メール配信システムで添付ファイルを送る方法とは?活用例も紹介
<この記事でわかること>
- ファイルを直接メールに添付する方法は、受信者がすぐに資料を確認できる手軽さがメリットです。しかし、ウイルス感染やスパム判定、容量制限といった重大なデメリットも存在するため、特に一斉配信での安易な利用には注意が必要です。
- ファイル添付のリスクを解消するのが、ファイルをサーバにアップロードし、そのURLを共有する方法です。クラウドストレージやファイル転送サービスなど、目的やセキュリティレベルに応じた複数の方法があります。
- ファイルをURL化して共有するもう一つの大きなメリットは、マーケティング効果の測定が可能になる点です。誰がリンクをクリックしたかを把握することで、顧客の関心度を分析し、次の施策改善にいかすことができます。
メールマガジンやマーケティング施策で、資料や特典などのファイルを送る機会は多いのではないでしょうか。メールでのファイル添付は手軽な反面、迷惑メールと判定されたり、セキュリティ上のリスクを伴ったりと、多くの課題を抱えています。
本記事では、メール配信システムでファイルを送る基本から、安全性を高め効果測定も可能にする「URL化」という手法まで、具体的な活用例や注意点を交えてCRMのプロが分かりやすく解説します。
これからメール配信システムを検討する方に知っておいてほしい基本の考え方
どんなシステムが自社にあっているのかを検討するためには、メールマーケティングの基本と考え方を押さえましょう!
<目次>
メール配信システムで添付ファイルを送る方法
多くのメール配信システムでは、メール作成画面でファイルをアップロードするだけで、PDFやExcel、画像などの添付が簡単に行えます。対応しているファイル形式も、ビジネス用途に十分な範囲が用意されています。
ただし、ファイル添付にはいくつか注意点があります。まず、多くのシステムでは添付可能なファイルサイズに上限があり、2〜10MB程度に制限されていることが一般的です。また、添付機能自体が有料オプションとなっているケースもあります。
さらに、ファイルを添付したメールを一斉送信すると、受信側のメールサーバでスパムと判定されるリスクも高まります。ファイルの容量やセキュリティ、到達率を重視する場合は、クラウドサービスにファイルをアップロードし、共有リンクを本文に挿入する方法が効果的です。
メール配信システムで添付ファイルを送るメリット・デメリット
ファイル添付は手軽な一方で、メリットとデメリットを正しく理解しておくことが重要です。一見便利に見える機能も、マーケティングの観点から見ると大きな課題をはらんでいる場合があります。
ここでは、それぞれの側面を詳しく見ていきましょう。
メリット
ファイルを直接添付する最大のメリットは、受信者がメールを開くだけで資料や特典をすぐに受け取れる点です。リンクをクリックするなどの手間が省けるため、問い合わせや購入といった行動を促しやすくなります。
また、PDFなどの形式を使えば、閲覧環境に左右されず、レイアウトや内容を正確に伝えられます。さらに、ファイルにパスワードを設定したり編集権限を制限したりすることで、見積書や限定資料などの情報を一定の安全性をもって提供できます。
デメリット
添付ファイルを扱ううえで最も注意すべきなのが、ウイルス感染リスクです。万が一、感染ファイルを誤って送ってしまうと、受信者に被害を与えるだけでなく、企業の信頼を大きく損なうおそれがあります。
また、ファイルの形式や容量によっては、受信側のセキュリティシステムにスパムと判定されてしまいかねません。結果として、メールが届かない、あるいは迷惑メールフォルダに振り分けられる可能性もあります。
加えて、多くのメール配信システムでは添付ファイルの容量に制限があり、大きな資料や動画などを送ることはできません。このようなリスクを踏まえると、添付機能の利用には慎重な判断が求められます。
メール配信で添付ファイルを送る活用例
添付ファイル(または推奨されるURLリンクでの共有)は、顧客との関係性を深めるさまざまなシーンで有効です。ここでは具体的な活用例を4つご紹介します。
会員限定の特典・クーポンを配信する
メルマガ会員など、特定の顧客に向けてクーポンやイベント招待状を配信すれば、「特別扱い」されている感覚を演出でき、エンゲージメントの向上につながります。リンクを踏んだり会員認証を挟むことなく、すぐに内容を確認してもらえる点もメリットです。
ただし、限定情報を扱う場合はセキュリティ対策も欠かせません。パスワード付きファイルにする、URL共有の場合は推測されにくい形式にするなど、配信前にひと工夫が必要です。
重要な資料やレポートを安定したレイアウトで送付する
市場調査レポートや自社ノウハウをまとめた資料などは、PDFにして添付すれば、どの端末でもレイアウトを崩さず、作成者の意図どおりに情報を届けられます。内容の誤解を防げるだけでなく、読みやすさや信頼感の面でもプラスに働きます。
ただし、ファイルサイズが大きくなることも多いため、添付ではなくURLで共有することが推奨されます。読み込みの負担を減らしつつ、確実に届けることができます。
BtoB向けに営業資料・IR情報などを効率よく共有する
BtoBのビジネスでは、製品カタログや価格表、IR資料、議事録などの資料を、取引先に送る場面が頻繁にあります。こうした情報をメールで共有すれば、関係者に素早く正確に届けることができます。
一方で、送信ミスは信用問題につながる重大なリスクです。常に最新の資料を使い、誤送信を防ぐためのダブルチェック体制を徹底しましょう。
BtoC向けにイベント情報や教育資料を提供する
セミナーの案内や製品マニュアル、オンライン教材などを添付すれば、顧客に必要な情報をスムーズに届けられます。こうした有益なコンテンツを通じて接点を増やせば、参加率や理解度の向上にもつながります。
ただし、件名やファイル名の工夫がないと迷惑メール扱いされる可能性もあるため、受信者に配慮した設計が大切です。
添付ファイルをURL化して送る方法
ファイル添付のデメリットを解消し、より安全で効果的に情報を共有するための最適な方法が「URL化」です。ここでは、代表的な5つの方法をご紹介します。
クラウドストレージにアップロードする
Google Drive、Dropbox、OneDriveといったクラウドストレージサービスは、最も一般的な方法の一つです。ファイルをアップロードし、共有リンクを生成してメール本文に記載するだけで簡単に送信できます。
大容量ファイルも扱え、閲覧権限やパスワード保護などのセキュリティ設定も細かく行えます。アクセス履歴の確認やリンクの有効期限設定など、企業のポリシーに沿った管理を行いたい場合は、ビジネス向けプランの活用も検討するとよいでしょう。
自社サーバにアップロードする
自社で契約しているレンタルサーバの管理画面から、任意の場所にファイルをアップロードし、URLを共有する方法です。自社のドメインを含んだURLになるため、受信者に安心感を与え、迷惑メールと判定されにくいというメリットがあります。
ただし、アップロードしたファイルは基本的に誰でもアクセス可能になるため、機密情報の場合はファイルをパスワード付きZIPで保護するなど、別途セキュリティ対策が必要です。
WordPressなどCMSの「メディア」機能を活用する
自社サイトをWordPressなどのCMSで運用している場合は、管理画面の「メディア」機能を使ってファイルを簡単に公開できます。アップロードするだけでURLが自動生成され、Webページへの埋め込みやメールでの共有にもスムーズに対応できます。
ただし、アップロードしたファイルは検索エンジンにインデックス(登録)され、検索結果に表示されることで、意図せず一般公開状態になることもあるため注意が必要です。対策として、ファイルをZIP形式にしておくと安全性が高まります。
ファイル転送サービスを利用する
GigaFile便やWeTransferといったファイル転送サービスも手軽な選択肢です。多くはアカウント登録不要で、大容量のファイルをアップロードし、生成されたダウンロードURLを共有できます。
操作が非常にシンプルな点が魅力ですが、ビジネスで利用する際は注意が必要です。フリーのサービスや短縮URLは、受信側のセキュリティフィルターに弾かれる可能性があるため、信頼性の高い有料サービスの利用が賢明です。
YouTubeに限定公開でアップロードする
共有したいコンテンツが動画の場合は、YouTubeの活用が最適です。動画ファイルを「限定公開」の設定でアップロードすれば、URLを知っている人だけが視聴できるようになります。
ファイルサイズを気にすることなく高画質な動画を共有でき、受信者側も特別なソフトなしで再生できる点が大きなメリットです。ただし、「限定公開」でもURLが第三者に渡れば誰でも視聴できてしまうため、取り扱いには注意しましょう。
メール配信システムで添付ファイルを送る際の注意点
メール配信でファイルを共有する際には、技術的な制約からセキュリティ、そしてマーケティング効果に至るまで、いくつか押さえておくべき重要な注意点があります。ここでは5つの注意点を紹介します。
HTMLメールでは添付できない場合がある
多くのメール配信システムでは、HTMLメール形式でファイルを添付できないケースがあります。HTMLメールがレイアウト重視の構造となっており、添付機能との技術的な相性が良くないためです。
見た目を重視したメールを送る場合には、「添付できるかどうか」を前提に、配信内容や形式を検討しましょう。たとえば、資料送付を前提にするなら、あえてテキストメール形式を選ぶという判断も有効です。
添付ファイル機能は有料の場合がある
メール配信システムを選ぶ際には、添付ファイル機能の有無と費用を事前に確認することが重要です。特に低価格帯のプランや無料プランでは、添付ファイル機能が標準搭載されておらず、有料のオプションとなっているケースが少なくありません。
契約後に「使いたい機能がなかった」とならないよう、システム選定の段階で、機能の有無、追加費用、そして一度に送信できる容量の上限などをしっかりと比較検討しておくと安心です。
ファイル容量の制限に注意する
多くのメール配信システムや受信側のメールサーバには、添付ファイルの容量に上限があります。一般的には1〜5MB程度が目安で、これを超えると送信自体が失敗するか、受信者のメールボックスを圧迫して迷惑をかけてしまうこともあります。
とくに、カタログや画像付き資料などは容量が大きくなりやすいため注意が必要です。送信前にファイルサイズを確認し、必要に応じて圧縮する、もしくは別の共有手段を検討しましょう。
セキュリティ対策を徹底する
メールを介したファイルのやり取りには、情報漏えいやウイルス感染といったリスクが常に伴います。特に不特定多数に送る一斉配信では、一つのミスが大規模なトラブルに発展する可能性があります。
送信前には、複数人による宛先と内容のダブルチェックや、最新のアンチウイルスソフトによるスキャンを徹底しましょう。機密性の高いファイルはパスワードで暗号化することが重要ですが、無料のファイル転送サービスの安易な利用は避けるべきです。
添付ファイルの効果測定ができない場合がある
メールをマーケティング目的で活用する場合、配信後の反応を分析し、改善につなげることが重要です。しかし、直接添付した場合、ファイルが実際に開かれたかどうかを把握するのは難しく、反応を測定する手段が限られてしまいます。
ファイルをURL化して共有すれば、リンクのクリック数を通じて関心度を可視化できます。誰がどの情報に興味を持ったかを分析し、次回の配信内容やタイミングの最適化にいかせます。
【補足】個別のビジネスメールでファイルを添付する際のマナー
ビジネスにおけるメールのやり取りは、相手への配慮が信頼関係を築く上で非常に重要です。ファイルを共有する際も、相手を思いやったマナーを心がけましょう。
わかりやすくファイルを整理・分類する
受け取った相手がファイルの内容をすぐに理解できるよう、ファイル名は「【株式会社シナジーマーケティング】20250612_お見積書」のように、会社名・日付・内容を簡潔に記載するのが親切です。
複数のファイルを送る場合は、フォルダにまとめてZIP形式で圧縮しましょう。また、メール本文にも「〇〇のお見積書(PDF形式)を添付いたしましたので、ご査収ください」といった形で、何を添付したのかを明記することが重要です。
ファイル形式とサイズは相手に合わせて調整する
添付ファイルのサイズは、一般的に3MB以下がマナーとされています。3MBを超える場合は、URL化して共有するのが良いでしょう。事前に相手に大容量ファイルを送付してよいか確認するのも丁寧な対応です。
また、ファイル形式は、相手の環境に依存しないPDFや、広く使われているExcel、Wordなどが無難です。特にMacとWindows間でのやり取りでは、文字化けが起きないようファイル名の付け方などに注意が必要です。
機密情報はメール添付を避ける
個人情報や企業の機密情報を含むファイルを、メールに直接添付して送るのは非常にリスクが高く、情報漏えいにつながる恐れがあります。特に、不特定多数に配信するメールでは厳禁です。
かつては「PPAP(パスワード付きZIPファイルを別メールで送る方式)」が一般的に使われていましたが、近年ではセキュリティ上の問題が指摘され、2020年には日本政府も廃止を決定しました。
機密性の高いファイルは、クラウドストレージの共有機能を活用し、アクセス権限や閲覧制限を設定するなど、セキュリティポリシーに沿った方法で共有するのが安全です。
まとめ
メールでのファイル添付には、容量制限やセキュリティ上の懸念、効果測定の難しさといった課題があります。これらのリスクを回避しつつ、確実に情報を届ける手段として、URLを用いた共有が現在では一般的になりつつあります。
さらに、どの資料が、誰に、いつ閲覧されたかを把握できれば、配信結果の分析や今後の施策立案にもつながります。
「Synergy!」は、こうしたニーズに対応し、ファイル共有の効率化と可視化を同時に実現できるCRMシステムです。ファイルの安全な管理に加え、ファイルのURL化や、そのURLがクリックされたかのデータを取得したり、そのほかにもアクセス制限機能など、マーケティング施策の質を高める多様な機能を備えています。
ファイル配信の最適化と効果的なメール運用をご検討中の方は、ぜひ以下の資料をご覧ください。
おすすめメール配信システム「Synergy!」の機能詳細を紹介!

関連情報
※記載されている内容は掲載当時のものであり、一部現状とは内容が異なる場合があります。ご了承ください。