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【事例あり】リードナーチャリングのメリットと成功に導く3つのポイント

まだ購買意欲が高くない見込み顧客(リード)に対して有効に働きかけながら、営業活動を行うべき顧客へと育てていくリードナーチャリング。
この手法は、情報量の増大や購買検討フェーズの長期化により、現在のマーケティングにおいて、重要なステップであるという意識が定着しつつあります。

そこで今回は、リードナーチャリングをこれから始める場合、どんなポイントに気をつけるべきか、リードナーチャリングのメリットと3つのポイントを、事例を交え詳しく紹介いたします。
リードナーチャリングの基本について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

リードナーチャリングのメリット

マーケティングにおいてリードナーチャリングは「見込み顧客にとって有益な情報を提供し、見込み顧客の購買意欲を高めていく」手法のことを指します。
この場合に指す見込み顧客は、まだ購買するかどうかは不確定の状態ではあるが、自社に興味を持っていて連絡先は知っている、またはこちらから情報を発信する許可は得ている程度の段階を指しています。
このリードナーチャリングには大きく3つのメリットがあります。それぞれのメリットを詳しく見ていきましょう。

顧客リストを有効活用できる

広告を出す、展示会に出展するなど、ある程度高いコストをかけて宣伝を行うことで自社サービスに「興味はある」レベルの顧客リストはたくさん獲得することができます。ですが、その顧客リストを今後どのように有効活用していくか具体的にイメージできていますか?

実際には、商談まで進んだ購買意欲の高い顧客以外のリストは「次に宣伝するときにすら活用されず永遠に放置されている」といったケースが多く見受けられます。
しかし、リードナーチャリングによる見込み顧客の育成を行うことで、今まではただの連絡先だったリストから案件、つまりは売上の種が生まれる可能性が出てきます。
よって、コストをかけて獲得した顧客リストが無駄になることなく、有効活用できるようになります。

営業活動の短縮化・効率化により営業コストを圧縮できる

営業が商談を行うべき検討フェーズに到達していない見込み顧客に対して、どれだけ営業活動を続けても成果が出る確率は低く、時間もコストもかかってしまいます。
リードナーチャリングを行うことにより、営業活動をするべきレベルまで底上げされた状態の顧客が営業にバトンタッチされる仕組みができれば、無駄な訪問も減り結果的に営業コストを圧縮することに繋がります。

長期的な追客プロセスを仕組み化できる

営業担当による営業活動のみで長期的な追客を行おうとすると、必ず漏れる顧客が出てきたりタイミングが噛み合わなかったりと、顧客の量が一定数を超えた段階で限界がやって来ます。
また、担当者の得意不得意や経験によっても対応の質にバラつきが出てしまい、拾えるはずの顧客を拾いきれないということも起こりかねません。
リードナーチャリングを行うことにより、そのような漏れやバラつきを無くした「シナリオ」という形でパターン化されたアプローチが可能になります。
その上でトライアンドエラーを繰り返しシナリオの精度を上げるというように、追客プロセスを仕組み化できることで安定した成果が期待できるのです。

リードナーチャリングを成功に導く3つのポイント

リードナーチャリングのメリットはわかったが、調べれば調べるほど具体的に何をすればよいかわからず、難しいという印象を持つ方も多くいらっしゃいます。
大切なことは、見込み顧客が欲しい情報が何なのかを考え、ニーズに合わせてアプローチし続けることです。

リードナーチャリングの目的は、顧客のニーズに合わせた情報を提供し、顧客の購買検討プロセスを進めるために行うものです。見込み顧客に一斉メールを送ってコミュニケーションを取る、という手法もありますが、それだけでは成果を出すことは難しいのです。では、具体的には何をすればよいのでしょうか。
ここでは正しいリードナーチャリングを行うための3つのポイントを紹介します。

ターゲットを決めよう

ターゲットを絞る方法は大きく2つに分けられます。

1つ目は顧客の業種や業態、役職、部門などの属性に絞ってセグメンテーションしていくという方法です。これは名刺にも書かれている情報ですので、比較的すぐに始められ、属性ごとに響きやすいメッセージでコンテンツを作り上げていきます。

例えば部門ごとでセグメンテーションする場合以下のようなパターンが考えられます。
・システム部門なら「安心・安全な……」
・マーケティング部門なら「成果に繋がる……」
・営業部なら「実践で役立つ……」

2つ目は、顧客の行動ごとにセグメンテーションしていく方法です。
これはリードとして情報を獲得したときの状況を知っておく必要があるので、属性ごとのセグメントよりも少し難易度が上がります。
展示会・セミナー・資料ダウンロードなど、どこで獲得したリードなのかによって、現在の検討フェーズが情報収集段階なのか、あるいは比較検討段階なのかなどを知ることに繋がります。その結果、見込み顧客のニーズに合わせたアプローチが可能となります。

よりピンポイントな顧客ニーズに向けたアプローチができるのは後者ですが、セグメントを細分化することにより、各セグメントのリード数が減ってしまえば、その中で反応する見込み顧客の数も減ることになります。
さらに、各セグメントに合わせたシナリオを複数作成するには、労力もかかりますので、それに対する結果が見合わない可能性もあります。その場合は、比較的簡単な1つ目の属性によるセグメンテーションから、始めてみるのがよいでしょう。自社の状況に応じて選んでみましょう。

カスタマージャーニーマップで顧客ニーズを明らかにしよう

ターゲットのセグメントが確定したら、次はコンテンツを考えるにあたり顧客のニーズを明らかにしていく必要があります。
その際、カスタマージャーニーマップを作成することで顧客の行動や思考、感情を可視化できるため、最適なアプローチを考える上では非常に有効です。

手順としては、AISCEAS(アイシーズ)の軸に沿って、その段階ごとの行動パターンや思考プロセスを項目に起こします。

このようにカスタマージャーニーマップを活用することで、顧客が購入に向かう場合どのような行動をするのか、あるいはどのタイミングでどんなコンテンツが有効かを見極め、最適なアプローチの内容を検討することができます。

最適な手段を使ってアプローチしよう

カスタマージャーニーマップにより顧客のニーズと行動パターンが可視化できたら、次は具体的にどんな手段でアプローチしていくかを考えます。

・メール

メールマガジンという形式で定期的に全体配信されるものと、ステップメールという形式で顧客の検討や行動の流れに合わせたタイミングで複数のメールを配信するものと主に2パターンあります。

メールマガジンは、定期的に情報を発信するもので、顧客との関係維持や、最新情報の伝達を目的に、どんな層にも発信できる、いわば企業主導の情報発信方法として活用します。

ステップメールは、セミナー参加や、商品購入などのゴールを設定し、そのゴールへ向かって、タイミングよく顧客のニーズに合わせた情報を発信します。それにより検討・行動を促すことを目的として活用します。

・セミナー

検討過程の中で、リード側がより具体的な知識や理解を求めている段階ならば、セミナーは大変有効なアプローチ方法です。

資料や文章では表現しきれなかった詳細な話を、実際に聞きながら質問することができるので、顧客の思考をより具体化させて検討段階を進めるためにも、欠かせないコンテンツです。
参加者の心理としても、大多数が参加する場であるため、「売り込まれる」という不安を感じずに参加することができ、抵抗なく情報が入りやすい環境といえます。

・広告

リードナーチャリングで使われるのは、主にリターゲティング広告です。
ディスプレイ広告やFacebook広告などコンテンツの種類は様々ですが、自社サイトに訪問したことのあるユーザーの行動を追跡し、他サイトの広告枠上でさらに自社サイトの広告を表示させることで、再訪問を促す方式のことです。

購買行動まで、まだまだ遠い検討フェーズのリードには、電話やメールで繰り返しアプローチすることがかえって逆効果になる場合もあります。その際は見込み顧客自身が気になっている情報を目につくところに広告という形でアプローチを行うのが有効です。
メールには反応しなかった見込み顧客が広告なら反応した、という事例も実際に存在しています。

リードナーチャリング成功事例のご紹介

展示会獲得リストにたいしてリードナーチャリングを行ったとあるB to Bメーカーの事例を以下でご紹介します。リードナーチャリングを行わなければ何のアプローチもなく放置されていたリストから、ゴールとしていたフォローアップセミナーへの参加だけでなく、商談アポイントの獲得という成果まで生み出した事例となっています。

①ターゲットの設定

この事例では展示会にてブースに来場した方の検討状況を元に、対応ランクを分ける方法でセグメントを行いました。当日会場で来場者の検討状況を把握するために、ヒアリングシートを活用しました。

ヒアリングシート内には検討時期やニーズの有無などのアンケート枠を設け、来場者に記入してもらいます。アンケート結果と営業担当が記入したヒアリング内容を合わせてマーケティング担当により対応ランクを優先度高・低に分けました。

ポイント!ヒアリングシートにはどのような項目に該当すれば優先度が高い顧客なのかなど、優先度の高低を決定するルール・基準をあらかじめ設定しておきましょう。

②対応優先度に応じた役割分担とアプローチタイミングの設定

優先度高に振り分けたリードには展示会翌日に営業担当から早速アプローチします。
一方、低に振り分けたリードに対してはマーケティング担当が開催後2週間程度かけてリードナーチャリングを行います。

ポイント!優先度高・低はカスタマージャーニーマップにあてはめるとどの位置に属するのか考えてみましょう。この事例の場合は低はまだ商談するには程遠い見込み顧客リストだったのでリードナーチャリングの対象としています。

③アプローチ開始

こちらの事例ではリードナーチャリングの手段としてステップメールを利用しました。各段階のメールの概要は以下です。

1通目 ご来場のお礼
2通目 展示会参加者専用の追加資料の案内
3通目 業界別の事例紹介
4通目 セミナーのご案内

ステップメールに反応しなかったリスターゲティング広告も併用してアプローチしました。

ポイント!この事例では一斉配信感を出さないように差出人を個人名にした私信メールをイメージし作成。メールに反応しなかったリストに対して行うリターゲティング広告は、忘れられない程度の適度な距離感でアプローチができることがメリットです。

その結果、リードナーチャリングを実施した優先度低のリストのうち、5%をセミナーへ誘導することができ、さらにそのセミナー参加者のうち10%と、後日アポイントを獲得することができました。

まとめ

本稿ではリードナーチャリングのメリットと、成功に導く3つのステップを紹介してきました。
メリットにもあるように、リードナーチャリングを導入することで、これまで活用できていなかった顧客リストを活用し、営業活動の短縮化・効率化によりコストを圧縮しつつ、長期的な追客プロセスの仕組み化が可能になります。 ある程度売る商材の単価が高く購買までに時間のかかるBtoB企業にとっては、リードナーチャリングは重要なマーケティングプロセスとされています。

本記事をご覧いただいた方向けに、【リードナーチャリングスタートガイド】を用意しました。 資料の中では実在案件をもとに、簡単に応用・実践できる3つのシナリオ事例を紹介しています。リードナーチャリングの基本についても解説していますので、社内での説明資料にもご活用ください。 これからリードナーチャリングを取り入れようとお考えの方が“自社にとって必要なリードナーチャリングは何か”を考える手助けになれば幸いです。

これから始める!リードナーチャリングスタートガイド。シナリオ事例付

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※記載されている内容は掲載当時のものであり、一部現状とは内容が異なる場合があります。ご了承ください。

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