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ExactTargetとは?どのような会社なのかまとめてみました。

※本記事に記載のPardotは、2022年4月7日にMarketing Cloud Account Engagementに製品名が変更になりました。

先週の7月12日(金)、セールスフォース・ドットコムによるExactTargetの買収が完了しました。6月4日に買収が発表されてから1ヶ月が経って、ExactTargetはセールスフォース・ドットコムの100%子会社になりました。

Salesforce + ExactTarget = The Platform of Choice for CMOs」というメッセージのもと、現時点ではソーシャルメディアマーケティング色が濃い「Salesforce Marketing Cloud」と、マーケティングオートメーションやキャンペーンマネジメントなどの機能を持つExactTargetとを統合していくとのこと。
これまでの「Salesforce Marketing Cloud」は、リスニングツール「Radian6」、コンテンツ管理・効果測定ツール「Buddy Media」、ソーシャル広告管理ツール「Social.com」の3つから構成されていました。ここに、4番目のコンポーネントとしてExactTargetが加わる形になります。

買収に関するFAQページ」に、「Pardotの製品はどうなりますか?(Will there be any changes to Pardot’s products?)」という質問と、それに対する「PardotとSales Cloudの統合を進めていく」という主旨の回答が書かれています。2012年10月、BtoB領域のマーケティングオートメーションに強いPardotをExactTargetが9,520万ドルで買収しましたが、旧Pardot製品はどちらかというとMarketing CloudではなくSales Cloudに寄せていくようです。SFAとMAの融合ですね。

25億ドルという、セールスフォース・ドットコムにとっては過去最高金額の買収案件となったExactTarget買収ですが、このExactTargetとはどのような会社なのか。以下にまとめてみました(2013年7月時点の状況)。

ExactTargetとは
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2000年に創業、2012年にニューヨーク証券取引所に上場。本社はアメリカ中西部インディアナ州のインディアナポリス。アメリカ以外では8ヶ国に拠点を持つ(カナダ、イギリス、ドイツ、フランス、スウェーデン、オーストラリア、シンガポール、ブラジル)。従業員数は約1,700人。

2012年の売上高は2億9,380万ドル。売上高の8割をアメリカ本国、2割を本国以外で稼いでいる。また、別の視点で見ると、売上高の8割をクラウドサービス(Subscription Revenue)、2割を人的サービス(Professional Services Revenue)で稼いでいる。

売上高の推移という点では、2009年9,500万ドル、2010年1億3,400万ドル、2011年2億700万ドル、2012年2億9,380万ドルと、毎年1.4倍くらいで成長。ただ販売費と研究開発費が響いて直近4年間はずっと営業赤字。ちなみに、2012年12月末時点で総資産は3億8,700万ドル、累積赤字は1億6,700万ドル。
※参考リンク:ExactTargetの10-K(有価証券報告書に相当する書類)

最近の主な買収は次の3件。(1)2010年にソーシャルメディア管理ツールを提供する「CoTweet」社を買収。このCoTweet(現名称は「SocialEngage」)はNTTコミュニケーションズが2011年から日本で独占販売している。(2)2012年にマーケティングオートメーションツールを提供する「Pardot」社を9,520万ドルで買収。(3)同じく2012年、データ分析・レコメンドツールを提供する「iGoDigital」社を2,100万ドルで買収。

プロダクトについて

http://www.exacttarget.com/products にプロダクトラインナップの絵が載っており、EmailからMobile、Social、Web、Marketing Automation、Data & AnalyticsまでWebマーケティングアプリの構成要素を自社開発と買収によって着実に押さえてきた。これらのアプリを総称したブランド名として「Interactive Marketing Hub(以下、IMH)」を設定し、「Data-Driven Digital Marketing Solutions」だと説明している。このIMHのユーザは主に中堅・大手企業。実際、Nike、Zappos、Microsoft、Gapなどアメリカの多くのメジャーブランドと取引をしている。

プロダクト戦略はSalesforceに少し似ている。「AppExchange」のような「HubExchange」というマーケットプレイスを運営し、マーケティング関連のアプリケーションを取り揃えている。また、「Force.com」のような「Fuel」というPaaSを提供している。

プロダクトの特長

  1. 他ツールとの連携アダプタが充実している。Salesforce、Dynamics、Oracle CRMなど主要CRMとの連携機能を搭載。
    ※参考リンク:Integrated Products – CRM and Web Analytic Solutions
  2. PaaSである「Fuel」には強力なAPIを搭載。この「Fuel」を利用することで、SaaSレイヤーのIMHと連携するアプリを開発できる。また、「Code@ExactTarget」というコミュニティサイトを運営するなど、開発者支援のためのテクニカルリソースも充実している。セールスフォース・ドットコムが「Developer Force」という開発者向けコミュニティサイトを運営しているのと似ている。

顧客数は約10,000。うち6,000が直販顧客。顧客およびパートナー企業向けのCRMプログラムの一環で「3sixty」というコミュニティサイトを運営している。以下5つのことができる。
ちなみに、セールスフォース・ドットコムも「Salesforce Success Community」というコミュニティサイトを運営している。

  1. Access free on-demand tutorials and how-to guides.
  2. Tap into the industry’s best digital marketing resources, including whitepapers and case studies.
  3. Learn how you can take advantage of the Orange Partner Network.
  4. Provide direct feedback and pose questions to the ExactTarget product team.
  5. Share best practices with industry colleagues and experts.

最後に、参考情報

  • Subscribers, Fans, & Followers」という名称で、調査報告書(eBook)を非定期的に公開している。執筆者は3人で、ひとりは外部のメールマーケティング支援会社「Trendline Interactive」の人。
  • SMTPサーバには「Port25 solutions」社のプロダクトを利用している様子。

以上、ExactTargetに関する情報でした。何か新しい情報をキャッチしましたら、またブログに投稿しようと思います!

※2014年6月30日追記:2014年5月26日に投稿した記事「ExactTargetのトレーニングに参加してきました」も合わせてご覧ください。

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※記載されている内容は掲載当時のものであり、一部現状とは内容が異なる場合があります。ご了承ください。

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