LINE料金体系変更・withコロナ需要に柔軟に対応し、
メール経由の受注件数が4倍、LINE1通あたりの売上が10倍の成果へ(※昨対比)
さらなる躍進を目指したデジタルマーケティングコンサル支援

ヒラキ株式会社

安さにこだわり、価格と品質の両面で満足できる靴作りを目指しているヒラキ株式会社。キッズスニーカー180円、レディースバレエシューズ499円など、驚きの低価格で子育てママを中心に大きな支持を得ています。

ヒラキのWEBマーケティング課では、2016年にCRMの取り組みを開始。既存のメールマガジンをリニューアルし、One to Oneメール配信を開始することで、メール経由で昨対比2倍の売上を実現しました。(当時のインタビューはこちら

2020年には、LINEの料金体系の変更、新型コロナウイルスの感染拡大など、さまざまな環境の変化がありました。そんな中でも、これまで地道に各施策のPDCAサイクルを回し続けてきた努力が実り、「メールマガジン経由の受注件数が昨対比4倍」「LINEの配信数を昨対比1/25に減らしても、LINE1通あたりの売上は10倍」などの目覚ましい成果をあげ続けています。

2020年4月からはコンサルティング形式でのご支援に切り替え、メール・LINEに限らずデジタルマーケティング全般で伴走を開始しています。今回は、変化に対応しながら成果をあげ続けられている理由やコンサルティングで新たに取り組んでいることについて、弊社担当を交えて、ヒラキ株式会社の坂久保様、花谷様、土井様にお話を伺いました。

インタビュー参加者写真

写真前列左より

樽井 みずき
シナジーマーケティング株式会社 西日本事業部 デジタルマーケティンググループ 営業

花谷 実可 氏
ヒラキ株式会社 開発商品事業部 通信販売部 WEBマーケティング課 主任

坂久保 健一 氏
ヒラキ株式会社 開発商品事業部 通信販売部 WEBマーケティング課 課長

土井 悠人 氏
ヒラキ株式会社 開発商品事業部 通信販売部 WEBマーケティング課

多々良 史弥
シナジーマーケティング株式会社 西日本事業部 デジタルマーケティンググループ マーケティングコンサルタント

※部署名・役職は取材当時(2020年08月)のものです

1. LINEの料金体系変更やコロナによる需要増など、外部環境に訪れた変化

樽井 前回取材時(2018年11月)には、メールマガジンのリニューアルやOne to Oneメール配信など、CRMの取り組みを始めたことで、昨対比2倍のメール経由の売上を実現したお話を聞かせていただきました。当時から約2年、さまざまな変化がありましたね。

花谷氏 一斉配信のメールマガジンは改善を重ねて継続しています。One to Oneメールは効果の高いWebアクセストリガーメール施策を増やしました。また、メールで得た勝ちパターンを、Synergy!のLINEへの配信機能で横展開し、One to Oneメッセージ配信を開始しました。

樽井 LINEのOne to Oneメッセージも好調でしたが、施策開始後、2020年2月にLINEの料金体系変更の影響を受けたんですよね。

花谷氏 配信通数による従量課金制になったために配信コストが膨れ上がり、一斉配信のボリュームの見直しが必要になりました。

樽井 同じ時期には、新型コロナウイルスの感染拡大という社会を取り巻く大きな出来事も起きています。ヒラキ様にはどんな影響がありましたか。

坂久保氏 2〜6月までEC会員数が右肩上がりに増え、昨対比116%の会員数になりました。コロナによってECで購買をする人が増えたこともありますが、理由として大きかったのは、2020年春の新商品がSNSで話題になったことです。それまでとは比べ物にならないほどUGCが創出され、その投稿を見た10代後半から20代前半の女性のお客様に多く購入していただきました。

花谷氏 これまでは「靴のヒラキ」と言われるほど売上の大半が靴でしたが、コロナによって靴の需要が伸び悩み、インテリアや雑貨の需要がぐっと伸びたことも特徴的でした。そのため、インテリアをメインで訴求したり、ECサイトのトップページに雑貨やインテリアなどの露出を増やしたりしました。靴に関しては、「ちょい履き」や「ワンマイルシューズ」と形容するなどの工夫をしましたね。

自社の取り組みついて話す坂久保氏と花谷氏

2. 平常時に準備していたからこそ、メール経由の受注件数が4倍、LINE1通あたりの売上が10倍を実現

多々良 LINEの料金体系変更やwithコロナやUGCによる需要増にも対応しながら、コツコツと改善しつつ運用を重ねてきましたよね。その結果、メールとLINEでは目覚ましい成果が出ています。

坂久保氏 おかげさまで、2020年3月以降のメールマガジンは、開封率が昨対比平均110%、クリック率が昨対比平均115%アップしました。3月以降のメールマガジン経由の受注件数も、昨対比平均150%を記録しています。One to Oneメール全体では、5月の受注件数が昨対比4倍となりました。EC会員の増加率は116%ですが、それ以上に受注件数の伸び率が高いことからも、メールがリピート促進に大きく貢献していることがわかります。

樽井 LINEのOne to Oneメッセージ配信においても、成果が出ていますよね。

花谷氏 One to Oneメッセージ配信の構築を終えた後にLINEは従量課金制へ切り替わりました。しかし元々ソーシャルPLUSを使ってソーシャルID連携を着実に進めることができていたので、One to Oneメッセージ配信の配信効率を向上させることで高い効果が出ています。特にかご落ちLINEは圧倒的な成果が出ています。

坂久保氏 LINEにもセグメント配信機能があるのですが、これは性別や都道府県などの属性情報だけを元にセグメントするものです。一方、Synergy!のLINE配信なら行動履歴データと紐づけて配信できるため、今送って響く人だけに絞って届けることができて助かっています。

多々良 結果的に、配信数を減らしながら効率的なセグメント配信を実現できていますよね。

坂久保氏 LINEは料金体系の変更により、配信数を昨対比1/25と大きく減らしたにもかかわらず、LINE1通あたりの売上は10倍になりました。この結果からも、かご落ちLINEが効率的に機能していることを実感しています。

メールからの売上とLINE1通あたりの売上の図

多々良 開封率、クリック率、受注件数すべてで成果がぐんと上がっているのは素晴らしいです。需要が増加したのは、コロナの影響やSNSで話題になったことが要因かもしれませんが、これまで数年掛けてメールの勝ちパターンを見つけ、LINEのID連携を進めるなど、平常時に有効な施策を整備しておいたからこそ、このような成果が出せているのだと感じています。

樽井 これらのデジタルマーケティングで成果が出たことで、社内にはどんな変化が生まれていますか?

坂久保氏 当社は長年カタログ通販がメインであるため、カタログの成果が一番に注目されていました。しかし、SNSなどのデジタルチャネルをきっかけに多くの注文をいただけたことで、デジタルマーケティングの重要性が徐々に社内に浸透してきました。SNSを中心とした施策に期待が集まるなど、デジタルシフトへの気運が高まってきています。

3. メールとLINEに限らずデジタルマーケティングを幅広くご支援できるよう、コンサル形式に変更

樽井 そんな中、2020年4月からはシナジーマーケティングからのご支援の形式を、これまでのメールやLINEの分析レポートの共有を中心とした定例会から、デジタルマーケティングのコンサルティング支援に変更しました。

坂久保氏 先ほど、デジタルシフトの気運が高まってきたという話をしましたが、それは主に新規顧客獲得についての話です。既存顧客のリピート、つまりCRMのデジタルシフトに関しては、引き続き検討が必要なフェーズにあります。また、新しくEC会員になった方の中には、10〜20代前半の若年層のお客様も含まれており、これまでヒラキがターゲットとしていなかった新規層となります。彼女たちが、カタログを見て注文をすることはおそらく少ないと予想できます。だからこそ、リピート促進のためにはデジタルでの戦略を見直す必要性を感じていました。メールやLINEについてはこれまでのご支援のおかげで安定した成果が出ていたので、デジタルマーケティング全般という、広い範囲でサポートしてもらいたいと思ったのです。

多々良 私たちとしても、3年の取り組みでCRMの基盤が出来上がってきた今、よりヒラキ様に貢献できる方法はないだろうかと考えていました。Google Analytics(以下GA)でのECサイト解析のトライアル実施などを行わせていただき、今後の支援領域拡大を考えていたので、コンサルティングという形式でのご支援をご要望いただいたときは嬉しかったです。

樽井 ヒラキ様は、WEBマーケティング課で新規顧客獲得と既存顧客向けのリピート促進施策の両方を担われています。メンバーの方一人ひとりがさまざまな業務を兼務されている中、弊社がメールとLINEの領域中心のご支援しかできていないことが歯がゆく、もっと力になりたいと思っていたので、こうしたきっかけをいただいてよかったです。

コンサルティング支援について話す多々良と樽井

4. Web解析のインハウス化支援から戦略実行プロセスの策定まで、現場に寄り添ったコンサルティングを実施

多々良 そこで、ECサイトの数字の全体感を掴んでいただくためにも、コンサルティングの最初はGAによるサイト状況の把握から始めましたね。「ECサイトの運用最適化がミッションにありながら、データの見方に不安要素がある」とお聞きしたので、まずはGAの基礎をお伝えして、サマリーレポートを内製化できるようにしました。また各チャネルからの流入の数値管理がバラバラになっていたので、「サイト訪問者の流入経路と、流入経路別の数の変化」をリアルタイムで追えるような状態を作っていきました。

花谷氏 昨年末にECサイトのリニューアルをしましたが、それと同時にECサイトの見せ方について考えるようになっていました。これまでECサイトのトップページには、カタログで使用した写真やカタログの特集をそのまま載せているだけでしたが、ECサイトはメールやLINEの遷移先となる重要な受け皿であるため、トップページの更新頻度を高めて最適化する必要性を感じていたのです。ECサイト運用のPDCAを回すためにもGAを勉強しなければと思っていたので、良いタイミングでレクチャーを受けられて助かりました。

多々良 他にはペルソナの作成方法・使い方をインストールして、社内でペルソナを更新していただきました。ヒラキ様はシーズナル商品も多いので、メールやLINEの企画を相談していると、「何月にこのコンテンツを載せましょう」という軸でのお話になります。しかし、ECサイトの改善やさらなるコンテンツ開発も見据えると、「そもそも、このメッセージは誰宛てなのか?」をここで整理しておく必要性を感じたためです。

土井氏 改めてメンバーで「ヒラキのお客様はどんな人だろう?」と話し合う場を設けたのはいい機会になりました。メンバー間のイメージするお客様像に違いがあったことも発見でしたね。今はメールを作成するときに「これでペルソナの人に興味を持ってもらえるかな?」と考えながら、言い回しを工夫することができています。

ペルソナについて話す土井氏と花谷氏

樽井 30〜40代の子育てママ世代をメインターゲットとされていますが、属性は同じでも性格やライフスタイルはさまざまですからね。改めて課内のメンバーで一緒に考え、共通認識として作れたペルソナは、今後どんな施策を行う際にも活用できると思います。

多々良 コンサルティングの中では、デジタルマーケティング戦略の立案もご支援しています。「ヒラキ様のより本質的な課題にも一緒に向き合いたい」と思っていたタイミングでWEBマーケティング課の数値目標や、各メンバーの方のKGIやKPIの情報も共有いただいて。メンバーの方へのヒアリングの機会も設けて、目標数値達成のためにしなければいけないことや、それぞれの業務をどう結び付ければより相乗効果が生み出せるだろうかということを考え、整理させていただきました。

樽井 コンサルティングを開始して半年ほどですが、これまでの感想はいかがですか?

花谷氏 メールやLINEの領域では、「これ以上レクチャーいただけることはないのだろうか」と思えるほど、これまで惜しみなくサポートしていただきましたが、ビジネスパートナーとして相談に乗っていただける幅が広がったのですごく助かっています。私にとってシナジーマーケティングは、“デジタルマーケティングのトータルコンサルティングをお任せできる会社”という印象になりました。

土井氏 昨年は、私自身WEBマーケティング課に入って間もなかったこともあり、メールの企画で精一杯でした。今年からシナジーマーケティングに総合的に見ていただけるようになって、「CMやSNSを見てECサイトで初回購買を行い、メールやLINEをきっかけにもう一度ECサイトに訪れてリピート購入していただく」といった、お客様の購買行動の流れを意識することができるようになり、課内でどう連携して施策を行うべきかを考えられるようになりました。

坂久保氏 今回コンサルティングをお願いして、シナジーマーケティングはCRM領域のプロフェッショナルであることはもちろん、教育にも長けていると感じています。当社のWEBマーケティング課のメンバーは新卒入社の者がほとんどで、マーケティングの知識は実務を通して身に付けています。浅く広くでしか知らない知識も多いので、マーケティングのプロであるシナジーマーケティングから、知識をインプットしてもらうことにも期待していました。実際、メンバーと積極的にコミュニケーションを取り、専門知識をレクチャーしてくれるため、メンバーの成長スピードが速まっています。環境の変化が早く、現場の判断で物事を進めなければいけない場面も増えている中、メンバーそれぞれが自分で考え動くための力をシナジーマーケティングが育ててくれているように感じます。

樽井 嬉しいお言葉をありがとうございます。ヒラキ様は、一つひとつの施策に取り組む目的を明確に持っておられますし、どの施策にも妥協なく取り組まれています。その姿を見ていると、弊社としてもっと貢献できることはないだろうかといつも考えさせられます。

多々良 コンサルティングでのご支援はまだ始まったばかりで、成果を出して貢献していくのはこれからです。また今後は、施策のご提案だけでなく、目標を明確に意識した全体戦略を組み、取り組みの成功確率を高めていけるようご支援させていただきたいと思っています。

▼コンサルティング時に提出した資料の抜粋
実際にコンサルティング時に提出した資料の抜粋

5. 「ヒラキが選ばれる理由」を明らかにしながら、CRMのデジタルシフトをさらに進めていく

樽井 最後に、今後ヒラキ様が取り組んでいきたいことと、弊社への期待やご要望をお話いただけますか。

坂久保氏 デジタルマーケティングへの期待が社内でも高まっているので、これからはSNS施策にも今まで以上に注力していきます。ただ、新規顧客がどれだけ増えたとしても、重要なのは「いかにリピート購入していただけるか」です。メールやLINE、さらにはスマホに最適化したアプリ版ECなど新たなコミュニケーションチャネルも用意して、リピートを促進していきたいですね。またwithコロナで素早い変化に対応していくには現場のスキル、チーム力をあげることが大事だと思います。シナジーマーケティングには、そのための戦略と施策を考えるブレーン、そしてコーチのような存在として、引き続きご支援を期待しています。

土井氏 社内でデジタルマーケティングへの理解が進んでいるとはいえ、CRMの重要性の啓蒙はまだまだ必要な段階です。「お客様一人ひとりにあった最適なアプローチを行い、ヒラキへのロイヤルティーを高めていただく」ような流れを作ることで、CRMの重要性が社内でより広まってほしいと思います。引き続き、取り組みをリードしてください。

花谷氏 樽井さんや多々良さんがサポートしてくれたおかげで、新体制でも良い成果をあげてスムーズに運用してこられたと思っています。コロナによって大きな変化がありましたし、今後も社会がどう変化するかは想像できません。でも、シナジーマーケティングがサポートしてくれるなら、そのときどきに応じたベストな戦略や施策を見つけていけるだろうという確信があります。

樽井 ありがとうございます。今回増えた需要が一過性で終わらないように、メール、LINE、さらには新しいチャネルで、お客様とコミュニケーションを取り続けることがとても大事だと思います。また、ヒラキ様の商品は価格の安さが魅力ですが、それ以外にも需要増を支えたブランド選考理由が必ずあると考えています。その理由をデータから導き出して、マーケティング施策へ活かしていきたいですね。それらの要素を日々の取り組みの中で一緒に見つけていきつつ、CRMのデジタルシフトを引き続きご支援させていただきたいです。

多々良 コンサルティング形式のご支援に変えて、「ヒラキ様のメール・LINE施策の成功が我々のご支援の成功」から、「デジタルマーケティング全般に関わる広範囲かつ中長期的な目線での成功」に貢献すべき立場になりました。そういった中で思うのは、ヒラキ様のブランド価値をもっと広く伝えていきたいということです。EC化率が年々上がっていく中で、ヒラキ様もより高い確率で自ブランドが選ばれる状況を作っていかなければなりません。そのために、ヒラキ様のロイヤル顧客を深く理解し、選ばれるきっかけを明らかにしたりと新たなトライもできればと思っています。今後も、私たちが持っている知見やスキルは惜しみなく提供させてください。

プロジェクト関係者写真

WEBマーケティング課の皆様

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※記載されている内容は取材当時のものであり、一部現状とは異なることがありますが、ご了承ください。

ヒラキ株式会社
開発商品事業部 通信販売部 WEBマーケティング課 課長
坂久保 健一 氏

ヒラキ株式会社
開発商品事業部 通信販売部 WEBマーケティング課 主任
花谷 実可 氏

ヒラキ株式会社
開発商品事業部 通信販売部 WEBマーケティング課
土井 悠人 氏

ヒラキ株式会社

ヒラキ株式会社は、1978年に靴の小売業として設立されました。カタログ・ECサイト・店舗といった販売チャネルを持っており、大量発注によって仕入れ価格を抑えることで、超低価格の靴や日用品の品揃えを実現しています。