SaaS導入企業必見!複雑化するID管理の課題をSSOで根本解決
<この記事でわかること>
- SaaS利用企業が直面するID管理の課題(複雑な管理、セキュリティリスク、UX低下)が明確になります。
- SSO(シングルサインオン)機能がこれらの課題を根本的に解決する仕組みと、導入することで得られる具体的なメリットが理解できます。
- アカウント管理の効率化、情報セキュリティの強化、ユーザーエクスペリエンスの向上といったSSO導入の3つの大きなメリットがわかります。
- SSOがIdPとSaaSの間で認証情報をやり取りする仕組み(SAML 2.0など)について解説します。
- セキュリティ強化と効率を両立する次世代ID管理の重要性や、SaaS「Synergy!」のSSO機能についても触れています。
ビジネスの現場でSaaSの利用が増える中、ID管理の複雑さが大きな課題となっています。特に、複数のSaaSアカウントを管理する手間やセキュリティリスクの増加は、効率的な業務運営を妨げる要因です。また、ユーザーエクスペリエンスの低下も無視できません。
本記事では、企業が直面するSaaSのID管理における具体的な課題を深掘りし、その解決策としてSSO(シングルサインオン)機能がもたらすメリット、そしてその仕組みについてわかりやすく解説します。
<目次>
1.SaaSのID管理における3大課題
SaaSの普及に伴い、ID管理はますます重要な課題となっています。特に複数のSaaSを利用する大規模な組織では、以下の3つの大きな「ペイン(課題)」に直面します。
1. アカウント管理の「見えない負担」と「管理の限界」
ビジネスパーソンにとって、SaaSのID管理は日々の業務効率に直結する重要な課題です。特に、複数のSaaSを利用する企業では、各サービスごとに異なるアカウントを管理する必要があり、その複雑さが増しています。アカウントの増加に伴い、パスワードの管理や更新、アクセス権限の設定など、管理者の負担は大きくなる一方です。
- ユーザー削除の不安と残存アカウント: 「削除して大丈夫か不安で、不要なユーザー(退職者含む)が残り続ける」といった声は多く聞かれます。SaaS利用ユーザーの定期的な棚卸しが社内ルールで定められていても、個別対応の多さからその対応が大きな手間となっています。
- 手動での権限付与・確認の手間: 人事異動などで「〇〇さんと同じ権限を付けてほしい」といった問い合わせがあった際、大量のユーザーの中から目検で探し出すのは非常に非効率です。部門もユーザーも多い企業では、もはや手作業でのアカウント管理は限界に達しており、各SaaSで個別に権限を付与・確認する運用負荷は計り知れません。
このような状況では、セキュリティリスクの増加やユーザーエクスペリエンスの低下が懸念されます。
2. 情報システム部門を圧迫する「アカウント発行・問い合わせ対応」の負担
SaaSの新規導入や利用者の増加に伴い、情報システム部門や管理部門への負担は増大しています。「アカウント発行と問い合わせ対応が運用として大変」という声は切実です。
個別にアカウントを発行し、パスワードを通知し、その後のログインに関する問い合わせに対応することは、ツールを管理する部門の工数を著しく圧迫します。特にパスワード忘れによるログインできないという問題は頻繁に発生し、業務の中断と問い合わせ対応の悪循環を生み出します。
企業によっては、複雑なパスワードルール(桁数や利用文字種など)を設けていますが、それが従業員のパスワード設定や記憶の負担となり、ログインできないといった問い合わせがさらに増加するという本末転倒な事態も発生しています。これは従業員の負荷や満足度にも悪影響を与えかねません。
3. 放置できない「退職者アカウントリスク」と「セキュリティ統制」の難しさ
SaaSのID管理における最大の懸念の一つが、退職者アカウントの削除漏れです。もし退職した従業員のアカウントがSaaS上に残存していた場合、そこから情報漏えいや不正アクセスが発生するリスクを常に抱えることになります。
各SaaSでID管理が個別に行われている状態では、「個別のサービスで管理するのは運用が現実的ではない」という危機感が生まれます。企業全体としてのセキュリティポリシーやガバナンスを徹底することが難しくなり、コンプライアンス遵守の面でも課題が生じます。
2.根本解決策は「SSO(シングルサインオン)」!その仕組みと企業へのメリット
これらのSaaS ID管理の課題を根本から解決するのが、SSO(シングルサインオン)機能です。
SSO(シングルサインオン)とは?
SSOとは、複数のアプリケーションやサービスに対して、ユーザーが一度の認証でアクセスできる仕組みを提供する技術です。これにより、ユーザーは各アプリケーションごとに異なるIDやパスワードを入力する手間を省くことができます。
SSOの仕組みと企業へのメリット
SSOが機能する仕組みは、認証に必要な情報を管理する「IdP」と「SaaS」の間で認証情報をやり取りすることで成り立っています。
- IdP(Identity Provider/IDプロバイダ)
「認証の司令塔」となるシステムです。企業のアカウントユーザーが誰であるかを証明し、その認証情報を提供する役割を担います。ID管理の一元化によるセキュリティ強化と情報漏えい・不正アクセス対策、そして運用効率化を重視する企業で導入が進んでいます。
例:Microsoft Entra ID(旧 Azure Active Directory)、Google Workspace、Okta、GMOトラスト・ログイン、CloudGate UNO など ※ - SaaS (Service Provide)
サービスを提供する側のシステムです。IdPから受け取った認証情報に基づいて、ユーザーにサービスへのアクセスを許可します。 - SAML 2.0(Security Assertion Markup Language 2.0)
IdPとSaaSがユーザーの認証情報を安全にやり取りするための「共通の言語」や「標準規格」です。このSAML 2.0があることで、異なるベンダーのIdPとSaaS間でもスムーズにSSO連携が実現できます。
SSO導入がもたらす3つの大きなメリット
SSO機能は、アカウント管理の効率化、セキュリティの強化、そしてユーザーエクスペリエンスの向上といった具体的なメリットを提供し、企業全体の業務効率化とリスク軽減に貢献します。
1. アカウント管理の効率化
SSOは、一度の認証で複数のサービスにアクセスできる仕組みを提供し、アカウント管理を効率化します。ユーザーは1つのIDとパスワードで複数のSaaSにアクセスできるため、ログイン情報の管理が簡素化されます。
- ユーザー削除に悩まない
IdP側で社員のアカウントが削除されると、ユーザー情報が無効になりSaaSのアカウントにもログインができなくなります。これにより、退職者アカウントの放置による情報漏えいリスクを解消し、管理者は削除漏れの心配から解放されます。社内ルールで義務付けられているアカウント棚卸作業も、IdPでの一元管理により効率化されます。 - アカウント発行の手間が減る
新入社員の入社時や人事異動があった際、IdPにユーザーが登録されると、連携SaaSのアカウントも自動で作成されます。情報システム部門や管理者のアカウント発行・権限付与の手間が大幅に削減され、社員は着任後すぐに利用開始できます。
2. 情報セキュリティの強固な強化
SSOを導入することで、ユーザーは複数のパスワードを管理する負担が軽減されます。また、認証プロセスとセキュリティポリシーを一元化できるため、パスワードの使い回しや脆弱なパスワード設定のリスクが低減され、企業全体のセキュリティレベルを統一しやすくなります。
- パスワード忘れの問い合わせを解消
社内のポータルサイトやPC起動時に一度IdPに認証するだけで、連携SaaSへのログインも自動でできるため、個別にパスワードを覚えるストレスがなくなり、パスワード忘れによるログイン障害も解消できます。管理部門への問い合わせ対応が大幅に削減されます。 - 退職者アカウントリスクを防ぐ
アカウント管理の一元化により、不正アクセスや情報漏えいのリスクを防ぎます。
3. ユーザーエクスペリエンスの向上
SaaSのID管理において、ユーザーエクスペリエンスの向上は非常に重要な課題です。ユーザーは一度の認証で複数のSaaSにアクセスできるようになるため、ログインの手間が省かれ、ストレスが軽減されます。これにより、業務効率が向上し、従業員の満足度向上にも貢献します。
3.SSOで、安心と効率を両立する次世代ID管理へ
本記事では、大企業・中堅企業が直面するSaaS ID管理の課題と、その解決策となるSSO機能について解説しました。
SSO機能は、ユーザーのログインに関するストレスを解消し、情報システム部門や管理部門の運用負担を大幅に軽減します。さらに、アカウント管理の一元化による強固なセキュリティ基盤を構築し、企業のデジタルマーケティング活動をより安心・安全に進めることを可能にします。
一方で、SaaSのすべてがSSOに対応しているわけではありません。上記のような課題をお持ちのご担当者様は、自社で導入しているSaaSがSSOに対応しているか確認してください。
SSOが、貴社のSaaS活用を次のステージへと押し上げ、より本質的な業務に集中できる環境をつくることとなれば幸いです。
なお、弊社が提供するマーケティングSaaS「Synergy!」もSSOに対応しています。お客様が抱えるID管理の課題を解決します。
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Synergy!のSSO機能概要
Synergy!管理画面へシングルサインオン(SSO)でログインできる機能です。SAML 2.0準拠のIdP連携により、Synergy!のID/パスワード入力が不要でご利用いただけます。Synergy!のための新規ユーザー作成・削除、パスワード忘れといった課題を解決し、IdPでのユーザー一元管理によるセキュリティ強化と運用負担を軽減します。部門やユーザーが多い企業でも、アクセス統制を強化し安心してご利用いただけます。
Synergy!のSSO機能にご興味をお持ちいただけましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。
※記載の商品およびサービスは各社の商標または登録商標です。

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