ファンエンゲージメントの意味とは?メリットや具体的な強化施策などを解説
<この記事でわかること>
- ファンエンゲージメントとは、運営するスポーツチームとファンとの間に築かれた「強いつながり」のこと。ファンエンゲージメントを強化することで、「チームの収益が安定する」「ファンの口コミによって自然と新規集客しやすくなる」「コラボ先を含めて周辺の関係者によい影響を与える」といったメリットが生まれる。
- ファンエンゲージメントの向上は選手のモチベーションアップにつながるため、チームとして積極的に強化すべき。
- ファンエンゲージメントの強化施策としては、「選手やチームをイメージしたオリジナルグッズの販売」「熱心なファン限定コンテンツの実施」などが挙げられる。
- ファンエンゲージメント強化施策については、「チームのファン層の明確化→ファンの行動や心理変化の予測→状態にマッチした適切な施策の設計→施策の効果測定の実施」というステップで実行する。
ファンエンゲージメントとは、チームとファンの間に構築された「強いつながり」「強固な絆」などを指すものです。ファンエンゲージメントが高まることで、チームはファンからさらに応援されやすくなります。その結果として、「観戦者数が増加してチームの収益がアップする」「コラボ先のブランドイメージ向上につながる」といった多くのメリットをもたらしてくれるでしょう。
さらに、応援してくれるファンの数が増えれば選手のモチベーションアップにもつながるため、チーム全体でファンエンゲージメントを高めることが大切です。
ファンエンゲージメントの強化施策としては、オリジナルグッズの販売や限定コンテンツの実施、限定コミュニティの運営などが挙げられます。いずれの施策を設計する場合も、ファンがチームに求める価値を理解し、ニーズにマッチしたアプローチを実行することが大切です。
本記事では、ファンエンゲージメントの意味や具体的な強化施策の例、実行する際のステップなどを解説します。
<目次>
ファンエンゲージメントの意味とは?強化するメリットも解説
ファンエンゲージメントとは、運営するスポーツチームとファンとの間に築かれた「強いつながり」のことです。単に試合を観戦するだけではなく、「もっと応援したい」「固い絆で結ばれたい」というように、チームへの強力な愛情を持っている状態を指します。
このファンエンゲージメントを強化することで、チームには以下のようなメリットがもたらされるでしょう。
- チームの収益が安定する
- ファンの口コミによって自然と新規集客しやすくなる
- コラボ先を含めて周辺の関係者によい影響を与える
- ファン同士のつながりを強化できる
- ファンからフィードバックをもらいやすくなる
チームの収益が安定する
ファンエンゲージメントを高めてつながりを強化することで、ファンは今まで以上に積極的にチームを応援してくれるようになります。具体的には以下のようなイメージです。
- チケットを購入して試合を観戦する回数が増える
- ファンクラブへ継続的に加入してくれる
- 会場でグッズを購入してくれる
- 有料イベントへ積極的に参加してくれる
- ライブ配信で課金してくれる
上記のようなコンテンツの売上が増加すれば、収益がアップし最終的に安定したチーム運営を実現できます。
もちろん、ファンが積極的にコンテンツを利用するまでは試行錯誤が必要なため、ある程度の時間は必要です。しかし、ファン層のニーズを理解し求めるコンテンツを定期的に供給できるようになれば、チームから働きかけなくても自然と利益アップを目指せる状態を作れるでしょう。
ファンの口コミによって自然と新規集客しやすくなる
ファンエンゲージメントが高まりチームへの愛情が深まると、ファンは以下のようなアクションを自発的に起こすようになります。
- インターネットへポジティブな口コミを投稿する
- 個人のSNSアカウントでチームの魅力を発信する
- 試合情報を拡散してくれる
- 周囲の人物にチームの魅力を広めてくれる
こうしたアクションが実施されれば、自然と新規集客へつながりやすくなります。チームからすると、新規ファン獲得に向けた特別なアクションを起こさずとも、待ちの姿勢で集客につなげられるというのは魅力的です。
コラボ先を含めて周辺の関係者によい影響を与える
チームが「地元企業とコラボしてオリジナルグッズを販売する」「会場近くのキッチンカーでコラボメニューを販売する」といった施策を実行したとしましょう。こうしたコラボ施策を実行すると、ファンは「自分の好きなチームを応援している企業の商品だから積極的に購入しよう」「推している選手とのコラボメニューだからぜひ食べたい」と考えるようになり、コラボ先のブランド価値向上や売上アップに貢献できます。
周辺の関係者によい影響を与えられれば、「積極的にコラボを実施する→コラボ相手の顧客にチームをアピールできる→チームに興味を持ってもらう→ファンになってもらう」という理想のサイクルを構築できるでしょう。
ファン同士のつながりを強化できる
チームへの愛情が深まると、同じファン同士の中で「チームを愛している仲間だ」という連帯感が生まれます。こうしたファン同士の強い絆が結ばれることで、「チームの最新情報を共有する」「一緒に試合観戦に行く」といったポジティブなアクションが生まれ、「仲間がいるからもっと応援したい」といった動機付けにもつながるでしょう。さらにファン同士の結束が固くなれば、観客が他のチームへ流れる可能性も低くなります。
ファンからフィードバックをもらいやすくなる
チームへの愛情が深まれば、ファンから「よりよいチームを作るには?」という点に関するフィードバックをもらいやすくなります。ファンからしても、愛情を感じるチームだからこそ「勝つためにもっとここを頑張ってほしい」「こういう部分を改善すればもっと魅力が広まるはず」という気持ちを抱えているかもしれません。
チームとファンの距離が縮まり、そうした率直なフィードバックを共有できる関係性が構築されれば、よりファンの視点に立った効果的な改善施策を実行できるようになるでしょう。
ファンエンゲージメントを高めれば最終的に選手のモチベーションをアップできる!
このようにファンエンゲージメントを高めることで、「集客につながる」「収益が安定する」といったさまざまなメリットが生まれます。そしてチーム運営が安定すれば、最終的に選手のモチベーションアップにもつながるでしょう。
例えば、チームのファン数が増えて試合の観戦者数が増加すれば、選手は大声援を受けていつも以上に高いモチベーションでプレーに集中できます。さらに、チームの収益が高まり「トレーニングマシンの整備」「宿泊施設のグレードアップ」といった部分にもお金が使われるようになれば、普段のトレーニングにも身が入るでしょう。
選手のモチベーションが高まり、プレーの質が改善されて勝利数が増えれば、ファンエンゲージメントはさらに上がっていきます。
ファンエンゲージメントを高める具体的な施策
ファンエンゲージメントを高める具体的な施策としては、例えば以下が挙げられます。
- 選手やチームをイメージしたオリジナルグッズの販売
- 熱心なファン限定コンテンツの実施
- ライトなファンも参加しやすいコンテンツの実施
- ファン限定コミュニティの運営
- メールや公式LINEなどを通じた定期的なコミュニケーションの実施
選手やチームをイメージしたオリジナルグッズの販売
オリジナルグッズはファンの手元に形として残ります。そのため、日頃から好きなチームと同じ時間を過ごしている感覚を味わえるようになり、「次も応援したい」という気持ちを醸成できるでしょう。
オリジナルグッズを販売しやすいアイテムとして、例えば以下が挙げられます。
- 応援時に使えるアイテム(タオルやメガホン、双眼鏡、Tシャツ、ユニフォーム、うちわ、バルーン、キャップなど)
- アクリルスタンド
- キーホルダー
- ストラップ
- スマホケース
- マスコットキャラクターのぬいぐるみ
- タンブラー
etc
オリジナルタオルやTシャツのように、会場でファンのみんながお揃いで使えるグッズであれば、よりチームとのつながりを実感しながら試合を楽しめます。また、タンブラーやスマホケースなど日常生活で使えるグッズなら、試合会場以外でもチームの存在を意識してもらえるでしょう。
熱心なファン限定コンテンツの実施
長年応援しているファン限定のイベントやキャンペーン、コンテンツを提供することで、「今まで応援してきてよかった」という気持ちを抱いてもらい、よりチームへの愛情を深められます。
ファン限定のコンテンツとしては、例えば以下が挙げられます。
- 選手と直接コミュニケーションが取れるイベント(サイン会やタッチ会、写真撮影会など)
- 選手とのトークショー
- ファンからの公募デザインをもとにしたグッズの制作・販売
- 試合を一定回数以上観戦したファンへのチケット割引クーポンの配布
ライトなファンも参加しやすいコンテンツの実施
以下のように、ライトなファンが参加しやすいコンテンツを実施することも有効です。
- ファンがコメントできる形で選手のライブ配信を行う
- 指定のハッシュタグを付けてSNSに応援メッセージを投稿すると、会場スクリーンに自分のメッセージが表示される
- SNS上でプレゼントキャンペーンを実施する
- ファンによる投票でMVP選手を決める
- チーム独自の実況付きで試合を生配信する
- 練習前の選手の様子をライブ配信する
こうした参加型コンテンツは、ファン自身がチームの一員になったような一体感を生み出せます。写真撮影会などよりも実施しやすいため、「スポーツに興味あるが観戦したことはない」といった顧客に対してもアプローチしやすいでしょう。
ファン限定コミュニティの運営
ファンクラブやファン向け専用アプリなどを活用して、限定コミュニティを運営することもオススメです。ファンだけが使えるコミュニティを作り上げることで、「好きなチームの一員になれた」という特別感が生まれ、よりファンエンゲージメントを高められます。
例えば「ファン限定掲示板」を作れば、試合の感想や好きな選手に関する雑談など、さまざまなテーマでファン同士で交流できるため、チームの一員である感覚を持ちやすくなるでしょう。
また、上記で紹介した写真撮影会やチケットの特別割引、ライブ配信への参加などを「ファンクラブ会員限定」というように設定すると、さらにプレミアム感が増すかもしれません。
メールや公式LINEなどを通じた定期的なコミュニケーションの実施
以下のように、ファンと日常的にコミュニケーションを取れる施策を実行することも重要です。
- メルマガで試合情報を定期的に配信する
- 直近の試合に出場する選手の紹介を公式LINEで送る
- リアルタイムで試合情報を配信して、現地で観戦できないファンと情報共有する
こうした「ファンとの日常的なコミュニケーション」を意識した施策も実行すれば、会場へ行けない間もチームとつながっている感覚を持てるため、エンゲージメントを高めやすくなるでしょう。
ファンエンゲージメントの強化施策を実行する際のステップ
ファンエンゲージメントの強化施策を実行する際は、以下のステップを意識しましょう。
- Step.1 チームのファン層を明確化する
- Step.2 カスタマージャーニーマップを作成しファンの行動や心理変化を予測する
- Step.3 ファンの行動や心理変化にマッチした適切な施策を設計する
- Step.4 施策の効果測定を行って次回以降の改善にいかす
Step.1 チームのファン層を明確化する
最初にチームのファン層を明確化しましょう。具体的なファンのイメージを洗い出しておくことで、「どのような特徴を持つ人が応援してくれるのか?」「チームに何を求めているのか?」などを把握し、ファンのニーズにマッチした施策を設計できます。
例えば「ファン層に家族連れが多い」ということであれば、「小学生までの観覧無料キャンペーン」というコンテンツを企画すると、試合を観戦しやすくなりファンエンゲージメント向上につながるかもしれません。
また、特定グッズのニーズが高いのであれば、そのグッズのデザインを変えるなどしてブラッシュアップすることで、さらに購入してもらえるようになるでしょう。
Step.2 カスタマージャーニーマップを作成しファンの行動や心理変化を予測する
ファン層を明確化したら、カスタマージャーニーマップを作成して、ファンの行動や心理変化を分析・予測しましょう。
まずカスタマージャーニーとは、以下のように顧客が「商品・サービスを認知する→興味を持つ→比較・検討する→購入する」までに辿るであろうフローを可視化したものです。
カスタマージャーニーを設計し、購入に到達するまでの顧客の行動や心理変化を予測することで、「どのフェーズで・どのようにアプローチすべきか?」を正しく判断できます。
このカスタマージャーニーを具体的に地図のような形で落とし込んだものが「カスタマージャーニーマップ」です。スポーツでいえば、ファンが「チームを認知する→興味を持つ→情報収集する→会場へ行く→熱心なファンになる」といったプロセスを可視化したものになります。
このカスタマージャーニーマップを活用し、各フェーズにおけるファンの行動や心理変化を洗い出すことで、それぞれの状況に応じた適切な施策を実行してファンエンゲージメントを高められます。
カスタマージャーニーマップの具体的な設計方法については、以下の記事をご覧ください。
Step.3 ファンの行動や心理変化にマッチした適切な施策を設計する
作成したカスタマージャーニーマップをチェックし、フェーズごとのファンの行動や心理変化にマッチした施策を設計しましょう。
例えばフェーズを「試合前・試合中・試合後」で分けたのであれば、それぞれで以下のような施策を検討できます。
【試合前:試合当日への期待値を高める】
- スタメン選手のプロフィールを配信する
- 当日販売するコラボフードの情報を共有する
- 試合終了後に実施するイベントを予告しておく
【試合中:すべてのファンが楽しめる企画を行う】
- 試合の結果をリアルタイムで配信する
- ファンがSNSに投稿した応援メッセージを会場のスクリーンに映す
- 試合結果に応じたキャンペーンや割引などを実施する
【試合後:ファンの熱が冷めない間にフォローする】
- 観戦のお礼メールを配信する
- 次回の試合スケジュールを共有する
- 周辺店舗で使える割引券を配信する
Step.4 施策の効果測定を行って次回以降の改善にいかす
具体的な施策を行ったら、必ず効果測定しましょう。「来場人数は増えたか?」「ファンクラブ会員数は増えたか?」といった数値をチェックし施策の成果を確かめることで、改善点を洗い出し次回以降のコンテンツをブラッシュアップできます。
ファンエンゲージメントの強化施策を実行する際のポイント
ファンエンゲージメントの強化施策を実行する際は、以下のポイントを押さえましょう。
- ファンが「チームに求める価値」を理解する
- SNSを積極的に活用する
- 試合会場の環境整備にも注力する
ファンが「チームに求める価値」を理解する
スポーツチームのファンは、「試合で勝つ」を求めることが一般的です。そのため、前提として試合で勝てるよう努力し続けましょう。
しかし、勝ち負け以外にも、以下のようにさまざまな価値をチームへ求めていることがあります。
- 選手とコミュニケーションを取れることが嬉しい
- 地域密着型で地元を応援している部分に魅力を感じる
- 選手の成長過程を積極的に発信しているところがありがたい
こうしたチームに求める価値を理解し、適切にファンを巻き込める施策を実行することで、効果的にファンエンゲージメントを高められます。
例えば「地元愛がある部分」に魅力を感じるファンが多いのであれば、地元企業とのコラボや地域施設への訪問といった施策を中心に実行すると、満足度が高まりファンエンゲージメント向上につながるでしょう。
SNSを積極的に活用する
現在では、年代を問わず多くの人がSNSを利用しています。そのため、ファンエンゲージメントを高める施策を実行する際も、SNSを活用しましょう。SNSを活用することで、試合会場以外でもファンと接点を持てるようになり、より効率的にエンゲージメントを強化できます。
SNSの活用方法としては、例えば以下が挙げられます。
- 指定のハッシュタグを付けて投稿した応援メッセージを会場のスクリーンに表示する
- ライブ配信のコメント欄でファンと交流する
- 試合後の選手の様子をライブ配信する
- 選手のプライベートがわかる写真を定期的に発信する
試合会場の環境整備にも注力する
ファンエンゲージメントを高めるには、試合会場自体の環境整備も重要です。具体的には、以下のような施策を行ってファンがもっと快適に試合を観戦できる環境を整えましょう。
- 座席から食事を注文できるシステムを導入する
- 入場ゲートでQRコードを読み取れるようにしてチケット確認の手間を減らす
- 座席を改修して座り心地を向上させる
こうした施策を通じてファンが快適に過ごせるようになれば、より現地で観戦するモチベーションをアップできます。
※QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です
ファンエンゲージメントの強化施策を設計するには「顧客情報の活用」が不可欠!
上記で解説したように、ファンエンゲージメントを高めてファンの愛情を深めることで、「観戦者数の増加」「グッズ売上アップ」といったさまざまなメリットをもたらしてくれます。チームの応援人数が増えれば選手のモチベーションアップにもつながるため、ファンエンゲージメントの強化はチームにとって重要な施策といえるでしょう。
こうしたファンエンゲージメントの向上を実現するには、「顧客情報の活用」が不可欠です。顧客情報の活用とは、具体的に以下を指します。
- ファンの情報の分析:チームに蓄積されているファンの情報をチェックして、アプローチすべきファン層や求められているニーズを洗い出す
- 施策の設計:判明したニーズや要望などをもとにファンへのアプローチ施策を設計する
- 施策の実行:施策を行って成果を管理する
- 効果測定:管理した成果を測定し、次回以降に向けた改善点を洗い出す
上記のサイクルを繰り返し、ファンのニーズにマッチした施策を提供し続けることで、チームへのファンエンゲージメントは上がり、長期的に安定した運営を実現できるでしょう。
顧客情報の活用を自社のみで行うのはハードルが高い
ファンエンゲージメントの強化施策を設計するには、チームが持つファンの情報を活用し、「ファンの情報の分析〜施策の設計〜施策の実行〜効果測定」に取り組むことが必須です。
とはいえ、こうした顧客情報の活用を自社で行うのは、簡単ではありません。おそらく「顧客情報を管理する」ということ自体は、多くのチームで取り組んでいるでしょう。しかし、マーケティング施策を内製した経験を持つチームでない限り、以下のような点を適切に考えることは難しいかもしれません。
- そもそもどの情報を活用すべきなのか?
- どんな方法でデータを分析すればよいのか?
- ファンのニーズを読み取るには何をチェックすればよいのか?
- 施策を実行したらどのように効果測定すればよいのか?
せっかくチーム内にファンの情報が豊富に管理されていても、活用方法がわからなければ宝の持ち腐れです。
さらにチームには日頃の通常業務があるため、マーケティング施策の設計や効果測定といった作業の優先順位を上げるのは、どうしても難しいかもしれません。
顧客データを成果に導いた7社の施策
顧客データをフル活用し、大きな成果をあげた7社の運用事例集!多種多様な業界・用途での成果は、具体的に何を使ってどのようなプロセスで実現されたのかをご紹介!
効率的な顧客情報の活用を実現するなら「CRMシステム」の導入を検討しよう
このようにマーケティングの専門知識を持たないスポーツチームが、自社のみで顧客情報の分析や施策の設計などを実行するというのは、あまり現実的ではありません。とくにチーム運営に関わる通常業務もある中で、施策運用にリソースを投下し知見を溜めるというのは、なかなか難しいでしょう。
こうした状況を解消し、効率的な顧客情報の活用を実現したいなら、ぜひ「CRMシステムの導入」をご検討ください。
そもそも「CRM」とは、企業が顧客の要望にマッチするアプローチを行って信頼を獲得し、長期的な関係性を作り上げる考え方のことです。そして「CRMシステム」とは、このCRMの考え方をビジネスの現場に落とし込むためのツールを指します。
CRMシステムには、顧客情報を一元管理できる機能が標準搭載されています。今回のようにスポーツチームであれば、以下のようにファンの情報を管理できるでしょう。
- ファンの基本情報(氏名や住所、性別、年齢など)
- グッズの購入履歴
- 試合会場への来場回数
- イベントへの参加履歴
- ファンクラブへの加入歴
etc
CRMシステムでは、上記のようなファンの情報を管理・分析することで、「どんな価値をチームに求めているのか?」「どのようなファンが熱心に応援してくれるのか?」などを洗い出すことができます。
上記のような情報を把握しておけば、「ファンは地域密着型の姿勢に魅力を感じているので地元企業とのコラボ施策を検討しよう」というように、ニーズに合わせて適切な施策を設計可能です。施策の実行に必要なメール配信機能や公式LINE機能などを搭載しているツールも多いため、設計だけでなく実行までワンストップで実現できるでしょう。
また、CRMシステムを導入すると、システム提供会社によるサポートを受けられることがほとんどです。そのため「分析すべき項目」「実行したほうがよい施策」などに関するアドバイスを受けながら、スムーズに活用できるでしょう。
CRMシステムのメリットや選び方などは、以下の記事で詳しく解説しています。
ファンエンゲージメントを強化するなら「Synergy!」がオススメ!成功事例も紹介
ファンエンゲージメントの強化に向けた施策を効率的に実行したいなら、ぜひ「Synergy!」の導入をご検討ください。「Synergy!」は、柔軟なカスタマイズでファンに関する幅広い情報を管理できるツールです。ファンエンゲージメント向上施策の設計に必要な情報に合わせて、管理項目を柔軟にカスタマイズできます。
また、施策の実行に必要なメール配信やLINE配信、ポップアップ、アンケート作成といった機能も充実しているため、自社の方針に合わせて適切に使い分けられるでしょう。
さらに、チームのご要望に応じて「メール文面の作成方法」「ペルソナの設計方法」といった専門知識のレクチャーも可能です。ニーズに合わせたサポートが受けられるため、「CRMシステムを使うことが初めて」「ファンエンゲージメント向上施策のイメージがなかなか湧かない」という場合でも、安心してご利用いただけるでしょう。
実際に「Synergy!」を活用した事例として、公益社団法人日本プロサッカーリーグ様を紹介いたします。
公益社団法人日本プロサッカーリーグ様は、日本サッカーのプロリーグであるJリーグを運営する組織です。「日本サッカーの水準向上」「豊かなスポーツ文化の振興」「国際社会における交流や親善への貢献」という3つの理念を掲げて活動しています。
同団体では従来まで、ファンに関する情報を所属クラブごとに独自ツールを用いて管理してもらう形を採用していました。しかし、より有効なファンエンゲージメントの向上施策を設計できるよう、ファンの情報を一元管理する形で整備を開始。
大きく以下2つのプラットフォームを構築して、データの一元管理に乗り出します。
①全60クラブの顧客データを集約した「Jリーグデジタル共通基盤」
②ひとつのIDでJリーグの各種サービスをまとめて活用できる「JリーグID」
上記のプラットフォームを構築した後は、各クラブが上手くツールを活用できるよう、ツールを扱える人材を育成するための講座を開催。その結果、クラブ側から「もっと細かい集客施策に取り組みたい」という要望が寄せられるようになり、「Synergy!」だけでなくMAやDMPを組み合わせながら運用できる体制が整備されていきます。
具体的には以下のような施策が実施されました。
- (全クラブ合計で)月に2,000回のメール配信を行い、延べ6,500万通を配信した(※2024年9月実績)
- 春休み期間やゴールデンウイーク、夏休み期間などに大規模プロモーション施策(テレビCMや大規模招待、デジタル広告)を実施した
このとき、大規模招待の応募フォームとして「Synergy!」をご活用いただきます。応募フォームのカスタマイズ機能をいかし、JリーグIDでログインしないと大規模招待に応募できない仕様を実装することで、延べ約250万件の応募者数を獲得しました。
また、同団体が主導するだけでなく、所属するクラブごとでも独自の施策を実行。各クラブの「地域密着型」という特徴を踏まえ、さまざまな施策を立案・実行・検証していきます。こうした施策を実行するにあたり、弊社からは「メールのライティング方法」「効果的なメール配信のコツ」などの専門知識をレクチャーさせていただきました。
さらに同団体では、各クラブがファンエンゲージメント強化施策を設計できるよう「クラブサポート本部」も運営しています。クラブサポート本部とは、クラブにリーグ側の担当者が窓口として就く仕組みのことです。「ファンエンゲージメント強化施策をサポートする」「他のクラブの成功事例を共有する」というアクションを行うことで、各クラブへスピーディーに情報を提供し、実行までの速度も早められました。また、クラブサポートの本部側でも、ファンエンゲージメント強化施策の実行回数やキャンペーンフォームの利用回数、メールの配信回数などを確認できるため、数値面の結果と合わせて効率的にPDCAを回せるようになっています。
今後も「Synergy!」のシステムやサポートを活用し、「スタジアムに来てもらうきっかけ作りを活性化させていきたい」とのことでした。
公益社団法人日本プロサッカーリーグ様の事例詳細については、以下の記事をご確認ください。
CRMシステムを活用して効果的にファンエンゲージメントを向上させよう!
ファンエンゲージメントとは、チームとファンの間で作り上げられた「強いつながり」を表すものです。ファンエンゲージメントが高まり「もっと応援したい」とファンが感じるようになることで、「チームの収益安定」「新規集客」といった部分でメリットをもたらします。
ファンエンゲージメントが高まり応援人数が増えれば、選手のモチベーションアップにもつながるため、チームにとって重要な要素であるといえるでしょう。
具体的なファンエンゲージメントの強化施策としては、「選手やチームをイメージしたオリジナルグッズの販売」「熱心なファン限定コンテンツの実施」などが挙げられます。カスタマージャーニーマップを作成し、ファンの行動や心理変化を把握することで、より効果的な施策を設計できるでしょう。
実際に施策の設計や実行まで行う場合は、顧客情報の活用が不可欠です。ファンの基本情報や来場回数、イベントへの参加履歴などを分析し、チームに求めている価値を洗い出すことで、最適な施策を考えられます。
効率よくファンの情報を活用して施策を設計するのであれば、ぜひ「CRMシステムの導入」を検討しましょう。CRMシステムを活用し、一元管理したファンの情報を分析して「チームに求める価値」「熱心なファンの特徴」などを洗い出すことで、ファンエンゲージメントの強化施策を設計する際に役立てられます。
「Synergy!」のように、スポーツチームでの導入実績が豊富なCRMシステムを利用することもオススメです。メール配信や公式LINEとの連携、ニーズに合わせたコンテンツの出し分け機能などを豊富に搭載しているため、必要な施策を柔軟に設計できるでしょう。
「Synergy!」の具体的な製品機能については、ぜひ以下のフォームから資料をダウンロードしてご確認ください。

CRMシステム「Synergy!」の特長が機能別でわかる資料です!
関連情報
※記載されている内容は掲載当時のものであり、一部現状とは内容が異なる場合があります。ご了承ください。