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メールのビジネス貢献度はこんなに大きかった!? メールパーミッションの有効性

メルマガ担当の方に質問です。
「メールパーミッション」という単語を聞いたことはありますか?

広告や宣伝を目的とするメールを送られる際は、必ず「メルマガを受信する」にチェックを入れていただくなど、ユーザー側で受信の許諾を得る必要があると「特定電子メール法」で定められています。このメール受信の許諾をユーザーから得ている状態が「メールパーミッションオン」と呼ばれています。

CRMを実践する上でメールでのコミュニケーションは必要不可欠ですが、せっかく自社の会員になってもらってもメールパーミッションがオンになっていないと、会員へメールを送れません。

例えばECサイトの場合、初回購入時に同時入会を促すことが多いと思いますが、「どういうメールがどれくらいの頻度で届くのかわからない」「売り込みメールがたくさん来そうで嫌だ」などの理由で、受信を許可しない人も一定割合いるのではないかと思います。

新規会員をたくさん獲得できても、獲得したメールアドレスを活用できなければもったいないですよね。メールでアプローチできる母数を増やすことが、メールビジネスを成功させる第一歩となります。

しかし、メールパーミッションオン獲得のための施策を考えると必ず出る話題あります。
「そもそもメルマガってビジネスにどれだけ貢献できているの??」
「メールパーミッションをとるためにコストや時間を割く価値はあるの?」

今回はメルマガがビジネスにもたらす価値と、効率よくメールパーミッションを獲得する方法についてご紹介したいと思います。

メルマガはビジネスに貢献できているのか

自社で会員を集めてメルマガを送るという施策は多くの会社が行っていると思いますが、実際そのメルマガがどれだけ利益貢献できているかを把握している担当者は少ないのではないでしょうか。

GoogleAnalyticsなどのアクセス解析ツールのパラメーターを振って、メルマガからの直接CVを計測することで貢献度を図る方法はありますが、これでは「メルマガを見た人の間接効果」も含めて見ることはできませんでした。

そこで、累計購入回数を人数で割ることにより「会員1人あたりの平均購入回数」を算出し、メルマガ配信可の会員・不可の会員でどれくらい違うのか弊社クライアントの購買データから算出してみました。

例1.某家庭用品メーカー

246_suzuki_01_2

出典:弊社クライアントの購買データ

例2.某チケット販売会社

246_suzuki_01_4

出典:弊社クライアントの購買データ

いずれも、メルマガを受信しているの人が不可の人より購入回数が増えることがわかります。

例えば、例1の1回あたりの平均購入額が5,000円と仮定してシミュレーションすると、

メルマガ配信可 :5,000円×10.87回=54,350円
メルマガ配信不可:5,000円×5.52回=27,600円
 → 1人あたりの年間購入差額が、26,750

仮に、メルマガ配信不可の人数が10,000人だとすると、

26,750円×10,000人=267,500,000

となり、パーミッションがとれないだけでこれだけの損失をもたらしている可能性があります。もちろん、あくまで想定の金額ですが、損失インパクトは思った以上に大きいと思いませんか?
ちなみに、例2は差が0.03回と誤差の範囲に見えますが、母数が多いため金額にすると大きなインパクトがあります。

このことから、メルマガ配信の効果はビジネスに貢献できていると考えられます。

なぜメールパーミッションオフの人は許諾しなかったのか

パーミッションオンの人を増やすにあたって、まずは「なぜ許諾しなかったのか」を検討したいと思います。

メールパーミッションオフの理由は大きく2つに分類されます。

  • 過去に受信していて、メルマガに価値を感じなかった人=意図的に解除した人
  • 初回購入やサービス利用開始時に同時入会が決められており、どのようなメールが来るかわからないためとりあえず不要とした人=意図した解除ではない人

意図的に解除されてしまっては致し方ないとしても(メルマガのコンテンツを見直したりといった改善はできますね)、後者は誰しも経験があるのではないでしょうか。

では、「とりあえず許諾しない」層はどのような理由で許諾しないのでしょうか。

まず考えられるのは、「メルマガが自身にどのような価値を提供してくれるのかわからない」という理由です。よくあるのが、「メルマガに登録いただくとお得な情報をお届けします」といった、何がお得なのか全くイメージがわかないコピーでメルマガ会員へ誘導してしまうというケースです。

次に、「むやみやたらに受信通数を増やしたくない」という理由も考えられます。毎日大量に届くメールの通数がさらに増えてしまうことを危惧して「とりあえず許諾しない」を選択している可能性があります。

しかし、パーミッションオフの人も自社の顧客もしくは会員である以上、新規顧客に向けてWeb広告を打つより購入率が高いことは間違いありません。うまくパーミッションをオンに誘導できれば、自社の利益拡大に貢献できると考えられます。

どうやってメールパーミッションオンにする?

ユーザーをメールパーミッションオンに導くには、メールを受信することによってどのような「価値」が届くのかを適切にユーザーへ伝えることで誘導率を上げることができます。

メールのパターン別に考えてみましょう。

  • 物販・セールス重視型
    既購入者に対品を直接案内し購買につなげるメルマガです。Amazonや楽天などのメールが代表例です。
    対象者は既購入者や問い合わせユーザーなどが多く自社内に膨大なデータが蓄積されており、そのデータを活用したパーソナライズされたメールが有効です。
    そのため、ただ無作為にセールスメールが送られてくるのではなく、ユーザーが「欲しい時」に「欲しい情報」を届ける旨を伝える事が必要です。クーポンなどのお得情報もメリットになりますね。
  • 教育・啓蒙型
    潜在層に対して、商品や企業への興味醸成を行うメルマガです。
    ノウハウの提供やセミナーの案内など、ユーザーが情報価値を感じて受信する場合が多いので、セールス色のないメールであることを伝えるために、サンプルメールなどを提示することが有効です。

当社の事例

以前は、資料請求や問い合わせ、名刺交換した方など、個人情報の利用について許諾いただいた方に対して複数のメールを配信していました。しかし、メルマガからの具体的な効果は正直見えていませんでした。

そこで2年前にメルマガの運用を見直し、能動的にメルマガを受信してくれる人を増やす方向に切り替えました。

  • メルマガの目的は、イベントやセミナーの案内といった「教育・啓蒙型」
    → セールス情報は送らない
  • どのような情報が届くかを登録前に明確に伝え、許諾を得る
    → 資料請求やセミナー申込みなどのフォーム入力時にサンプルを見せる

246_suzuki_01_2

  • 登録の敷居を下げる
    → ブログやセミナー情報ページなどから、「メ―ルアドレスのみですぐに登録」できる導線に変更

246_suzuki_01_3その結果、新規登録数が月100件!と順調に増えています。きちんと許諾を得ることで登録数は減ってしまうかもしれない…という懸念はありましたが、「欲しい人に欲しい情報を届ける」ことの大切さを実感しています。

また、母数が増えると反応率は落ちることが多いのですが、以下のようにメールの反応率も大きく向上しています。

【受信許諾取得前のメルマガ】
開封率 16.7% / クリック率 1.9%

【受信許諾取得後のメルマガ】
開封率 24.5% / クリック率 3.3%

出典:2013年~2016年の弊社メルマガ配信実績

開封・クリックともに、受信許諾を取ったメルマガの方が高い数字となりました。ちなみに配信停止率も非常に低く、メルマガを受け取ることに対して抵抗がない層に送ることで確実に効果が出ています。

メールパーミッションオンを増やしてビジネスチャンスの拡大を

ユーザーにメール受信を許可してもらうチャンスは、基本的には初回登録時しかありません。優良顧客予備軍も定期的なコミュニケーションがないと次第に離脱に向かいやすくなるので、まずはメールパーミッションオンにしてもらうことがCRMを成功させる第一歩となります。

ユーザーと定期的にコミュニケーションが取れる土台を作り、そこからクリックや開封、購買情報など付加された情報に基づいて適切なメールコミュニケーションを取ることで、メールビジネスを拡大しましょう。

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※記載されている内容は掲載当時のものであり、一部現状とは内容が異なる場合があります。ご了承ください。

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