ASP型メール配信システムとは?特長や用途に応じた選び方を解説
<この記事でわかること>
- ASP型メール配信システムは、アプリケーションをインターネット経由で提供する形態で、導入の手軽さとコスト面の利便性から多くの企業で採用されています。
- オンプレミス型と異なり、サーバ構築やシステム保守が不要で、専門知識がなくてもすぐにメール配信を開始できるのが特長です。
- 一方で、自社専用のカスタマイズや厳格なセキュリティ要件が必要な場合は対応が難しく、ベンダー依存やデータ管理の制限に注意が必要です。
- 「Synergy!」なら、複数IPやSPF/DKIM対応など高い到達率を実現しつつ、HTMLメールやセグメント配信、MA機能までワンストップで活用可能です。
大量のメールを安全に一斉配信できるメール配信システムには、インターネットを通じて利用するASP型と自社でサーバを設置しシステムを利用するオンプレミス型があります。なかでも、低コストかつ手軽に導入できるASP型が注目を集めています。
本記事では、ASP型メール配信システムの概要、メリット・デメリット、利用する際の注意点に加え、機能別・目的別の選び方を解説します。
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<目次>
メール配信システムの基本知識
ASP型メール配信システムへの理解を深める前提として、まずはメール配信システムについて解説します。
メール配信システムとは
メール配信システムとは、大量のメールを一斉・確実に配信できるツールのことです。一般的なメーラー(メールソフト)では困難な大量送信を効率化し、迷惑メール対策や誤送信防止の機能も備えているのが特長です。
さらに、ステップメール、ABテスト、HTMLメール作成、効果測定(開封率・到達率)機能など、メールマーケティングによる効果を高める機能が多数搭載されています。
メール配信システムの主な機能
メール配信システムには、効率的な配信を実現する機能が多数搭載されており、主に以下の4つに分類されます。
機能カテゴリ | 主な内容(代表機能の概要) |
---|---|
配信先管理機能 | 顧客情報のリスト管理、セグメント配信、オプトアウト対応、エラーアドレスの自動除外など |
メール配信機能 | 配信予約、ステップメール、シナリオメールなどの自動化機能 |
メール作成・パーソナライズ機能 | 差し込み(名前・会社名など)、HTMLメール作成、ABテスト機能などのパーソナライズ機能 |
効果測定・分析機能 | 開封率・クリック率の可視化、エラー原因の分析、レポート出力など |
これらの機能を活用することで、メールマーケティングの効果を最大化できます。
メール配信システムの料金相場
メール配信システムの料金相場は、規模によって異なります。一般的に利用されているのが、月額数万円〜数十万円の、中〜大規模向けのプランです。配信数が多い企業や、効果測定、CRMと連携させたステップメール、セグメント配信といった高度なマーケティング機能を重視する企業に最適です。
一方、月額1,000円〜10,000円程度の低価格で利用できるプランもあります。小規模な配信やテンプレート送信などの基本機能を利用する際に適しており、スタートアップや個人事業主も導入しやすいのが特長です。
システムによっては、初期費用や機能拡張のためのAPI連携費用、サポート料金などが追加で発生するケースがあるため、事前に必要な機能とその利用に伴う費用を洗い出したうえでトータルコストを比較することが重要です。
ASP型メール配信システムとは
メール配信システムは、前述のとおり、ASP型とオンプレミス型に分かれます。ここからは、はじめてメール配信に取り組む企業でも扱いやすいASP型メール配信システムについて解説します。
ASP型メール配信システムの特長
ASP型メール配信システムとは、専門の事業者が提供するシステムを、インターネット経由で利用するサービスのことです。近年よく使われる「クラウド型」とほぼ同じ意味で、自社でサーバを準備したり、難しいシステム設定をしたりする必要が一切ないのが大きな特長です。
最大のメリットは、手軽さとスピード感にあります。インターネットにつながるパソコンさえあれば、契約後すぐにメール配信を始められるため、専門知識に不安がある方や、とにかく早く運用を開始したい場合に最適です。
また、自社でシステムを開発・構築する「オンプレミス型」に比べて、初期費用や月々の維持費を大幅に抑えることができます。場所を選ばずどこからでも操作できるため、複数の拠点で管理したり、リモートワークに対応したりするうえでも非常に実用的な選択肢と言えるでしょう。
ASP型とオンプレミス型の違い
ASP型のメール配信システムは、サービス提供者のサーバをインターネットを通じて使用するため、導入・運用が容易で、時間や手間がかかりません。
一方、オンプレミス型は、自社でサーバやシステムを構築し、管理しなければならないため導入費用が高くなりがちです。ただし、カスタマイズ性が高く、高度なセキュリティ基準を設定することも可能です。
導入の手軽さやコストを重視するならASP型、カスタマイズ性やセキュリティを最優先するならオンプレミス型、というように自社の優先順位に合わせて選ぶことが重要です。
ASP型とクラウドやSaaSとの違い
ASP型に混同されやすいのが、クラウド型やSaaSです。ASP型とSaaSは提供形態としては非常に似ており、実質的に同義で使われることも多くなっています。しかし、厳密にはSaaSは提供されるソフトウェアそのものを指すのに対し、ASPはそのサービスや提供事業者を指す場合があります。
また、IaaS・PaaS・SaaSに代表されるクラウドとは、ソフト・ハードを問わず包括的にインターネット経由で提供されるITリソースを指すのが一般的です。ASP型はクラウド上で提供されるサービスの一形態ではあるものの、「クラウド」はより広い概念で、インフラやプラットフォーム全体を含みます。
ASP型メール配信システムのメリット
ASP型メール配信システムは、短期間かつ低コストで始めたい方に適しています。導入により期待できるメリットは、以下の3つです。
短期間で導入・運用開始ができる
ASP型のメール配信システムは、サービスの提供元がサーバやシステムを構築する形態であるため、自社での専門的なシステム構築は不要で、最短当日から運用を開始できます。具体的には、ID発行と簡単な初期設定のみで導入可能です。
オンプレミス型のようなシステム開発や複雑なカスタマイズは必要ないため、リードタイムを大幅に短縮できるのがメリットです。
低コストで始めて柔軟にスケールできる
ASP型の導入にはサーバ購入やシステム開発費が不要なため、初期投資を押さえられるのもメリットです。多くのサービスが月額課金制で運用でき、企業規模や配信量に応じたプランを選択できます。
成長に応じた機能追加や契約変更も容易に行えるため、柔軟にスケールでき、無駄なコストが発生しにくいのも利点です。
専門知識不要で使いやすくサポートも充実している
ASP型の多くは、直感的な操作画面が提供されており、IT知識がなくても利用できます。詳細なトレーニングや専門知識が記載された分厚いマニュアルを読み込まなくても、ドラッグ&ドロップで直感的に操作でき、すぐにメール配信業務を開始できるシステムが多い傾向にあります。
技術的な不明点が出た場合は、ベンダーがサポート対応するため、安心して運用可能です。
ASP型メール配信システムのデメリット
ASP型メール配信システムにはデメリットも存在します。導入前に特に理解しておきたいのが、以下の3点です。
カスタマイズ性に限界がある
ASP型は汎用性を重視して設計されているためカスタマイズ性に限界があります。業種特有の細かな要件に対応しづらく、自社独自のレポート形式や特殊なデータ項目の追加など、柔軟な機能拡張が難しいことに注意が必要です。
自社の業務に対して、完全にはフィットしない可能性があるため、導入前の機能確認が必須です。
サービス提供者に依存するリスクがある
サービス提供者側で障害が発生すると、利用者はシステムを使えなくなりメール配信ができなくなります。サービスの終了や提供者の事業撤退などが起こると、別のシステムへの移行が必要になる可能性も生じます。
ASP型ではセキュリティやデータ保護はサービスの提供側に委ねなければならないため、導入前にポリシーを確認しておくことが重要です。
セキュリティ・データ管理の懸念がある
ASP型では顧客情報などのデータは外部サーバに保存される仕組みが採られているため、企業によっては内部統制上の課題が生じる可能性があります。
外部からの不正アクセスや情報漏えいのリスクをゼロにはできないため、サービスのセキュリティ対策状況を精査する必要があるでしょう。特に、海外のサーバにデータが保存されるシステムを利用する際は、国際的なデータ規制への配慮も必要です。
メール配信システムを利用する際の注意点
メール配信システムを利用して適法にメール配信を行うには、注意点を確認しておくことが大切です。ここでは、特に重要なオプトインの取得、オプトアウトの表示義務、送信者情報の記載について解説します。
オプトイン(事前同意)の取得が必須
オプトインとは、受信者からの事前の同意の意味であり、広告・宣伝メールを送る際は、受信者から事前に同意を得る必要があります。
オプトインの取得は「特定電子メール法」で義務付けられており、同意なく送信すると行政指導や罰金といった法的措置の対象になります。万が一、法令に違反した事実が報道などで明るみに出れば、企業の信頼失墜にもつながりかねないため、オプトインは必ず取得しましょう。
オプトアウト(配信停止)の明記が義務
メール配信の際は、受信者がいつでも配信停止できるように、本文に解除用のURLや手続き方法を明記しなければなりません。オプトアウトを怠ると、受信者から「迷惑メール」とみなされるリスクが高まります。
ユーザーからの苦情やブラックリスト登録は到達率を下げる要因となり、配信効率の悪化を引き起こしかねません。
送信者情報の記載が必須
特定電子メール法では、送信者である企業名・担当者名・連絡先などの情報の明示が定められています。不明瞭な送信元は詐欺メールやスパムメールと誤解されやすく、開封率の低下や信頼性の損失につながることにも注意が必要です。
【機能別】ASP型メール配信システムの選び方
ASPメール配信システムには、さまざまな種類があります。ここでは、機能を基準として自社に最適なシステムを選ぶ方法を解説します。
対応端末とマルチデバイス対応で選ぶ
管理画面がPCだけでなくスマートフォンやタブレットでも利用できるか(マルチデバイス対応)を確認しましょう。また、配信するメールがスマートフォンで最適に表示される(レスポンシブ対応)かも重要なポイントです。
特に、スマートフォンでの利用頻度が高い場合は、スマホ最適化されたUIやアプリケーションがあるかが重要です。無料トライアルがあるシステムの導入を検討しているのであれば、端末変更時に文字化けや表示崩れが起こらないかを事前に確認すると安心です。
配信上限数と到達率で選ぶ
メール配信システムは、メールの大量配信に特化したシステムです。想定される月間のメール配信上限を事前に把握し、自社の配信予定に十分に対応できるプランを選びましょう。
特に、メールが受信者に届いたことを示す到達率は、システム選択の判断基準となります。公式サイトなどで到達率を公開している場合は必ず確認し、高い実績を持つサービスを優先させましょう。さらに、企業の実績から信頼性を見極めることも大切です。
必要な機能とサポート体制で選ぶ
検討しているシステムに、HTMLメール対応、自動配信、効果測定など、自社が必要とする機能が揃っているかを確認することも重要です。電話やメール、チャットなどのサポート体制や受付時間も判断材料の一つです。
トラブルが発生したときの対応スピードや、マニュアル・FAQの充実度もシステムの比較検討に役立てるとよいでしょう。
【目的別】ASP型メール配信システムの選び方
ここからは、目的別の、ASP型メール配信システムの選び方を解説します。
高い到達率を実現したい場合
メール配信を通じて高い到達率を期待する場合、導入するメール配信システムにIPアドレスを分散して送信する機能があるかを確認しましょう。また、一斉配信の際に、1回あたりの送信数を自動調整できる機能があるとエラー率を下げられます。
さらに、エラーメールの自動解析機能が搭載されていれば原因を特定でき、次回以降の配信精度を高められます。迷惑メール判定を避けるためのフィルタ対策機能の有無も確認しておくとよいでしょう。
弊社のSynergy!は配信IPを複数保有しており、迷惑メール回避設定(SPF/DKIM/DMARC)にも対応済みのため、高い到達率を維持したい企業に最適です。
反応率・コンバージョン率を上げたい場合
ユーザーの反応率やコンバージョン率を上げたい場合は、以下のポイントを確認してください。
- HTMLメール作成機能があり、視覚的に訴求できるデザインが簡単に作成できる
- セグメント配信(属性・行動別の振り分け)を行える
- 開封率、クリック率、コンバージョンなどを細かく分析できるレポート機能を搭載している
- ABテストやパーソナライズ配信ができる
これらの機能が搭載されていると、ユーザーのニーズに応えられる有益なコンテンツを配信しやすくなり、効果的なメールマーケティングを実施できます。
Synergy!は、ABテスト・HTMLメール作成・セグメント配信など、ユーザーの興味を喚起し反応率を高める機能が一通り揃っており、キャンペーン施策の最適化にも貢献します。
リード獲得やマーケティング自動化を目的とする場合
リード獲得やマーケティングの自動化を目的とする場合は、ユーザーとの関係強化に役立つステップメールやシナリオメール機能が搭載されているシステムを選ぶことが大切です。メール本文に設置されたURLのクリックやWebサイトの閲覧など、ユーザーの行動に応じた配信の自動化が可能かを確認しましょう。
Webサイト連携やフォーム連動、トリガーメール機能など、MA(マーケティングオートメーション)に近い機能があると便利に使えます。リードナーチャリング支援の実績があるベンダーを選ぶのもおすすめです。
Synergy!はMA(マーケティングオートメーション)としての機能も備えており、フォーム連携やシナリオ配信にも対応しています。BtoB企業のリード獲得実績も多数あるため、マーケティングの自動化やリード獲得による売り上げの増加を期待する企業にも向いています。
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安全性やサポート体制を重視するメール配信システムを選ぶなら、弊社CRMシステム「Synergy!」をぜひご検討ください。
まとめ
ASP型メール配信システムは、インターネット経由で利用できるメール配信サービスです。オンプレミス型とは異なり、自社でサーバやシステムを構築する必要はないため、迅速かつ低コストでメールを配信したい企業に最適です。また、専門知識は不要でサポートも充実しているため、はじめてメール配信に取り組む方も安心して利用できます。
ASP型メール配信システムの検討時は、操作性や到達率の高さ、サポート体制の他に、リードの獲得やマーケティング自動化に役立つものを選ぶのがおすすめです。
Synergy!は、安定した配信を維持できるよう配信IPを複数保有し、迷惑メール回避設定も実施済みです。また、ABテストやセグメント配信など、ユーザーにとってより有益なコンテンツを配信するための機能も搭載しています。さらにCRMに蓄積されたデータを基にした柔軟なターゲティングやメール作成が可能です。
メール配信の到達率の向上や配信業務の自動化など、具体的な製品機能については、ぜひ以下のフォームから資料をダウンロードしてご確認ください。

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