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DMARCとは?設定方法を解説!なりすましを防いでメール到達率を高める

<この記事でわかること>

  • DMARCは送信元ドメインのなりすましを防ぐ認証技術で、GoogleやYahoo!の要件強化により実質必須となり、未対応だと迷惑メール扱いや受信拒否のリスクが高まる。
  • 仕組みはSPFとDKIMを土台にし、どちらか(または両方)が失敗した際に受信側へ「監視・隔離・拒否」の扱い方針を指示する。
  • 導入効果は、フィッシングや不正送信の遮断によるブランド保護に加え、到達率の改善を通じて開封率・クリック率などマーケKPIの底上げが期待できる。
  • さらに、DMARCレポートで送信元IPや認証結果を可視化でき、想定外の送信や誤設定を早期検知しつつ配信インフラの健全性を継続的に評価・改善できる。
  • DMARCの実装は、送信経路の洗い出しから始め、まずは監視モード(p=none)でテスト運用し、検証後に隔離(quarantine)や拒否(reject)へと段階的に移行するのが基本。『Synergy!』のようなツールを活用すれば、運用を効率化できる。

DMARCとは?設定方法を解説!なりすましを防いでメール到達率を高める

近年、GoogleやYahoo!が送信者に求めるセキュリティ要件を強化したことで、送信ドメイン認証は事実上の必須条件となりました。なかでもDMARCは、なりすましメールからブランドと顧客を守るだけでなく、メールの到達率を高める重要な技術です。

本記事では、DMARCの基本的な仕組みやSPF・DKIMとの関係、導入によるメリットや注意すべきポイントをわかりやすく解説します。

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DMARCとは

DMARCとは

DMARC(Domain-based Message Authentication, Reporting, and Conformance)とは、「送信元ドメインを偽った、なりすましメールから自社のブランドと顧客を守るための認証技術」です。

近年、DMARCの重要性が急速に高まっています。主な理由は、GoogleやYahoo!が送信者に対するセキュリティ要件を強化し、DMARCの設定を事実上必須としたためです。この要件を満たさないと、配信したメールが迷惑メールと判断されたり、最悪の場合、受信を拒否されたりする可能性が高まります。

DMARCを支えるSPFとDKIMの仕組み

DMARCを支えるSPFとDKIMの仕組み

DMARCを理解するには、土台となるSPFとDKIMを知ることが不可欠です。SPF(Sender Policy Framework)は、ドメインがメール送信を許可しているサーバをリスト化した「正当な送信者名簿」のようなものです。

一方、DKIM(DomainKeys Identified Mail)は、メールに付与された電子署名によって「配送中に内容が改ざんされていないこと」を証明する仕組みです。DMARCは、これら2つの認証のいずれか(または両方)が失敗した場合に、そのメールをどう扱うかを指示する「司令塔」の役割を果たします。

DMARC導入のメリット

DMARCの導入は、単なるセキュリティ要件への対応に留まりません。企業のマーケティング活動全体にプラスの影響をもたらす、大きく3つのメリットが期待できます。

なりすましメールをブロックできる

従来、フィッシング詐欺や迷惑メールは、送信元を偽装することで受信者を欺き、個人情報や金銭をだまし取る被害を引き起こしてきました。もし自社ドメインがこうした攻撃に利用されれば、被害者はもちろん、企業自体の信頼性も大きく損なわれてしまうでしょう。

DMARCはSPF・DKIMと組み合わせることで、認証に失敗したメールを受信側が拒否・隔離できる仕組みを提供します。顧客に不審なメールが届くリスクを大幅に低減し、ブランド価値の毀損を防ぎます。

メール到達率の向上が期待できる

DMARCを正しく設定することで、送信元ドメインの信頼度が向上し、メールサービスプロバイダーからの評価も高まります。マーケティングメールやキャンペーン告知が迷惑メールフォルダに振り分けられるリスクを減らし、より多くの顧客の受信ボックスに直接届けられるようになります。

特にBtoC領域では、到達率のわずかな向上が売上やコンバージョンに直結するため、DMARCの導入効果は極めて大きいといえるでしょう。また、開封率やクリック率といったKPI改善にも寄与するため、投資対効果が高い施策と位置付けられます。

メール配信の信頼性という土台が固まることで、将来的な新規施策やシナリオメールも到達率の不安なく実装でき、マーケティング活動全体の改善につながります。

参考記事:メールの高い到達率を維持するためのSynergy!(シナジー)の取り組み

メール配信状況を可視化できる

DMARCにはレポート機能が備わっており、自社ドメインを使ってどのIPアドレスやサービスからメールが送信されているのか、認証が成功したか否かを詳細に把握できます。意図していない外部サービスや不正な送信を迅速に検知でき、セキュリティ体制を常にアップデートし続けることが可能です。

さらに、どのメールが正規ルートで届けられているかを可視化できるため、IT部門やマーケティング担当者は配信インフラの健全性を評価しやすくなります。継続的なモニタリングによって、運用改善ポイントを発見し、到達率や配信精度の向上に役立てることも可能です。

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DMARCの設定方法

DMARCの設定方法

DMARCを導入するには、対象ドメインの送信経路を整理し、SPF・DKIMの適切な設定やレポート管理体制を整えることが欠かせません。さらに、ポリシーを段階的に調整しながらテスト運用を行うことで、正規メールの到達率を確保しつつ不正送信を防止できます。

ここではDMARC設定の基本手順と注意点について解説します。

対象となるドメインの利用範囲を正確に把握する

DMARC設定の第一歩は、対象となるドメインの利用範囲を正確に把握することです。メールは自社の社内サーバからだけでなく、マーケティングオートメーション、ECサイト、外部のメール配信サービスなど、複数のシステムから送信されているケースが多くあります。これらを見落としてDMARCを適用すると、正規のメールがブロックされるリスクがあるため注意が必要です。

社内のIT部門や外部ベンダーと連携し、ドメインを使用しているすべての送信経路を洗い出しましょう。整理ができていないと、後続のSPFやDKIMの設定に漏れが生じ、誤検知や正規メールの不達につながりかねません。

SPFやDKIMを送信元ドメインごとに設定する

DMARCは、SPFとDKIMが適切に設定されていることを前提としています。これらを送信元ドメインごとに設定することが必要です。設定が不完全だと、正規のメールであっても認証に失敗し、DMARCのポリシー適用時に隔離や拒否の対象となる恐れがあります。

設定後は必ずテストツールを用いて動作確認を行い、正常に認証が行われているかを検証しましょう。

レポートを受信・管理する体制を整えておく

DMARCの設定を行うと、受信サーバから認証結果をまとめたレポートが送信されてきます。レポートを受信・管理するための専用メールボックス、もしくはグループアドレスを用意しておきましょう。認証成功・失敗の送信元や失敗の理由などが詳細に記載されています。

レポートは通常XML形式で届くため、内容を読み取りやすくする解析ツールの活用も検討しましょう。レポートを定期的に確認することで、正規のメールが誤って拒否されていないか、不審な送信元がないかを早期に把握できます。

DMARCのポリシーを調整する

DMARCのポリシーには、「none(監視のみ)」「quarantine(隔離)」「reject(拒否)」の3つがあります。最初から厳格なrejectを適用すると、認証漏れがある場合に正規のメールが届かなくなるリスクがあるため、まずはnoneで認証状況を把握するのが基本です。

レポートを確認し、認証に失敗している送信元があればSPF・DKIM設定を見直します。問題が解消されたら、段階的にquarantineやrejectへ移行していきましょう。ポリシーを決定する際は、業務への影響度も考慮し、関係部署との合意を得ながら進めることが重要です。

テスト運用を実施する

本番ポリシーを設定する前に、必ずテスト運用を実施しましょう。noneポリシーを適用して一定期間レポートを収集し、正規のメールがすべて認証を通過しているかを確認します。SPFやDKIMの設定漏れや外部ベンダーの誤設定があれば、この段階で修正しておきます。

テストを行わずにいきなりrejectを適用すると、正規メールが届かないトラブルが発生する可能性があります。テスト期間中に得たデータをもとにポリシーを最適化し、本番環境へ移行しましょう。運用開始後もレポートを継続的にモニタリングし、状況に応じてポリシーを調整することが、安定したDMARC運用につながります。

まとめ:DMARCで信頼を築き、『Synergy!』で関係を深める

DMARCは、なりすましメールから自社と顧客を守るための必須技術であり、GoogleやYahoo!の要件強化により、いまや導入は避けられない状況になっています。SPFやDKIMを土台に、認証に失敗したメールを隔離・拒否できる仕組みを整えることで、ブランド毀損の防止だけでなく、到達率の改善やレポートによる送信状況の可視化といった副次的なメリットも得られます。

DMARCの運用を効率的に進めるには、メール配信システムの活用がおすすめです。当社の『Synergy!』は、SPF・DKIM・DMARCといった送信ドメイン認証を標準でサポートし、不達メール処理や到達率改善のための仕組みを備えています。配信停止や同意管理とあわせて、法令遵守とセキュリティ要件を一元的に管理できるため、担当者は安心して施策に専念できます。

『Synergy!』を提供するシナジーマーケティングは、CRM基盤をいかした顧客データ活用からメール配信、Salesforce連携の『Synergy!LEAD』まで、企業のデジタルマーケティングを総合的に支援しています。DMARC対応や配信到達率の最適化をお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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※記載されている内容は掲載当時のものであり、一部現状とは内容が異なる場合があります。ご了承ください。