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Pardot導入事例
導入企業に聞く!MAを導入した理由は?Pardotの導入から運用に至るまでのあれこれ<前編>

※本記事に記載のPardotは、2022年4月7日にMarketing Cloud Account Engagementに製品名が変更になりました。

2014年頃から日本でも流行り始めた「マーケティングオートメーション(MA)」。今でもそのブームは続いています。

  • MAについて大まかな機能はわかるが、どんなシーンで使うのだろうか?
  • ベンダーのセミナーでは成功事例ばかり聞くけれど、本当にうまく行くのだろうか?

というように、自社でもMAを導入してみようと情報収集を始めても、漠然とした情報しか獲得できずモヤモヤされている方も多いのではないでしょうか。今回は、MAツールのひとつであるPardotを導入された株式会社IDCフロンティア様と、「ぶっちゃけPardotってどうなの?」というところを、ゆるーくかるーい対談形式で2回にわたりお届けします。

左:IDCフロンティア社 安食(あじき)さん、中央:IDCフロンティア社 山本さん、右:シナジーマーケティング 北村

北村 シナジーマーケティングでPardotのマーケティングと導入/運用支援を担当している北村です。IDCフロンティア様(以下、IDCF)では、Synergy!LEADとPardotの導入および運用のご支援をさせていただきました。今日は、IDCFの山本さん・安食さんにPardot導入から運用に至るまでのあれこれをお伺いしていきます。

山本 僕、Pardotについて結構ぶっちゃける気できましたが、大丈夫です???良い話ばかりはしないですよ!

北村 そういうの求めてました!お付き合いよろしくお願いします!前編ではまず、IDCF様がどのような経緯でどのような展望をもってPardotの導入へ至ったのか、お伺いしたいと思います。

IDCフロンティア様について

北村 簡単に事業概要を教えていただけますか?

安食 一言でいうと、データセンターとクラウドビジネスの会社です。国際電話の会社として1986年に設立され、2009年にYahoo! JAPANグループに参画しました。

山本 特出する点といえば、国内で規模の大きいデータセンターの地方拠点を先駆けて作ったこと、各データセンターを結ぶための強固なネットワークを持っていることです。2009年からは場所にとらわれずITインフラサービスを使えるように、クラウドの分野へ領域を拡大していきました。最近ではクラウドでデータを処理するだけでなく、データも集積するセンターを目指して、データを活用する視点でのサービス強化も推し進めています。

北村  IDCFさんといえば、面白い社内制度も多いですよね。

山本 そうなんですよ。「フルチャージ入社制度」や「ウォーキングプログラム」など、結構特徴のある制度が多い会社です。インターネット系の会社ってなんだか不健康なイメージがあるので、それを払拭しようと健康促進を目的とした制度が多いんです。

北村 健康的でいいですね。我々の会社も見習っていかなければ……!

なぜPardotを導入したんですか?

北村 今回Pardotを導入した背景にはどのようなことがあったのでしょう?

山本 Pardotの検討というか、デジタルマーケティングに注力し始めた理由としては、大きく3つありました。

1つ目は、お問い合わせしてくるお客様の動向の変化です。インターネットが普及してから、お客様はWeb上でめちゃくちゃ下調べをしてから問い合わせをするようになりました。問い合わせを受ける自分たちよりもお客様の方が他社情報に詳しかったりするんです。問い合わせに至ったときにはどこの会社で買うかほぼ決めている状態なんですよね。その問い合わせ以前の段階にリーチしていかないといけないなという思いがありました。

2つ目は、営業の業務効率化です。ありがたいことにクラウドの売上が伸び、営業業務が逼迫しそうだったので、メールでの情報提供や電話での一次対応など、非対面での業務で販売プロセスがほぼ完結してしまえるような仕組みを構築したいと考えました。

また、IDCFはデータを扱っている会社なので、先進的にデータを使ったマーケティング施策を行い、ロールモデルとなろうという全社としての動きがあったのが3つ目の理由です。

安食 見込顧客への効果的なアプローチ・業務の効率化・データを活用したマーケティングの実現のため、MAという選択肢が出てきました。ただ、すぐにMAを入れたわけではなく、まずはインサイドセールス部隊の立ち上げから始めました。時系列でいうと、2014年10月にIDCFクラウド(※IDCF社が提供するIaaS型パブリッククラウドサービス)の提供を開始、2015年4月にインサイドセールスを立ち上げSynergy!LEADを導入、2016年5月からPardotへ移行しました。

北村 インサイドセールスの立ち上げからPardotの導入に至るまで、もう少し詳しく教えてもらえますか?

山本 IDCFクラウドを提供開始した当初は直販の営業部隊が大多数で、問い合わせが多くなると手が回らなくなってしまって。そこで、営業に送客する前に一次対応を行うインサイドセールス部隊を新設しました。同時に、問い合わせ情報をエクセルで管理する業務の手間や抜け漏れをなくしたり、一度問い合わせがあったお客様にWebからアプローチするため、インサイドセールス部隊で使うマーケティングツールを導入することになりました。

北村 当初は弊社のSynergy!LEADをご活用いただいていました。なぜSynergy!LEADに決めていただけたのでしょう?

山本 当初は自動化やスコアリングといった機能ではなく、まずはWebフォームから問い合わせがあったお客様情報を手間なく管理でき、メールを送れる状態を求めていました。IDCFではSalesforceを使っていたので、Salesforceと連携させてWebフォーム・メール・トラッキング機能が使えるSynergy!LEADが条件にマッチしていました。すぐに使えるところ、導入サポートに入ってくれるところにもメリットを感じましたね。

北村 ありがとうございます!ちょっと照れますね(笑)。Synergy!LEAD運用時にはどのような施策をされていたのですか?

山本 大きく2つのメール施策を行っていました。 1つ目がステップメールです。IDCFクラウドでは、Webで申し込みが完結しますが、アカウント開設からご契約までいくつか登録ステップがあります。その登録途中で離脱してしまうお客様が一定数存在するので、登録完了の段階まで進んでいただくよう、お申し込み日を起点にステップメールを送っています。もう1つが「100本ノック」といって、100回いろんなメールを試してみよう、という施策です。

北村 どんなセグメント分けが効果的か、メール件名はどういうものが響くのか、とかを見ていたんですか?

山本 そうそう。件名にお客様名を入れて配信すると開封があがった!とか。各施策の結果をエクセルにまとめて、インサイドセールスの中であーでもないこーでもないと議論しながら、次のメールに活かしていっていました。結局2015年下期の間に100回やりましたね。

北村 おもしろいですね!その結果がまとまったエクセル見てみたいです!

Synergy!LEADには問い合わせ者のWebアクセス履歴を見られるトラッキング機能がついていますが、施策にはトラッキング情報も活用されていたのでしょうか?

山本 どれだけページを見ているかで、そのお客様の検討度合を測っていました。また、メールを送るときに、お客様が見ていたページを参考にしてより理解を深めるコンテンツにしていました。ただ、Synergy!LEADには複雑なシナリオメールを送る機能はないので、当時はこのページを見た人には次にこのメールを出すという風に、ストーリー立ててアプローチしていたわけではなく、特定ページを見た人を絞り込み、単発のメールを送っていました。

北村 なるほど。トラッキングを活用したマーケティングやメールでのアプローチがうまくいってインサイドセールスの体制も整った段階で、Pardotへの移行を検討されたんですね。

山本 Synergy!LEADは個人をよく見るツールというイメージです。問い合わせの母数も増えたので、多くのリードに対してより効率のよいアプローチがしたいという要望がありました。100本ノックで得た有効な策を、スコアリングのロジックやシナリオメールに乗せてみたかったのです。Synergy!LEADで施策の方向性やできることのイメージはついていたので、Pardotへの移行のときも大きな戸惑いはなかったですね。

小さなトラブルや苦労したことはいっぱいありましたが……、こう、MAへの苦手感とか嫌悪感みたいなものはなかったです。下地があったからよかったなーと思います。

Pardot導入前と導入後のギャップはありましたか?

北村 MAといえば夢のツール!とよく取り上げられていますが……。

山本 社内でも万能ツール!魔法の杖!みたいに思っていました、実際は(笑)。Synergy!LEADを活用してインサイドセールスも軌道に乗ったから余計に、もっとすごいツールだぞー!と。社内での期待感は大きかったです。

北村 やっぱり(笑)。

山本 導入前にセミナーにも参加しましたが、あれ、テレビショッピングみたいじゃないですか(笑)。使いこなせればそこまでできるかもしれないんですけれど、あれはテレビショッピングの担当の人がやるからああいう結果になるだけで。

北村 イメージとしては、MAを導入すれば勝手にホットリードが作られます、みたいな?

安食 そのイメージでした。問い合わせが入ってきてそのとき案件化しなくても、Pardotがお客様の興味に合わせて勝手にメールを送ってくれて、どんどんお客様の熱気があがってきて、この商品買わせてください!って、お客様からやってきてくれるようになるんじゃないかと、思っていましたね。

北村 確かにうまくシナリオを設定して、自動化のルールを回せば、ある程度お客様の興味関心に合わせたメールが配信されるようになりますが……。

安食 そうなんです、その「シナリオ」の考え方ですよね。Pardotは素晴らしいツールですが、どうやって使うか?という戦略をきちんと立てないとうまくいかない、というのがギャップでした。ギャップというか、当たり前なんですけど、やっぱりいろんな言葉に踊らされて。

山本 あと、やりたいことも決まってたし、MA入れたらすぐに売上があがるのでは!?と思っていました。実際はいざ導入!の段階でもそうすんなりもいかなくて。

北村 具体的にどこに苦労されたんでしょうか?

山本 苦労した点は、「英語」ですね……。Pardotは海外のツールでまだUIが日本語対応していないので、使い勝手に慣れるまで少し時間がかかりました。(編集者注:Pardotは2017年10月より、日本語UIのβ版が提供開始となりました)また、システムの独特のクセみたいなところにも苦戦していました。導入当時は重複したメールアドレスはインポートできなかったのでデータの整形に時間がかかったり、日本語文章のメールを送るときの文字化けを修正したり……。どこに気をつければいいのかノウハウが溜まればクリアできるのですが、最初は手探りなので大変でしたね。結局、設定作業が終わって最初のメールを送るまで3か月程度かかりました。

北村 成果をあげるにはツールの機能だけではなく、導入するまでのデータの整備・ツールの習得や戦略の部分が重要になる。導入してすぐに効果は出るものではない。このあたりは今MA導入を検討されている方にお伝えしたいですね。

山本 ほんとに。導入当初はこんなもんですよ、と伝えたい。

北村 ……だそうです、ブログをお読みのみなさま(笑)。

MAを導入する前にまずは、

  • ツール導入より先に、社内のマーケティング組織を整備する(ex.インサイドセールスチームの立ち上げ)
  • 一足飛びにMA導入へ至るのでなく、段階を踏みながらステップアップ
  • こういうシナリオでお客様にアプローチをしたい、という戦略を立てておく
  • すぐに結果は出ないと認識し、中長期的に取り組む

といったことを考えておく必要がありますね。

前編では、Pardotの導入時のお話をお伺いしました。後編では実際にPardotで実施した施策について詳細を聞いていきたいと思います!

※記載されている内容は取材当時のものであり、一部現状とは異なる場合があります。ご了承ください。


※Pardot導入に関しては他にもシリーズ記事があります。ぜひそちらもご覧ください。

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BtoB向けマーケティングオートメーションPardot運用支援開始

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