケートの回答結果に合わせたメッセージの配信」「ECサイトで未購入になっている顧客への確認LINEの配信」など、顧客の細かい状況に合わせた柔軟な配信を実現可能です。
連携自体も「Synergy!」の管理画面から手軽に行えるため、初めてステップ配信を行う企業でも安心です。
少しでも「どうすればLINE公式アカウントとCRMシステムを有効活用できるの?」と気になったら、まずは以下の資料だけでもご覧ください。

関連情報
※記載されている内容は掲載当時のものであり、一部現状とは内容が異なる場合があります。ご了承ください。