メール配信システムにセキュリティが必要な理由は?リスクと対策を解説
<この記事でわかること>
- メール配信システムには、個人情報の漏えいや不正アクセス、誤送信など多くのセキュリティリスクが存在します。
- 特に送信ドメイン認証(SPF・DKIM・DMARC)や通信暗号化、アクセス制限の有無は重要な判断基準です。
- 社内の誤操作やログイン管理の甘さもリスク要因となるため、操作履歴の監視やダブルチェック体制も必要です。
- 「Synergy!」のような高セキュリティ型システムを選ぶことで、安全性と到達率を両立した運用が可能になります。
メール配信システムを導入すると、顧客へのお知らせやメルマガなどの大量のメール配信を容易に行え、業務効率化が可能です。一方で、メール配信では個人情報を扱うため、安全に配信するには、セキュリティリスクを理解したうえで、セキュリティ性の高いメール配信システムを選ぶ必要があるでしょう。
本記事では、メール配信システムにセキュリティが必要な3つの理由と、メール配信にともない生じる内部的、外部的なセキュリティリスクを解説します。あわせて、セキュリティリスクへの対策法やセキュリティ性の高いメール配信システムの選び方もご紹介します。
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<目次>
メール配信システムのセキュリティとは
メール配信システムのセキュリティとは、配信するメールの内容や受信者情報を、不正アクセス・漏えい・改ざんなどから守り、安全かつ正確に届けるための仕組み・対策のことです。
セキュリティ対策が不十分なまま運用すると、情報漏えいや配信停止、取引先からの信頼失墜、さらには特定電子メール法などの法令違反につながるリスクがあります。
このようなリスクは、大きく「外部からの攻撃」や「従業員による誤送信」といった、外部・内部それぞれの要因に分けられます。本記事では、こうした外部・内部のセキュリティリスクについて、原因から対策まで詳しく解説していきます
メール配信システムにセキュリティが必要な理由
メール配信システムには、高いセキュリティ対策が求められます。個人情報の取り扱いや配信トラブル、法令違反といったリスクに直結するためです。
ここでは、セキュリティが必要とされる具体的な理由について解説します。
顧客情報の保護と信頼性維持のため
メール配信では、個人情報保護法や業界ガイドラインへの対応が法的に義務付けられています。顧客データの漏えいや不正アクセスが発生すれば、企業としての信頼性が大きく損なわれる恐れがあるでしょう。
セキュリティ対策を徹底することは、法令遵守の観点だけでなく、ブランドイメージの維持・向上や、顧客への安心感の提供にもつながります。
安定したメール配信を確保するため
配信がスパムと判定されたり、送信元ドメインがブラックリストに登録されたりすると、到達率が大きく低下し、マーケティング効果が失われます。こうした事態を防ぐためにも、セキュリティ対策は不可欠です。
DNS設定や送信ドメイン認証(SPF・DKIM・DMARC)を適切に運用することで、正当な送信者であると証明し、配信の安定性と効果を保つことができます。
法的リスクや社会的責任を回避するため
メール配信に関する法令(特定電子メール法・電気通信事業法など)への違反は、罰則や行政指導の対象となります。加えて、情報漏えいが公に報道された場合、企業の社会的信用は大きく損なわれます。
企業の信頼性と健全な事業運営を守るためにも、セキュリティ対策の強化は不可欠です。
▼「Synergy!」のセキュリティ対応
メール配信システムのセキュリティリスク【外部要因】
前述のとおり、メール配信システムのセキュリティリスクには、外部要因と内部要因があります。ここでは、代表的な3つの外部要因を解説します。
不正アクセスによる情報漏えいとシステム侵害
メール配信システムでは、権限を持たない第三者がサーバや管理画面に侵入し、顧客データやメール内容を盗み出すリスクがあります。一度侵入されると、「バックドア」と呼ばれるセキュリティの抜け穴を仕掛けられ、継続的に情報を盗まれたり、システムを遠隔操作されたりする恐れがあるでしょう。
こうした被害は、企業の信用を失墜させるだけでなく、業務停止や法的責任の追及といった深刻な損失にもつながりかねません。
スパムメール判定による開封率・信頼性の低下
大量配信や不適切な文面、疑わしい送信元情報のメールは、スパムメールであると判定される可能性があります。スパムフォルダに振り分けられたメールはほぼ開封されず、開封率が低下するとマーケティング効果が大幅に低下します。
携帯キャリアやフリーメールサービス(Gmail、Yahooなど)の厳格な迷惑メール対策を回避する設定が不可欠です。
ブラックリスト登録による配信停止リスク
メール配信においては、送信元がスパムであるとみなされたIPアドレスはブラックリストに登録され、メール自体が届かなくなる可能性があります。一度ブラックリストに登録されると、解除申請や対応に多大な手間と時間がかかってしまいます。
業務やキャンペーンの運用が一時的に機能しなくなれば、企業活動に重大な影響を及ぼすことも大きなリスクです。
メール配信システムのセキュリティリスク【内部要因】
セキュリティリスクというと外部からの攻撃ばかりに目が向きがちですが、社内の人的ミスや管理不備が原因となる内部要因にも注意しなければなりません。
ここでは、メール配信における代表的な内部リスクとして、「誤送信」「データの持ち出し」「ログイン情報の管理不備」の3点を解説します。
メール誤送信による情報漏えい
画像参考:日本情報経済社会推進協会(JIPDEC) | 2023年度個人情報の取扱いにおける事故報告集計結果 p.2
日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)の調査によれば、2023年度の情報漏えい事故のうち、誤送信が原因となったケースは全体の28.7%を占めています。特に多いのが、BCCとCCの設定ミスや宛先の入力ミスによって、意図しない相手に情報が届いてしまうケースです。このようなミスによって、他人のメールアドレスや機密情報が第三者に漏れる事故が後を絶ちません。
また、本文に別の顧客情報を誤って貼り付ける、添付ファイルを取り違えるといった操作ミスも頻発しています。社内でのダブルチェック体制や送信前の自動警告など、具体的な対策が求められます。
データや端末の持ち出しによる情報流出
USBメモリや私物のPC・タブレットへのデータ保存を通じて、社内情報が外部に持ち出されることも、大きなリスク要因です。持ち出し先でのウイルス感染や、カフェや公共の場での「ショルダーハッキング(画面のぞき見)」など、外部との接触をきっかけとした情報漏えいも十分に想定されます。
特に、クラウド型システムの普及により、現代は社外から業務システムにアクセスしやすくなりました。だからこそ、アクセス制限や端末認証、操作ログの記録といった管理体制の整備は必須です。
パスワードやログイン情報の管理不備
「123456」や「password」といった単純なパスワードの使用、複数サービス間でのパスワード使い回しは、もっとも典型的なセキュリティホールです。さらに、ログイン情報が流出し、第三者にアカウントを乗っ取られると、正規の社員になりすました不正アクセスが発生し、被害の深刻化を招きます。
このようなリスクを防ぐためには、推測困難なパスワードポリシーの徹底に加え、定期的な変更、多要素認証(MFA)の導入といった、ID管理体制の強化が不可欠です。
メール配信システムのセキュリティ対策【外部要因】
IT技術が急速に発展する現在において、不正アクセスやスパム判定などの外部要因を対策するには、事前のセキュリティ対策が不可欠です。ここでは、すぐに取り組める3つの対策をご紹介します。
送信元アドレスの認証で「なりすまし」を防ぐ
メールの「なりすまし」や改ざんを防ぐには、送信元ドメインの認証を正しく設定することが基本です。正しく設定することで、スパムや迷惑メール扱いを避け、受信側にとって信頼性の高い配信が実現できます。
具体的には、以下3つの技術を組み合わせて活用しましょう。
- SPF:DNSに正規の送信元IPを登録し、第三者がなりすまして送信するのを防ぎます
- DKIM:メールに電子署名を付け、内容が改ざんされていないことを証明します
- DMARC:SPFまたはDKIM認証に失敗したメールの処理方針(拒否・隔離など)を受信側に指示できます
当社が提供する「Synergy!」では、送信元認証を簡単に設定できる機能が整っています。初めて導入する企業でも、安全かつ確実なメール配信を実現できます。
STARTTLSによる通信暗号化で盗聴や改ざんを防ぐ
メール送信時の通信を暗号化することで、ネットワーク上での盗聴や改ざんを防止できます。 そのために有効なのが、SMTPに暗号化を追加する「STARTTLS」です。データをSSL/TLSで保護することで、中間者攻撃などのリスクを大幅に軽減できます。
暗号化されていないメールは、受信側で「セキュリティ上の懸念がある」とみなされかねません。たとえばGmailでは警告表示がされるケースもあります。配信先に不信感を与えてしまう可能性があるため、STARTTLSの導入は「信頼されるメール」を届けるための基本的な対策といえるでしょう。
なお、STARTTLSを利用するには受信側サーバの対応も必要なため、導入前に互換性の確認をおすすめします。
ブラックリスト登録を防ぐための運用と監視体制
スパムメールと判定されると、送信元IPアドレスやドメインがブラックリストに登録され、メールそのものが届かなくなる恐れがあります。特に、急激な大量配信や不自然な件名・本文などは、スパムフィルタに引っかかる原因となります。
こうしたリスクを回避するには、通常の配信量やタイミング、内容を一定に保つなど、配信ペースを意識した運用ルールを整備しておくことが重要です。
加えて、自社のIPやドメインがブラックリストに登録されていないかを定期的に確認しましょう。もし登録されていた場合には、速やかに解除申請を行える体制を整えておく必要があります。ブラックリストへの登録を放置すると、すべてのメールがブロックされる事態に発展しかねません。
メール配信システムのセキュリティ対策【内部要因】
内部要因においては、ちょっとした誤送信やパスワード管理の甘さが、大きなトラブルにつながるケースも少なくありません。
ここでは、そうした内部リスクを未然に防ぐための実践的な対策を、3つの視点から解説します。
アクセス権限と作業環境の制限でリスクを最小化する
情報漏えいを防ぐには、メール配信システムの利用者を必要最小限に絞り、ユーザーごとに適切なアクセス権限を設定することが基本です。ログイン情報は各従業員に個別に付与し、IDやパスワードの共有を避けることで、操作ミスや不正利用のリスクを抑えられます。
また、カフェや共有スペースなど、公共の場での端末操作を制限することで、のぞき見や盗難による情報流出を防ぐ効果も期待できます。
当社の「Synergy!」では、ユーザー単位での細かなアクセス権限設定が可能です。担当業務に応じて管理権限や操作範囲を制御できるため、情報漏えいや内部不正のリスクを最小限に抑える運用が実現できます。
操作履歴の記録や監視で不正やミスの再発を防ぐ
操作ミスや不正アクセスなど、内部リスクを抑えるには、「誰が・いつ・何を操作したか」といった操作履歴の記録と監視が重要です。ログを取得しておけば、万が一トラブルが起きた際にも原因の特定が容易になり、迅速な対応につながります。
さらに、操作ログを定期的に分析することで、不正行為や繰り返されるヒューマンエラーの兆候を早期に発見できるでしょう。ログの存在を従業員に周知すること自体が、不正行為の抑止効果としても機能します。
ダブルチェック体制の導入でメール誤送信を防ぐ
メール誤送信による情報漏えいを防ぐには、配信前に第三者による宛先や内容の確認を行うことが有効です。特に、発生しがちな「To」「CC」「BCC」の設定ミスや、差し込み項目(名前・企業名など)は必ず確認しましょう。
社内での意識を高めるためにも、複数人によるダブルチェック体制を業務フローの中に組み込み、ルール化することが重要です。
誤配信を起こさないようにセキュリティ対策の万全なシステムを選ぼう!
誤配信を防ぐには、ミスを起こしにくいような仕組みになっているシステムを選ぶことも大切です。高いセキュリティ管理が可能な「Synergy!」のメール配信機能の詳細を資料でご確認ください。
セキュリティ性の高いメール配信システムの選び方
顧客にとって安全で信頼性の高いメール配信を実現するには、セキュリティ性の高いメール配信システムを選ぶことが重要です。ここでは、選択時に意識したい5つのポイントをご紹介します。
送信元アドレスの認証機能が備わっているか
SPF・DKIM・DMARCといった送信ドメイン認証の仕組みは、もはやメール配信における前提となっています。しかし、正しく設定するには、DNSの編集やサーバ設定といった専門的な知識が必要な場合もあり、初めての導入ではハードルが高いことも少なくありません。
そのため、メール配信システムを選ぶ際は、認証を「簡単な管理画面上で設定できるか」、あるいは「設定支援やサポート体制が整っているか」といった運用面の使いやすさに注目することが重要です。
プライバシーマークやISMSの取得状況
PマークやISMSといった認証を取得しているシステムは、個人情報の管理やセキュリティ対策が一定の基準を満たしている証左となります。特にPマークの取得は、個人情報の取り扱いが第三者機関から適切と認められていることを示すため、信頼性の指標として有効です。
また、認証は取得後も定期的な審査や更新が必要とされるため、「現在も維持されているかどうか」を確認することで、継続的なセキュリティ体制の有無を見極める材料になります。
当社の「Synergy!」では、Pマークに加え、クラウドサービスの国際的なセキュリティ基準である「ISO/IEC 27017」も取得しており、安心して導入いただける環境が整っています。
メール・添付ファイルの暗号化が可能か
メール配信中の情報漏えいリスクを抑えるには、通信経路や添付ファイルの暗号化に対応しているシステムを選ぶことが重要です。たとえば、メール本文の送信ではSTARTTLSやSSL/TLSなどの通信暗号化が用いられ、添付ファイルについては、S/MIMEやPGPといった暗号化方式に対応しているかがポイントとなります。
特に、個人情報や契約書類などの機密性の高いデータを扱う場合は、ファイル単位での暗号化が可能なシステムであるかを確認しておくと安心です。このような機能を備えたシステムを選ぶことで、配信中の盗聴・改ざん・情報漏えいといったリスクを大きく低減できます。
運用サポート体制とトラブル対応力
トラブル発生時に迅速なサポートを受けられる体制が整っているかは、メール配信システムを選定するうえで非常に重要です。たとえば、迷惑メールに振り分けられた際の対応や、不正アクセスが疑われた場合の初動対応について、どのような手段でサポートを受けられるのかを事前に確認しておくと安心です。
サポート窓口の連絡方法(電話・メール・チャット)、対応可能な時間帯、トラブル対応の事例や手順が公開されているかも、信頼性を見極めるポイントとなります。特に、実際に導入している企業のレビューや導入事例を参考にすれば、対応品質の目安にもなるでしょう。
高い導入実績と信頼性
豊富な導入実績は、多くの企業や業界のニーズに応えてきた証拠でもあり、サービスの品質や運用ノウハウの蓄積を示す重要な指標です。特に、官公庁・金融機関・大手企業といった高いセキュリティ水準が求められる組織への導入実績があるかどうかは、信頼性を判断するうえで有効な判断材料となります。
また、これらの事例が公開されているかどうかも、企業としての透明性や安心感を見極めるポイントの一つです。
まとめ
メール配信システムを安全に運用するには、外部からの不正アクセスや内部ミスといったリスクに対して、システム側のセキュリティ対策と運用ルールの両面から備えることが欠かせません。
特に、送信ドメイン認証や通信の暗号化、権限管理や操作ログの監視など、基本的なセキュリティ機能が整っているかを確認したうえで、安心して運用できるサービスを選ぶことが重要です。
「Synergy!」は、20年以上の運用実績を持つ国産のメール配信システムとして、高いセキュリティ性と柔軟な権限管理機能を備えています。信頼性と安全性を両立させた運用をご検討の方は、ぜひ下記のフォームより資料をご確認ください。

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