NPS®調査の項目は?質問の仕方や設計のポイントなども解説
<この記事でわかること>
- NPS®の調査項目としては、「商品・サービスの推奨度合い」「上記の推奨度合いを付けた理由」「商品・サービスへの満足度」などが挙げられる。
- NPS®の質問項目を設計する際は、「最初に推奨度合いを質問する」「思考の誘導につながる質問の仕方は避ける」「カスタマージャーニーマップのタッチポイントを参照する」などのポイントを意識する。
- より有意義なNPS®調査を実現するには、「多くのサンプル数を集められるよう質問の仕方を工夫する」「適切なタイミングで定期調査を実施する」「社内で実施体制を整備する」というコツを意識する。
- ソーシャルリスニングなども活用し多くの意見を集めることで、幅広い角度から顧客満足度の改善施策を設計できる。

NPS®の調査項目としては、主に以下が挙げられます。
- 商品・サービスの推奨度合い
- 上記の推奨度合いを付けた理由
- 商品・サービスへの満足度
- 上記の満足度を付けた理由
- 商品・サービスに関する評価ポイント
- 顧客の基本情報
最初に推奨度合いを質問してから、具体的な理由や満足度などを深掘りすることで、顧客の意見を効果的に把握できます。
回答者からスムーズかつ多くの意見を集めるには、質問数および所要時間を抑えられるよう工夫しましょう。質問文をコンパクトにまとめ、平易な言葉でわかりやすく聞くことで、顧客満足度アップにつながるデータを効率的に集計できます。
NPS®調査の実施後は適切な方法でスコアを計算して、改善施策の設計に役立てましょう。
本記事では、NPS®の調査項目や設計時のポイント、より有意義な調査を実現するコツなどを解説します。
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<目次>
NPS®の調査項目は?質問の仕方の例も解説

NPS®調査では、以下の質問項目を入れましょう。
- 商品・サービスの推奨度合い
- 上記の推奨度合いを付けた理由
- 商品・サービスへの満足度
- 上記の満足度を付けた理由
- 商品・サービスに関する評価ポイント
- 顧客の基本情報
商品・サービスの推奨度合い
調査でベースとなる質問です。0〜10の11段階で、商品・サービスに関する推奨度合いを回答してもらいます。以下のようなイメージです。
周囲の友人やご家族に、商品Aをどの程度おすすめしたいと思いますか?
上記の推奨度合いを付けた理由
上記の設問で「なぜこの数値を選んだのか?」を確認しましょう。質問のイメージは、以下の通りです。
問1で回答した点数を選んだ理由をお教えください。
推奨度合いの直後に聞くことで、回答者のイメージが鮮明な間に正確な意見をもらえるでしょう。
回答形式は自由記述がおすすめです。自由に書いてもらうことで、数値では見えにくい顧客の本音や要望、不満、ニーズなどを深掘りできます。
商品・サービスへの満足度
推奨度合いとは別で、商品・サービス自体への満足度を質問しましょう。
商品Aに関する満足度をお教えください。
満足度については、以下のように項目ごとで聞くことも有効です。
商品Aに関する以下の各項目について、それぞれ満足度をお教えください。
- 料金
- デザイン
- 機能性
- 使い勝手
- 手続きのしやすさ
- カスタマーサポートの対応
- アフターフォロー体制
項目ごとの満足度を集計することで、「料金への不満が多いので早急な見直しが必要かもしれない」「デザインの満足度が高いので来期も継続しよう」というように、カテゴリーごとで適切な判断を下せます。
上記の満足度を付けた理由
上記の設問で「なぜこの満足度を選んだのか?」を確認しましょう。質問のイメージは、以下の通りです。
問3の点数を選んだ理由をお教えください。
その満足度を選んだ理由が鮮明なうちに正確な意見を集められるよう、推奨度合いと同じく、点数の次に聞きましょう。
商品・サービスに関する評価ポイント
満足度とは別で、回答者が「自社商品・サービスの何を評価しているのか?」を質問しましょう。
商品Aに関して、評価したいポイントをお選びください(複数回答可)
- 料金
- デザイン
- 機能性
- 使い勝手
- 手続きのしやすさ
- カスタマーサポートの対応
- アフターフォロー体制
具体的に評価されている箇所がわかれば、満足度の質問と同じように「機能性の評価はすでに高いので一旦別の部分の改修を優先しよう」「使い勝手を選ぶ人が少ないので改修が必要かもしれない」というように、改善の方向性を適切に洗い出せます。
顧客の基本情報
以下のようなイメージで、顧客の基本情報を質問しましょう。
- 年齢をお教えください。
- 性別をお教えください。
- 職業をお教えください。
- お住まいの都道府県をお教えください。
- 年収の金額帯をお教えください。
回答者の属性を把握することで、「想定するターゲット層からの満足度は高いか?」「この年代ではどのような不満が多いのか?」などを適切に分析できます。
場合によっては、「リーチしたいターゲット層からは高い満足度を得られているのでそちらへのアプローチに注力する」といった判断もしやすくなるでしょう。
ただし回答者によっては、個人情報を入力することに抵抗感を覚えるかもしれません。この抵抗感が回答率を下げる要因になりかねないため、たとえば「会員登録時の入力情報があるので個人情報と紐付けられる」といったケースでは、無理に顧客の個人情報を質問しなくてOKです。また「”年齢” ではなく ”年代” を聞く」「多様性に配慮し性別欄に ”未回答” を設ける」といった工夫を施すことで、個人情報の記入ハードルを下げられます。
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NPS®の質問項目を設計するポイント

NPS®の質問項目を設計する際は、以下のポイントを意識しましょう。
- 最初に「商品・サービスの推奨度合い」の設問を入れる
- 思考の誘導につながる質問の仕方は避ける
- カスタマージャーニーマップのタッチポイントを参照する
- 「質問数は7問程度・所要時間は5分以内」を目安に設計する
最初に「商品・サービスの推奨度合い」の設問を入れる
商品・サービスの推奨度合いの質問項目は、最初に入れましょう。アンケートが進んでから推奨度合いを質問すると、回答を進める中でバイアスがかかり、本来と異なる評価を選んでしまうかもしれません。
たとえば、顧客の本来の推奨度合いが「9」だったと仮定しましょう。もし最後に推奨度合いを質問すると、アンケートに回答する中で、過去の小さな不満を思い起こし感情が左右されてしまい、最終的に「6」を選んでしまうかもしれません。とくにNPS®では、大半の「0〜6」が批判者に該当するため、少しの数値変動が結果に大きな影響を与えることもあります。もちろん、上記とは逆に本来の評価より上がるパターンもあるでしょう。
こうした回答時のバイアスが大きくなると、アンケート結果に大きな影響を与えます。そのため、フラットな視点で評価できるよう最初に推奨度合いを質問しましょう。
思考の誘導につながる質問の仕方は避ける
上記で解説したように、NPS®ではフラットな視点で回答者の素直な気持ちや感情を答えてもらうことが必要です。
そのため、以下のように回答者の思考に偏りを生むような質問の仕方は避けましょう。
商品Aのシリーズの中で一番売上が高いのは◯◯ですが、あなたはどのシリーズが一番好きですか?
- ◯◯
- □□
- ××
- △△
- ⚫️⚫️
上記のような質問の仕方では、「◯◯が人気だ→選ぶ人が多いので自分も選ぶべき」というバイアスがかかる可能性があります。
フラットな視点で回答できるよう、余計な修飾語や補足などを付けず、事実のみを淡々と聞きましょう。
カスタマージャーニーマップのタッチポイントを参照する
まず「カスタマージャーニー」とは、顧客が自社商品・サービスで「認知〜購入〜継続」に至るまでの顧客体験のことです。一連の流れで生まれた顧客の行動・心理の変化を、「旅(ジャーニー)」にたとえています。このカスタマージャーニーを、以下のように可視化したものが「カスタマージャーニーマップ」です。

このカスタマージャーニーマップは、質問項目を決める際の参考にできます。
カスタマージャーニーマップでは、各フェーズにおける「タッチポイント(顧客と接点を持つタイミング)」を可視化します。以下のようなイメージです。

このタッチポイントを洗い出すことで、各フェーズに対応できる質問を設計しやすくなるでしょう。
たとえば「リピートの決め手になった要因を調べて改善したい」という場合、以下のように質問できます。
弊社サービスを継続利用していただいている理由をお教えください。※複数回答可
- 搭載している機能が自社の要件にマッチしている
- 使い勝手がよい
- 料金が手頃で使いやすい
- 問い合わせるといつもすぐに対応してもらえる
- カスタマーサポートが時間をかけて手厚く回答してくれる
- 担当者が定期的に連絡してくれる
- その他( )
このようにタッチポイントごとの情報を参考にすることで、質問を設計しやすくなるでしょう。
「質問数は7問程度・所要時間は5分以内」を目安に設計する
あまり質問数が多く所要時間が延びるアンケートでは、顧客が全体像を見た時点で手間に感じ、離脱するかもしれません。あるいは、回答はするものの「数字の選び方が適当になる」「フリーコメントを雑に書く」ということも発生します。
このように、集計データ数が減るだけでなく回答の質の低下も引き起こすため、「質問数は7問程度・所要時間は5分以内」を目安に設計しましょう。
より有意義なNPS®調査を実現するコツ
このように、推奨度合いを聞くタイミングや質問の仕方などに気を付けることで、より正確なデータを集めやすくなります。調査をさらに有意義にするには、以下のコツも意識しましょう。
- 多くのサンプル数を集められるよう質問の仕方を工夫する
- 適切なタイミングで定期調査を実施する
- 社内で実施体制を整備する
多くのサンプル数を集められるよう質問の仕方を工夫する
NPS®調査では、なるべく多くのサンプル数を集めることが大切です。データの母数を多く確保し、より幅広い種類の回答をチェックできれば、意見の偏りを避けて正確なデータを集めやすくなるでしょう。
多くの回答を集めるには、回答者が答えやすい質問を設計することが大切です。先述のように回答数・所要時間に気を配るだけでなく、以下のようなポイントまで意識すると、顧客が最後までアンケートに回答しやすくなります。
- 質問文はコンパクトかつ要点が伝わるよう設定する
- 専門用語や難しい言葉を使わない
- シンプルな単一選択型(回答をひとつだけ選ぶ形式)を質問のメインに据える
- 「回答の可能性がある選択肢」を網羅しておく
- 「必須or任意」を明示し、回答者が回答の優先度を判断できるようにする
上記を含め、より詳しい質問の設計方法については、弊社が提供する以下の資料で解説しています。
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適切なタイミングで定期調査を実施する
NPS®調査は一度で終わらせず、定期的に実施することが大切です。長期間にわたって調査し、数値やフリーコメントの変化を観測することで、「現在のアプローチは適切か?」などをチェックし、次回の改善につなげられます。
NPS®調査の実施タイミングとしては、主に以下の2つがあります。
【リレーショナル調査】
長期的なスパン(半年〜1年程度が目安)で、定期的に実施する調査手法です。長期的にNPS®のスコアを観測することで、改善施策が効果を発揮しているかチェックできます。
【トランザクショナル調査】
以下のように、顧客が「自社と接点を持ったタイミング」で実施する調査手法です。
- 店舗で商品を購入した
- 電話でカスタマーサポートを受けた
- 店舗でサービスを利用した
- ECサイトで商品を注文した
サービスを受けた直後にアンケートを実施するため、記憶が正確に残っているうちに顧客の意見を集められます。
この2つの調査手法は、「リレーショナル調査で顧客との接点を探す→洗い出した接点のタイミングごとでトランザクショナル調査を実施する」というイメージで、組み合わせることが有効です。
社内で実施体制を整備する
定期的にNPS®調査を実施するにあたって、以下のようなイメージで社内に運用体制を構築しましょう。
- 調査設計や実施などをワンストップで担う担当者を指名する
- 各部門の担当者と定期的にコミュニケーションを図る場を設ける
- (規模的に可能であれば)専用部署を設ける
担当者や部署を決めて、定期的に部門同士でコミュニケーションを取れる体制を構築すれば、成果を共有しつつお互いの希望を擦り合わせながら、適切な施策の設計につなげやすくなります。
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NPS®調査の実施後は適切な方法でスコアを計算しよう

NPS®調査を実施したら、具体的なスコアを計算しましょう。スコアやアンケートでのコメントをもとに改善箇所を洗い出し、満足度向上につながる施策を設計することが大切です。
NPS®のスコアは、以下の計算式で算出できます。
①推奨者と批判者、それぞれの割合を算出する。
- 推奨者の割合=推奨者の人数÷合計の回答者数
- 批判者の割合=批判者の人数÷合計の回答者数
②以下の計算式でNPS®を算出する。
(推奨者の割合)−(批判者の割合)×100
Excelの関数を使えば簡単に計算できます。Excelを使った具体的な計算のやり方は以下の記事でまとめているため、ぜひご覧ください。
アンケート以外も活用して顧客の意見を集めることも大切!
このようにNPS®調査では、推奨度合いのスコアやコメントを活用することで、自社の強みや改善点などを効果的に洗い出せます。顧客満足度を高めて商品・サービスの利用につなげられれば、最終的な業績向上に貢献できるでしょう。
より効果的に顧客満足度の向上施策を設計するには、NPS®のアンケート以外も活用し、顧客の意見を集めることが大切です。
具体的な方法のひとつとして、「ソーシャルリスニング」が挙げられます。SNSや掲示板といったインターネット上の膨大なデータから、購入者の忖度ない意見や不満などを集められるため、より改善の方向性を明確化できるでしょう。小さな問題点を事前に把握し、炎上発生前に対処すれば、企業ブランディングに傷を付ける事態も回避できます。
また、インタビューも有効です。時間はかかりますが、ひとりの顧客の本音をじっくり深掘りできるため、アンケートやSNSには書ききれない思いまでしっかり分析にいかせます。
NPS®調査だけでなく、こうした幅広い調査も活用し、より適切な方向性で施策を実行し顧客満足度の向上を目指しましょう。
NPS®調査で適切な質問項目を設けて顧客満足度の改善につなげよう
NPS®調査では、「商品・サービスの推奨度合い」をベースに、その推奨度合いを付けた理由や商品・サービスへの満足度などを質問することが基本です。最初に推奨度合いを聞いたうえで、その数値を選んだ理由や具体的に評価している部分などを深掘りすることで、スムーズに顧客の意見を深掘りできるでしょう。また、思考の誘導につながる質問の仕方を避けることで、より正確なデータを集められます。
社内で定期的な調査の実施体制を構築しながら、自社商品・サービスの改善に役立てていきましょう。本記事で紹介した「回答者が答えやすい質問の作り方」も参考に多くのサンプルを集めて、自社の顧客満足度改善に役立ててください。
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※記載されている内容は掲載当時のものであり、一部現状とは内容が異なる場合があります。ご了承ください。




