One to One施策を中心としたメール改善で、
昨対比2倍の売上を上げるチャネルに成長( ※メール経由の売上)
「靴のヒラキ」が取り組んだCRM施策と着実なPDCAサイクル

ヒラキ株式会社

キッズスニーカー180円、レディーススニーカー680円……。驚きの低価格で、主婦を中心に大きな支持を得ているのが、「靴のヒラキ」でお馴染みのヒラキ株式会社です。

ヒラキのWEBマーケティング課では、2016年にCRMの取り組みを開始。既存のメールマガジンをリニューアルし、One to Oneメール配信を開始することで、メール経由で昨対比2倍の売上を実現しました。

目覚ましい成果を支えたのは、一つひとつの改善をスピーディーに実現してきた地道なPDCAサイクルです。今回は、約2年間の施策を振り返りつつ、改善に取り組む上でのポイントなどについて、弊社担当を交えてヒラキ株式会社の眞弓様、木下様にお話を伺いました。

インタビュー参加者写真

写真左より

眞弓 淳 氏
ヒラキ株式会社 開発商品事業部 WEBマーケティング課 課長/WEBディレクター

木下 真由美 氏
ヒラキ株式会社 開発商品事業部 WEBマーケティング課 主任

樽井 みずき
シナジーマーケティング株式会社 西日本事業部 営業グループ

多々良 史弥
シナジーマーケティング株式会社 西日本事業部 第一プロデュースグループ マネージャー

※部署名・役職は取材当時(2018年11月)のものです

1. 既存のお客様からリピートしてもらうため、CRMへの取り組みを開始

樽井 2016年、ヒラキ様とはじめてお会いしたとき、ちょうどヒラキ様は方針転換のタイミングを迎えていました。

眞弓氏 それまで、Webのプロモーションは新規顧客の獲得に注力してきたのですが、次は既存のお客様からよりリピートしてもらうしくみ、あるいは既存のお客様を離脱させないしくみ作り、つまりはCRMに取り組まねばと思っていました。

樽井 当時は、CRMの施策と言えば、メールの一斉配信くらいでしたよね。

眞弓氏 そうです。当社はカタログ通販がメインで、一度購入いただいたお客様には、購入から1年の間、2カ月に1回カタログをお届けしています。お客様には30~40代の子育てママ世代の方が多く、カタログが届くたびに家族みんなの靴や日用品をまとめてリピート購入していただける傾向にありました。だからこそ、Webを使ったCRMに注力しようと思ったのです。

樽井 ご提案のときから、眞弓様は「LINEのOne to One配信」の重要性を見据えていらっしゃいました。

眞弓氏 ある日、Amazonで買い物をしたときに、ID連携をしていたLINEに「おすすめの商品」案内が届いたのです。その通知を見て、「これは当社でもできるんじゃないか」と思い、相談させていただきました。

樽井 その時点で、半年後Synergy!にLINEへの配信機能が実装されることが決まっていたため、まずはメールのOne to Oneの配信に取り組んで勝ちパターンを見つけ、LINEのOne to One配信に取り組みましょうと提案させていただきました。

2. かご落ちメールやカタログ開封促進メールなどのOne to Oneメールが効果を発揮

樽井 One to Oneのメール配信を実現するにあたって、お客様のことを把握するために購買分析も実施させていただき、購入後2週間以内に再購入する方が多いということがわかりました。

眞弓氏 その結果を知って、「お客様にとって、初回購入はお試し購入である」と感じました。ヒラキの靴は安いからこそ、「この商品は気になるけれど、こんなに安くて大丈夫かな?」と一度試しに買っていただいて、届いた商品が良ければ他に迷っていた商品などを再購入するというサイクルがあるのかなと。

木下氏 特にレディーススニーカーはこの傾向が強かったため、初回購入でレディーススニーカーを買った方に対して、購入日から4日後に再購入を促すメールを送るなどの、One to Oneメール配信を始めました。

自社の購入サイクルについて語る眞弓氏

樽井 配信日を購入後4日目に設定したのは、ヒラキの商品が届いて、ちょうどお客様が試着を終えたくらいのタイミングだからですよね。「商品が良かったら再購入してね」とプッシュするいい施策になったと思います。

多々良 他にも、さまざまなOne to Oneメールの運用を始めていきました。

木下氏 シナジーマーケティングに出していただいた約20種類ほどのOne to Oneメールの「ターゲット・タイミング・コンテンツ」の案を拝見して、社内のリソース状況や成果へのインパクトの大きさから、約半分の11種類に絞りました。

樽井 バースデーメールや、もうすぐ休眠顧客になりそうな方へのフォローメールなども配信しています。中でもECサイトでカート離脱した方へ送るメールは、大きな成果が出ています。

木下氏 直近7日間の購入がなく、かご落ちした方に対して、翌日と翌々日にメールを送っています。かご落ちメールは、送れば絶対成果が出ると確信していたものの、それまではシステム的に難しく諦めてしまっていたので、ようやく実現できて嬉しいです。

眞弓氏 かご落ちメールと同様に手応えを感じているのが、カタログ開封促進メールです。「カタログを送っているので、見てください」というリマインドメールを送ることで、カタログの開封・購買に繋がっています。

樽井 ヒラキさんのカタログは、内容が充実しているので、見ていると購買意欲をそそられます。だからこそ、届いたカタログを開いてもらうためのフォローが大事でした。

眞弓氏 今は、メールにデジタルカタログへのリンクも付けています。メールが届いたら、まずデジタルカタログを少し見てもらって、興味を持ってカタログを開いていただければいいなと思いまして。

多々良 One to Oneメールは、10本以上の運用を同時に開始しました。準備は大変だったのではないでしょうか。

木下氏 One to Oneメールを送るためには、基幹システムからSynergy!にリアルタイムで情報を連携しなければならないので、自社のシステム部門との調整が必要でした。幸いなことに、システム担当がとても協力的で、依頼をしたところ「面白そうなことをしようとしているね」と喜んで手伝ってくれたので、助かりました。One to Oneメールの設定は、疑問点が出てきたら都度シナジーマーケティングに相談しながら行ったので、滞りなく進められました。

樽井 One to Oneメールは運用開始後も細かな改善をしていっています。

眞弓氏 ゼロから始めたOne to Oneメールが、運用から2年目に突入し、今では多くを売り上げるチャネルに成長できたのも、改善を重ねてきたからではないかなと思います。

多々良 各One to Oneメールの役割や配信対象は異なるため、収益が月間数万円のものから数百万円のものまでさまざまです。収益が大きかろうが小さかろうが、メールの改善に掛かる手間は一緒なので、収益が大きいメールの改善を優先することで、成果に繋がっているのではないでしょうか。

運用開始後の改善について語る樽井と多々良

3. 改善した一斉配信のメールマガジンも開封率が4ポイントUP、次はメールの勝ちパターンをLINEに展開

樽井 これまで送っていた一斉配信のメールマガジンも改善を行いましたよね。

木下氏 はい、多々良さんに「絵文字を使ってみたらどうですか?」という提案などをいただいて、件名を見直しました。そうした改善が、開封率アップに繋がっています。

多々良 開封率は、売上と相関が高い傾向があるとわかったため、工夫を重ねていますよね。件名への絵文字差し込みも、ABテストをさせていただいた上で採用しましたが、開封率アップに大きな効果を発揮しています。1年で4ポイントも開封率が上がったのは、素晴らしい成果ですよ。

木下氏 他には、アドバイスをいただいて、HTMLメールのボタンの視認性を上げるなど、テンプレートの改修も行いました。

眞弓氏 「こんなにボタンを目立たせて大丈夫?」と思ったのですが、「いえいえ、これで結果が出ますから」と説得されたので、試してみました。その結果、月によってはクリック率も昨年の1.6倍、メールマガジンからの受注額も昨年の1.8倍になるなど、成果が出ています。また、「登録者を増やすために、メールマガジンを受け取るメリットをもっとアピールしましょう」という提案もいただきました。

●購買動機創出のためのHTMLメールのテンプレート改修
前後の改善ポイント比較

樽井 ヒラキ様のメールマガジンは、限定クーポンがあったり、セール時の先行案内があったりと、登録者にとって大きなメリットがあります。会員登録時にメール受信有無を選択できるようになっていますが、以前は「内容はこちら」というボタンをクリックして別ページに遷移しないと、メールを受け取るメリットが確認できませんでした。それでは、メールの受信に積極的でないユーザーが「受け取らない」を選択してしまいがちだったため、フォーム上でメールを「受け取らない」にチェックをした際、ポップアップでメール受信のメリットを訴求する導線をご提案しました。

木下氏 結果、会員登録時に「受け取る」にチェックする方の割合が2倍ほどに増えました。他にも、商品注文フォームからも登録いただけるフローにしたことで、登録者がぐんと増えています。

●会員登録時のメール受信メリットを訴求するポップアップ
会員登録フォームの前後比較

樽井 そして、フィードフォース社の「ソーシャルPLUS」をご提案して準備を進めていただき、2018年10月からは、LINEのソーシャルID連携と同時に満を持してLINEのOne to One配信も開始しました。メールで試した勝ちパターンの中から、「かご落ちメール」「カタログ開封促進メール」「バースデーメール」をLINEでも送っています。

木下氏 Synergy!から配信しているOne to OneのLINEメッセージ の開封率は9割ほどと高く、かご落ちではすでにメール同様の成果が出てきています。これから配信母数を増やしてさらに効果を高めていきたいです。

多々良 ちょうどこの前、仕事終わりの18時半ごろに、ヒラキさんからカタログ開封促進のLINEが届きました。そのLINEを見て、「そういえば、今朝家を出るときに、玄関にまだ未開封のヒラキのカタログが届いていたな」と思い出しまして。これが理想の顧客体験か!と感動しました。そして、LINEの即効性もすごく感じましたね。

木下氏 嬉しい体験談ですね。

眞弓氏 最近では、これまで自然検索で流入していた方が、LINEで情報を受け取ってそのままLINEのブラウザでECサイトを見る流れに変わってきていると感じます。LINEが最初の接点であり入口になってきているので、LINE上で簡単に前回購入商品の再注文をできるようにするなど、既存のお客様にとって使いやすいプラットフォームにしていきたいです。

施策概要図。メールの勝ちパターンのLINEへの展開

4. 施策の成功を支えたのは、目標設定と着実なPDCAサイクル

樽井 ヒラキ様は、運用開始から着実に成果を上げてこられています。その成果を支えているのが、PDCAサイクルの早さではないでしょうか。毎月の定例会では、こちらが提案したことに対して、すぐに取り組んでいただいています。

多々良 定例会から数日後に、ヒラキさんからのメールを見て、「この前アドバイスした箇所が、もう改善されている!」と驚くことも多くあります。なぜ、貴社はそんなに早く改善に取り掛かることができるのですか?

木下氏 せっかくシナジーマーケティングにお願いして、アドバイスをいただいているのに、やらないともったいないじゃないですか、改善すれば成果が出るとわかっているのだから、すぐに手を動かさないと、と思うのです。

眞弓氏 当社は、超低価格での商品提供を実現している分、コストへの意識は非常に強いです。もちろん投下したコストに対する成果も求められるので、「やらないともったいない」という意識も強いかもしれません。

樽井 毎回新しい施策を行う際に、どのような目標を追っていくのかも共有してくださいますよね。

多々良 期ごとの目標や事業課題なども教えていただけるので、われわれも「今月の目標が達成か未達か」といったことだけでなく、WEBマーケティング課の目標達成に向けて他に何かご支援できる方法はないだろうかと、視野を広げて考えることができます。

眞弓氏 当社にとってシナジーマーケティングはパートナー的な存在です。二人三脚で成果を上げていくために、課題も、目指すゴールも共有させてもらっています。

多々良 ちなみに、定例会でこちらが提案したメールの改善を行う際は、いつも社内でどのように周知して進めているのですか。

木下氏 メールの主担当である私がいったん改善イメージを作成した上で、改善理由を添えて、作業をお願いするメンバーに依頼しています。

樽井 「●●を改善して」と指示を出すだけでなく、イメージを作って共有されているんですね。

木下氏 指示だけだと、現場が混乱するかもしれないですし、運用に支障が出てお客様へ迷惑を掛けてしまってはいけないので。また、改善後の成果についてはチームで共有するようにしています。

樽井 一方で、ヒラキ様は、こちらからの改善提案の中で「取り組まない」ものも明確な方針の元に決められますよね。

木下氏 作業負荷の割に見込める効果が小さいもの、今のリソースやしくみで実現できないものなどは優先順位を下げています。

眞弓氏 同じ2時間の作業を行うなら、月間10件受注を増やすものより、月間100件の受注を増やすものに注力したいので。目標達成のためには、できるだけ大きなインパクトをもたらす施策に集中することが必要だと思います。

多々良 こうした判断ができる背景に、WEBマーケティング課の目標設定の上手さもあると思います。課としての目標があるのはもちろん、メンバーの方一人ひとりが「メールの件名を改善して成果を上げる」や「優良顧客を維持する」などの個人目標を設定されていますよね。だからこそ、自分が注力すべきことがわかって、素早くPDCAサイクルを回していただけるのではないでしょうか。

木下氏 確かに、私自身も「この改善を行うことで得られる成果は、自身の目標にどれほどインパクトを与えそうか」ということは意識しています。

眞弓氏 やった方がいいことを全部やろうとすると、大事なことも中途半端にしかできなくなってしまいがちです。だからこそ、集中すべきことを明確にしています。

商品画像

5. 成果の持続性が高く、インパクトが大きいCRM施策に今後も取り組んでいく

樽井 2年ほどOne to Oneメールを中心とした既存顧客向けの施策を行ってみての、感想はいかがですか?

眞弓氏 既存顧客向けの施策は、インパクトが大きいなと感じます。新規顧客獲得の場合は、広告費を投下し続けないといけないですよね。けれど、CRMは既存のお客様全員に対して行うものなので、成果が出たときのインパクトが大きく、かつ成果の持続性が高いので素晴らしいなと。おかげさまで、メールきっかけの受注は多い月で昨対比2倍になりました。

多々良 木下様は、メールの主担当として大変なことも多かったと思いますが、いかがでしたか。

木下氏 さまざまな調整や改善の積み重ねは大変でした。けれど、「受注件数」の変化に改善の成果が表れるので、とてもやりがいを感じています。

樽井 メールの制作や配信は結構工数が掛かります。そのため、日々忙しいマーケティング関連の部署の中では、どうしてもメールの改善が後回しになってしまいがちです。そういった悩みを抱える担当者様に、何かアドバイスをいただけませんか?

眞弓氏 忙しいから改善に取り掛かれないのであれば、仕事の時間配分を見直してみてはいかがでしょうか。そして、なんとなく続けてしまっていることがあれば思い切ってやめて、大きな成果が出るものから優先的に業務の時間を確保してみたらいいのでは、と思います。

木下氏 メールの制作・配信担当にとっては、目に見える成果が何よりもモチベーションに繋がります。だからこそ、自分たちが施した改善が売上にどれほどのインパクトを与えられるのかを確認するための、効果測定の基盤や成果の共有の場は必要ではないでしょうか。

樽井 今後、CRM領域ではどんなことに取り組んでいきたいですか?

眞弓氏 メールマガジンの配信頻度を増やすことを検討しています。メールマガジンは、週2回配信でも多いと言われますが、それは、メールが「溜まるもの」と認識されているからだと思うのです。けれど、今はメールボックスが一杯になっている方も多く、メールはタイムラインのように流れていくものになりつつあるのかなと。そう捉え方を変えると、お客様にとって有益な情報を送ることができれば、届くメールの数が増えても大丈夫なのかなという気がしているのです。

樽井 ヒラキさんのメールマガジンは、毎回ターゲットやカテゴリ、季節に応じたテーマを決めて配信されていて、飽きが来ない内容になっているので、いいかもしれませんね。

木下氏 私はレコメンドメールに取り組みたいです。レコメンドメールが実現できれば、購買履歴に応じたOne to One メールを、さらに効率良く配信できると思うので。

樽井 レコメンドメールは、2019年にぜひ実現させたいですね。最後に、せっかくこういった場なので、ぜひ当社へのご意見や叱咤激励をいただけないでしょうか。

眞弓氏 当初から、私たちの課題を受け止め、きちんと理解した上でご提案いただいており、よく木下と「シナジーマーケティングは、すごくうちのことを考えてくれているよね」と、話しているんです。

木下氏 私たち以上に、ヒラキのことを知ってくれていますからね。

樽井 ありがとうございます。一人の消費者としての意見を伝えられれば、といつも思っています。

眞弓氏 社内だけだと消費者目線を持ちにくいものです。そういった視点からご提案いただけることで、とても助かっていますよ。

樽井 ヒラキ様のように、地道にPDCAサイクルを回して成果を上げている企業様の取り組みは、多くの企業様の励みになるのではないかと思います。今後も、良きパートナーとして、どうぞよろしくお願いいたします。

プロジェクト関係者写真

※記載されている内容は取材当時のものであり、一部現状とは異なることがありますが、ご了承ください。

ヒラキ株式会社
開発商品事業部 WEBマーケティング課 課長/WEBディレクター
眞弓 淳 氏

ヒラキ株式会社
開発商品事業部 WEBマーケティング課 主任
木下 真由美 氏

ヒラキ株式会社

ヒラキ株式会社は、1978年に靴の小売業として設立されました。カタログ・ECサイト・店舗といった販売チャネルを持っており、大量発注によって仕入れ価格を抑えることで、超低価格の靴や日用品の品揃えを実現しています。

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