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統合マーケティングコミュニケーション(IMC)推進に有効なのは、小さな成功体験の積み重ね|朝日広告社×シナジーマーケティング

今後の広告とCRMの組み合わせについて、広告代理店様と語る対談の第二弾(前回のイーエムネット様との対談はこちら)。今回は朝日新聞グループの総合広告会社である、株式会社朝日広告社の美那川さんにお話をうかがいました。

もともとは新聞広告に強みを持っていた朝日広告社ですが、早くからデジタル広告の専門部署を立ち上げられ、現在、朝日広告社の年間売り上げにおけるデジタル広告の売り上げシェアは、主要総合広告会社の中でもトップクラスです。そんな朝日広告社の推進する「統合マーケティングコミュニケーション」の実現に向けて必要な第一歩とは?インタビュアーは光山でお届けします。

(左から:シナジーマーケティング光山、朝日広告社 デジタルソリューション局 ソリューション部 美那川さん)

DMPが実現可能にした、統合マーケティングコミュニケーションとは 

光山 シナジーマーケティングは朝日広告社様のデジタルのCRMのご支援といった部分で協業させていただいています。まず御社が注力されている統合マーケティングコミュニケーションの思想や有用性について聞かせてください。

美那川  統合型マーケティングコミュニケーション、IMC(Integrated Marketing Communication)という概念自体は1990年代に登場したもので、目新しいものではありません。ただ、その概念を実行するという部分では、データの連携を中心としたいろいろなハードルがありました。それが近年、DMPが登場したことによって、オンライン、オフライン問わずいろいろなデータが一元管理できるようになり、理論やフレームワークで終わっていたIMCが、実行まで可能になってきました。このような土壌が整ったタイミングで、朝日広告社もマーケティング、クリエイティブといった部署をひとつの本部に集約して、統合マーケティングコミュニケーションを推進しています。

光山 IMCという概念を簡単に言うと、宣伝とか営業とか、いろいろな部門をまたいで全社的にマーケティング活動をとらえていこうというような考え方ですよね。

美那川 そうですね。例えば広告会社は、メディアを売ることを生業としていたので、メディアありきのプランニングをしてしまいがちです。ですが、メディアありきの施策だと最終的な広告効果が分断されてしまい、全体の効果が見えづらくなっているのが現在の状況です。加えて、クライアント様の課題も複雑化していて、ただメディアに出稿するだけで問題解決できることが少なくなってきています。そのため、企業のマーケティング活動を俯瞰してみる、一貫した施策がより重要になっています。

光山 その一貫した施策のためには、先ほどおっしゃったデータの連携という、言うなれば横串での連携が必要になると。

美那川 弊社でも統合マーケティングコミュニケーション実現のサポートをさせていただく機会が増えているのですが、実現していくに当たって、ポイントになっていると思うのは、まず戦略と戦術の連携という部分ですね。あとは、ばらばらだったデータを統合していくと、会社全体のいろいろな部署をまたぐ施策になっていくため、それぞれの部署との連携も必要になってきます。こういった(1)戦略と戦術の連携、(2)顧客データの連携、(3)組織の連携 といった三本柱の連携を朝日広告社がサポートさせていただく機会が多くなってきています。

光山 それがこのシートに表されているのですね。

美那川 はい。図の表頭では(2)顧客データの連携に関わる、源泉となるデータ(ピンク部分)と顧客化プロセス(グレー部分)を配置しています。表側は(1)戦略と戦術の連携部分にあたり、企業のKGIを達成するための課題、および、実際の打ち手となる施策に分解していきます。例えば潜在顧客で達成すべき課題(図のA部分)は何なのか、といったように、各顧客化プロセスに合わせて分解をしていきます。さらに、それぞれの課題を達成するために、シナリオ(表側グレー部分)と呼ばれる施策を、それぞれの軸に重なるところに「誰に・何を・いつ・どこで」ということをプロットしていきます。プロットすることで、いろいろな部署((3)組織の連携 青部分)がやっている課題と施策が出てきます。この施策を実際に評価するものが、一番下段の「施策KPI」部分です。このKPIがどれだけ達成されたかによって、最終的なKGIに紐付けていくことを表しています。

光山 KGIやKPIの設計を明確にするこのシートは、各部署の意思の疎通に使えそうです。同時に統合マーケティングコミュニケーションの実現における課題というのも、このシートで見えてくるのですよね?

美那川 そうですね。最終的な企業のKGIは「売り上げを上げる」ということになると思います。例えば新商品を出しました、というタイミングがあったとします。その場合、宣伝部門の目標はまず商品名を知ってもらうという認知獲得だったりします。ですが販売部門は実際の販売数を上げるというKPIが発生します。さらにその先のCRM部門になると、KGI達成のためには、クロスセルやアップセルをさせていく施策を打っていかなければならない。それぞれの部署の最終的なゴールは同じなのに、部署ごとで目標が設定されていて、それぞれの施策が連動していなかったりします。それぞれの施策の効果を最大化するために、部署横断で連携をして、顧客のプロセスに合わせて全体のコミュニケーション設計をしていく部分が重要になります。

■実際のプロット例

統合マーケティングコミュニケーションの実現における課題

光山 統合マーケティングコミュニケーションの実現は、例えば戦略の連携や組織の連携という部分でハードルが高いのかなと感じます。実際に実践したいという意思はあるけど、こういうところでつまずいてしまったというケースはありますか?

美那川 実際にこういった案件をサポートさせていただく中で、当たる壁というのは二つあるかなと思っています。まずひとつめはクライアント様側の組織の壁です。統合してマーケティングを行っていくとなると、先ほど申し上げたようにいろいろな部署の方にご協力いただく必要が出てきます。例えばマーケティング寄りの宣伝部門や販売部門、CRM部門の方はもちろんのこと、データの連携には情報システム部の方のご協力が必要であったり、BtoBですとその先の営業部門の協力が必要になってきます。このように全社をまきこんだプロジェクトになっていくことが多くなるので、組織の壁を越えて、一緒になってプロジェクトを進めてくれる部署を増やしていくのが一番のポイントになるかなと考えています。

もうひとつは、基盤となるデータ環境の構築領域です。サポートする広告会社はもちろん、クライアント様の方でも、必要なデータについて精通した人が必要になるのですが、ここの人員確保が難しいことが多いです。このデータに詳しい人員の不足というのが、ふたつめの壁です。

現実的な統合マーケティングコミュニケーションの進め方

光山 理想的な連携を行っていこうとしても、いきなり全社をまたいでとか、推進部門を作ってというのはハードルが高いと思います。では現実的にどう進めていくのがよいのでしょうか。

美那川 こういった取り組みを進めるときにはどうしても大きなプロジェクトになりがちですが、クライアント様の社内でご理解・ご協力いただける方を増やしていくことが実現していく近道になります。いきなり大きな成果を狙うと、部署間の調整に時間がかかってしまってプロジェクトが止まってしまうので、スモールスタートでスピーディーに成果を上げていき、小さな成果を積み重ねていくことが、実現に向けての一番の近道かなと考えています。小さな成功体験を積み重ねていくと、関連しているメンバーともイメージが共有しやすくなりますから。具体的にはCRMの領域、いわゆるファーストパーティデータの中でも会員データを使った部分が一番成果が出やすいので、まずここで小さな成功体験を作ることから進めることが多いです。

光山 CRMデータの活用は、企業様の方で進んでいないケースがまだまだ多くありますね。ここで小さな成功体験を作るために、われわれもクライアント様に顧客データを使ってWeb広告を配信する手法などをご提案させていただいています。

美那川 CRMの領域の施策が手軽に実施可能という部分がシナジーさんの強みかと思っています。CRMの領域がうまく回ってくると、ROI(投資対効果)、ROAS(広告費用対効果)を維持したまま新規顧客の獲得のために許容されるCPA(獲得単価)の範囲が拡大してきますので、積極的に新規獲得の施策に回せる予算が増えてきます。そうなると最終的な事業全体の底上げにつながると思っているので、CRM領域と、前段の宣伝部さんがやるような広告の領域は一貫してやるべきかなと考えています。

リピート商材で考えるとわかりやすいと思いますが、獲得単価(CPA)が2,000円の方が4,000円買ってくれるとROASが200%になります。この方が再び4,000円買ってくれるとROASは400%、ROAS200%でも商売が成り立つ場合は、獲得単価(CPA)目標を4,000円まで引き上げることが可能となり、新規顧客の獲得数の底上げが見込めます。

光山 新規顧客獲得のためのマーケティングの投資は、基本的には顧客のLTVから費用を捻出していると考えたら、LTV自体が上がれば新規顧客獲得の費用も増やしていくことができるということですよね。全社統合的にマーケティング活動を考えたときに、宣伝部門もCRM部門も、LTVの高い方を増やしていくということに対して目を向けるというのは共通の目標になりやすいかもしれないですね。

美那川 そういった考え方で共通の目標を持っていくと、いろいろな部署と意識の統一ができて、一貫したコミュニケーション設計というものが進めやすいと思っています。クライアント様のマーケティング上の課題が複雑化してきているので、実際にわれわれ広告会社も、マーケティングの問題点を一緒に洗い出して、それを解決するための課題整理を一緒にしていくという、上流工程から入っていく案件が増えていますね。

First party dataとThird party dataの活用 

光山 先ほど、ファーストパーティデータの中でも会員データを使った部分が一番成果が出やすいというお話をいただきました。ファーストパーティデータとサードパーティデータの活用について、それぞれどんな印象をお持ちですか?

美那川 クライアント様側で持っているCookieIDや、スマートフォンで言うと広告識別子(IDFAやAAID)、会員ID などのファーストパーティデータはターゲットを特定できるデータになってきます。そのぶん、施策を打ったときに効果が出やすいです。実際にまだ自社のサービスに触れていない潜在層の方はどう把握するかというと、外部のサードパーティデータで分析を行っていくことになりますが、自社の個人が特定できているデータに比べるとどうしても精度の問題が出てきてしまいます。こういったプロジェクトを動かし、成果を出すためにはファーストパーティデータ、特に個人が識別できるような会員IDを基軸にコミュニケーションを打っていった方が成果は出やすいかなと思っています。

精度に問題があると言いましたが、サードパーティデータが使えないということではなく、使い方次第かなと思っています。単純に広告のデータとしてサードパーティデータを使って配信していくとなると、ある程度限界があると感じています。ただファーストパーティデータも万能ではありません。サイトに訪れてくれれば、ファーストパーティデータでサイト内の行動は追うことができます。ですが自社に触れていないタイミングでどんな行動をしているかという部分を知るには、どうしてもサードパーティデータが必要になってきます。こういったように、ファーストパーティデータにサードパーティデータを紐付けて、自社の外でどんな行動をしているのかであったり、インサイトを発見するためにサードパーティデータを使うことが多いですね。

光山 なるほど。サードパーティというものだけというよりは、あくまで自社のファーストパーティのデータを組み合わせて活用することで、より有益な手法として判断しているというイメージですね。

美那川 そうですね。サードパーティだけとか、ファーストパーティだけという使い方だと、それだけ施策の幅が狭まってしまいます。今そこが紐付く環境ができているので、二つのデータを統合し、全体を俯瞰でとらえた上で、いろいろな切り口でマーケティングコミュニケーションのプランニングをしていくというのが一番重要かなと思っています。

光山 どうしてもサードパーティやビッグデータの話って、広告のターゲティングの話になりがちな印象がありますが、よりマーケティングの上流工程も含めて考えていくことや、ファーストパーティと組み合わせるという発想を持つと、いろいろな広がりがありそうですね。

美那川 広告配信のためにサードパーティを使うと言うよりも、いろいろなデータを組み合わせて実際のペルソナを描くであったり、カスタマージャーニーのもとにするであったり、いろいろな使い方はあると思います。サードパーティデータは、もっとマーケティングレベルで使えると思っています。

シナジーマーケティングに期待すること

光山 CRM領域での小さな成功体験の重要性についてお話しいただきましたが、ここは弊社の主力領域です。実際にCRMと広告をかけあわせると、こんなに費用対効果がよく、成果が見込めるんだというお声をいただくことが多いです。わかりやすい例で言うと、リターゲティング広告と比較してもより効率的に獲得ができるとかですね。御社としてシナジーマーケティングに期待していることなどを聞かせてください。

美那川 先ほどお話ししたように、ファーストパーティデータだけではわからない自社のサイト以外の行動などは、オフライン・オンライン含めた外のデータと紐付ける必要があります。そこをシームレスにつないで、実際の打ち手につながるような座組み、ソリューションの開発を期待しています。それが簡単に行えるとよりいいですね(笑)。先ほどのプロットシートの潜在顧客から既存顧客までの領域を全部紐付けて、一気通貫で行える施策展開の部分を、今後一緒にやっていけたらなと思っています。

光山 ありがとうございます。このファーストパーティデータとサードパーティデータを活用したソリューションというところで企画しているものもありますし、CRMデータを使った広告に特化したシステムというのも構想しています。ご期待に添えられるようがんばります。

美那川 お待ちしております。

※記載されている内容は取材当時のものであり、一部現状とは異なる場合があります。ご了承ください。

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