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CRMシステムの構築方法は?方法別のメリット・デメリットや構築成功のポイントなどを解説

CRMシステムの構築方法は?方法別のメリット・デメリットや構築成功のポイントなどを解説

CRMシステムの構築方法としては、大きく3パターンがあげられます。

  • 自社でオリジナルシステムを開発する
  • ベンダーに開発してもらう
  • 既製品のCRMシステムを導入する

構築の際は、それぞれのメリット・デメリットを踏まえつつ、自社の希望も交えながら方法を選びましょう。例えば「システム構築に必要なスキルがある」という企業なら自社開発、「構築済みのツールを活用して手軽に導入したい」という企業なら既製品のCRMシステム、というイメージです。

既製品のCRMシステムを活用して構築すれば、「すでに組み上がっている機能や管理項目を使える」「マーケティング面のサポートも受けられる」といったメリットを受けられます。

本記事では、CRMシステムの主な構築方法やそれぞれのメリット・デメリット、構築成功のポイントなどを解説します。

顧客管理システム選定のノウハウなど、CRMの基礎がわかる資料です。

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自社にあった顧客管理システムを選定する際に大切になるポイントや導入の際に気を付けることなど、導入・構築前に押さえておきたい内容をまとめました。

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CRMシステムの構築方法を「メリット・デメリット」と合わせて紹介!

CRMシステムの構築方法を「メリット・デメリット」と合わせて紹介!

CRMシステムの構築方法は、大きく以下の3パターンに分かれます。

  • 自社でオリジナルシステムを開発する
  • ベンダーに開発してもらう
  • 既製品のCRMシステムを導入する

いずれの構築方法にもメリット・デメリットがあるため、事前にチェックし自社の希望にマッチした選択を行いましょう。

自社でオリジナルシステムを開発する

自社でサーバー設置やエンジニアの調達などを行い、社内でCRMシステムを構築する方法です。「過去にITツールの開発を行った経験がある」「社内に専用の開発部署がある」といった企業であれば活用できます。

メリット

自社でオリジナルシステムを開発するメリットは、以下の通りです。

  • 自社の希望に合わせ柔軟にカスタマイズできる
  • 導入および運用コストを削減できる
  • 関係者間でスムーズに情報共有しながら開発できる

【自社の希望に合わせ柔軟にカスタマイズできる】
自社開発なら、機能や操作性、既存の業務フローなどを踏まえて、完全オリジナルのCRMシステムを構築できます。

もちろん、既製品の中には管理項目を柔軟にカスタマイズできるCRMシステムもあります。とはいえ「操作性をもっと改善したい」「デザインを自社好みに変えたい」といった細かい部分の調整までは難しいでしょう。自社開発なら、そうした細かい調整まで希望を叶えられます。

【導入および運用コストを削減できる】
社内のエンジニアで開発する場合、追加でかかる費用は基本的にサーバー代のみです。もちろんエンジニアに支払う通常の給料は必要ですが、月額料金やユーザー数増加に伴う追加課金などは発生しないため、自社の費用負担を抑えやすいでしょう。

【関係者間でスムーズに情報共有しながら開発できる】
社外の関係者と協力しながらシステムを開発する場合、どうしてもリアルタイムでの情報共有は難しくなります。スムーズにコミュニケーションを取れなければ、「ツールの構築目的への認識が揃わない」「求める機能の詳細について認識が違う」などが発生し、自社の想定と違うシステムが完成してしまうかもしれません。

社内開発であれば、構築の方向性や必要な機能などを納得がいくまで擦り合わせできるため、スムーズに業務を進行できます。

デメリット

自社でオリジナルツールを開発するデメリットは、以下の通りです。

  • 構築や運用時に高度な専門知識が求められる
  • セキュリティリスクがある
  • 現場担当者の負担が大きい

【構築や運用時に高度な専門知識が求められる】
CRMシステムの構築では高度なプログラミング知識が必要なため、すべての企業で実施できるわけではありません。とくに「ツールの開発経験がない」「IT専門の部署がない」といった企業が、いきなり内製するのはハードルが高いでしょう。

さらに構築後の運用では、以下のような場面で専門知識が必要です。

  • 実際に利用した現場従業員の要望を踏まえて機能をカスタマイズする
  • 集めた顧客情報を分析する
  • データをもとにフォロー施策を設計する
  • マーケティング施策の実行後に効果測定を行い、次のアプローチ方法を改善する

このように自社開発では、プログラミングからマーケティングまで幅広い専門知識が求められるため、知見がない企業では対応が厳しいかもしれません。

【セキュリティリスクがある】
既製品のCRMシステムやベンダー開発のシステムであれば、提供会社がアップデートや定期メンテナンスを行いますが、自社開発ではすべての運用を社内で担当する必要があります。ウィルスの侵入や情報流出などを防止して安全に運用するには、定期的なアップデートが必須です。とはいえ、日頃のコア業務を進めつつアップデートまで手を回すのは難しい企業もあるでしょう。とくにリソースが限られる中小企業では、どうしてもコア業務の優先度が上がるため、なかなか手を回しにくいはずです。

【現場担当者の負担が大きい】
上記のように、自社開発では構築や運用時に専門知識が求められるため、現場担当者の負担が膨らみます。「現場の声を踏まえて機能を追加する」「セキュリティトラブルが発生した際に対応する」といったイレギュラー対応も含めれば、現場の業務量はさらに大きくなるでしょう。

ベンダーに開発してもらう

ベンダーとは、クライアントの要望に添ったツールを開発・販売する企業のことです。CRMシステムの構築目的や予算、必要な機能、希望する操作性などを踏まえ、最適なツールを開発してくれます。

メリット

何よりも「専門家に構築〜運用までを任せられる」という点がメリットです。

ベンダー企業には、プログラミングやデザインなど、CRMシステム構築に必要な専門知識を持つ人材が在籍しているため、構築だけでなく以下のような作業も任せることができます。

  • 顧客情報の管理項目のカスタマイズ
  • 現場の声を踏まえた追加機能の実装
  • セキュリティ面の強化
  • トラブル発生時への対応

要望や構築目的などを明確に伝えれば、基本的にベンダー主導で進めてくれるため、自社のリソースを極力使わず短期間で効果的な構築を実現できます。

デメリット

ベンダーに開発してもらうデメリットは、以下の通りです。

  • 費用負担が大きくなりやすい
  • CRMシステムのクオリティがベンダーのスキルに左右される

【費用負担が大きくなりやすい】
外部のベンダー企業へ依頼する場合、主に以下のような費用が発生します。

  • 初期費用
  • 毎月のランニングコスト
  • サポート費用
  • 管理項目のカスタマイズやユーザー数の増加などに伴う追加費用

具体的な料金体系や含まれるサポート内容などを確認しておかないと、「運用後に改善を繰り返したかったがカスタマイズのたびに料金が発生する」などが発生し、想定よりコストが膨らむため要注意です。とくに自社に開発の知見がない状態で依頼すると、構築に対して必要な工数を正しく判断できず、想定より費用が膨らむケースもあります。

【CRMシステムのクオリティがベンダーのスキルに左右される】
ベンダーのスキルが自社の求めるレベルに達していない場合、「必要な機能を搭載できない」「開発してもらったシステムの操作性が悪い」などが起こります。このように、外部依頼においては「ベンダーのスキルや料金プランを超える成果は出しにくい」という点がネックポイントです。

既製品のCRMシステムを導入する

販売されているCRMシステムを導入して構築する方法です。すでに管理項目や機能などは完成しているため、必要がなければカスタマイズをしなくてもそのまま導入できます。

メリット

既製品のCRMシステムを導入するメリットは、以下の通りです。

  • 機能や管理項目などが決まっているので手間やコストをかけず仕組みを構築できる
  • 「構築・マーケティング」の両側面から手厚いサポートを受けられる
  • 社内で利用している既存システムと連携しやすい

【機能や管理項目などが決まっているので手間やコストをかけず仕組みを構築できる】
既製品のCRMシステムの場合、ツールの機能や操作性、管理項目などはすでに決まっています。そのため、人によっては「完全にカスタマイズできる自社開発のほうが希望を叶えやすいのでは?」と思うかもしれません。

しかし、ある程度機能や管理項目が決まっているからこそ「手間やコストをかけず自社にマッチした仕組みを構築しやすい」という側面があります。

例えば「管理項目が業界にマッチしていれば大幅なカスタマイズは不要」という希望がある場合、自社で0から開発するより、最初から業界特化型のCRMシステムを導入したほうが手間がかかりません。既製品で自社の要望を叶えられるにも関わらず、0から自社で構築しても「人員を手配する手間」「開発に投下する時間」「人員確保や開発作業に必要なコスト」が余計にかかるだけです。

一方で「独自の管理項目を追加したい」という希望がある場合も、すでにベースが組み上がっている既製品のほうが、自社で0から開発して機能を搭載するより負担はかかりません。

もちろん、機能やデザインを含め完全オリジナルのCRMシステムを構築したいのであれば、自社開発がベストです。

しかし現在のCRMシステムは、ある程度機能が揃っておりカスタマイズにも対応できます。そのため、「自社で開発しないと実装できない」という場合を除くと、むしろ既製品を使ったほうが費用対効果は高いでしょう。

【「構築・マーケティング」の両側面から手厚いサポートを受けられる】
CRMシステムを利用する際は、主に大きく2パターンのスキルが必要です。

  • プログラミングやデザインなど「構築・実装に必要なスキル」
  • 顧客情報の分析やフォロー施策の設計など「マーケティング施策に関するスキル」

上記のスキルは別物であるため、自社のみで対応するハードルは高いでしょう。

CRMシステムの提供会社であれば、ツールの構築はもちろん「顧客情報の分析方法」「マーケティング施策の設計方法」といったマーケティング分野の知見も豊富です。そのため、CRMシステムの運用経験がない企業でも、充実したサポートを受けつつスムーズに構築・運用できます。

具体的なサポート内容はCRMシステムの提供会社ごとで異なりますが、例えば以下があげられます。

  • マンツーマンでの運用定着までのサポート
  • ツールの操作説明会の開催
  • マーケティング施策の設計や運用代行

【社内で利用している既存システムと連携しやすい】
CRMシステムの中には、社内で運用している既存システムと手軽に連携できるよう設計されているツールもあります。例えば「自社のECサイトと連携して過去の購買履歴やサイト上の行動履歴などを移行する」といったイメージです。

既存システムと連携し顧客情報をスムーズに移行すれば、過去のデータも引き続きCRMシステムで活用できます。とくに、CRMシステムを活用して効果的なアプローチを考えるには、膨大な量のデータを幅広い角度から分析することが必須です。過去の履歴を無駄なく活用できれば、より効果的なマーケティング施策を実行できるでしょう。

CRMシステムを外部システムと連携するメリットや成功のコツなどは、以下の記事で詳しく解説しています。

デメリット

既製品のCRMシステムを導入するデメリットは、以下の通りです。

  • ツールを導入するだけで成果が出るわけではない
  • 完全独自のカスタマイズには対応できない可能性が高い

【ツールを導入するだけで成果が出るわけではない】
既製品のCRMシステムなら、必要な機能や管理項目がすでに搭載されているため、そのままでも導入・運用はできます。とはいえ、あくまでも最低限の枠が決まっているだけであり、決して導入しただけで成果が出るわけではありません。

実際に成果を出すには、以下のようにさまざまなアクションが必要です。

  • CRMシステムの運用に必要な顧客情報を社内から集める
  • データを分析して顧客のニーズや状態を洗い出す
  • 顧客のニーズにマッチした施策を設計する
  • 施策の実施後に効果測定を行い次回以降のアクションを改善する

もちろん上記は、既製品のCRMシステム利用時に限ったものではありません。

とはいえ、既製品はすでに機能が完成しているため、他の構築方法より「導入しただけで満足」という状況に陥りがちです。また、手軽に導入できる分「とりあえず使おう」と安易に考え、詳細な運用方法を決めず利用するケースも珍しくありません。

こうした事情があるため、既製品の場合はなおさら「導入したのですぐに成果を出せる」と間違えないよう注意しましょう。

【完全独自のカスタマイズには対応できない可能性が高い】
既製品の場合も、ツールで対応できる範囲内なら、ある程度のカスタマイズは可能です。ただし、上記で解説したように「管理項目やデザインを完全に自社好みに変えたい」といった、独自性が強いカスタマイズは難しいでしょう。

顧客情報の活用方法をしっかり考えて導入を検討しよう!

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自社の課題解決のためにどのように顧客情報を活用すべきなのかを考えて、ぴったりなシステムを選ぼう!

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自社の状況を踏まえ最適な構築方法を選ぶことが大切!

自社の状況を踏まえ最適な構築方法を選ぶことが大切!

上記のようにCRMシステムの構築には、方法ごとにメリット・デメリットの両方があります。そのため、それぞれの詳細を踏まえ、自社の状況にマッチした構築方法を選ぶことが大切です。

上記の内容をもとに、構築方法ごとでオススメの企業を一覧でまとめました。構築方法を選ぶ際の参考にしてください。

構築方法 オススメの企業
自社でオリジナルシステムを開発する ・システム構築に必要なスキルを持った人員やコストが揃っている企業
・既製品では実現が難しい要望を実現したい企業
・セキュリティの安全性や関係者とのコミュニケーションのスムーズさなどを考慮し、すべて社内で完結させたい企業
ベンダーに開発してもらう ・実現したい要望はあるが社内にリソースがない企業
・システム構築から運用までをプロに任せたい企業
・現場の担当者の負担を極力減らして運用したい企業
既製品のCRMシステムを導入する ・すでに組まれているシステムを活用して手軽に導入したい企業
・システム運用だけでなくマーケティング施策のサポートまで手厚く受けたい企業
・既製品を活用しながら柔軟にカスタマイズしつつ運用したい企業

3パターンの中なら「既製品のCRMシステム導入」がオススメ!その理由は?

3パターンの中なら「既製品のCRMシステム導入」がオススメ!その理由は?

具体的な構築方法については、自社の状況を踏まえて細かく決める必要があります。しかし上記3パターンの中であれば、基本的に「既製品のCRMシステム導入」をベースに検討することがオススメです。

既製品のCRMシステム導入がオススメな主な理由は、以下の3つです。

  • コストと手間を削減して構築・運用しやすい
  • 企業の幅広いニーズに対応しやすい
  • マーケティング面のサポートも受けられる

コストと手間を削減して構築・運用しやすい

自社開発の場合、専門スキルを持った人材の手配や開発作業、細かい要件定義などをすべて内製する必要があるため、多くの時間がかかります。ベンダーに依頼すれば人材手配や要件定義の負担は軽減できますが、開発作業は避けられないため、ある程度の時間は必要です。

既製品のCRMシステムであれば、すでにツールが完成しているため、開発作業や細かい要件定義などの手間を大幅に削減できます。CRMシステムの機能や管理項目などが自社のニーズとマッチしていれば、比較的短期間で導入できるでしょう。カスタマイズする場合も、ツール内で「管理項目をドラッグ&ドロップで追加」などで対応できるため、大きな手間はかかりません。

また、「サポートが月額料金に含まれている」「ユーザー数に応じた課金が発生しない」といったCRMシステムなら、費用負担も抑えられます。

企業の幅広いニーズに対応しやすい

既製品のCRMシステムは、単体で活用しつつ必要に応じたカスタマイズも可能です。そのため、以下のように企業の幅広いニーズに応じてツールを選べます。

  • 自社が求める機能を搭載しているツールをそのまま導入したい
  • 運用後に自社独自の管理項目を簡単な操作で追加したい
  • 最低限の機能を持つCRMシステムを導入して運用しながら柔軟にカスタマイズしたい

もちろん「さまざまな製品を見たが要望を叶えられるツールがない」という場合は、自社開発やベンダーへの依頼を活用したほうがよいでしょう。しかし、既製品の性能やカスタマイズの柔軟性で対応できる範囲のニーズであれば、CRMシステムを活用すべきです。

マーケティング面のサポートも受けられる

上記で解説したように、CRMシステムを効果的に構築・運用するには、大きく以下2つの側面のスキルが必須です。

  • プログラミングやデザインなど「構築・実装に必要なスキル」
  • 顧客情報の分析やフォロー施策の設計など「マーケティング施策に関するスキル」

いずれも専門性が高いスキルであるため、両方を持ち合わせたベンダーはなかなか見つからないかもしれません。

CRMシステムの提供会社であれば、上記のスキルを両方持っていることが期待できます。例えば、企業によっては「構築後にマーケティング施策の設計まで代行してくれる」「導入企業と一緒に入念なペルソナ設定を行いスムーズな運用を実現できるよう準備してくれる」といった、マーケティング面の知見を活かしたサポートも受けられます。

自社のニーズにマッチした柔軟な構築を実現するなら「Synergy!」がオススメ!具体的な事例と合わせて紹介

自社のニーズにマッチした柔軟な構築を実現するなら「Synergy!」がオススメ!具体的な事例と合わせて紹介

上記で解説したように、自社の手間やコストを削減して構築・運用したり、ニーズに合わせてカスタマイズしたりするのであれば、弊社が提供する「Synergy!」の導入もぜひご検討ください。

「Synergy!」は、導入企業のニーズに合わせて柔軟に構築できるツールです。「運用定着まで実施するマンツーマンのサポート」「メルマガ配信や広告運用といったマーケティング施策の代行」などのサポートも充実しているため、初めてCRMシステムを構築する企業でも安心です。

「Synergy!」を導入しスムーズな構築を実現した事例として、パワープランニング株式会社様があげられます。

同社は、保険商材のマッチングサービスである「みんなの生命保険アドバイザー」を提供している企業です。さまざまな種類の保険商材の中から相談者がベストなサービスを選べるよう、幅広い角度から情報提供を行っています。

同社は従来まで、自社開発のデータベースシステムで顧客情報を管理していました。しかし、自社開発のシステムはフォームから取得した顧客情報を自動連携できなかったため、「フォームからエクスポートする→数時間かけてデータベースにインポートする」という手間が発生。こうした背景もあり、「申し込みから顧客対応までにラグが発生し待たせてしまう」「作業ミスによって履歴が消えるリスクがある」というネックポイントに悩まされていました。

さらにフォームからの申込者に電話連絡する際は、顧客情報の検索やステータス変更の反映も必要だったため、トータルでかなりの時間を費やすことになります。

上記のような手間を解消し、アプローチすべき顧客へ必要なタイミングでスムーズに連絡できるよう「Synergy!」の導入をご決断いただきました。

構築を進めるにあたり、まずは同社の根本的な課題を理解し、整理することからはじめます。導入当時の同社は、サービスのオペレーションが煩雑になっており「この情報は担当しか知らない」というケースが多くありました。こうした状態を解消せずシステムを構築しても、なかなか上手に運用できません。

そのため、担当者様それぞれにヒアリングを行い「同社が抱える根本的な課題」「実現したい項目」を整理したうえで、施策を提案させていただきました。

上記の整理が完了した後は、具体的に以下のような形で構築を進めます。

構築方法 内容
フォームとデータベースの連携 負荷が大きいデータのエクスポート・インポート作業をAPI連携で自動化させる
ファイナンシャルプランナー専用の管理画面の構築 管理画面で案件担当者を振り分けて、ファイナンシャルプランナーとのやり取りスピードを改善。マッチングまでの時間を短縮し相談申込者の満足度を上げる
保険相談者専用の管理画面を構築 架電対象者の絞り込みスピードを改善して業務を効率化。また、同じ顧客への対応が重複するリスクも回避する
オートメールを活用した面談日リマインドメールの活用 相談申込者の面談キャンセル率を減らし、送客率を向上させる

図に落とし込むと以下のイメージになります。

「Synergy!」導入の図

上記を意識してシステムを構築した結果、業務の自動化に成功。金額に直すと、月に約100万円分のコスト削減を実現しました。また、サービスの提供スピードも向上したことで、顧客の温度感が高い状態でのマッチングにもつながっています。

導入から12年経った現在(掲載当時)でも、ほぼ毎日「Synergy!」を使って「申し込みが何件入っているのか?」「何件が保険相談につながったのか?」などの成果をチェックし、改善に向けた分析を行っています。こうした積極的な取り組みが実を結び、サービス利用満足度は96%までアップ。業績も毎年過去最高を更新中です。

このように「Synergy!」を活用して管理体制などを構築して普段の業務の手間やコストを削減し、高い成果を残した好例といえるでしょう。

パワープランニング株式会社様の事例詳細については、以下の記事をご確認ください。

CRMシステムの基本的な構築手順

CRMシステムの基本的な構築手順

CRMシステムの基本的な構築手順は、以下の通りです。

Step.1 導入目的を明確化する
Step.2 現場の課題を洗い出す
Step.3 解決する課題の優先順位を決める
Step.4 社内の顧客情報を集約する
Step.5 目的や課題解決にマッチしたCRMシステムを選定する
Step.6 トライアルを活用して使い勝手を確かめる
Step.7 PDCAサイクルを回しながら継続的に運用する

上記は「既製品のCRMシステムの構築」を想定しています。自社開発やベンダーへの依頼で構築する場合、導入目的や課題を洗い出したうえで、以下のような内容を決めましょう。

  • 搭載したい機能
  • 操作画面のレイアウト
  • 操作性
  • ツール全体のデザイン
  • 開発言語
  • 開発環境
  • 使用する関数

上記をもとに実装作業とテストを実施しましょう。

いずれの方法を選ぶにしても、導入目的の設定や課題の洗い出し、顧客情報の集約は必須です。

各ステップの細かいポイントを含め、より具体的な構築手順は以下の記事で解説しています。目的設定や課題の洗い出しなどは、自社開発やベンダーへの依頼時にも必要なため、手法に関わらずぜひご覧ください。

既製品のCRMシステムを選ぶ際のポイント

既製品のCRMシステムを選ぶ際のポイント

既製品のCRMシステムを選ぶ際は、以下のポイントを押さえましょう。

  • 自社の目的にマッチした機能を搭載しているツールを選ぶ
  • 手厚いサポートが受けられるツールを選ぶ
  • 使い勝手がよいツールを選ぶ
  • 自社の利用人数や予算などを踏まえて最適な料金のツールを選ぶ
  • セキュリティ体制が強固なツールを選ぶ
  • 外部システムと手軽に連携できるツールを選ぶ
  • 自社に合わせて「クラウド型 or オンプレミス型」を選ぶ

とくに「CRMシステムの構築目的」については、自社で必要な機能や操作性などを左右する要素であるため、必ず最初に決めましょう。例えば「メールマーケティングを行って既存顧客へのフォローを強化したい」という目的であれば、メール配信機能が充実したCRMシステムの導入がオススメです。

具体的な選び方については、以下の記事で解説しています。導入前の準備についてもまとめているため、ぜひ参考にしてください。

CRMシステムの構築を成功させるポイント

CRMシステムの構築を成功させるポイント

CRMシステムの構築を成功させるポイントは、大きく以下の3つです。

  • 構築の目的を明確化する
  • 社内でツールの運用体制を整えておく
  • スモールスタートで徐々に構築する

構築の目的を明確化する

先述のように、CRMシステムを導入する際は目的の明確化が不可欠です。「マーケティング施策の運用に力を入れたい」「自社独自の顧客情報を柔軟に管理したい」といった目的に応じて、必要な機能や操作性は変わります。

社内でツールの運用体制を整えておく

CRMシステムの利用を社内で定着させるには、以下のような体制を整えることが大切です。

  • ツールの操作に関する勉強会を開催する
  • CRMシステムに関して他部門とコミュニケーションを取る担当者を決める
  • 事前研修でCRMシステムの導入背景や現場の従業員のメリットを共有する
  • CRMシステムの構築や運用に関わる専任担当者を任命して社内の疑問を集約する
  • 自社の用途に合わせたマニュアルを改めて整備する
  • CRMシステム提供会社のサポートを周知し誰もが気軽に利用できるようにする

CRMシステムは、現場の従業員が実際に利用して成果をチェックし、改善を続けなければ導入の意味が半減します。上記のように導入意義や使い方などを丁寧に共有し、従業員がスムーズに利用できる体制を整備しましょう。

スモールスタートで徐々に構築する

どれだけ操作が簡単で使いやすいCRMシステムを導入しても、初めて使うツールである以上、従業員がいきなり使いこなせるとは限りません。とくに「紙やExcelでアナログ管理していたのでITツールに慣れていない」「社内体制が整っていない」という場合、いきなり大規模で導入すると、上手に活用できないかもしれません。

そのため、まずは「特定の部署のみで導入する」「業務フローの一部を置き換える」といった形で、小規模からはじめましょう。少しずつ使い勝手や現場へのマッチ度合いを試し、適宜従業員の声を吸い上げながら体制を整えつつ、利用頻度や規模を広げることが大切です。

自社にマッチしたCRMシステムの構築方法を選択しよう!

自社にマッチしたCRMシステムの構築方法を選択しよう!

CRMシステムの構築方法としては、主に以下の3パターンがあげられます。

  • 自社でオリジナルシステムを開発する
  • ベンダーに開発してもらう
  • 既製品のCRMシステムを導入する

いずれにもメリット・デメリットがあるため、「完全オリジナルのシステムを構築したい」「すでに組み上がっているツールを活用して手軽に導入したい」など、自社の希望を踏まえた方法を選ぶことが大切です。

もし「絶対にオリジナルカスタマイズでなければいけない」といった特別な要件がないのであれば、基本的に既製品のCRMシステムを導入するとよいでしょう。既製品であれば、すでに機能や管理項目などが完成しているため、そのまま導入できます。カスタマイズもツール上で手軽に実施できるケースが多いため、運用のハードルは低いでしょう。

既製品のCRMシステムを選ぶ際は、ぜひ弊社が提供する「Synergy!」もご検討ください。「Synergy!」は、顧客へのアプローチに必須の「メール配信機能」や、ニーズの収集に活用できる「アンケート作成機能」などが充実しているCRMシステムです。導入時から手厚いサポートが受けられるため、手軽に構築を開始できます。

セキュリティ面も「証明書をインストールしたパソコンからしかアクセスできない」「操作ログをすべて管理できる」などが充実しており強固です。さらに自社で実行したい施策に合わせ、メール配信やアンケート作成機能などを「必要なタイミングで・必要な分だけ・追加の機能開発は不要で」カスタマイズできます。

管理項目のカスタマイズも手軽に実施できるうえ、マーケティング施策の設計や運用代行まで弊社にお任せいただけます。「CRMシステムを活用した経験がない」といった企業でも、安心して利用できる点が魅力です。

ツールの詳細や具体的な機能などが気になった人は、まず以下のリンクより資料だけでもご覧ください。

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関連情報

※記載されている内容は掲載当時のものであり、一部現状とは内容が異なる場合があります。ご了承ください。