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NPS®︎の計算方法は?Excelでの算出方法や業界平均、正確なスコアを導くコツなどを解説

<この記事でわかること>

  • NPS®︎の計算方法は、「(推奨者の割合)−(批判者の割合)×100」である。
  • 「日本ではNPS®︎が低くなりやすい」「調査の実施タイミングによって結果が変動しやすい」という背景があるため、仮にスコアがマイナスでも、過剰に問題視する必要はない。
  • より正確なNPS®︎を算出するには「可能な限り多くのサンプルを集める」「適切なタイミングで調査を実施する」というコツを意識する。
  • NPS®︎のスコアを改善するには、「セグメント別に傾向を分析する」「自由記述欄の意見(フリーコメント)に着目する」「アンケート以外も分析し顧客の本音を集める」などのポイントを意識する。

NPS®︎の計算方法は?Excelでの算出方法や業界平均、正確なスコアを導くコツなどを解説

NPS®の計算方法は、以下の通りです。

①推奨者と批判者、それぞれの割合を算出する。
・推奨者の割合=推奨者の人数÷合計の回答者数
・批判者の割合=批判者の人数÷合計の回答者数

②以下の計算式でNPS®を算出する。
(推奨者の割合)−(批判者の割合)×100

Excelの関数を使えば、簡単に計算できます。

このNPS®︎がマイナスになると、不安を感じる企業の担当者もいるでしょう。しかし、そもそも日本ではスコアがマイナスに出る傾向があるため、過剰に心配する必要はありません。仮に今回の結果が悪くても、データを分析して必要な改善点を洗い出し、今後の施策の設計や商品改良につなげられれば、スコアは決して無駄になりません。

本記事では、NPS®︎の計算方法やExcelでの算出方法、各業界の平均値、正確なNPS®︎を洗い出すコツなどを解説します。

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NPS®︎の具体的な計算方法

NPS®︎の具体的な計算方法

NPS®︎の具体的な計算方法は、以下の通りです。

まず、顧客へ「購入した◯◯を周囲の人にどの程度おすすめしたいと思いますか?」といった質問を行い、0〜10の11段階で回答してもらいましょう。この11段階は、以下のように分類できます。

スコア 分類 特徴
9〜10点 推奨者 自社ブランドや製品・サービスに対し、高い愛着や信頼を持っている顧客。自発的に自社をおすすめしてくれたりリピートしたりすることが期待できる。
7〜8点 中立者 自社サービスを利用しているが、「競合のほうが安価」「小さな不満が蓄積した」といった理由で、競合へ乗り換える可能性がある顧客。
0〜6点 批判者 自社ブランドや製品・サービスに対し、不満を抱えている顧客。放置すると、サービス解約につながるだけでなく、悪いクチコミを広めて自社のイメージを低下させる可能性もある。

そして、回答してもらった数値をもとに、以下の手順で計算すれば、NPS®を算出できます。

①推奨者と批判者、それぞれの割合を算出する。
・推奨者の割合=推奨者の人数÷合計の回答者数
・批判者の割合=批判者の人数÷合計の回答者数

②以下の計算式でNPS®を算出する。
(推奨者の割合)−(批判者の割合)×100

たとえば、回答者50人のうち「推奨者10人・中立者25人・批判者15人」という場合、NPS®は以下のようになります。

(10÷50)−(15÷50)×100
=−10

Excelを使ったNPS®の計算方法

NPS®は、Excelでも算出できます。

まずは、各回答者の数値を一覧でまとめます。今回は「30人にアンケートを取った」と仮定しました。

各回答者の数値

そして以下の関数を使って、推奨者・中立者・批判者、それぞれの人数を割り出します。

・推奨者:=COUNTIF(B2:B31, “>=9”)
・中立者:=COUNTIF(B2:B31, “7”) + COUNTIF(B2:B31, “8”)
・批判者:=COUNTIF(B2:B31, “<=6”)

※セルの部分は実際に数値が入っている箇所に合わせて変更してください。

推奨者・中立者・批判者の人数

最後に以下の関数でNPS®を算出します。

=(推奨者の人数/合計の回答者数-批判者の人数/合計の回答者数)*100

NPS

NPS®︎がマイナスでも過剰に問題視する必要はない

上記の計算方法でNPS®︎を算出することで、顧客が自社製品・サービスへ持つ愛着や信頼の度合いを数値で可視化できます。数値の大小がわかれば「顧客満足度を高める施策の改善を急ぐべきか?」を客観的に判断できるため、企業が今後取り組むアクションを設計するうえで参考となるでしょう。

このNPS®︎は、マイナスになるケースもあります。「スコアがマイナス=批判者が多い」という意味に見えるため、企業によっては結果に焦りを感じるかもしれません。

しかし、NPS®︎がマイナスでも、過剰に問題視する必要はありません。その理由は、大きく以下の2つです。

  • 日本はNPS®︎が低くなりやすいため
  • 調査の実施タイミングによって結果が変動しやすいため

日本はNPS®︎が低くなりやすいため

日本人はアンケートへ回答する際、極端な高評価あるいは低評価を避けて、中立的な回答を選ぶ傾向にあります。そのため、NPS®︎であれば真ん中に位置する「5,6」あたりが選ばれやすいかもしれません。

一方でNPS®︎において、5,6は「批判者」に該当します。そのため、回答者に特別な批判の意図がないとしても、調査結果上では「批判者が多い」というデータが出やすいのです。

さらに、自社を大きく評価する推奨者は「9,10」の2つのみであるため、極端な高評価を付けることを避ける日本人には、選ばれにくいかもしれません。

このように「中間の5,6が批判者に該当する」「高評価は9,10の2つのみ」という理由があり、NPS®︎は日本で低い数値が出やすい傾向にあります。

実際に、日本の各業界におけるNPS®︎は大半がマイナスです。

業界(部門) トップ企業のNPS®︎ 業界平均のNPS®︎
クレジットカード -14.1 -35.8
都市ガス -32.2 -44.8
白物家電(冷蔵庫) 3.0 -19.6
セキュリティソフト -8.7 -26.24
ネット証券 -5.4 -20.9
対面証券 -38.4 -42.3
生命保険コンタクトセンター -22.7 -35.4
自動車保険事故対応 -8.0 -18.7
地方銀行 -35.6 -49.0
ダイレクト型自動車保険 -11.6 -29.6
代理店型自動車保険 -34.5 -50.5
銀行 -22.0 -39.4
電力(東日本) -33.0 -52.8
電力(西日本) -41.7 -49.6
生命保険部門アフターフォロー -31.4 -50.5
生命保険部門 請求体験 -23.3 -32.3
生命保険 -29.5 47.4

参考:NTTドコモビジネスX株式会社|NPS®(顧客推奨度)業界別ランキング

業界平均だけでなく、大企業であってもNPS®︎はマイナスになり得るため、過剰に数値にとらわれる必要はありません。NPS®︎を活用する際は、数値単体で評価するのではなく「業界平均よりも高いか?」「自社の過去のスコアと比較して伸びているか?」というように、相対評価で利用しましょう。

調査の実施タイミングによって結果が変動しやすいため

NPS®︎は、調査の実施タイミングによって変動します。

たとえば、「店員から手厚い説明を受けて購入した直後」「問い合わせに対し満足できるアクションをスピーディーに行ってもらった直後」などに調査を実施すれば、必然的に自社への評価は高くなりがちです。

一方で「大々的な不祥事を起こした」「直近で配送遅延が起きてしまった」といったタイミングで調査をすれば、どうしてもスコアは低くなるでしょう。

上記のように、市場の状況やタイミングなどに左右されるため、スコアがマイナスになっても、必ずしも「自社商品やサービスの質が悪い」とは限りません。

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より正確なNPS®︎を算出するコツ

より正確なNPS®︎を算出するコツ

上記で解説したようにNPS®︎は、日本ではマイナスになる傾向があります。とはいえ、算出したスコアが、自社における今後の改善設計の参考になることは間違いありません。

そのため、以下のコツを意識しなるべく正確なNPS®︎を算出しましょう。

  • 可能な限り多くのサンプルを集める
  • 適切なタイミングで調査を実施する

可能な限り多くのサンプルを集める

NPS®︎の調査で実態に近い結果を洗い出すには、なるべく集計のサンプル数を増やすことが大切です。アンケートの母数が増えて多くの意見が集まれば、より幅広い顧客の意見をベースに分析できるため、スコアの正確性も大きくなるでしょう。

多くのサンプルを集めるには、「回答率を高めるコツ」を意識し、回答者がスムーズに答えられる質問項目を作成することが大切です。具体的には、以下のコツを押さえましょう。

  • 質問の数を減らして回答者の負担を抑える
  • 簡潔にわかりやすく質問文を書く
  • 選択肢の文言を直感的に理解しやすくする
  • なるべく「単一選択型」の質問をメインに据える
  • 回答のお礼を準備する
  • なるべく匿名でアンケートを実施する

上記のような点を意識することで、回答者の負担を減らし、より多くのデータを集めやすくなります。

各項目の詳細については、以下の記事で解説しています。実施手順や項目に入れるべき例なども解説しているため、ぜひ参考にしてください。

適切なタイミングで調査を実施する

先述の通り、NPS®︎は調査の実施タイミングに応じて変動します。そのため、顧客の幅広い状況に合わせることを意識して、調査を実施しましょう。

以下の形式で実施すると、さまざまな顧客の状況に合わせて調査できます。

  • リレーショナル調査
  • トランザクショナル調査

【リレーショナル調査】
半年〜1年に1回程度のペースで、定期的に実施する調査のことです。以下のような質問を行うことで、自社ブランドや商品・サービス全体に関する顧客の意見を集めます。

  • 自社ブランドをどの程度周囲の人におすすめしたいですか?
  • 普段行く店舗のロケーションをどのように感じていますか?
  • 普段利用する中でサポートに満足していますか?
  • 自社ブランドの料金設定は適切だと思いますか?

自社に関する項目を網羅しつつ定期的に実施するため、NPS®︎の推移を長期的に観測し、評価の改善に向けた施策を適切に設計できるでしょう。

【トランザクショナル調査】
「店舗やECサイトで商品を購入した」「カスタマーサポートで電話による支援を活用した」というイメージで、顧客が自社と接点を持った直後に実施する調査のことです。実際にアクションを起こしたタイミングで実施するため、より記憶が鮮明なうちに正確なデータを集められます。

カスタマージャーニーの図

なお、両者については「リレーショナル調査で顧客の満足度に大きく関わる接点を見つける→トランザクショナル調査で各接点の詳細を調査する」というように、組み合わせることも有効です。

NPS®︎調査の結果を次回の改善につなげるポイント

NPS®︎調査の結果を次回の改善につなげるポイント

NPS®︎調査を実施した結果、スコアが芳しくないのであれば、改善が必要です。実際に改善へつなげるには、以下のポイントを意識しましょう。

  • 「推奨者・中立者・批判者」の各割合を把握する
  • セグメント別に傾向を分析する
  • 自由記述欄の意見(フリーコメント)に着目する
  • アンケート以外も分析し顧客の本音を集める
  • 定期的に調査を実施し関係部署と結果を共有する

「推奨者・中立者・批判者」の各割合を把握する

「推奨者・中立者・批判者」のそれぞれについて、スコアの割合を把握しましょう。「推奨者・中立者・批判者」の割合によって、今後打つべき施策の方向性が変わります。

たとえば「批判者も多いが推奨者も多い」という場合、一定の層には自社のメッセージやサービスが強く刺さっていると考えられます。そうした場合は、推奨者の特徴を洗い出し、より該当の顧客にリーチできる施策を設計することで、親和性が高いターゲットに絞ってサービスを届け、最終的にスコアも改善できるでしょう。

セグメント別に傾向を分析する

以下のように顧客セグメントの種類によって、NPS®︎は変動する可能性があります。

  • 基本情報(会社名や年齢や性別、居住地、年収など)
  • 企業の規模
  • 企業内での役職
  • 趣味嗜好
  • 過去の購入履歴
  • Webサイト上の行動履歴
  • 過去の商談履歴

こうしたセグメント別に傾向を洗い出すことで、「どんなターゲットが推奨者になりやすいのか?」「自社とマッチしない層はどこか?」といった点を洗い出し、今後のアプローチ施策を設計する際に役立ちます。

たとえば、自社のSaaS製品について「大企業の役職者からは高評価だが中小企業では批判者が多い」という場合、今後は大企業向けに絞った施策を設計してもよいでしょう。あるいは、より幅広いターゲットへアプローチできるよう、中小企業からの評価が低い理由を分析し製品改善にいかすことも有効です。

自由記述欄の意見(フリーコメント)に着目する

NPS®︎調査では、数字によるスコアだけでなく、自由記述欄に書かれたフリーコメントも必ずチェックしましょう。フリーコメントには、以下のように「なぜこの数値を選んだのか?」を含めた詳細が書かれているため、今後のブランディング構築やサービス改善に大いに役立ちます。

  • なぜ自社サービスを評価する(あるいはしない)のか?
  • 自社のどんな点に魅力を感じているのか?
  • どのようなタイミングで自社サービスを利用したくなるのか?
  • どのような経緯があって自社をおすすめしたい(あるいはしたくない)と感じたのか?

アンケート以外も分析し顧客の本音を集める

NPS®︎調査では、必ずしも顧客が自身の気持ちをまとめてくれるとは限りません。「不満はあるが、もう解約予定なので適当に数字を入れよう」というように、意図的に書かない顧客も存在します。こうした層の意見を無視し、NPS®︎のスコアだけをチェックすると、本質的な問題を見逃しかねません。

顧客からの評価を分析し改善施策へ反映させるには、NPS®︎以外も活用し、顧客の声を集めることが大切です。

たとえばソーシャルリスニングを活用し、SNSや掲示板などの書き込みをチェックすれば、アンケートでは見えてこない顧客の本音を拾えるでしょう。あるいは、顧客のログイン頻度や行動履歴、購入回数などのデータをチェックすることで、アンケートの回答に乖離がないかを確認し実態を把握できます。

定期的に調査を実施し関係部署と結果を共有する

NPS®︎調査のスコアがマイナスだとしても、過剰に落ち込む必要はありません。今回の結果の原因を分析して改善点を洗い出し、顧客からの評価を高められるよう施策をブラッシュアップしましょう。

そして、NPS®︎調査の結果やデータの傾向、今後の方向性などは、必ず関係部署と共有してください。「前回より何が改善されたのか?」「どのような動きによってスコアが上がったか?」などを適宜共有することで、スコア改善に向けて全社で方向性を統一できます。

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NPS®︎の計算方法や実施のコツを押さえ自社サービスの改善にいかそう!

NPS®︎は、以下の計算方法で簡単に算出できます。

①推奨者と批判者、それぞれの割合を算出する。
・推奨者の割合=推奨者の人数÷合計の回答者数
・批判者の割合=批判者の人数÷合計の回答者数

②以下の計算式でNPS®を算出する。
(推奨者の割合)−(批判者の割合)×100

Excelでも手軽に計算できるため、自社商品やサービス、サポートなどを改善したい企業は、積極的に活用しましょう。

日本ではNPS®︎がマイナスになりやすいため、もしスコアが低くても過剰に落ち込む必要はありません。スコアに一喜一憂するのではなく、業界平均や過去の自社のスコアと比較し「相対的にどれくらい改善できているか?」を意識しましょう。

実際に自社の改善につなげる際は、NPS®︎のスコアだけでなくSNSなどの意見も参考にし、幅広い観点で顧客の本音をつかむことが大切です。

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